甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー司の縄張ー
プロフィール

lemmmon

Author:lemmmon
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

<< 一歩進んで立ち止まる23 main 初サボりしちゃった。 >>
花街に護られてー司の縄張ー
2016-12-06-Tue
午の刻(14時)になる少し前、

塀に囲まれた遊郭の店の一つ伊吹屋では、昼見世にもかかわらず遊女達が艶っぽい目で店先に立つ自分の客に声をかけていた。

「ねぇ、源三さん今日は見世に入ってくれないのかい?」

「芹に言われちゃあぐらっと来るけどよ、俺は今日仕事なんだよ。次は俺の番になるだろうから、そんときゃあ宜しく頼むぜ。」

「うん、、そうなの?じゃあ、せめて顔を隠してくんなましよ。疼いてくるじゃあないの。」

そう言って誘ってくる遊女。

しかし男はなびかない。

それは男が仕事中で、その仕事がかなり良い仕事だからだ。女の誘いに乗って仕事を放棄すればすぐに足を切られる。それにこの女と良いことを出来るのも仕事をした褒美なのだ。

そして、見世の中では褒美にありつけた男達が自分の遊女と戯れていた。

「あ、、ん、、やっ、あ、貫一さん、あん、あん、、はぁん、、」

「はっ、はっ、、すずな、、」

襖で隔てた向こうでも。

「萩、は、ぎ、、相変わらずお前のここはたまらんな、、」

「ああん、あん、秦之進さま、あ~ん、ああ~、、」

絡み合う男と女の姿があった。

「究平さん、もっと早く来てよぉ。あたい寂しかったんだから、、ああん、、」

「木蓮悪ぃな。俺たちゃ坊ちゃんに出してもらっているからよ、、俺だっておめぇともっと交わりてぇんだがよ、、はぁ、、」

いつもは暇なはずの昼見世。

新造や禿(かむろ)は、自分の姉さん達の部屋を覗いて明るい中での仕事の様子を見ていた。

時々姉さんと目が合う。その目は艶っぽくて機嫌が良さそうだ。

というのもこの男達は遊女からしたら、かなりの上玉。

しかも女の扱いが慣れていて、中には本気になりかけている遊女もいた。

そんな男達は普段、大豪商の一人息子の用心棒として緊張感の中生きている。

だからたまには息抜きをと、雇い主の一人息子は自分の女がいるこの伊吹屋に男達を連れてくるのだ。

男達が遊ぶ代金は全て息子持ち。遊女に嫌われなどしたら遊ばせてもらえなくなるので、男達の行儀も良い。

彼らがいるという事はここに一人息子がいるはずなのだが、当の息子は今見世の中にはいない。



彼は見世の裏手で壁に持たれ自分の女を見ていた。



「くそっ、くそっ、くそっ、くそっ、、」

「えい、えい、えい、えい、、」

「ああー疲れるぅ、、もうっ、ほんとに腹が立ちますね。茜姉さん!」

「まったくだよ。あのくそジジイ。こっちの手ほどきには全く聞き耳持たないで、好き勝手に突きやがったあげく、ゲロ吐きやがって!!

商売道具の布団をこんなに汚しやがって、こっちは商売上がったりだ。見世に出れない間の稼ぎ分どうしてくれんだよ!いつまでも借金が減らないじゃないか!!」

遊女達がぼやきながら洗濯をしていた。

実はこの茜の昨夜の客が酔っ払って見世に来たはいいが、酔った勢いで好き勝手な態度を取った上に、気持ちおかしくなって盛大に汚しまくったのだ。

なので昨夜は茜の叫び声に、見世の者も大慌てで他の客も何事かと戯れを邪魔されたのだ。

もちろん見世の女将も腹わた煮えくりかえったのだが、このゲロ客なかなかの金持ちで女将としても強く出れないところがあった。

そんな中遊女でないつくしは見世の者として、夜中から悪臭漂う部屋の掃除にかられ、朝からは汚された布団を当の遊女やその新造らと洗濯していたのである。

「はあ、、茜姉さんもうだいぶ良いんじょないですかね。」

「そうだね。っつ!もうこのシミは落ちないだろうね。あーあたしはゲロ女って言われるのかなぁ?悔しいったらありゃしない。」

「姉さん、、」

茜の嘆きに言葉の出ないつくしと新造。



すると二階の方から声が聞こえてきた。

「客かい?昼なのに、、珍しいね。」

「うん、、」

すると別の部屋からも聞こえてきた。

「もしかして、、」

「あっ!」

新造がつくしの後ろを指差して驚いている。

「きゃあ!」

それを見た茜も声をあげた。

そりゃそうだろう。洗濯するべく肌着の着物一枚で、髪はぐちゃぐちゃ。こんな姿を絶世の美男に見られたくはない。

「司。」

「よう。」

ニヤリと司が答える。

「いつからいたの?」

「クソクソって言ってるころだな。」

それはいつなのか?洗濯の最中はずっと言っていたから分からないが、昼見世が始まってまだ半刻(1時間)も経ってないからそう長くはいないのだろう。

「声かけてよ。」

「ん?良いじゃねえか。別に。」

「そういう訳にはいかないの。こんな姿見られたくないのよ。女心の分からない奴なんだから。」

「俺は別にお前がどんな姿でも構わねぇよ。」

そう言ってつくしに近づこうとする司。

「ダメ!止まって!」

それを両手で静止するつくし。

「何でだよ?」

「臭うの!」

「は?」

「だからあたし昨日からこれの掃除やら洗濯やらでずっと動きっぱなしで汗もかいてるし、それにく、くさいのよ!」

そう言われ司は話の内容を思い出す。

ーそういやゲロ吐かれたって言ってたな。

そして急につくしの側まで来ると、おもむろにつくしの頭に顔を寄せる。

「わぁ、近づかないでってばー」

つくしは離れようと司の胸を突っ伏するが、腕をがっちり捕まれ動けなくなっていた。

「臭ぇな。」

つくしはかあっと顔が赤くなる。

今にも泣きそうな顔で司に反撃しようとしたその時、

「誰だ?そのゲロ野郎は?」

司の一言に固まってしまう。

「誰だって良いじゃない。知ってどうするのよ。」

「あ?落とし前はつけなきゃなんねーだろーが。」

「は?落とし前?あんたは何もされてないでしょうが。」

「おめぇがされたろうが。臭ぇなか掃除してよ。おめぇは俺の女だ。それに俺がよしなにしてる見世に迷惑かけたんだから、きっちり落とし前つけねぇんと気がすまねーんだよ。」

