甘さとスッぱさと ... 一歩進んで立ち止まる19
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一歩進んで立ち止まる19
2016-12-01-Thu
斎藤貴和子の改心プロジェクトから数ヶ月後、季節は秋分を控えていた。

改心プロジェクトは喜和子を含めこれまで3人のお嬢様に執り行われた。

というのも喜和子は邸に帰って祖父に無礼な目にあったと泣きつき祖父からの報復を企てたのだが、

祖父にはすでにスクールからの報告書が届いていただけではなく、例のビデオもしっかり祖父の目に入っていたため、逆に祖父から絶縁状を叩きつけられたのだ。

喜和子は泣いて懇願したが聞き入れてもらえず、大学卒業を待たずイギリスの寄宿舎に入れられることになった。

最初のお嬢様が改心せずプロジェクトは失敗に終わったかと思った滋達だが、その試みを知った他の大物からまた依頼が来たのだ。

喜和子の反省を踏まえ、本人へのアプローチ方法や依頼家族への報告のあり方など滋は幾度となく会議に参加し改心プロジェクトに踏み込んでいった。

そのせいもあって滋はこのマナースクールを運営しているNPO法人の役員になる方向に向かっている。(だが役員の任期途中ということもあり現在は講師という立場にあった。)

2人目3人目とプロジェクトを進めていくうちにプロジェクトは改良されていき、それに伴い政財界の大物の中で滋の認知度も大きくなっていった。

しかし滋は浮かない顔をしていた。

滋からすれば金持ちに生まれ育ち歪んで育ってしまったお嬢様は皆対象なのだが、そこは魑魅魍魎の世界。全てをコントロールするのを良しとしない人物もいた。

つくしの影響から真っすぐでありたい滋であったが、そこは父から苦言を呈される。

「お前のやっていることは確かに良いことだろう。しかし全ての愚息を対象にするのはお前の手に余ることだ。対象者は絞った方がいい。傾いてはならない企業そこを優先するんだ。

お前にも葛藤はあるだろう。だがこれもこの世界の常だ。巨大なモノを動かせば大きな動乱を招きかねない。経済の安定はこの世界に生きる者の全ての使命であるのだぞ。」

滋は父の言いたいことは分かっていた。そして確かに葛藤はあるがそれはこの道理を受け入れられないことではなく、受け入れられる自分に対してだ。

つくしならば受け入れないだろう。優しく正義感のあるつくし。つくしが今の自分を知ったらなんて思うだろうか?滋はそんなことを考えていた。

***


「最近ご活躍しているようですね。」

久しぶりなのに、会うなり桜子に言われた滋。

「なんで知っているのよ。」

「私にも人脈はありますから。それに滋さんと仲が良いことを隠してはいないでしょう。パーティで一緒にいるところを見られてますから、知っている方に教えてもらったんですよ。」

ニヤリと不敵な笑みを受けべて桜子は挑戦的だ。隠し事をしても無駄と言いたいのだろうか?・・・隠すつもりもないけれど。

「まぁね。自分に出来ることを模索していた時に永林の同級生に会ったのよ。私と逆の立場で彼女は苦しんだみたい。

話した時少し意地悪されたけど、すぐに打ち明けてくれてそれでわだかまりが取れたの。その彼女の縁で今のことをやっているのよ。」

「あまり乗り気でなかったんですか?」

「ん?そんなことないよ。どうして?」

「あまりいい顔してないように見えたのですから。」

ああと滋は相槌を打つ。

「乗り気がないわけではないの。まぁノリノリって訳でもないけどね。最初は復讐心ていうのかな楽しんでやっているところもあったけど、今は色々考えてしまって、、、

この世界の弱肉強食を感じているわ。」

「弱肉強食?どういう事です?」

それで滋は父親からの指摘を説明する。

「なるほど。お父様の言っていることはもっともですね。確かに全てに手が回らない物理的な理由もそうですが財政界のバランスも保たなければならない。

そこを下手に触れば滋さん達にモンスターは牙をむきますよ。そうすれば私達も悲しいです。」

それはそうなれば桜子は傍観者にならざるを得ないということだ。

昔のようにみんなで集まる様になろうとしているのに自分が滑落したのでは、それがまたみんなを離れ離れにしてしまう。

「そうだね。桜子と話して吹っ切れたよ。父に言われたことを納得できたけどどこか受け入れたくない気持があったの。なんだかつくしに顔向けできない気がして、、

でも違うんだね。私なりに出来る事をやっている。それは司達と変わらない。胸を張っていくよ。」

「そうして下さい。もし先輩がそれでぐだぐだ言うなら私がビシッと喝入れますよ。

30過ぎてもそんな甘っちょろいこと言ってるんじゃないってね。

・・でも言わないと思いますけど。」

「そう?」

「ええ。先輩もわかってますよ。先輩がテーラーなのにスーツを作られてもらえないって聞きました?」

「ああ、うん。女だからって酷いよね。」

「まぁ、女というのもあるけど若造と言う意味が強いんじゃないですかね。お金を出す方からすれば良いものを作ってほしいでしょうし。そんな長いものに巻かれる経験もしているんです。分かりますよ。」

「長いものか、、どの世界にもあるよね。程度は違うけど、、」

「ありますね。私も巻かれてますし、、」

「そう見えないよ。」

「私は見えて欲しくないんです。だから見ないで下さい。」

「プライドたっか!」

「良いじゃないですか。迷惑はかけてないですよ。」

「そりゃそうだけど、少しくらいはかけて欲しいかな。」

そう言って微笑む滋。

桜子は一瞬驚くが、すぐに笑みで返す。

「そうですね。ありがとうございます。」

ふふふふと笑い合う2人。いくら他に親しい人が出来ようとも、この関係には敵わない。

「あの2人はいつ進展するかな?」

「あの2人ねぇ、、」

「司は変な女とスキャンダルされてからはパッタリだね。もしかして利用した?」

「かもしれませんね。」

前の熱愛で反感を買っていたグラミー賞歌手とのスキャンダル。ただパーティで一緒だっただけらしいが、それから離婚以来再開していたエスコートをパッタリと辞めてしまった。

「さっきの話に戻りますけど、先輩スーツ作りを始めたらしいです。」

「え?マジで。良かったねぇ。」

「ええ、でもタイミングが絶妙じゃありません?」

「というと?」

「先輩のスーツ作りと道明寺さんのゴシップです。ゴシップされなくなったタイミングで、先輩はスーツを作り始める。

道明寺さん水面下で動いてるんじゃないかなって思うんですよ。」

「ま、マジで?」

滋は身を乗り出して桜子に詰め寄る。

桜子はいつもと違いニッコリ笑って続けた。

「根拠は無いんですけどね。そうなって欲しいって気持ちからの考えですが、そうである気がしてなりません。」

「間違いないよ。」

「はい。」

「あー待ちきれない。早く元に戻らないかなぁ?」

「分かります。戻ってくれないと落ち着かないんですよね。」

「そうそう。落ち着かなくて自分の恋愛が出来ないの。」

「滋さん、、」

桜子はその一言に衝撃を受け、自分もその通りだと思い知る。

「クス。早くして欲しいですよね。もう私達オーバー30ですよ。20代無駄にしてしまいましたね。」

「全く。早く文句を言わせて欲しいよ。」

それは嬉しい文句。

きっとそれを言ったら泣いてしまうかもしれない。

でも早く泣きたい。

滋はそう思っていた。



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でもまだ時期的に結婚しないつくつか。
桜子が滋に言う準備はできたんだけどなぁ、、
もう一波乱起こす?
って、考えてるけどねー
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