甘さとスッぱさと ... イベリス 1
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<< イベリス 2 main Let's be happy together 12話 >>
イベリス 1
2017-06-16-Fri
新連載?
思いつきで考えたお話です。
短編で終わらせたいと思ってますが、見切り発車です。
よければお付き合い下さい。






それはエレベーターが閉まる直前だった。

前を向いていたが、閉じられようとしたドアが止められた衝撃でつくしは振り返る。

目の前にいたのは大柄の男だった。

先ほどのパーティでの存在感を思い出す。


しばらく固まってしまったつくしだったが、ハッとしてエレベーターの奥へと身を寄せる。


そして男がエレベーターに乗り込み、ドアを閉めた。


だが、エレベーターは動かない。

エレベーターのパネルが男の体見えなかったのだが、つくしはこの男が故意に止めているのだろうと思った。

男に焦りを感じる様子がなかったからだ。



「お前は立浪会長の何だ?」


振り向く事なく男が発する。

つくしは少し身を強張らせた。


「知り合いなのは確かだ。だが警護されてる様子もなく自由に動きすぎる。秘書には到底思えねぇ。」


男は振り返りつくしを見た。

1メートルもない距離のせいか、つくしには上から見下ろされる威圧感がより強く感じた。

いや距離だけではないのかもしれない。

その男の整いすぎる顔の表情はすべての物事を見透かすような冷たさがある。

手が冷たい人は心が暖かいと聞いた事を思い出したつくしは、ならばこの人の手は燃えるように熱いのかもしれないと思った。


「愛人か?」


男の発せられた声につくしがハッとなる。

決して大げさではないつくしの変化に男は投げた視線をさらに狭くした。

つくしはただ男を見返した。冷静になるようにゆっくり深呼吸を繰り返す。


「当たらずとも遠からずってとこか?色々複雑なようだな。」


男の反応につくしは、意を決する。


「お爺さんだと本当に話し相手だけなの。・・・貴方だったらそんな事はないんでしょうね。」


つくしは男を見上げる目に力を入れた。睨まないようにと自分に言い聞かせながら。


男はつくしのそんな様子を見て、一瞬呆気に取られたのもつかの間、


「くくく、、ハッハッハ!・・・そうか、お前は俺に差し向けた手土産だって事か。」


顔を歪ませながら笑っていても男は美しかった。

そして笑われているつくしにはその理由が理解できた。

それは先ほどのパーティでの男の様子を見れば一目瞭然だったからだ。



男はすぐに震わした肩を静止した。

つくしはそれが怖かった。


「何階だ?」

「・・12階。」

「クッ、スイートじゃねぇってか。中途半端だな。」


男のジャケットの裾が動く。

そしてエレベーターは上昇した。


動くエレベーターの中では二人に会話はなく、機械音だけが耳障りに聞こえた。


12階に到着しエレベーターは小さな音をたてる。


つくしは一歩足を踏み出した。

震えを男に気づかれてはいけない。
そう自分に叱咤させて、エレベーターを降りた。


早すぎず、遅すぎず、何気ない速さで歩くよう気をつけた。


振り返りはしなかったが、男がエレベーターを降りてこないと気づいていた。

つくしは一抹の不安を感じたが、歩速を変えずに進んだ。

死角となる角を曲がりかけた時、エレベーターの機械音が耳に届く。

振り返ろうと思ったけれど何とか顔だけで踏みとどまった。

男が降りたのか降りてないのか、つくしには分からない。でも、このまま部屋に入ろうと決めた。


ピッ

解除の電子音を聞き、この音はどこまで聞こえるのか漠然と考える。


ドアを通り抜け、閉じようとするドアのノブを直前で掴んだ。


1分。


1分だけ待ってみようと思った。

だが、一瞬聞こえた足音につくしはその手を離してしまう。


そして、

ゆっくり外からドアが開けられた。


部屋に入ってくる男の存在につくしは後退りさせられた。


バタンとドアが音を立てる。
男の手はドアに当てられていた。



「服を脱げ。女の力でも武器を使われたら傷を負うからな。」


つくしは小さく頷き、一枚ずつゆっくり服を脱ぎ、その脱いだ服を広げて見せた。