つくしはその言葉が嬉しかった。

だが、

「で、でもあんな奴でもお客様なの。姉さんの客を奪ってしまったら、、」

そう、客が一人減るということはそれだけ遊女の借金が減らないという事だ。

借金が減らなければ遊女はいつまでも自由になれない。

「あんな客もう要らないわ。」

と茜が話に割り込んできた。

「茜姉さん、、でも、」

「良いのよつくし。あたしだってすごく腹が立っているの。そりゃ借金を減らしたいけど、だからってあんな奴をもう客になんて我慢出来ないわ。ゲロまみれにされたのよ。」

真っ赤になって鬼のような顔つきの茜。

この機会にゲロ客に仕返しをと考えているのだろう。

「あんまりゲロゲロ言わねぇほうが良いぞ。噂が広まっちまう。」

司の低い声に場の雰囲気が変わる。

「噂?」

「ゲロ付き女って噂さ。」

「なっ、姉さんは!」

「つくし!」

「姉さん、、」

司の言葉にカッとなるつくし。だが茜になだめられる。

「それは仕方ないと思う。付けられちまったんだ。取り戻せないよ。」

そう言って悔しがる茜。目にはうっすら涙が光っている。

それを見たつくしは司の方に向き直す。

「落とし前つけるのね?」

「ああ。」

「未払いの分も回収してきてよ。着物代に布団代。馬鹿にならないんだから。」

遊女の仕事道具の着物や布団は基本自分持ちだ。借金を返しながら必要な物を買うので、遊女はそれらを大切に扱う。

つくしの容認とも取れる言葉に司はニヤリと口角を上げる。

「任せとけ。きっちり払わせるさ。」

それでもつくしは頬を膨らまし、不満顔をしている。

正義感の強いつくし。司を煽ってしまったが、本当に良かったか葛藤してるのだ。

「んじゃ、風呂に行こうぜ。」

「へ?」

そう言ってつくしの手を取りグイグイ引っ張っていく司。

「ち、ちょっと。あんたはいつも朝人のいない時間に行ってるんでしょー」

「しょうがねぇだろ。おめぇが臭ぇんだ。洗ってやるよ。」

「いい!自分で洗える。そ、それにまだ布団を干してないのー」

「あっ、つくしーそれは大丈夫よーあたしらがやっとくからー」

と、大声で新造が声をかける。

つくしはええーと困り顔を見せるが、遊女達からすればしょうがないことだ。

なにせ司はこの見世、いやこの遊郭の中でも特上の客だ。司がこの見世を選んだのはひとえにつくしを見初めたから。

まだ禿だったつくしと出会い新造になる前に見受けをした。つまりつくしは司の女なのだが、当時2人はまだ幼く司も力が無かった。

そんな中、邸につくしを連れて帰っても妾に出来ればいいほうだった。もしかしたら司の目を盗んで売られるかもしれない状況だったのだ。

だから司はこの見世にあえてつくしを置いている。普段つくしは見世の裏方として遊女の世話をやき、司が来たら相手をするのだが、司は用心棒を客として連れてくるので、見世としてはこの上ない客であった。

***



それから一週間後、

コトを終えつくしは司の腕に頭を乗せまったりしていた。

「ねぇ、」

「ん?もう次か?」

「違う(怒)。んもうー、茜姉さんのとこにさ金貨が届いたんだけど。」

「おお、来たか。」

「多くない?」

「そうか?けど金を決めたのは俺じゃねーぞ。むこうに払ってねぇの払えって言っただけだ。」

「持ってきた人の顔傷だらけだったけど、何したの?」

「あ?どうだったかな。忘れた。」

「殺めてないでしょうね。」

「アホ、んなことするか。流石にお上に捕まるぜ。」

本当かなぁと疑うつくし。

それをなだめようと怪しく手を動かす司。

「ちょっと!」

「それだけ元気がありゃあ、次行っていいだろ。」

そう言ってつくしの口を塞ぎ、、


部屋にはまたつくしの潤んだ声が響きわたるのであった。





↓ランキングに参加してます。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


吉原花魁の世界でのつかつく第2弾です。
R要素が少なくてごめんなさい。
いろいろ出てくる用心棒や遊女の名前は、新撰組と七草を参考にしました。
お風呂のぐたりも考えたんだけど、長くなるのでまた今度。
それにゲロ客をどう成敗したかは考えてないです。
浮かんでくるかな?



関連記事
スポンサーサイト
花街に護られて cm(4) tb(0)
Comment
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re:

ありがとー

私は新撰組って名前くらいしか知らないよ。

幕末はなかなか面白いみたいだけどね。

今からはまったら、それは2次に戻ってこれなそうだ。

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます

Re: No title

ありがとう(*^ω^*)

そんな風に言われるとまた妄想しちゃう。

間空いてないけど書いちゃおうかな?
Trackback
この記事のトラックバックURL
http://lemmmon.blog.fc2.com/tb.php/173-767dd832
| |