甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て97
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素肌にシャツを着て97
2016-10-15-Sat
「あ~賞味期限は昨日までだったか、、」

つくしはアパートに戻り冷蔵庫の中を覗いている。買っておいたプリンがまだ大丈夫かまず知りたかった。

「一日くらいは大丈夫よね。」

そう言うと躊躇なくプリンを食べだした。

「んふ。おいし~♪」

プリンを食べながら、こう言うことはもう出来なくなるのかなと考えていた。

昨日つくしは司と入籍した。

つくしの我儘で庶民が利用するスーパーで服を調達しそれを着て区役所へ。区役所では窓口に2人並んで婚姻届を提出した。

だから今は牧野つくしではなく道明寺つくしになっている。

道明寺となったから離れて暮らすことはないと邸に引っ越すことになり、そのため残りの休みを使ってアパートの整理をしに来たのだった。(司は結婚式の準備をすると会社に行った)

邸に移ったら司と同じ部屋で生活することになる。使用人がいるので家事などは無縁の生活となるだろう。

こんな風に冷蔵庫に取っておいたデザートを食べることなんてないに決まってる。

「あ、でもさミニサーバーとかあるよね。出来るかも。サーバーより冷蔵庫を置いてもらおかな。」

あの東の角部屋を自分の好みで変えてしまっても良いだろうかと思いつつも、司なら自分の我儘を嬉々として叶えるだろうと予想する。

アパートの整理に来たのは邸に持って行く物など殆どないから、任せてしまっては処分されるだけだと思ったからだ。つくしは自分の物に愛着があった。たとえ価値は低くても、まだ使えそうなものは誰かに使って欲しかった。

「とりあえず譲れそうなのと、ダメなヤツに分けるか。衣類は古着屋に持っていくとして、テーブルと棚はリサイクルショップ、、売れるかな?引き取ってくれるだけでも良しとする?」

部屋を隅々まで見ていきながら、テーブルや棚の小さな傷、汚れに目を向けた。売却するのにはマイナスの査定になっちゃうかなぁと考える。しかしその一方でこれらを使い続けた年月を顧みる。


このテーブルで司の結婚の記事を読んだ。体育座りをして膝に顔を埋め、涙は堪えなかった。

「良い記憶じゃないなぁ。あたしの気持ちまで持って行ったら嫌だなぁ。」

言葉にパワーがあるように、物にだって形以外のものを持つことだってある。再利用は良いことだけど、この気持ちは引き継いで欲しく無かった。


「やっぱりリサイクル止めよう。この部屋で過ごした日はあたしに必要だったけど、この気持ちを他の人に与えるのは忍びないわ。」

つくしはリサイクルしないならばと、掃除を始めた。立つ鳥跡を濁さず。これまでの感謝を胸につくしは丁寧に丁寧に綺麗にしていった。


2、3時間無心で掃除をし続けた。掃除をすると心も綺麗になるのよねと、これからの結婚という旅立ちに向け新たな気持ちになってきた。


「ふぅ。お掃除はこんなもんか。んー、あ、ほこり。コレってキリがないなぁ。」

ふと見ると、ラグの角が折れて固まっていた。

「あ、ここ折れていたんだ。それなのに棚を置いてたからこうなっちゃったのね。」

長くその状態にするからこうなるんだよねと思いながら、また意識が横道に反れる。

披露宴で2時間も笑ってたらあたしの顔もこんな風に固まらないだろうか?

「マッサージとかすれば治るのかなぁ?」

そう言って自分の頬を上下にマッサージする。

「そう言えば前に顔ヨガとかって言われたな。」

顔ヨガじゃないけど、表情のトレーニングとかあるんだろうか?

