甘さとスッぱさと ... 一歩進んで立ち止まる15
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一歩進んで立ち止まる15
2016-11-27-Sun
「そっちに掛けてて。お茶を持ってくるわ。」

「はい。」

デスクサイドに予備のチェアーを持ってきて、滋を案内した女性は給湯室へと席を外した。

その女性を見送り滋は腰掛ける。

そのデスクは女性の物だった。オフィスとあってパソコンや書類が置かれている。

その中にあるのはフォトスタンド。

女性の家族の写真が飾られて居た。

「おまたせ。カフェオレだけど良かったわよね。」

「はい。白鳥さん。」

白鳥は元秘書課の職員で、秘書課配属時には滋に懐き付かれていた。

「銀ブチ眼鏡じゃないんですね。」

「貴女に真似されたからね。」

「へ?」

ぷっと笑う。

「クスクス、、冗談よ。ううん、冗談でもないか。貴女の真似を見てもう少し良く見せたほうがいいなと思ったの。」

「怒ってはないですよね。」

「怒ってないわ。」

クスクスとまた笑っている。

滋が白鳥と対面しているのは、秦野の策略にある。

原点回帰。

令嬢ということを受け入れようと思ったのだが、具体的なことが思いつかない。なのでアドバイザーの元を訪れた滋に、秦野はその前にお使い頼むと書類を渡した。

会長令嬢である滋を顎で使えるのも秦野らしい。滋は嫌な気持ちになるどころか、二つ返事でお使いに向かった。

そして、向かった先にいたのがこの白鳥だ。

カフェオレを飲みながら滋は秦野が会わせたんだろうなと考えていた。

「それで、今日は秦野に何を相談に来たの?」

「え?」

「退社してからも秦野達に相談しては行動しているでしょ。でも何度となく壁にぶつかっているようじゃない。」

「あー、、はい。上手くいかないです。」

白鳥は秦野達から滋のそんな行動を聞き、自分も頼って欲しいと思い秦野に滋が次来たら自分の方へ寄越して欲しいと言っていたのだ。

それで滋はこれまでの経緯を話した。

***


「結局令嬢なんだと思うなんて、ウダウダ悩んだのはなんだなーと思うんですけど、、」

「そんな事ないでしょ。」

自分の出した結果が恥ずかしいというような言い方に白鳥はすぐさま否定する。

「考える前と後では全然違う。貴女自身もそう思っているはずよ。」

「・・はい。」

「それで令嬢としての生き方に覚悟を決めたのね。でも活かせる方法が分からない。」

「そうなんです。今さら会社の経営も現実的じゃなくて、、父の子離れも変わると思えません。うんざり、、する時もあるけど、それが私の父なので否定することを考えたくもなくて。この年から親とイザコザを起こしたくないって言うのが本音なんですけど。」

それは司の元妻の梢の失敗が影響していた。自分の未熟さから親へ必要以上の負い目を持った事。それを知ってから滋は同じ事をしてはいけないと思っていた。

「クス。そう考えるようになったのね。びっくりだわ。何かあったの?」

「え?、、うーん、そういう人が、いえ、話を聞いて、、」

「反面教師がいたのね。」

「ま、そんなとこです。」

白鳥はクスクス笑っている。なんだか滋は恥ずかしくなった。変な理由だっただろうか?

「なんか恥ずかしがってない?別に変な事言ってないわよ。」

「そうですか?」

「ええ。むしろ嬉しいわ。」

「・・・・」

「貴女と初めて会った時は、本当に中学生が入社してきたと思ったの。物事を知らないっていうか、物事の裏の裏を読みきれない、読むことを知らないって感じだった。これをどうにかしようなんて思わなかったわ。それくらい労力がかかるし、仕事でもないのにそんな労力かけてらんないもの。」

今ならその言葉も良く分かる滋だった。とはいえ、耳の痛い話である。

「・・・ですね。」

「でも、知ったのね。だから嬉しいのよ。当時はこうなるとは思わなかった。貴女のことは好きだけど、私は積極的に動こうとしなかったしね。」

「・・・・・」

自分が慕っていた先輩に一歩引かれていたなんて流石に滋もショックだ。だが、分からなくもない。それくらい自分は子どもだった。最高級にメンドくさい。

「でもあの子達は諦めてなかった。ずっとタイミングをみていたみたいね。恐れいった。はー、私の出る幕じゃないわよ。なのに譲ってくれるなんて本当ムカつくな。」

「何言ってるんです?」

滋は白鳥が言ってる意味が分からない。

「秦野達よ。今の秘書課メンバーはずっと貴女を見守りつつ、言う時にビシッと言ったでしょ。だから貴女も動いたんじゃない?それなのに貴女が変わろうとしていることに私も口出させろって、、言った私も私だけど、それを貴女に言われて気付くのもムカつくのよ。」

つまり自分に対してムカついたと言うことか?

滋は白鳥が分からない。

こんな人だったのだろうか。

「ま、私もまだまだってことかな。貴女は読めないと言っておきながら、私も読めなかったんだもの。」

「つまり?」

まだ分かってない滋に白鳥は眉根を寄せる。自分の失態を口に出さねばならないからだ。

「そこは察しなさい。」

「はい。」

「それで本題に戻るけど、具体的な事が知りたいのよね。令嬢である貴女だから出来ることを。」

「そっ、そうです。」

「貴女のお母さまは何て言ってるの?」

「へっ、マ、、母ですか?」

「そう。1番身近な令嬢じゃない?違う?」

滋は目から鱗が出るほど驚いた。

そうだ。確かに自分の母親も大企業の令嬢であった。

正に盲点。

「聞いてないの?」

「聞いてないです。」

「じゃまず母親に聞いてみたら?それにしても言ってもこなかったの?」

「こなかったですね。」

ふーんと白鳥は考えはじめた。何だろう。

「お父さまは子離れ出来ないのよね。」

「はい。」

「お父さまとお母さまの仲は?」

「良いです。この間もお見合い記念日と言ってデートするつもりだったみたいです。」

「そっか。じゃあお母さまもいろいろ考えてそうよ。」

「そうですか?」

「ええ。夫婦って、いくら仲が良くても他人なのよ。兄弟なら同じ環境で育つから考え方も似てくるわ。でも他人はそうじゃない。仲が良いならどちらかが合わせていることが多い。貴女の両親の場合はお母さまだと思う。」

「でも父が合わせているかもしれないですよね。」

「どうかしら?お父さまはこの会社のトップよ。昔の人は男を立てるものと思っているだろうし、女は一歩引いて手綱を持つと考えるっぽくない?」

確かに母親は父親の一歩後ろを付いて歩いている。

母が色々考えている?

チラッと見た先のフォトスタンドが目に入る。

「どうかした?」

「ん、、私こういう状況だから結婚とか子どもとかってあまり考えてないんですよ。母は何も言ってないけど実は考えていたってことかと思いまして、、」

「そうでしょうね。孫を期待しているのは間違いないと考えて良いと思うわ。」

滋はガクッとなる。

立ちはだかる壁は父親だけではなかったらしい。

双璧の守備。

そう考えると気が重くなった。

政略結婚がいかに楽な道かも実感させられる。

「でも話してみないと分からないのも事実よ。」

「白鳥さぁん。」

「お母さまの話を聞いて、そしてまた対策を考えましょう。せっかくここまで来たんだから、壁にぶつかるのは初めてじゃないんでしょ?だったら嘆くよりほら動く!」

「分かりましたぁ。」



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子どもはまだ?適齢期の女性には聞かれたくない言葉ですね。
でも聞くほうも言いにくい言葉でもあります。
まともな人ならば、、
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