パサリ、パサリと床に着ていた服が重なっていく。

男もつくしの意図を理解していた。


やがてつくしは男の前でショーツ一枚になった。

それもゆっくり片脚ずつ抜いていき、男に見せてポトリと落とす。

そのショーツは濡れていた。


そして、ベッドに深く座り口を開いた。


「会長からはただ貴方に身を任せろと言われたわ。会長が何を考えてあたしを差し向けたかはあたしには知らない。必要のない事だから。」


そして、つくしは後ろに手をつき上体を倒した。

脚を曲げたままベッドに上げて目を閉じる。


「相手にされなかったらそのまま帰って良い。だけど、股がられたら、、」


つくしはついていた手を離し、上体をベッドに沈めた。


「揺らされてこいって、、言われたの。」


つくしは男の顔を見ないようにした。

どんな顔をされようがつくしのすべき事は変わらないから。

だから自分なんだと言い聞かせて。


きぬ擦れの音が聞こえ、身体全体に重みを感じる。

ハッとしたつくしは咄嗟に何かを掴んでいた。

掴んでから、それが男の腕である事にすぐ気づいたのだけれど、


「上げ膳か、それともやべぇ罠か。食ってみなけりゃ分からねぇなら、食ってやるよ。」


そう聞こえた後、男が進入してきた。

ズブッとした衝撃で上に突き上げられる。

つくしはしがみつくため掴んだ手に力を入れた。


揺らされるどころではない動きに、つくしはシーツに身体を擦り付けられる。

柔らかいシーツの上では身体を固定する事も困難で、男にしがみつくのがやっとだった。


ギッ、ギッ、っとスプリングの音だけに集中してやり過ごそうとつくしはまた目をつむろうとした、


その時、

フッと身体から重みが消え、勢いよく楔が抜かれた。


バタン

ガタガタッ


つくしの目にバスルームに飛び込むシャツだけの男が見えた。


「くそっ。」


中から悪態をつく声が聞こえ、つくしは起こしかけた身体を倒して寝返りをうった。

下腹部の不快さを感じながら、じっと男が出ていくのを待つつくし。


もしかしたらまた股がられるかもしれないと覚悟を持ちながら、長く長く感じる時間を待った。


男はつくしに近づいてきたけれど、着衣するためで苛立ちは隠さず、派手な音を立てて部屋を出て行った。

あの音は椅子にかけていたジャケットを取るために発せられたのだろう。

動いた椅子を見てつくしは思った。



「シャワー浴びよ。」


ベッドから降り、バスルームへと向かうつくし。

男が出て行ったドアを見ては、ドア留めを掛ける。


そしてバスルームに入り、目を真開いてしまった。


それは壁に放たれた男の欲望。

自分の中に放たなかった白濁の物が壁をしたり落ちていた。


自分が男達の駆け引きに使われた事は充分に分かっていた。

もう会う事はないだろうと思いながらも、つくしは男の事を想った。


ー負けないでほしいと。


あの男の事なんて名前しか知らない。

騒ぐ友人もいたけれど、つくしには関心がなかった。


けれど、この白濁が男のプライドのような気がして、そのままプライドを高く保って欲しいと思ってしまった。


シャワーベッドを持ち、白濁を水に流す。

関わってしまったせめてもの弔いだった。

男のプライドをこれ以上傷つけたくない。

何の感情も持たなかった男へのはじめての感情だった。




シャワーのお湯を熱くして、男の汗を洗い流すつくし。

熱いお湯にかかりながら考えた事は、やはりあの男の体温が高かったという事だった。







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Re:

コメントありがとうございます。
14:30の時点で拍手が400!!
めっちゃビビってます。

拍手ぽちの前に次読みたいならって書いたせいなのかしら?


Re:じ***さん。
色々含ませましたからね〜
エロ発進も滋の時以来でしょうか?
だからみんなが反応したのか?なんて考えちゃいました。
突っ込みどころ、回収できるようがんばります。


Re:さ****さん。
はい。書きました。もうすぐ投稿します。
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