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臭いモノに蓋を取り10
2016-10-27-Thu
NYからの招かざる客も居なくなり、ダミーの身辺調査も終わった。

ダミーは道明寺とは別の企業に勤める会社員に決定した。頬骨が少し出ているなど顔の条件にやや難があるものの、企業戦士として有能なところを買った。それは時期を見て道明寺に移ることも考えたからだ。別の企業ということは、派閥の影響を持っていない。本人もそのように理解しその気になっている。

8月になり当初の予定より大幅に遅れたがダミー作戦は決行され、例の調査会社も判明した。すぐに動きはしないが、これからこちらの思惑通り動いてくれるよう情報を流すつもりだ。

9月になり専務である司の周りは変化がない様に思えた。しかし司を観察している岩元にはプライベートで変化があったのだろう司の微妙な変化を感じ取っていた。葛藤があるのも仕方ないことだ。自分の身さえ手段として使うと言っていたが、目的のためとはいえ身を切ることは覚悟があっても中々踏ん切りつくことではない。それが自分に取って大きければ大きいほどに。

それから大きな動きもなく日々が過ぎて行く。司の表情は鋭く冷たくなっていった。岩元にはその表情に不思議と怖さは感じなかった。それは素の司自身を知っているからかもしれない。

パーティでの恋人以外の令嬢をエスコートするのも当初の様なドタバタもなく、司の表情は冷たく近寄り難かった。

そして年が明けて2月になった。司の表情は冷たいものから凄みを増して変化した。決定的なことがあったのだろうとは容易に想像出来た。

岩元は司に引き込む川口派のリストを手にし、専務室を訪れる。

凄みを増した司に対して臆せず発言できる自分に快感すら感じていた。しかしこれを面に出す訳にはいかない。それを司への裏切りと取られれば自分の破滅は免れぬからだ。

まだ闘いは始まったばかりだ。司へ掛かる足枷は硬く閉ざされている。司自身が身を切ったことで少しは綻んだだろうか、、

それから程なくして司はNYへと渡り、岩元本人も後から追従した。



そして1年後岩元は司から呼び出される。

「お呼びでしょうか?」

「おう。来たか。」

そう言って手元にある書類を置き、ペンを胸ポケットにしまった。

そのペンに目が行く。なんてこと無い普通のボールペンだ。いや、ドクターグ○ップだったか?医師が握りやすさを監修して作ったものと記憶している。別に司が使っていても何ら可笑しくはないが、その使い込んだ感じから誰かから譲り受けたものだろうと想像する。

「用っつーのはよ。又スカウトして欲しいんだ。」

「スカウトですか?どう言った方を?」

司は引き出しから書類を取り出し岩元の手間に投げ置く。

見てみろと目で合図をするので、失礼しますと許しを得て中を確認した。

「この方は?」

「宮守梢。宮守商事の1人娘だ。」

「そう書いてありますね。」

だから何だと言わん顔つきを岩元は司に返す。

「この女と結婚する。」

その言葉に驚き、書類に再び目を向く。そして宮守梢を選んだ司の意図を理解し岩元は司に聞いた。

「結婚相手に選んだ理由は分かりました。それで僕にスカウトとはどう言うことですか?」

「そのままだ。スカウトして欲しい。その女の男をだ。」

「男?」

「おう。俺は結婚するがこの女には手を出すつもりはねぇ。俺には女はあいつだけだからな。この結婚を手段として使うのはお前もこの女も理解している。だがこの女には餌を与えたかねぇと駄々こねるかもしんねーだろ?」

なるほどと岩元は納得した。つまり猫を飼うのだが、噛まれてしまっては痛手を受けかねないと言うことか。

「この方の好みで探してみます。この元旦那がそうでしょう。まぁ顔か良ければ文句は言わないでしょうね。」

「いや。この女の好みはどうでもいい。」

「と言うと?」

「この女、相当痛い目にあっている。以前は反吐女だったようだが、今はそうも言ってられないだろう。反吐女の中にも鼻をへし折られて、学ぶ奴も出てくる。それに年も取ってるしな。」

「確認したのですか?」

書類を顎で指し司は続ける。

「事業をしてるだろう。失敗してるけどな。その事業するキッカケが見合いを蹴ったからだ。年上のおっさんで好みじゃなかったかもしれねーけど、このおっさん力持ってるぜ。大人しく結婚してりゃあ苦労することもなく遊んでられんのによ。その辺の反省をやってそうだと踏んだ。してなければ植え付けるさ。」

「それではどのように選別しましょう。」

「この女に惚れそうな奴だ。とは言え今から惚れるのは中々難しいよな。だから惚れていた奴を探してくれ。この女大学のときは元旦那といちゃいちゃしてたらしい。男ってのはぁよ、他のモンを羨ましく思うもんだろ?」

男の生態を司から聞くはめになるとは思ってなかった岩元は、意外性に驚く。

「専務もそうだったんですか?牧野様以外に目が向くとは思いませんでしたが。」

「俺じゃねえよ。」

「?」

「俺じゃねえ、ダチだ。あいつは俺のダチ皆んなに惚れられてたからな。」

F4と呼ばれた4人組。いずれも大企業(と茶道家元)の御曹司で、多くの女の視線を集めた。それは女達を見る目も肥えていることになる。そんな彼らを虜にした上司の恋人。

「分かりました。では僕は日本に行きます。道明寺の調査部を使っても構いませんでしょうか?」

「ああ。今なら平気だろう。だがあまり目立つなよ。」

「ケチ臭いですね。」

「ああ?」

司に睨まれてもどこ吹く風のこの男。鉄仮面秘書もそんなところはあるが、司は西田とは違いこの男のユーモアを気に入っていた。

「反吐女に惚れる男ですか、、ろくなのがいるとは思いませんけどね。」

「ろくなのならスカウトするなよ。」

「ハードル上げますねぇ、、いないと仮定してませんか?」

「まぁ、いたら儲けもんくらいには思ってる。でもよ、、」

「?」

「ここで居なけりゃ俺もこれまでってことだ。この女を選んだ理由は前にパワーバランスがどうのってお前が説明しただろ?女の替えはねぇ。だったらそれで攻めるしかねえんだ。攻めの姿勢でもよ相手を引きつけるんだよ。待つことも俺にとっちゃ攻めだぜ。」

根拠のない司の自信だが岩元に嫌な感情はなかった。攻めるにはある意味無謀さを兼ねてなければならないのかも知れない。

「では、良い結果をお待ちください。」

そう言ってニヤリと笑い岩元は日本へと向かった。


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岩元さ〜ん、坊ちゃんがドクターグ○ップ使ってたらおかしいよ〜

ま、それはいいとしてアッサリ10話を超えました。ああ、次のシリーズまでが遠い・・
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