甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て96
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素肌にシャツを着て96
2016-10-15-Sat
つくしと司はとある商店街に来ていた。

その商店街のスーパーにある衣装品売り場で買い物をしている。

つくしの表情はふんふんと鼻歌混じりで楽しそうだが、司の表情は憮然としている。

この商店街に着いた時は、黒塗りの車からスーツのイケメンな大男が降りて来て、周りの注目を集めたが、取り囲まれることもなくまた周りの人達もテレビでないのかと分かると、アッサリとしたものだった。

いつもと違う反応をされるから司が憮然とした態度な訳ではない。

なぜこんなちゃちい店で自分の服を選ぶのかとつくしに対して不満だった。


「ほら、いつまでもそんな顔しないでよね。本当は古着屋に行きたかったんだから。」

「は?俺に他の奴が着たもん着れって言うのか?」

「今は古着だって悪くないわよ。ちゃんと洗濯してるし、流行って巡るのよね。掘り出し物とかあってあたしは好きなんだけどな。」

「けっ。」

「でも古着屋だと若い人ばっかであんた囲まれちゃうでしょ。でもここはお年寄りばっかだからそんなことないじゃん。」


そうここはかの有名なおばあちゃんの原宿と呼ばれる商店街だ。年寄りのインタビューでは必ずと言っていいほどチョイスされる。

「ま、見ている人はいる様だけどね。迫ってはこないじゃん。」


つくしがそう言って、司が振り返ると何人かの年配の女性が司を見ていた。幾つになっても女というのは変わらないらしい。

しかし司にギロッと睨まれそそくさと逃げて行った。


「下はジーンズで良いか。裾切らなくていいなんてムカつくな。ってかこんな商店街のスーパーでもリーバ○スなんてあるのね。上はどうしよう、、あっ。」

そう言ってつくしは駆け出した。

「コレ良いんじゃない?」

つくしが手に持っているのはスカジャンと呼ばれるものだ。

「あんたに似合いそう~ブルーとシルバーなのも良いね~」

つくしの目は輝いていて楽しそうだ。服のレベルにムカつきはあるがつくしの楽しそうな姿に司は我慢を決め込んだ。

「げっでも、7千円もする。ここスーパーでしょお?この値段でやってけるのお?」

「・・・・・」

司は金額のことは言わないでおこうと思った。それは彼がこれまでで対つくしにおける学習した成果でもある。

「んーでも、ま、いっか。今日は奮発だ。」

つくしに払わせるのも納得いかないが、これもつくしの我儘のひとつなので司には口を出せない。

そう、入籍しようとつくしに言われ今から役所へと向かうのだが、つくしがあんたの格好は目立ち過ぎる。なのであたしが用意した服を着てと言うのだ。服ならここメープルのスィートにもあるのだが、つくしはこれじゃあダメだと言うのだ。


「言っとくけど、SPは離れさせてよ。でなきゃ役所で何事かと騒ぎになっちゃう。あたしはあんたに普通の格好をさせたいの。役所の手続きなんて金持ちも庶民も関係ないでしょ。ちゃんと順番守って、役所の戸籍課で婚姻届けを2人で出したいの。」


つくしは結婚式も披露宴も司の都合でやる代わりに、婚姻届けの提出は庶民的にいきたいと言ってきたのだ。

しかも今からすぐにだ。それならあの3人にも邪魔されない。今から行くなど予想もついてないだろう。


「次はあたしの服だね。あんたがスカジャンならあたしはどうしようかな。」

そう言って今度はレディース売り場のところへ来た。

司は表示されている値段に腹が立つ。なんで自分との届け出をこんな安い服でするんだと。

「顔、極悪になってるよ。」


そう言われつくしを睨むが、つくしがムッとしたので顔を手で覆った。

つくしはそんな司の様子に我慢させて悪いなと思えてきた。でもこんな我儘はきっとこの先出来ないだろう。それに婚姻届けを提出するのも一度きり。ならば我儘を通そうとそう思った。


