甘さとスッぱさと ... 花街に護られてーつくしが産まれた日ー
プロフィール

lemmmon

Author:lemmmon
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

<< 花街に護られてー想いは一方向ー main スッピン15 >>
花街に護られてーつくしが産まれた日ー
2016-12-29-Thu
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。









部屋の中にいても寒さが沁みるこの季節。

遊女の姐さん達が火鉢の傍で暖を取っている中、つくし達新造は部屋の隅に固まってせっせと裁縫に勤しんでいた。

火鉢に近づけないため着物の上から布団を被り暖を取っているものの、かじかむ手を息で何度も暖めては針を進めていた。

つくし達が作っているのは帯締め。

借金を返し終わり見世を上がった姐さんの古着を譲ってもらったのだ。

しかし譲ってもらったとは言えつくし達新造に回ってきたのは、破れたり汚れた残り物。

しかし汚れてないところを縫い合わせれば帯締めくらいは作れると、仲の良い新造3人でお揃いの物を作っていた。

「イタッ。あーんまた刺しちゃった。もうやだぁ、、」

「芹大丈夫?寒いから間違えちゃうよね。」

「ん。もう寒い時期の縫い物ってやんなっちゃう。秋ならまだいいのにさ。」

「ねー。でも薄雪姐さん寒くなる前に終わらせるんだって、秋口は気合入ってたからね。」

「そうだけど姐さん雪って名前が付いてるんだから春まで待てなかったのかな?冬は客多目に取ってなかった?」

「だからだよ。名前のせいで客は付くけど 良い客ばかりじゃないみたい。雪女扱いされたりと嫌な思いも多かったみたいだよ。」

「つまりこれだね。」

つくしと芹のもう1人、あやかが端切れになった着物をつまみ上げる。

元着物だった布のそこは大きく破け、擦り切れたようにも思えた。

「何されたらこうなる訳?」

「引っ張られた?」

「遊女に対する礼儀を知らない客って本当に嫌!そのくせ大した金持ってないんでしょ。」

「持っててされるのも嫌だけどね。」

「まぁね。金じゃないか。」

これから遊女になる新造3人組は、客の良し悪しを常に考えていた。

春を売る仕事でどこか割り切ったところもあるが体力は消耗する。楽に勤めたいと考えるのは当然だが、体力以外の消耗も大きくどんな客が付くかは運次第であった。

とはいえ運など予測もつかないこと。そんな客に当たることも割り切らなければならないのだろう。受け入れるためにも悪い客の文句は言いつくしておく必要があるのだ。

「つくしもうすぐ誕生日だよね。確か年越し前なんでしょ。」

「うん。あたしが産まれて3日後に除夜の鐘の音を聞いたっておっかさんが言ってた。」

「寺に行けばあと何日かは分かるね。明日聞いてきてみようか?」

「そうだね。はぁ、、あたしも14かぁ。そしたら月の物も来るし、客を取るようになるんだなぁ、、」

「本当にそう?」

「ん?何が?」

「つくしの年よ。つくしは14って言うけど、見た目ではまだ12くらいじゃない?」

「そんなことないよ。ちゃんと数えてる!」

「でも無いよ。」

「うひゃっ!な、何すんの、、」

あやかはつくしの着物に手を入れ胸を掴む。

大きくはないが確かに膨らみはある。

「おっ、けっこう揉めるね。」

「やっ、やめてー、、もう、あやかったらー」

「きゃはは。つくし胸があって良かったね。じゃなきゃ客が付いても突かれてばっかりかもしれないよぉ。」

「もうっ、あやか危ない!芹も何よ。突かれてばっかって結局そうするんだからしょうがないじゃない。」

「そうでもないよぉ~胸が大きければ突かれずに客を満足させられることだってあるみたいだよ?」

「本当に?」

「でもそれって童貞脱いだばかりの若造でしょ。あたし達にそんな客つく訳ないじゃん。」

「まぁね~」

ガタッ



物音に新造3人はお喋りを止め、音の方を向く。


そこには年の割に大きな身体の男が壁に寄りかかっていた。

着物を着ていることから商人だと分かる。

だがこの男は商人でありながら腕っぷしもよく、それでいて歌舞伎俳優よりも目を惹く端正な顔の持ち主だった。

「司、、あんたまた来たの?」

「来ちゃ悪ぃのかよ。」

「でもあんた見てるだけで指名しないじゃない。抱くつもりもないみたいだし、来る意味が分からないんだけど、、」

「用心棒に気晴らしさせてんだよ。あいつらにも労いっつーの?させねぇといざって時に役に立たねぇだろ?」

「ふぅん。」

「行こうぜ。」

「あたし縫い物してるからいい。」

「は?姐さんの仕事を見るのもおめぇのやる事じゃねぇのかよ。」

「つくし行ったら?」

司を無視しようとするつくしに芹が声をかける。

「そうだよ。つくしは結構進んでいるから姐さんを見ておいでよ。その内にあたし達追いつくからさ。」

手元の縫い物を見ると確かにつくしの縫い物は半分出来上がっていた。

真面目な性格のつくし。

お喋りしながらも目線や手元はブレてよそ見していなかった。

ザッザッザ

畳をかき分けるように大股で近づく司。

つくしの腕を捕まえて立ち上げる。

「行くぞ。」

つくしの頬はとたんに不満を表すように膨らみ蛙の様だ。

そんなつくしを見て笑った司はつくしを連れ部屋を出て行く。

そんな2人の後ろ姿を見ていた芹とあやかは年下なのに気づいていたようだ。

「つくしの初めての客になったりして。」

「姐さんにはそう言ってるみたいだよ。
