甘さとスッぱさと ... 一歩進んで立ち止まる9
プロフィール

lemmmon

Author:lemmmon
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

<< 一歩進んで立ち止まる10 main ショートストーリーのあとがき >>
一歩進んで立ち止まる9
2016-11-21-Mon
コトン

「どうぞ。」

「ありがとうございます。」

滋は今第一秘書課の面会室で父の第一秘書を務める佐々岡と対面していた。

「それでどういったご用件ですか?」

佐々岡は即本題に入った。父の第一秘書を務めるのこの男は時間が限られているのだろう。

ちなみに滋は総合秘書課に配属されていて、総合(秘書)課は第一から第五まである秘書課の窓口兼雑務をこなしている。

ふうっと息を吐き滋は顔を上げた。

「道明寺司について調べてほしいの。」

「道明寺様ですか?何故今ごろ、、」

「ちょっとね。プライベートなんだけど、司の方に変化がありそうだから、、」

滋の言葉に佐々岡は眉を寄せる。

「まだ道明寺様の事を、、」

「は?」

佐々岡の言葉に今度は滋の方が面食らってしまった。

「ち、ちがーう、違う、違う。思ってない!私じゃないよ。つくしのためだよ。」

あーびっくりしたと滋は騒いでいる。

相変わらずの滋の様子に佐々岡も記憶を辿らせる。

ーつくし、牧野様か。道明寺司の元恋人で、滋様とも親しかった。というより滋様が慕っていたと記憶している。

そう言えば、この2人が別れたために滋様は酷く落ち込んでいると耳にしたな。

チラッと目線だけで佐々岡は滋を見る。

「プライベートの調査を会長の第一秘書である私に命じるのはどうかと思いますが。」

「え?だ、だって今までだって頼んでいたじゃない。」

「それはいつのお話で?」

「いつって、、」

言葉を詰まらせる滋。確かに最近は佐々岡にいろいろ頼んではいない。最後にそれをしていたのはいつだったか、、

「お嬢様が会長の娘として保護下にいる間は多少の我儘も聞いてきましたが、今は当社の社員ですよね。私は部下に命じられるということでしょうか?」

「・・・・・」

「総合課では教えて貰えませんでしたか?」

「っ!」

滋は佐々岡に睨んだ。総合課の先輩達を悪く言われているようで腹が立ったのだ。

しかしその原因は自らにある。

佐々岡は悔しそうな滋の表情を見て安堵する。

「会長がこぼしていたのですが、最近邸に帰ってないようですね。」

「え、ええ。」

今度は何?と滋は眉根を寄せる。

「会長は今日明日と会食の予定もありません。お母様も寂しがっていると耳にしました。ですので帰って差し上げたらどうでしょうか?・・お嬢様。」

お嬢様という言葉にカチンとくる滋。

だが、つまり頼むならば父を通せという事なんだろう。確かに会社としても筋が通る。

滋はスクッと立ち上がり、深くお辞儀をする。

「お時間を取られせていただきありがとうございました。」

「いえ。」

「では、先に失礼します。」

そう言ってズカズカと面会室を出て行った。




カツカツカツカツ・・

ギギー・・・パタン。

滋は非常階段の内ドアにもたれかかった。

「お嬢様、、か。」

滋は天を仰ぐ。そこは灰色がかった白の空間で無機質な様子が、自分に突き刺さった。

ずるずるとへたり込もうとして、、踏ん張る。

ここでへたり込んだら泣いてしまいそうだった。

滋は背筋を伸ばして階段を降りて行った。



そんな様子を屋上に続く上の方で伺っている人がいた。

「お嬢様か、、、葛藤しているみたいだったな。ふっ、そりゃ彼女も苦労して当然か。」

***


「もしもし、ママ?」

「あら滋さん。珍しいわね貴女から電話してくるなんて。」

「うん。まぁね。」

課に戻り、業務をしているうちに佐々岡の言っていることが真っ当な事だと思えてきた滋。おまけに邸にいつから帰ってないのかを考え、邸に行くことにしたのだ。

「パパとママとも久々に御飯食べたいなって思って。」