「よし。コレに決めた。」

つくしが選んだのはシンプルなワンピースだ。デザインは悪くない。

「ふぅん。何でコレにしたんだ。」

「可愛いじゃん。それにあんたとワンピースで一緒にいたこと無かったしね。」

「は?」

「OL時代、あんたあたしにパンツばっか履かせてたでしょ。スカート姿を見せるなって。」

「そうだったか?」

自分が言いそうなことだか、しらばっくれた。

「そうだったの。でさ、なんかこれ優等生っぽいんだよね。まるで、、」

「何だよ。」

「彼氏の親に挨拶とか行くときの格好っぽい。」

えへへとつくしは照れて笑う。

その可愛さに司はヤラレタ。やばすぎる破壊力だろ。そう思って動けなかった。


そのまま会計し、(もちろんつくしが)買った服に着替える。

着替えた姿を見て、つくしは目と頭も隠さないとと、サングラスと帽子を買い足した。

***


それからとある区役所に行った。

ここはつくしが住んでいる区にある。つまりつくしの住民票があるのだ。おまけにつくしは必要時にわざわざ取りに行くのが面倒だと戸籍もここに移していた。


「えっと、戸籍課はね、、」

「向こうだろ。」

「何で分かるの?あんた来たことあるの?」

「いや。」


そう言うが、実はつくしの着替えを待つ間に区のホームページで調べていたのだ。


戸籍課では先着のカップルが居た。しかし、隣の空いている席を促され2人席に着く。


「なんだどうかしたのか?」

「う、うん。なんかキンチョーしちゃって。」

キョロキョロと周りを見ると、別に自分達に視線は集まっていない。見ているのは少し離れたところにいるSPくらいだろう。


「こっ、婚姻届けをていしゅつ、、」

「記載済のものをお持ちですか?」

「いえ、今から書きます。」


戸籍課の担当者が席に着き、つくしはどもってしまい恥ずかしさはマックスだった。


「では、記載の注意点を言って行きますね。」

そう言って説明を受ける。

「戸籍はこちらにございますか?」

「あ、はい。って、あんたは?」

「ああ、ここじゃねぇ。」

そう言って封書を出す。

「取ってある。これで大丈夫だろ。」

そう言って担当者に手渡した。中を確認させていただきますと担当者が確認している。

「いつの間に、、」

「あ?戸籍が必要なのは知ってたからよ。いつも持っているんだよ。」

何で知っているのか、その理由が既婚経験からなのかとつくしは思ってしまった。

「どうした?」

「ん、前もそうしたの?」

「は?前?する訳ないだろ。あん時は全部秘書任せだ。俺がここにいんのはおめぇが来たいっつーから付き合ってんだよ。」

「なら、なんで知ってるの?」

「ワンチャンスと思ってたからな。」

「は?」

「おめぇならまたグタグタ考えて入籍するのも一苦労だと思ったんだよ。だからその気になった時に出しちまわねぇといつまで経っても出せなくなると思ったんだ。」

「はい、確認出来ました。大丈夫です。」


また説明があり、記載することになる。

「では記載が済みましたら、確認しますね。」

司から書いていく。躊躇なく書き進め、ほれと用紙を渡される。

つくしは書く手が震えている気がした。

これを書いたら道明寺つくしになるんだと感慨深いものがあった。なのでそれを深く考えないようにとまた横道に反れてみるが、上手く書けないとしか思えなかった。

書き終わり担当者が確認していく。

「では最後に入籍日ですが、本日で宜しいですか?」

2人は顔を見合わす。

コクンとつくしが頷き、司も微笑む。

「はい。大丈夫です。」

担当者はニッコリ微笑んだ。

「では、お預かりします。もう一度確認をしますが、これでほぼ受理されたと思って結構です。」

2人はホッとした。

すると、担当者が後ろに目をやり、ひとりやって来る。

「「ご結婚おめでとうございます。」」

そう言って小さく拍手された。

「ありがとうございます。」

つくしは司を見て微笑む。

つくしは胸がいっぱいだった。

結婚式でもない。

誓いの言葉もない。

でもこれ以上嬉しいことはなかった。

席を立ち、また次のカップルのために席は空けられる。


司はつくしの手を握った。

するとつくしは自ら司へと寄りかかっていく。


「入籍したね。」

「ああ。やっぱ、おめぇの言った方が良いな。」

「そ?」

「おお。俺もじーんと来たぜ。」



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スカジャンの下は白のTシャツ(980円くらい?)で、靴はそのまま革靴。つくしの予算のため。←とてもイライラしたでしょうね〜

婚姻届提出は私の妄想です。私は日付にこだわったので土曜になってしまい、警備員さんに渡しました。
戸籍課の担当者が小さく拍手したので周りを通った人くらいしか気づかないと思うの。そのくらいの祝福がつくしは望みと思うのよね。日常の一幕っていうか。小さいけど、とても感動したと思います。
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