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臭いモノに蓋を取り12
2016-10-29-Sat
それから1年後、ジューンブライトとなるべくNYのメープルで挙式披露宴を行なった司。

花嫁の梢は己の立場から小さくなっていた。

新婚であるはずの2人の様子に誰もが政略結婚だと気づく。

そんな中でもニコニコと気持ち悪い笑顔を振りまいている池谷常務がいた。

そんな池谷に祝福され、司の顔も笑顔になる。だが、池谷が背を向け遠ざかった瞬間その顔は歪み凶悪な顔で笑っていた。

梢はそんな司の表情を見て、さらに身を小さくする。四面楚歌の状態にある自分。そんな中でも1番怖いのはこの司であることは梢にも分かっていた。

半年の新婚生活が過ぎ、梢の精神状態は限界に近かった。

ただでさえ慣れない外国暮らしの上、パーティに行けばおばさんだの、出戻りのくせだのと罵られ、司に優しくされることなど全く無く邸の中でも常に1人であった。

梢は司と別れたかった。司の視線にすら入らない自分。なぜ自分を選んだのかは梢自身にも分かってはいた。司からは会っていきなり求婚されたのだ。しかもその態度はプロポーズとはとても言い難い横柄な態度だった。自分の負い目を責められ、これ以上両親に刃向かうことも出来ず、自分が司の駒だということは充分に分かりきっていた。

おまけに池谷の態度も梢には気持ち悪くて仕方がなかった。父と付き合いがあるとしても自分に対する蔑みの目を父の目を盗んで送るのだ。

誰も味方のいない現実に梢は泣くばかりで、逃げる気力すら奪われていった。

そんな中司から呼び出され、シアトルにある遊園地の役員をしろと命じられる。そしてお前に秘書を付けると紹介され、梢は佐倉史也と約6年ぶりの再会を果たす。

梢は単純に嬉しかった。佐倉とは大学の一回生で同じ講義を取っていた仲で、一緒にレポートを作成したこともある。大学三回生の時に元夫と付き合うようになり、男友達とは疎遠になっていったが、それでも大学で数少ない男友達の1人であった。

「え、最近辞めたの?」

「ああ。先月まで美作商事にいたんだ。と、タメ口は良くないな。仮にも上司だ。」

「ううん。タメ口でいいよ。私、そんな風に話せる人いないんだ。」

そういってポロポロ泣きだす梢。

佐倉は抱きしめたい気持ちを必死に抑え、優しく声をかける。

「俺は宮守の味方だから。」

そういってにっこり微笑む。

梢は抱きしめて欲しかった。でもそうしない佐倉の態度と、『上司』という言葉が梢の今の状況を物語っていることに気づく。

「そうね。私上司なのね。ふふ、、でもさ、でも、周りに誰もいない時は、タメ口は無理でも前みたく名前で呼んで欲しいな。ミヤって。」

「それじゃ、俺はチェリー?あれなんか童貞みたいで嫌だったんだけど。」

「ええ~、、、そんな意味合いで言ってなかったよ。佐倉だから桜でしょ。桜といえばさくらんぼじゃない。」

「男に向かっての言葉だとそうなるの。大学のときダチにからかわれてたんだぜ。」

「そうだったの?何で言ってくれなかったのよ。」

「あん時は、、、ま、何んでか言えなかったんだろ。昔のことはもう憶えてないよ。」

佐倉の態度にピンとくる梢。もしかしてと思うが、自分の現状を考えるとそれをハッキリとしてはならない気がした。

「そうだね。うん。じゃ、宜しくね。私役員って何も出来ないから、名前だけだよね。」

そう言って梢は落ち込む。それは自分の価値とそして、佐倉との関わりが少ないのかという寂しさからだった。

「いや、役員をするなら現地に足を運ばなくてはいけない。専務から、それらのスケジュール管理とか命じられてるよ。」

「え、本当?」

佐倉と頻繁に会えると思い梢は喜んだ。

「それにミヤにはやってもらいたいことがあるんだ。」

「私に?」

「そう、道明寺夫人としてね。けっこう辛い仕事だと思う。俺はそれについても全力でサポートするから。」

それから梢と佐倉は二人三脚で司の駒になりきった。

パーティでの道明寺夫人に向けられる眼差しから企業の動向を探る。初めはそんな事が上手くいくのかと半信半疑だった梢も、女の欲望の愚かさを目の当たりにし、心理学にも興味を持つ程で7年ぶりに大学へ通うなど梢の生活は変わっていった。

佐倉という存在、そして遊園地での視察という気晴らしから梢の表情は落ち着いてくる。それ故、周りは道明寺夫妻の安定性を評価する。欧米諸国では妻を持って一人前という気風が残り、それまで司を軽んじてきた企業も声をかけるようになって来た。


全ては司と岩元の筋書き通りだった。


そして、司は牙を剥いた。


力を持たぬくせに大きな顔を見せる老いぼれの息の根を止めるために。



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梢さんに対して酷い態度ですが、そうしなかったら梢さんもしかして司に気持ちが向いちゃうかもでしょ。
ここは心を鬼にして司を悪く書きました。
当の司はへっちゃらだったでしょうけどね。
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