「桜子なら知ってそう。入籍したよって報告も兼ねて聞いてみるか。」

しかし桜子に言うとどう反応されるだろう。あまり大きな反応もされたくない。

「あたしも31だし、司なんて再婚だしねぇ。ま、桜子は言えは聞いてくれるか。優紀もそうね。、、滋さんは、、怒るかな?」


***


プルルルル

「誰から?」

「あ、桜子だ。そう言えばかけたんだった。」

プッ

「もしもし桜子?」

「先輩すみません。お電話頂いたみたいで。どうされましたか?」

「あ、うん。あのさ、顔ヨガじゃなくて、なんか表情を鍛える?そんなトレーニングあったよね。」

「はぁ。ま、ありますね。どうしたんです?突然。」

「ちょっとね。2時間ばかり笑ってなくちゃいけなくて、少し練習すればマシかなと~と思って。」

「何ですかそれは?」

「何するのつくし?2時間笑うって、、」

「誰かいるんですか?」

「あ、優紀だよ。今優紀んちに来ているの。」

「優紀さんでしたか。珍しいですね。それで何するんです?」

ふーっと長く息をはくつくし。

実は桜子に電話するも取らなくて、ならばと優紀に電話し会いに来たのだが、まだ言ってなかったのだ。

こういうのはさっと言っちゃえば良いのよね。、、って言うか勢いないと言えないわ。

「うん。ひろーえん、、するから。」

「・・・披露宴と言いました。」

「披露宴?誰の?」

つくしは自分に指を指す。

「えっ?!つくしの?だ、誰と?、え?」

「先輩のですか?じゃ、道明寺さんとですか?」

この桜子の声は大きく、つくしはスマホを耳から離した。そしてその声は優紀にも届いたようだ。

「道明寺さんと?えっ?いつ、いつ会ったの?ってゆーかいつから付き合ってたの?」

側にいる優紀の勢いにつくしはたじろぐ。

「えっと、、、5日前。会ったのはね。」

「「5日前!!」」

「んで、、」

「「で?」」

「・・・昨日入籍した。」

「「えぇーーーーーー」」


***


「あ、桜子早かったね。」

ハアハアハア

「仕事、なんか、、している場合じゃありませんから。」

それは経営者としてどーなのよとつくしは思ったが、つくしは桜子ならしょうがないかと口を閉ざした。

「説明して下さい。この5日間に何があったんですか?」

先ほどの電話から桜子も優紀のマンションに合流した。

優紀の方は桜子が来るまでにいろいろ聞き出していて、笑っている。

「うん、、あいつのスーツを作ることになったじゃん。」

そこまでは桜子も知っている。その後のことをしどろもどろのつくしから聞き出し、ようやく桜子も落ち着きを取り戻した。


「桜子さん、どうぞ。」

「優紀さん。ありがとうございます。」

優紀からお水をもらい桜子は一息つく。

「ふぅ。取り乱して申し訳ありませんでした。」

「あ、ううん。あたしこそ、驚かしてゴメンね。」

「道明寺さんがアクションを起こすことは予想してましたので、取り乱しすなんて私もまだまだです。それにしても、流石ですね。結婚後も先輩のことを考えてらっしゃるなんて道明寺さんには脱帽です。」

「本当だよね。まさか家庭と仕事の両立なんて、もう凄いの一言だよ。」

優紀は夕食の用意をしながら話しに参加している。

時刻はもうすぐ6時。優紀の旦那さんももうすぐ帰宅するころだ。

「先輩?」

「うん。何?」

「なんか複雑な顔してません?」

「そんなことないよ。ただ、あいつやっぱり凄い男なんだなーと思って。」

「そうですね。先輩に惚れるくらいですからね。」

そう言って桜子はニコっと微笑む。

「あたし?あたしも影響してる、、かなぁ?」

「一億%先輩の影響です。でなきゃ今ごろただの暴君御曹司ですよ。」

辛辣な言葉を放ち桜子は優しく微笑む。

「うん。それは言えてる。つくしと会ってなきゃ今ごろあんな風になっているどころか、会社の方だって案外潰れてたりして。」

「優紀さん。絶対そうです。」

桜子と優紀は顔を見合わせて相槌を打つ。

プルルルル

「誰のですか?」

「あたしだ。」

「つくしの?」

「道明寺さんからですね。」

スマホを見てつくしも苦笑いだ。そんなに予想しやすいのだろうか。

「もしもし。」

「よ、おめぇまだアパートか?」

「ううん。優紀の家。桜子も一緒。」

「女どもと会ってたんか。まだいるのか?」

「うーん、優紀の旦那さんももうすぐ帰ってくるし、帰るつもりだよ。」

「じゃ、迎えに行くわ。」

「え~場所知らないでしょ。」

「私が途中まで送りますよ。私も一緒に失礼します。」

「あ、桜子が途中まで送ってくれるって。」


それから桜子と2人優紀の家を出る。また話そうねと言って優紀とは別れた。


桜子の車の中、司との待ち合わせの場所に向かっているとき、

「ねぇ、桜子。滋さんだけどさぁ、、」

「私から話しますよ。」

「いいの?」

「ええ。その方が冷静でいられますでしょ。」

「滋さんが冷静ねぇ、、」

「無理でしょうね。」

そう言ってつくしと顔を見合わす。

「疲れる役だよ。」

「買ってでますよ。」



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滋さん海外なのよね。
私の中でも騒ぎ出すイメージだけど、滋も家業に関わっているし、滋自身も成長させたいな。

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