「ふふそうね~・・・・滋さん何かあった?」

「え?何もないよ。」

そう否定したものの佐々岡の顔が浮かび、もしや母親に告げ口したなと思った。

ーあんの口軽男!超ムカつくーぅ。

「ちょっとね、ケンカしたの。だからパパに愚痴ろうと思って。」

「あら、ケンカだなんて滋さん貴女レディなんだから、もう。」

「殴り合いとかじゃないよ。ちょっと、言い合いで負けたの。会社員は大変なのよ。」

「そうなの?でも、それならお父様に言ったところで貴女の味方してくれるかしら?会社のことだとお父様は厳しいからね。」

うっとまた滋は跳ね返される。

ーそうだった。パパは会社のことでは私の我儘を聞かないのよね。だったら佐々岡の悪口言ったってやられるだけじゃない。

佐々岡からのパンチもなかなかのものだが、父親のものを喰らえば正にノックアウトになるだろう。

滋は邸に帰るのを躊躇った。


「滋さん、ケンカなんて嘘でしょ。」

「え?」

意外な母の言葉に驚く。

「いくらなんでも言い合いなんて貴女がするかしらと思ってね。」

「・・・・・」

「仕事を始めたばかりなら分かるわ。でも貴女そんな時は辛かっただろうに弱気な事言わなかったじゃない?」

「・・・・・」

「本当は何?」

「ふぅ。そんなにバレバレ?」

やんなっちゃうなと滋は愚痴る。

「いくつになっても親は子どものことは気になるのよ。」

「いくつにって、私もう31だよ。」

「年齢は関係ないわ。」

「・・・・・」

「お父様に話があるのね?」

「・・・うん。」

「だったら2人でデートしてきたら?偶々今夜お父様と2人で食事しようとレストランを予約していたのよ。」

偶々?

あまりにも用意周到な様子に佐々岡の影を感じる。

しかし父のスケジュールを把握しているのはその佐々岡なのだ。

この際ムカつきはさて置いておくことにした。

「ありがとう。じゃ、行ってきます。」


***


PM8:05

いつもの滋の夕食には少し遅い時間だったのだが、父のスケジュールの都合上仕方のない事だった。

「お腹空いたか?」

「ううん、大丈夫よパパ。」

父と母が来る予定だったレストランに来た滋。確かに2人が選びそうな格式高いところだ。周りの客を見ると年齢層も少し高い。先ほどの偶々というのも本当だったかもしれない。

「ママとのデートの邪魔してゴメンね。久しぶりだったんでしょ。」

「ん?ああそうだな。今日は記念日だったからな。」

「え?何の?」

はて、両親の結婚記念日でないのは確かだ。私の誕生日でもない。それじゃあ一体?と滋は食いついた。

「お見合いした日なんだよ。」

「・・・・・」

両親のロマンチックな事を聞き、滋は唖然となる。確かに仲の良い夫婦だ。だけど娘の目から見てそんなにラブラブだったようには思えなかった。

「口を閉じなさい滋。そんなに意外か?」

そう言って父に睨まれる。

「あっ、ゴメンなさい。」

謝りはしたが嬉しかった。

そんな時料理が運ばれてきた。食事しようという父の言葉に素直に従う。

ー食事が終わったら問い詰めてやろ。パパとママのこんな話が聞けるなんて。

滋はニタニタしながら食事をしていた。





ある程度食事が済んだ時である。

一人の男が席に近づいてきた。

「お食事中すみません。大河原会長ではありませんか?私TECJIOのCEOをしています堤と申します。」

チラッと父は話しかけた男を見るが、グラスを取って口に運んだ。

「少しお時間を頂けないでしょうか?ほんの5分ほどで結構です。」

どうやら仕事の話をし始めるらしい。

CEO自ら売り込み?滋はこの会社のことを良く知らなかったが、あまり大きなところでは無いなと思った。現に父親はあまり関心がなさそうだ。

男は始めは声を抑えていたが、無関心な父親の気を引くよう少しずつ声が大きくなっていった。

滋は父の態度からこの男が早く諦めないかと思っていた。そして誰かこいつつまみ出してよと思い、それは自分の役目であると思いついた。(秘書課在籍)

