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素肌にシャツを着て93
2016-10-13-Thu
決定事項と聞かされつくしは話し合いの意味があるのかと思った。

が、この男のことだ。最後まで聞かなければ辻褄が合わないかもと考え直す。


「とりあえず言ってみてよ。その決定事項とやらを。」

「まず、おめぇと結婚する。」


ふむふむと聞きながらそんなに簡単にいくかと心の中で突っ込んでいた。


「それから子づくりだな。子どもは最低2人は欲しい。やっぱり兄弟って必要だろ。女の子だな♪ 男はいらねぇ。俺は跡取りなんて考えてねぇ。今時世襲制なんて考え古いんだよ。会社はやる気ある奴にやらせんのが一番だかんな。」

「男だったらどうすんのよ。」

「それならそれでしゃあない。そいつもおめぇとの子だ。愛情込めて育てるさ。」

「ふぅん。でも跡取りはいいって、あんたの親は納得すんの?」

「あ?俺の親か?親父はとっくに逝っちまったし、ババアは文句言わねぇよ。ってか子どもが出来るころには俺が道明寺をほぼ引き継いでる。口出しなんかさせねぇって。」

「会社としてもそれでいいのかなぁ?納得しない人だっているんじゃない?」

「それはこれから説明していく。言い続けることで広めていくさ。そしてやる気ある奴に上がってきてもらわねーとな。俺だって死ぬまで道明寺に埋もれるつもりはねぇ。親父の二の次は踏むかよ。」

「それって、早く引退するってこと?」

「それはその時次第だがよ、後釜が早く決まればそれだけ早くサポートに回れる。俺はプライベートも充実させたいからな。」

プライベートってことはつまり夫婦生活そして家族のことだろう。仕事に追われ家族を省みれなかった両親の様になるまいとの意思が感じられる。


「だから明日にでも入籍して、まずは結婚だ。俺の立場上、結婚したら挨拶回りとかあるからな。面倒だが、披露宴をした方が手っ取り早いだろ。なに、2時間ほどの辛抱だぜ。」

「あんたから辛抱って言葉を聞くことになるとはね。」

「クッ、そりゃ前の俺からしたらそれもしゃあないな。でもビジネスでは辛抱の連続だぜ。そのうち慣れてくる。」

「なるほど。ちなみにどんな辛抱があったのよ。」

「脂ぎった親父の娘自慢とかだな。あからさまに俺に勧めるがキレる訳にゃいかねぇだろ。」

「それって離婚してから?」

「いや、する前にもあった。」

「げ。マジで?」

クックックック

「おめぇならそんな反応だよな。娘を愛人にしてくれって思ったか?ちげぇよ。離婚して娘と再婚しろってことだ。」

「げげげっ。」

「まぁ、そんな手に乗る訳ねぇし、とりあえず話は聞いてしつこかったら、圧かけたな。そんなにグイグイくるやつはいなかったぜ。」


圧ってどんな圧よと思いながらも、やっぱり嫌な世界とつくしはゲンナリしていた。


「披露宴は単なる顔見せだ。おめぇは笑っているだけでいい。あとは時間稼ぎにプロの余興でも呼ぶからよ。」

「2時間笑ってるの?顔が引き攣りそうね。」

「クックッ、まぁ、そこは何とかしてやるよ。」

「?」

「あとだな。」

「ねぇ、待って。ちょっと戻るけど、本当に大丈夫なの?」

「何がだよ。」

「結婚よ。あたしは覚悟決めたわ。でもいくらあたし達が合意していても反対されたら、、」

「ババアのことか?」

うっとつくしは怯む。そう。つくしは司の母親の事が気になっていた。最後に会ったのはもう10年以上前だ。高校生のころは溝鼠と言われ、ビンタをし、良い関係ではない。一年間は死んだ事にすると言われたが、結局そのまま何も言ってこない。そのことにもつくしは不気味に感じていた。


「ババアは反対してねぇよ。むしろホッとしてんじゃね?」

「はぁ?何でよ。」

「プライドだな。ババアはむちゃくちゃプライドが高ぇ。だからおめぇとの問題なんてもう頭にねぇよ。」

「どうゆうことぉ?」

「おめぇ考えてみろ。跡を継ぐってことはいわゆる会社の相続だ。ほんで相続にはプラスの相続とマイナスの相続があるな。」


つくしはハッとした。マイナスの相続。それはつまり道明寺ホールディングスの派閥争い。


「ババアもババアなりにアレに関してはコントロールしてきた。だが親父が倒れてから奴らは勢いを増してよ。ババアの手に負えなくなっちまった。不本意だろうが、俺に託すことになりババアのプライドはガタガタになったって訳。」

「じゃ何であんたに託すの?不満に思ってるんなら自分で何とかしようと、、」

「そこはババアの賢いところだな。ババアが強引にやったとこで上手くいく保証なんてない。むしろ悪くなる算段しかねぇよ。だから俺に託した訳だ。まぁ、俺がやるから黙っとけって言ったのが本当のとこだな。」

「あんたはそれをいつ言ったの?」

「NYにいる時だな。」

「それって、、」

「おめぇはまだ大学にいた。」


つくしは司の顔を見た。自分がまだ何も分かってない時から司がそんな苦労をしょいこんでたことに愕然とした。


そして結婚するぞと言って、簡単に出来るのかと思った自分が恥ずかしくなった。司はずっとそれに向けて準備をして来ていたのだ。


「おめぇと結婚したらホッとするってのも、それがこのゴタゴタの終決を意味するからってことだ。」

「・・・」

「それにおめぇと別れた時はわざわざ聞きにきてたぜ。良いのかってよ。そんで俺が政略結婚した時は俺の覚悟っつーか、ヤル気を理解したみたいでよ。それからは何も言ってこねぇ。やっと政略結婚の無意味さに気づいたんじゃねーの?」

「あんた達、あんまり上手くいってないの?」

「あ?俺とババアか?ま、良くもなく悪くもなくってとこだな。」


つくしはこの2人を何とかしたいと思った。今は方法なんて思いつかないけれどきっと方法はあるはず。そう信じて貫きたかった。


「だからババアの事は心配するな。それよりおめぇのことだ。」

「あたし?」


司はじっとつくしを見た。つくしはまだ楓との事を考えていた。


「おめぇ店辞めると言ったな。テーラーも辞めると。その覚悟だが、少し待ってくれねぇか?」



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