甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て100【完】
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素肌にシャツを着て100【完】
2016-10-17-Mon
午前中なのに暗い室内、

アップテンポな曲が流れている。

この曲を聴くのは普通クラブと呼ばれる場所だ。つくしには馴染みは薄いが、聴くと身体を動かしたくなる。

シャカシャカシャカシャカ

自転車をこぐ音は、かき消されていた。

ノリノリの音楽と、

テンションの高い女性トレーナーの声で。

「オッケー、ネクスト、スローダウン。」

テンポを取る手拍子に、脚はガクガクいっているのについ乗ってしまう。

「あ、ワン、、トゥー、、スリィー、、」

スローの方が脚にきているのが分かるなとつくしは苦笑いだ。

「はいっ、では次でラストにしたいと思います。奥様、手を頭の上で大きく動かし手拍子です。」

「はぁい。」

「もっと乗って下さい。勢いは大事ですよ。」

「はいっ。」

「オッケー、ワン、トゥー、、ワン、トゥー、スリィー、イェーーー、ラン、ラン、ラン、イェーー」

シャアアアアアーーー

勢いよくペダルを漕ぐつくし。

脚はガクガクだし、顔はブサイクそのものだが、なりふり構わず必死で漕いだ。

「グッウ、リラーック、リラーックス、息を整えてー」

はあはあはあ。

「足は止めないで下さいねー 腕をほぐしますよー。手首をブラブラさせてー」

はあ、はあ、はあー

「次は腕を上に、伸びてーー」

ふぅ、うーーん、、

「では、ゆっくり足を離して、、奥様大丈夫ですか?」

「はい。なんとか、、きついですねコレ。でも、気持ちいいです。」

***


つくしはフィールサイクルを終え、シャワーを浴びる。

司から体力を付けた方がいいと言われたので、店を退職した今邸にあるジムでトレーニングをしていた。

フィールサイクルは以前にテレビで見たことがあり、暗い中だと恥ずかしさが和らぎ、アクティブに出来るとのことで興味があった。

邸で一人やるのはさみしいが、これも司と一緒になったからと納得している。桜子もそのジムを持っているので、トレーナーを派遣という形で関わっている。桜子はつくしがジムに通うことで、会う機会を増やそうと思っていたようだが、司が待ったをかけた。

「別に桜子と頻繁に会ったところで何にもないのに。あいつの嫉妬心はよく分かんないや。」

コンコン

「はい。」

「奥様、次のエステの方へ行かれても大丈夫ですか?」

「・・・はい。」

クス
「大丈夫ですか?」

「ま、寝てます。」

「そうして下さい。」

司と結婚して仕事も辞め、つくしの毎日は邸での体力作りとエステ三昧だ。

体力の方はともかくなぜエステをこうも毎日するのかと思ったが、道明寺美容部員から言わせると体力作りで筋肉バリバリになるとつくしらしさが損なわれると言う。つくしらしさとはと問うと、小柄で華奢なつくしが司に蹴りを入れたりして司の捻じ曲がった根性を叩き直す姿らしい。

それはあたしらしさなのかと納得いかないが、要は小柄でも筋肉があって司と対抗するよりも、こんな華奢な身体なのにどうしてとギャップを持たせたいらしい。

この道明寺邸で働く人々はその姿にホッコリするらしい。全くもってつくしには理解できないが、つくしのいない間のつくし像がどうも一人歩きしているようだ。

これに関しては司も特に反対しなかった。披露宴が控えていることもその理由だろう。

披露宴のことを考えるとつくしは気が重くなる。

司は2時間の我慢だと言った。

どうしても司の立場上、再婚したとなると挨拶はしなくてはならない。そしてその相手は関係が薄い者を除いても少ないとは言えなかった。

披露宴を行うのは仕方ないことだとつくしも理解しているが、気が重いのはそれだけではない。司は披露宴の詳細を教えてくれないのだ。おまけに司にしては謎の行動ばかりなのである。

先日ウエディングドレスの試着を行なった。

そのドレスなのだが、試着したのは1着だけなのだ。おまけにそのドレスが、、

「ねぇ、これ下着みたいなんだけど。あたしこれ着て披露宴に出るの?」

そう。そのドレスは襟ぐりが広く袖はあるものの半袖だった。それも肩の方だけだから半袖というよりレースのついた肌着という感じなのだ。

「んな訳ねぇだろ。この上からまたあるんだよ。お色直しっつーの?いくつかドレスを変えるんだが、2時間って枠だからな。いちいち着替えるよりも見栄えをパッと変えるだけでいいかと思ってよ。おめぇがいろんなドレスが着たいとも思わねぇし、時間早く終わった方がいいだろ?」

確かにそうなのだが、あたしの事を考えてというより何か企んでいる感じがしてならない。

「本当にそれだけ?」

「いや、実はちょっとしたサプライズがある。」

ニヤリとして告げられた。

「な、何よそれ!」

「言っちまったらサプライズじゃねぇだろ?」

「・・・嫌な予感しかしない。」

そんなことを考えながらエステを受けるつくしはいつの間にか寝てしまっていた。

***


つくしは美味しいものをたくさん食べていた。

カレーライスにチャーハン、唐揚げに、トンカツ。庶民の味を堪能していた。

ん~これこれ。邸の料理も美味しいけど、やっぱ一番はあたしを作ってきたこの庶民の味よね。

ぐーーーー

あれ?なんでお腹がなるのかしら?