「すいません。食事の途中なのでこの辺りにして下さい。」

滋が口を挟んだことに父親が顔を上げる。

自称CEOの男は大河原会長の反応に、滋をターゲットに変えた。

「お嬢様ありがとうございます。お気遣いしていただいて光栄です。」

滋ははぁ?と唖然となってしまった。

ー私はあんたに帰れって言ったつもりなのよ。なのになんでそうなるの?

あしらうつもりが、逆にあしらわれ滋はムカついてしまった。

滋の表情に父親も気づく。

「すまないが、、」

父親の低い声にその場の空気が変わる。

「娘との食事を楽しんでいるところだ。これ以上邪魔をせんでくれ。」

流石の男も大河原会長の否定の言葉は無視出来なかった。

が、

「パパ、、」

と小さく呟く滋の声を聞きつけ最後に爆弾を落としていく。

「失礼しました。若いお嬢様をお連れだとは気づきませんで申し訳ありませんでした。」


滋は固まっていた。

ー若い?私はもう31よ。何今の嫌味!!

どんどん険悪になっていく滋の表情を見て父親も口を開く。

「流石に無礼な態度だな。私が相手しなかったのに腹を立てたのだろう。まぁ、元々契約するつもりもなかったのだからああしたのだが、お前に飛び火するとは思わなかった。済まない。」

「パパ、、パパのせいじゃないわ。だからパパが謝ることなんてないわ。」

悔しそうな口調で滋は父親に言葉を返す。

しかし父親からは意外な事を返された。

「だが、お前にも理由があるぞ。」

「え?」

「いつまで父親に対してそう呼ぶんだ?私達の指摘が無かったせいもあるが、常識的にみても30過ぎた大人が言うセリフでもあるまい。」

確かにパパと呼んだことで若いと嫌味を言われた。自分の認識の甘さなの?と滋はぐらついてしまう。

「それに一度切り返されたくらいでそんなに動揺するもんじゃない。お前は打たれ弱すぎる。だから私はお前に会社を見せることを躊躇したのだ。」

「え?躊躇?」

それから滋は父親からなぜ大河原の中枢をさせて貰えなかった理由を聞いた。確かに自分は打たれ弱い。これでは中東でなくても猛者の集まりのいるビジネスに入っていけないだろう。

そして秘書課に入ってもその弱さは改善出来ていなかった。お嬢様気質が邪魔をしているのかもしれないが、そんな事は理由にならないことは当の滋も良く分かっている。

「お前は大河原の令嬢というプレッシャーを感じてはいるだろうが、それがどういうものか解ってないんだな。」

「ど、どういうこと?」

「令嬢や御曹司という立場は今の時代、あってないようなものだ。同族経営の会社が減っていってきる現状からみても、その家に生まれたからと言って、その家に縛られる必要はないんだ。」

ー必要ないって、、じゃあ私は何のために苦しんだなの?



↓ランキングに参加します。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村

ちょっと中途半端ですがアップします。
というより色々グタグタ書いてしまいそうで、、
アラフォー(オーバー40)なので色々経験しました。ついつい語りたくなっちゃうのよね。
ウザくならないうちにやめときます。
関連記事
スポンサーサイト

テーマ : 二次創作:小説
ジャンル : 小説・文学

一歩進んで立ち止まる cm(1) tb(0)
Comment
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
Trackback
この記事のトラックバックURL
http://lemmmon.blog.fc2.com/tb.php/157-647f3208
| |