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一歩進んで立ち止まる2
2016-11-13-Sun
中東での石油事業の取引はさせてもらえないとはいえ、滋は中東に足を踏ませてもらえないほど箱入りではなかった。

しかし、そこは宗教で戒律を重んじられている国。

女性は頭から布を被り、中々表には出てこない。

何度となくそこに出向いた滋であったがアラブの女子と話す機会はなかった。

一夫多妻制の国。

この国の女性は恋をすることを知らないのだろうか?

それとも諦めている?

ハーレークインの中では、ひとりのアラブの男とひとりの白人の女が恋に落ちる。一夫一妻制にしか見えないが、それはお金持ちの男との恋の妄想でしかないと滋は思っていた。


***



先日身体の相性を知るためにベットを共にした男を滋は避けていた。

別に男が何かした訳ではない。

駆け引きをしているつもりも滋にはなかった。


面倒くさい。

終わった後でも思ったけれど、次に会ってまた求められても受け入れるのも断るのも面倒であったのだ。


自分でも変だと思っていた。

以前の自分は恋することに積極的だったし、親友の恋にも身を乗り出すほどだった。

なのにいつからこうなったのだろう?

滋は恋愛ゲームをする気などなかった。


今まで付き合った男性は何人かいて、身体の関係もあった。


初めての時のことは憶えている。


付き合い自体は長く続かなかったけど、優しく、優しく抱かれた。

セックスすることが大人の男女の愛し合い方だと理解した。

男の生理についても知っているつもりだった。

上流階級の男は、女を取っ替え引っ換えすることも少なくない。

それはそんな男に寄ってくる女が多いからだろうが、男にだってストレスを抱えているだろうし大事な人には見せたくない気持ちもあるだろう。

そんなことで浮気だとわめくようなことでは、そんな男達の妻は勤められない。

それにそんなことがあっても、男は本命の女は大事にするはずだ。

男の抱き方で女への本気度は測れるはずと滋は思っていた。

先日の男は滋を優しく抱いた。

少なくとも滋はそう思えた。

なのに気持ちが乗らない。


司の時は政略結婚でも、一つのきっかけだと思っていた。

自分の環境に合った人との出会いの何が悪いのかと考えていた。


野心に気づいていたからだろうかとも考えた。

でも違う。

そうじゃない。

野心があっても、ひとりの女を愛する男はいるはずだ。

そんな男じゃないと思ったから?

滋は何故避けたくなるのか分からなかった。


***



「滋さん、そろそろ女子会をしませんか?」

それは桜子からの電話だった。

桜子はつくしが滋を避けようとしているのに気づき、年に一度会って近況を報告しながらおしゃべりをしようと提案してきた。

滋はつくしの逃げる癖を非難したが故に、避けられそうになっていることに気づいていた。


つくしと司が別れたことはショックだった。

自分が司に振られた時以上に。

それなのにつくしは自分を頼ってくれないばかりか、離れようとする。

つくしの親友でいたい滋は、桜子の提案を受け入れるしかなかった。


そして、嘘を付いた。


大河原の仕事をしているからと、一年の半数を海外にいることになると。

それはつくしに頼られても何も出来ないよと自分に対しての言い訳だったのだが、それを伝えたつくしがホッとしたことには傷ついた。

その時桜子は滋の肩を叩き、じっと目を見た。

そこで桜子も何も出来なかったことを知った。


「そうだね~じゃあ、いつも通り私のマンションでやろうか。飲み物食べ物は私が用意するから、日程調整を桜子お願いね。」

「もちろんです。」

「楽しみだなぁ~新しい恋バナとか出るかな?」

そうは言っても滋はつくしの恋バナを聞きたくなかった。


「私はありませんよ。忙しい身ですからね。」

「桜子、あんたにしちゃ珍しいじゃないの。女捨ててんの?」

「そんな訳ないじゃないですか!経営者の草鞋は履きにくいんですよ。恋愛している暇を作るほどの余裕がないだけです。」


チクン

滋は罪悪感を感じた。

それは桜子に対する嫉妬。

無い物ねだり。

自分に無い物ではなく、桜子に無い物をねだる気持ち。


ー私だって大河原があんな会社じゃなきゃいいのにー


それを口にすることは桜子には残酷なだけだ。


「そっか。じゃつくしかな。優紀ちゃんは子どもいるしねー」

「先輩にいるとは思えませんけどね。ま、目を光らせて白状させます。」

どんな小さなことでもねと桜子が言ったことに滋は安堵する。

ーああ、やっぱり桜子あんたもおんなじ気持ちなんだねー


「でも、案外優紀さんから聞けるかもですよ。旦那さんの惚気聞きたいですね。それで結婚したくなったら困りますけど。」

「何でいいじゃん。結婚したくなって!」

「したくなっても相手を探す時間も無いんです。」

「そ~お?桜子ならすぐ捕まえられそうじゃない?」

「それは見つかればです。早々に自分の理想は見つかりません。」

「あんたは理想高いからね~」

「そりゃそうですよ。満足する恋愛でなきゃ邪魔でしかないですからね。」

ドクン

ー邪魔。


「どうしました?滋さん。」

「あ、ううん。何でもないよ。じゃあ調整よろしく。うん、お願いね。えっと、うん、おやすみ~」


滋は慌てて電話を切った。

きっと桜子は不審に思っているだろう。

でも思ってしまった。


邪魔だからだ、と。


あの男は自分にとって邪魔なんだ。

でもあの男だからじゃない。

大河原の令嬢として政略結婚を受け入れてきた。

政略結婚をして大河原の株式を持って、会社の安定を図る。

司のような会社内のゴタゴタは起こしちゃいけない。


ならば!

そこに恋は必要ない。

あってちゃダメだ。


恋を持ち込んだら自分が壊れちゃう。


滋はそう思えた。



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身体の相性と滋の表現でちと誤解させちゃったですね。

滋さんの葛藤、伝わっているといいなぁ〜
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