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臭いモノに蓋を取り23
2016-11-09-Wed
3月に入り明日司は帰国することになっていた。

離婚から1年が経ち、ゴシップなど自身の周辺の騒ぎもなんとか一応の収束を持てたからだ。

帰国はプライベートなものだった。

今回は会議や商談と言ったものは入れていない。それには理由があった。

バレンタインイベントの後、司のファンサイトは騒ぎになった。

イベントでの司の態度から司には想い人がいるのではないか?それは元妻ではない。では誰なのかとなり司の想い人探しはサイト内で躍起になって行われ、匿名カードの告白からつくしの存在がクローズアップされる。

しかし、その記事が載るとそのサイトは直ぐにプロバイダーから消去され、ファンサイトでは真実味を持つように捉えられた。

そしてそんな司とつくしの悲恋は名前を伏せられてサイト内を賑わせて行く。それは明らかに脚色されていたのだが、カップルオタクを中心に司とつくしのカップルはネット内で盛り上がって行く。

この盛り上がりにゴシップも反応するが、これは道明寺側が直ぐに圧力をかけ誌面を飾ることは無かった。

しかしSNSを通してこの事情は広まり、司は学生時代NYに渡る前に迎えに行くと宣言した女性を今だ想い続けていると認識されるようになった。

しかし、NYでのこの騒ぎもメディアに取り上げられない為、言葉の壁により日本で騒がれることは無かった。(日本に司のファンサイトは無かったのと、英語のSNSを日本人が気に止めない現状がある)

そうした中司のプライベートの帰国は、ファンサイトで好意的に捉えられると踏んだ為、敢えて隠さなかったのだ。

帰国した司は当然のようにTSUGeに来店する。

それは会いたくて仕方なかったつくしに一目でも会うということもそうだが、TSUGe内でのつくしの状況も知りたかったからだ。

つくしのオーダースーツ作りが上手く行ってなければ、それだけつくしとの結婚の足踏みになる。

司はもう限界に来ていた。

これ以上待てないと。

TSUGeを訪れた司は、結局つくしには会えなかった。

だがTSUGeスタッフの歓迎ムードや、つくしのオーダースーツの状況に満足した。何よりスタッフから司のオーダースーツをつくしに働きかける粋な計らいに、会えない不満よりもすぐそこまで来ている未来を期待せずにはいられなかった。



再びNYに戻った司。

カレンダーには4月を心待ちにしている印が付けられていた。

それはTSUGeの桜庭から、スーツ一式にかかる時間はつくしが慣れてないこともありひと月かかるだろうと言われていた。なので4月にはスーツを届けられるだろうと言われていたのである。

そのため3月内は司の機嫌も幾分マシであった。

いや3月末には、あの似合わないネクタイを締めニヤニヤしている姿さえ見られた。(もちろん副社長の執務室に限られる)

とりあえずあのネクタイさえさせておけばそこそこ機嫌も良いため、秘書は司にダークブラウンのスーツばかりを着せていた。(シャツもつくしのものしか着ないため、スーツしか合わせるモノがないのだ)



そして4月が訪れる。

司は今か今かとつくしからの連絡ばかりを気にし、秘書と顔を合わせては連絡の有無を聞いてきた。

なので秘書の第一声は、当然「連絡はまだです。」となる。

その度にこの世の終わりのような落ち込みを見せる司。

秘書にも流石に同情心さえ生まれた頃、司に着信が入る。

それは日本にいる親友だった。

空気を読まない類は、

「ねぇ司、いつになったら牧野とヨリを戻すの?」

「あ?てめぇに関係ねぇだろ!」

「(ムカ)こないだ牧野に会ったけど、ツンケンしてたんだよね。司離婚しても会ってないそうじゃん。何?牧野と会うの怖いの?」

「ガチャン!ツーツー・・・」

「図星?」


電話を切った司は極悪顔になっていた。

今この電話でつくしが類と会った事を知ったからだ。(実際には総二郎とあきらもいた)

「類の野郎、、、」

「副社長。」

「なんだ?」

秘書に呼ばれて振り返った司の表情に流石の西田もビクっとなる。

「・・会議のお時間です。」

「おう。」

「・・・・・」


これ以降司がつくしからの連絡を聞くことは無かったが、常に額には青筋を描き、目は座っていた。イライラの度合いを反映するかのようにタバコの数も増え執務室には空気清浄機がさりげなく置かれていった。



司の態度に社員の緊張感は休む間がなく、特に司が出る会議ではあまりのピリピリムードに青ざめる者まで出てきた。

そして医務室から体調を崩す社員の多さが秘書室に報告され、西田は司の帰国を決める。

会議もネット回線を使ったほうが社員の精神状態を安定させられると踏んだからである。

とは言え、司の方の精神状態が改善されなければ日本の社員が同じ状態になることは必至で、西田はTSUGeのオーナーと頻繁に連絡を取ることになる。


もはや、再会のカウントダウンは司の側近の一大関心事になっていた。



そして、その日が知らされる。

5月の連休の後つくしが1週間の休みを取るというのだ。

だが、その直前になってどうやらつくしはNYに自らスーツを届けに行くため1週間の休みを取ったことが判明する。

つくし自ら届けることは西田も把握していた。

しかし、慌ただしくNYから帰国したことですっかり意識から抜けていたのだ。

TSUGe側としても司が帰国していることは知っているのだが、秘書から何も言ってこないためつくしに一言言うこともしないままであった。

これに慌てた秘書はつくしのNY行きの搭乗便を調べ、司のスケジュール調整をする。

なんとか空港でつくしを捕まえ再会をと必死だった。


プルルルル

「はい西田です。どうかされましたか?」

それは邸からの電話だった。

何とつくしが世田谷の邸に来ているとの知らせだった。司へのスーツを持ちタマに会いに来ていたのだった。

「先ほどお見えになりました。時間稼ぎという訳ではないのですが、理由をつけて牧野様には今エステを施してます。司様は何時頃邸に戻られますか?」

西田は今日のスケジュールを調整する。そして、いや何事よりもまずはつくしとの再会が最優先だと気付いた。

「それは何時頃終わりますか?その時間に合わせて司様を邸に送ります!」

電話を切った西田は司の執務室へと急ぎ足で向かった。

秘書室のすぐ隣なのだが、この時は何故か長く感じられた。


コンコン
ガチャ

司の様に返事を聞かずに執務室に入って来た西田を司は怪訝そうな顔で見る。

そして西田の表情で気づいたのだろう。

司は立ち上がった。

「司様!」

ハアハア・・ふうっ。

「邸へお帰り下さい。」



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