もぐもぐもぐ。

食べてるわよね。なのに空腹だわ。

なんで?

くんくんくん。

無意識のうちにつくしは上体を持ち上げていた。

まだ目は薄く開いたままで、半分寝ているんだろう。

くしゅん。

くしゃみで体が大きく動き、自分が寝ていたことに気づく。

「へ?あ、あれ?ってここどこ?」

「おい。」

振り返ると司が立っていた。

その手前には料理の乗ったワゴンが置いてある。

「いくら声かけても揺すっても起きないくせに、料理の匂いだと一発なんだな。」

そう言って呆れた顔の司は、つくしの元へ近づき何かを肩まで掛けた。ズレていたものを直した動きに思えたつくしは自分が裸なのに気づく。

「うわっ。え?何で司がいるの?」

「ここで会食なんだよ。っつても俺ん家のだから面会みたいなもんだな。」

「へ?」

「先方がおめぇと会いたがっていてな。おめぇも知ってる人物だ。だからここなら一緒に昼食をとりながら話せると思ったんだよ。」

「それならもっと早く言ってよ。」

「急に決まったんだ。会食は予定にあったが、俺の方に少し時間が出来てな。予定を早められないか聞いたら、おめぇの話になった。で、一緒にと言ってきたんだよ。」

事情を知りつくしはタオルケットに丸まりながらも小さくなった。なんせ食べ物の匂いで起きたのだから恥ずかしくってしょうがない。

「相手側がもうすぐ着くぞ。早く用意しろ。」

「う、うん。」

そう言うが、司はつくしを向いたままだ。

「向こうで待っててよ。」

「嫌だ。ここにいる。」

「あたし着替えるの。」

「おう。早くしろ。」

ボリボリと司は襟ぐりを掻いている。

「あんたに見られたらやりにくい。あっち行っててってば!」

「安心しろ。襲いはしねぇ。そんな時間ないからよ。」

「そういう問題じゃない!!」

「あの~」

声をかけた使用人が2人に見られて、ビクっとする。

「あ、お客様がお見えになりました。」

「分かった直ぐに行く。待っててもらってろ。」

「はい。」

「来たぞ。早く着替えろ!俺が見ててやるから。」

「だから見なくていいっつってんでしょ。」

「あ、あの、、」

ドンッ
「いい加減におし!」

つくしと司、最初に声をかけた使用人が振り返ると、杖をついて怖い顔のタマが仁王立ちしていた。

「坊ちゃん、この部屋を出て行って下さい。イチャつきは夜、ゆ~っくりとやって下さいませ。」

「夜は予定があって、今日は遅いんだよ。」

「お客様を待たせたら更に遅くなりますね。」

うっと司が怯む。それをタマは見逃さず、

「あんまり若奥様を困らせると、遅くなることが無駄になっちまうかもしれませんよ?」

クソッと不満を漏らし司は部屋を出て行った。

「ほれ、つくしも早く着替えないかい。」

「は、はいっ。」

***


会食の相手は藤岡社長夫妻だった。

思わぬ再会につくしの顔もほころび、司の機嫌も良くなっていった。

1時間少々の会食はあっという間に過ぎていき、藤岡の妻はつくしとまたの再会を約束した。

そして藤岡夫妻を邸の玄関で送り終えた。

その瞬間、司は顔を歪ませ襟ぐりを思いっきり掻く。

「あーーー(怒)」

「どうしたの?何かあったの?」

「さっき、タキシードの試着してたんだけどよ。シャツ着たらムズ痒くってしょうがねぇんだ。」

「タキシード?でも、あんた肌弱かったっけ?わたしのは何ともないんでしょ。」

「あぁ、おめぇのはこんな風になんねぇよ。くそっ。」

そう言ってまたガリガリ掻く司。

「もう。そんなに掻いたら余計に悪くなるよ。ほら、見せて」

司は首を下げてつくしに襟ぐりを見せる。
つくしはそこに手をやり、首回りを確認した。

「ほらぁ。赤くなってるじゃん。薬塗らなきゃ。」

「医者呼んでる時間ねぇよ。」

「常備薬で充分だ!」

次の予定があるため、司もすぐに出発しなくてはならない。すでに秘書が迎えに来ていたので、使用人に常備薬を持ってきてもらい、玄関先でつくしが薬を塗った。

「ほら、もう掻いちゃだめだからね。」

「おう。」

「クリーニングして少しはマシになるかもしれないけどタキシード着る時も肌着を着たら?そしたら大丈夫なんじゃないかな?」

新品のシャツには薬品などが残っていたのかもしれないとつくしは思いった。しかし、司が着るものは質の良いものだからその辺りのチェックはされているはずなんだけどという疑問もあった。

