甘さとスッぱさと ... 一歩進んで立ち止まる24【完】
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一歩進んで立ち止まる24【完】
2016-12-08-Thu
岩元との会談の後、滋は理事会の日程を待ちわびていた。

普段から理事会以外にも武道館の事務所に立ち寄り仕事を手伝ってはいるが、ここのところの頻度は高かった。

武道館の使用への提言はタイミングも大事だ。

しかも何度ともなく日程は変えられない。

滋は岩元からの日時確定の連絡が来ないことに焦れてはいたが、岩元が調整に奮闘している事も知っていたのでタイミングが悪くならないことを一番に考えていた。

しかし、もうすぐ大型連休が始まろうとすると流石に連絡が来ないことに不安になって来た。

連絡が来ないということはまだ再会してないことだ。

一体何があるのだろう?

***


「どうもスーツの完成待ちのようです。」

「スーツ?」

「牧野様は司様のスーツを作成してまして、それの届けに合わせて再会するようなのです。」

「そうなんだ。、、あれ?つくしってスーツ作ってたっけ?確か、、ううん。作り始めたって聞いたわ。去年の秋頃かな?もしかしてそれも司が関係してる、、とか?」

電話先から苦笑いが聞こえてきそうな沈黙。

「僕が動いたんですけどね。」

「岩元さんが?何やったんですか?」

「牧野様の店の改革です。それを実行できる人をスカウトしました。司様はテーラーをやっている牧野様がスーツを作成しないままだと、結婚に前向きにならないのではと考えたのです。」

「は、、あ、、確かに。」

滋は司に脱帽していた。本当につくしのこととなるとがむしゃらだ。

分かってはいたが司はつくしを喜ばせたいのだろう。自分の喜びよりもつくしの喜び。

本当に嬉しそうに笑うつくしの顔が見たくてたまらないのだろう。

滋が感慨深げにしていると岩元の愚痴が聞こえて来た。

「しかし待つのもくたびれたようで、4月に入るまでは緩みまくった顔だったものが、今は禁煙を強いられているタバコ中毒の様な形相らしいですよ。」

おまけに吸いまくっているそうですがと付け足す岩元に滋は思わず吹いてしまう。

「あー分かる。つくし不足でイライラしてるってことだね。目に浮かぶわぁ。そんな司に会ったってろくな話はできないね。秘書さん達、禿げたりしてない?」

「まぁ胃薬が増えたとの声は聞きました。」

「岩元さんは?」

「僕はこれで動いてますから、睨まれることはないですね。」

「そっか。」

「それで大河原さんの口添えもまだ報告できないんですよ。」

「それは仕方ないね。兎にも角にも2人が再会しなきゃあ、、

でも待って、、再会しても言わないでくれるかな?

