甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー想いは一方向ー
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花街に護られてー想いは一方向ー
2016-12-29-Thu
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。










焦りが苛立ちに変わり司は目が血走っていた。

片方の親指を噛み、袖をまくった腕の方の指は帯に引っ掛け大股で歩く。

若い見た目からすれ違う人の目には粋がっているように映った者もいるのだろう。

遊郭を抜け、屋敷近くまで来た司の前に数人の男達が道を塞いでいた。

「何だてめぇら。」

ゆらっと顔を上げる司。

端正な顔立ちが男達の判断を鈍らせたのかもしれない。

「おーおー兄ちゃん粋がってんねー
あっちから来たっつーことは、お楽しみの後だろ?いいねぇ、、」

あっちとは遊郭の方向。

確かに遊郭にいたが、女を抱いた訳ではない。

「うるせぇな、、てめぇらに関係あるかよ、、」

「フューウ。中々様になってるじゃねぇか。顔が良いとそういう事も出来るのか。」

「役者か?兄ちゃん。」

「あーなるほど。それで乗り切るつもりだったか。騙されるとこだったなぁ、、」

ニヤニヤし出した男達に司は無言になる。







ハアハアハア、、

追いついた用心棒が見たのは、

腹部を押さえうずくまる男に、

腫れ上がった顔で伸びてる男、

白目で死んでないかと疑いたくなる男が折り重なっていた。



「坊ちゃん、、」

「おう。こいつら片付けとけ。」

「・・・・へえ。」


用心棒はひとりで片付けるのかとウンザリした。


一方、司の方は暴れたお陰で冷静になっていた。

焦りはあるものの頭を目まぐるしく働かせていた。

稼業の仕事を覚える時もこれ程動かしはしない。

それは危機感からだった。

今動かなくては手遅れになる。

誰にも手を付けさせてなるものか、、

アレは俺の女だ!

司は惚れた女を手に入れるべく狩を始めた。




***


それから3日後の夜遊郭にも除夜の鐘が鳴り響く。

流石に年末には見世も開くことはなく、

つくし達遊女は静かな夜を迎えていた。

喘ぎ声ではなく寝息が聞こえる伊吹屋。

久しぶりに姐さんや同じ妹分達と布団を合わせて横になっていた。

鐘の音も聞かぬうちから寝息を立てていたつくし。

鐘の音が鳴り止んだ頃、身体を揺すられ起こされる。

「・・くし、つくし。」

「ん、、うん?姐さん、、何?」

「起きて、つくし。あんたに客だよ。」

「え?客?何であたしまだ、、」

「クスッ。そっちの客じゃないよ。あんたに会いに来た男がいるのさ。そいつは新造に手は出さないことも知ってるよ。ほら、下にいるから行っといで。」

ええーとつくしは不満気だ。気持ち良く寝ていたのに起こされたのだから当然だ。



トントントントン

階段を音を立てずに降りようとしてもこの静かさの中では響いてしまう。


つくしが降りて来たことで持たれていた柱から身体を離し、待っていた人物の正体が知れる。

「何の用よ。こんな時間に、、」

つくしの表情には怒りが感じられる。

なんてたって睡眠を邪魔されたのだ。

つくしにとって唯一の欲だ。

いや、食欲が一番だから睡眠欲は二番目かもしれない。

「出かけようぜ。」

「はぁ?こんな時間に?絶対に嫌だ!」

そんなことを言っても聞く耳を持つ司ではない。

ズルズル引きずられるように外に出されたつくしだが、

一応防寒を考えて半纏を用意していた司。

その半纏が思いもよらず暖かかったからまぁいいかと思ってしまった。




「どこ行くの?」

「あ?正月だからな。決まっているだろ。」

「どこよ?」

「正月といえば神社じゃねぇの?」

「そうだね。・・でもこんな時間に行く人いる?巫女さんも寝てるよきっと。」

「巫女に会いたいのかよ。」

「会いたかないわ。神社の人もいないよって言いたいの!」

「良いじゃねぇか。誰もいなくて。」

「何でよ。」

その答えには答えない司。

吐く息だけが会話の様だ。



無言のまま歩いて神社に到着する。


司とつくしの距離はひと二人分。

それがこの時の心の距離でもあった。

歩幅の違いから自然と開く距離。

それでも開き過ぎることはなかった。


そのことにつくしは気付いていたけど、心までは届かない。


ザッ、ザッ、ザッ、、

石畳の上、草履の足音は重なり一つに聞こえた。


「くじは出来ねえな。」

「当たり前でしょ。」

くじを売るだろう窓口は閉まったまま。
朝になれば開くかもしれない。


「ま、吉が出るとは限らねぇしな。」

「あんたは大凶よきっと。」

「はぁ?そりゃおめぇだろうが。」

「あたしは普段の行いが良いから絶対吉ね。悪くても末は出るわ。自信あるもの。」

それは真っ直ぐな性格だからかもしれない。

つくしのそんなところが司には眩しく見えていた。


「ふん。まぁ、出来ねえし何とでも言えや。とりあえず賽銭して手合わせようぜ。」

「うん。」




ガラン、ガラン、、

パン、パンッ、、



合わせた手を離し瞼を開ける。

その瞬間司は目を逸らした。

「何お願いしたの?」

「あ?聞くのかよ。」

「ダメなら良いけどさ。」

「・・・欲しいモンを手に入れさせてくれだよ。」

「そんなのあるの?」

「悪ぃかよ。」

「あんた金持ちじゃん。」

「金じゃあ、、、買えねぇよ。
いや、買うけどよ。」

「どっちなのよ。」

「さぁな。」

司の答えに全く想像すらつかないつくし。


司はつくしの鈍さに苛立ちもしたが、それは月が始まらないからと思えた時、鈍いままで居てくれと思ってしまった。



「あ、月が出てる。綺麗だねぇ、、」

「おう。」


まだ黒船も来てないこの時代。

英語の翻訳すら実在しなかった。

「I love you」を「月が綺麗ですね。」と翻訳した教師もいない。



だけどそこには幼いながらも愛を知ったひとりの男がいた。

女に愛してると言えない心を抱えた男が。





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R要素無しで頑張りました。
続きは司のBD。
それじゃあ空き過ぎるかな?

煮詰まったらまた書こうとおもいます。
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