「じゃあ、行ってらっしゃい。今夜は遅くなるのね。」

「おう。先に寝てろ。」

チュッ

「・・・あんたね。」

「いいだろこんくらい。夫婦なんだしよ。」

そう言って司は仕事へと戻って行った。

つくしの顔は思ったりより平然としていた。

不意打ちのキスくらいでは、動揺も大きくはなかった。つくしも31の女性だし、なにせ相手は司である。年中発情している野獣がすることとなればフレンチキスなど、可愛いものだ。

つくしの手には拭き残しの軟膏があり、見送りで振った手をふと見てそれに気づいた。

「敏感肌だなんて聞いたことないわよ。・・タキシードか、時間が無くてあたしが出来ないもんだから拒否しただけだったりして。」

シャツに残る薬品の件もやはり違うだろう。多分司が着るシャツは最高級のシルク。薬品保護などしたら逆に生地を傷めてしまう。

「あたしのウェデングドレスだってシルクだったもんね。あたしがそうであいつが違うなんてあり得ないっしょ。」

あくまであたしのと他のシャツを区別する男。俺様なのに可愛くってしょうがない。

「遅くなるのか、今日は予定もないしお昼寝しとこうかな?そしたら帰るときに起きて出迎えられるよね。」

ニセ敏感肌の旦那を待ってるかとつくしは自室の東の角部屋と向かった。

寝巻きに着替えてベッドへとダイブする。

シーツに包まり、そうだ自分が寝ていたらきっと司も安心して眠れるだろうと思った。

ま、その前に自分の匂いで発情するかもしれないけどと苦笑いになるつくし。

きっと、目覚めたら自分の作ったシャツを脱いで迫ってくるんだろう。

シャツの下の素肌を自分に見せつけながら、、





素肌にシャツを着て【完】



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これで一応完結です。
最初の連載が100話まで続くなんて、始めた当初は思いもしませんでした。
でもこれで終わりではないんですよね。
だって、披露宴は?妊娠・出産は?って感じですよね。
なのでまた続けます。
カテゴリーを変えるつもりなんですが、まだ題名が決まってません。
明日からの繋ぎの話も題名は決まってないんです。お話の内容は頭にあるんですけどねー
まぁ、なんとかなるでしょう。
(о´∀`о)

ではまた明日〜23時に会いましょう。
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第五章スーツに愛をこめて cm(13) tb(0)
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お疲れ様でした

一先ずお疲れ様でした。
続編もあるとの事なので、嬉しい限りです♪
毎日二回の更新大変だとおもいますが、どうぞ体調に気をつけて、これからも楽しみにしています。

Re: 祝完結!

ありがとうございます。
ありがとうございます。
ありがとうございます。
╰(*´︶`*)╯♡

嬉しいので3回書いてみた。
コメントありがとです。

これからもがんばります。

lemmmon

Re:

おはよう٩(๑❛ᴗ❛๑)۶
コメントありがとう。

共感できたことは私もうれしいです。

リクエストもちゃんと覚えてるので、出して行きたいと思ってます。

lemmmon

Re: No title

体力作りは最初ヨガとかにしようと思ったんですよ〜

でも嵐にしやがれで見てから、私自身気になっていたので、つくしにさせちゃいました。

フィールサイクルというのも覚えてなかったのでネットで調べました。

2次小説を書く楽しさに毎日動かされているので、しばらく続きそうです。

良ければお付き合い下さいね。

lemmmon

Re: お疲れ様でした

労いの言葉ありがとうございます。

私の住む南国は今過ごしやすいですが、そちらはどうでしょうか?

続編、、
タイトルがまだ決まってなーい。

あ、今日投稿するのは決めまし。

ガンバレ私ᕦ(ò_óˇ)ᕤ

lemmmon

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Re: No title

大丈夫です。
ちゃんとコメント来てますよ。
焦ってダブルクリック。あるあるですよね。

コメントありがとうございます。
なんとか完結が目標だったので嬉しいです。
ここまで話を作って来たので続編もけっこうスラスラ書けてますよ。
23時に来て下さいね。
↑この時間ジャストって意味ではないです。

lemmmon

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Re: 完結おめでとうございます❗

ありがとうございます。
(*^▽^*)

2次小説を書くのが毎日の楽しみになっているので、これからもがんばりたいと思います。

lemmmon
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