スピーチで種明かししたいわ。

それくらいのサプライズは許されるでしょう?」

「いいと思います。皆さんの心配を考えたら当然でしょう。もちろん、というか当然ですね。協力しますよ大河原理事。」

「ありがとう。」

ふふふと言って電話を切った滋。

***


それから2週間後桜子から電話がかかってくる。

「滋さん、お二人寄りを戻しましたよ。というかすでに入籍を済ませたそうです。再会して4日後だそうです。電光石火ですね。」

「それなら再会した当日に入籍じゃない?4日後ってことは司にしては待ったほうじゃないのかな?大人になったわねー」

そう言って余裕の滋。それはその入籍当日に岩元から連絡が来ていたからなのだ。

「滋さん余裕ですね。知ってました?」

「さ~あ?どうでしょう。」

「隠し事は許せませんね。何です?」

「知~らな~い。、、クスクスクス、、それくらい良いじゃない。私だって優越感は持ちたいわ。桜子にはずっと持たれっぱなしだったもの。」

それにはムッとした桜子。

「バラしますよ。今までの嘘。」

「おっ、それは願ったり叶ったりだわ。つくしのぷんぷんを受け止めてね。」

桜子は耳に当てたスマホを離してしまう。そして耳から聞こえた滋の言葉を確かめるようにスマホをじっと見てしまった。

「変わりましたね。滋さん。かなり驚きましたよ。」

「まぁ、妖怪達に揉まれてますから。口も達者になります。」

ふふふと電話ごしに笑い合う滋と桜子。

「近いうち女4人で会いません?去年はなかったですし。」

「そうだね。どこでやろうか?」

「道明寺邸でいいんじゃありませんか?先輩店は辞めるようですよ。」

「あ、そうなんだ。んーでも、そうなるよね。」

「でもテーラーは続けるようです。」

「へ?何で?どうやって?」

そこで滋は桜子から司の個人ブランドの話を聞く。結婚後のつくしのことを考えた司の手腕には脱帽どころではなかった。

「はぁー、、凄い。もう何て言うか天晴れだね。深すぎる愛情を知ってはいたけど、深いだけじゃなくて広いよね。司の愛情は地球規模?ううん宇宙規模かも。」

「ひとりにしか向きませんけどね。」


***


その週末。

道明寺邸に一台のリムジンが到着する。

滋に桜子、そして子連れの優紀だ。

子連れになることを優紀は申し訳なさそうに思ったが、道明寺邸にはベビーシッターが何人もいるしその必要性も意識させないととの滋の声に後押しされ連れて来た。


邸の玄関先、リムジンが停車し女3人が降りてくる。

出迎えるのはこの邸の主人になったばかりの女だ。


「いらっしゃい。」

「来たよー」

「久しぶり。」

「遅れてすみません。滋さんが時間にルーズで。」

「あっ、遅れたのは桜子あんたでしょ。人のせいにするな!」

「ごめんつくし、本当に遅れたのは私。こいつがリムジンになかなか乗らなくて、、」

優紀が申し訳なさそうに答えると滋と桜子はペロっと舌を出した。

そんな風に友だちを庇う2人を見てつくしは嬉しくなった。

「さ、じゃあ中へどうぞ。美味しいもの用意してくれてるよ。」

「用意したよでしょ。つくしんちなんだから。」

「そうですよ。日本語間違ってます。道明寺さんに似たんですかねぇ。」

「あいつと一緒にしないでよ。まだ慣れてないだけよ。まだ、、結婚して一週間も経ってないし、、」

そう言って真っ赤になるつくし。

「ひゅーひゅー熱いですなぁ~」

「冷えピタあるよ、つくし。子ども用だけど。」

「子ども用がちょうど良いですね。優紀さんgood jobです。」

「要らないよ。てかそんなのこのウチにもあるし!」

つくしの返しにニヤニヤする3人。

「な、何よ。」

3人は目を合わせ、それを見たつくしはまた怯む。何を言われるのかと身構えてしまった。



「「「つくし結婚おめでとう。」」」


しかし言われたのは祝いの言葉。

長く想い続けたつくしのことを知っているから、その言葉も軽くはない。


「ありがとう、、」

涙目で小さく呟くつくし。

「幸せになってね。」

「ならない訳ないですけどね。」

「逃げられないしね。」


司の事も良く知る3人だからこその言葉につくしの涙腺は崩壊してしまった。

「ほらもう泣かないで。小さく子が見てるよ。」

「ううん。ごっごめん。」

「やっぱり連れて来なければ良かったかなぁ?」

「そ、そんな事ないよ。ごめんあたしのせいで。」

「泣かせたのは私達ですよ、先輩。」

「さ、部屋に入ろう。話は中でしようよ。」

そう言って3人の背中を押す滋。

部屋へと踏み出す一歩は、今までの一歩とは違う。


立ち止まっていた想いがきっとまた動き出す。

ーそう、私だってずっと一人でいるつもりはないわ。




一歩進んで立ち止まる【完】


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勢いで書き切ってしまいました。

滋編はいかがでしたでしょうか?
女友達にフォーカスを当てたくて書いたお話。
つまらないと感じた方も多かったみたいですね。
でも私的には大満足です。

そして夜はまたショートを投稿します。
まだ妄想が残ってて、、
久々に午前投稿出来て嬉しいなぁー
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Re:

ありがとう。

やっと終われました。

しばらくはショートが続くかなぁ?

テーラーに戻るけど、べつのお話が書きたくなってるのよね。

Re: とても楽しませていただきました^^

コメントありがとうございます。

つくつかから離れたからかランキングは下がってしまいましたが、自分なりに滋を成長させられたかなとは思いました。

とりあえず私のお話では、もうつくしに抱きつくことや自分のことを滋ちゃんとか呼ばないです。

アラサーの設定なので。

滋の新たな恋も書きたかったのですが、テーラーシリーズもそろそろ詰めたかったので次にまわすことにしました。

次回作はとりあえずテーラーシリーズですね。

やっと結婚披露宴になりますか。

散りばめたエピソードを繋げられるかがポイントですかね。

頑張ってみます。

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