いや、言ってないな。睨んでるって。」

「初客を決めるのは姐さんでしょ。睨んでどうするつもりだろ。」

「分かってないんじゃない?御坊ちゃまらしいし。」

司に対しても辛辣な新造達。それはいくら金持ちで顔の良い男であっても、客という目でしか見てないせいだ。

つまり遊郭で育った幼女達は恋愛に夢を見ない。

夢を見て傷つく優しい姐さん達を見てきているからだ。

「でもさ、御坊ちゃまの方がつくしに惚れてるよね。」

「今だけでしょ。つくしを抱いたら、他にも目移りするんじゃない?見世はうちだけじゃないし。」

「だよね。女を知らないからああなんだよね。」

それは司のつくしを見る目。

そんな目をするのは姐さんだけしか知らない新造2人。

客の男でそんな目をした奴は見た事がなかった。

「つくしが傷つかないといいな。」

「ね。」





***


ドスドスドスと足をならし廊下を進む司。

流石に足音が響きすぎるとつくしは司の脛を蹴る。

「いっ、、てめぇ、、」

「静かに歩いてよ。」

声を抑えてつくしは口を尖らせる。

そんなつくしに司は衝動を抑えるのに必死だ。

「こっちだよ。」

そう言ってつくしは姐さんのいる部屋の隣に司を押し込む。

しばらく2人は絡み合う男女の方に目を向ける。

司がつくしの方を向くと、つくしはしれっとしていた。

客の男が姐さんを組み敷き、腰を打ち付けている。

つくしの目には姐さんがいじめられているようにしか見えなかった。

しかしつくしに気づいた姐さんがつくしを見て笑ったので、つくしはほっとしていた。

「おめぇ、、もうすぐ誕生日なのか?」

「ん?ああ。そう。聞いてたんだ。」

「サバ読んでるだろ。」

「は?何言ってんの?」

「そんなに客取りたいのかよ。」

「その方が借金を返せるじゃない。いつまでも新造のままだとタダ飯食ってるだけだし借金は増える一方なのよ。」

「ふん。・・・でもよ。月の物が来ねえと客は取れねえんだろ?」

「うん。そういう決まりだし、それにそうでないと孕んでないか分からないから。」

「じゃあと2年ってとこか?」

「は?何言ってんの?」

「おめぇの身体付きからしたらそれ位後だろ。」

「何言ってんのよ。ちゃんと御飯食べさせてもらっているし、もうすぐ14になるから流石に月の物も始まるわよ。」

「数え間違えじゃねぇの?」

「しつこいなぁ、、あんたも確か14よね。その成りだけど。」

その成りとは司の体格だ。14だか身体付きは成人よりも大きい。

「おう。」

「じゃさ、あんたが産まれてすぐに大火事があったって聞いてない?」

「ああ、そうらしいな。うちの屋敷も巻き込まれる寸前だったらしい。」

「その大火事のせいでうちは住処を無くして國境まで追いやられたのよ。ほとんど壊れかかった家であたしは産まれたの。でも結局どうにもならなくて、、、ここにいるんだけどね。」

そう言うつくしの声は寂しげだった。

しかし司にはそんなこと構ってられない。

「は?大火事の後おめぇは産まれたってことか?火事のどんくらい後だよ。」

「どんくらいって、、確か秋ごろでしょ。月見の後って聞いたよ。んで、あたしは除夜の鐘の前だから、、」

「本当かよ。じゃ俺とひとつしか変わらねぇってことか?」

「さっきからそう言ってるでしょ。」

何度も言わせるなとつくしの声はうんざりしている。

しかし司はこれで本気に焦ってしまっていた。

このままではつくしに月の物が来て客を取ることになる。

そうなったら自分も客になるつもりだが、、、


「どうしたの?」

黙ってしまった司を不審がりつくしが覗きこむ。

昼見世の時間帯。

部屋の中は薄暗いとはいえ顔は良く見えた。

上目遣いで自分を見るつくしに司の心臓は蜂の羽音のようだ。



すくっと立ち上がる司。

つくしは訳が分からない。

「今日は帰るわ。」

「・・・いいの?」

「あ?ああ。あいつは終わったら仕事すりゃいいんだ。」

あいつとは司の用心棒だ。

司は用心棒を残して帰るつもりだろうか?

「ひとりで帰っていいの?」

つくしの問いかけにも答えようとせず、司はドタドタ足音を鳴らし部屋を出て行った。

流石にその音に気づき中から声がかかる。

「坊ちゃん?どうされましたか?」

「あー司、、帰るって、、」

「えっ?帰る?ちょ、ちょっと待ってくんなせぇ、、」

用心棒が慌てて部屋から出て来た。

つくしの目の前にブツを晒しながら。

どうやらまだ途中だったようだ。


用心棒の後ろ姿を見送ると、姐さんが笑っていた。

「ふふふふっ。楽になったわぁ。昨夜客が多かったからキツかったのよね。」

「姐さん、、お疲れさま。」

「何があったの?」

「さあ?何なんでしょうね。」

それは司のみぞ知る。

いや、つくしのみ気付かない想い。




後日寺で小僧に聞いたところ、

つくしの誕生日はその当日だった。







↓ランキングに参加してます。

にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


途中で終わっちゃった。
続きをこれから書きます。
朝までにはアップしたいな。

つくし誕生祭、間に合わず。
。゚(゚´Д`゚)゚。
びえーーん。
関連記事
スポンサーサイト
花街に護られて cm(1) tb(0)
Comment
 

管理人のみ閲覧できます

このコメントは管理人のみ閲覧できます
Trackback
この記事のトラックバックURL
http://lemmmon.blog.fc2.com/tb.php/198-a53807d7
| |