甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー髪は女の命ですー
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花街に護られてー髪は女の命ですー
2016-12-30-Fri
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。










年の瀬ともなると流石の遊郭も賑わいが薄れ、通りの人数も少なくなってくる。


昼見世の終わった後の伊吹屋では三味線の練習をする新造と禿(かむろ)の姿があった。


「ねぇ、ねぇっ、、」

「ん?あ、つくし、ちょうど良かった。ここさ、こうでしょ。でもね、上手くいかないのぉ~」

三味線の演奏が上手くいかない双葉は声をかけたつくしに逆に泣きついた。

「へ?ど、どこ、、あ~この曲か。うん、ここでつまづきやすいよね。てん、てん、てんってとこで弦を押さえる指をちょっと離してさ、、そう、それで、、」

遊女ではないつくしだが、禿の時からこの見世にいるつくしは三味線も得意だった。
急に聞かれたことにもすぐ答えて、三味線のことで盛り上がってしまい話しかけたことをすっかり忘れてしまった。

てんてん、てん、てん、てん♪

ばちを止め、上手く演奏出来たことでえくぼを作る新造。

つくしはそんなえくぼがちょっと羨ましかった。

「やった。上手くいった~」

「うん、うん、良かったねぇ~」

「ありがとうつくしぃ。これで今度の宴会では目を引くことが出来るよぉ、、

上玉を釣れるといいんだけど、、」

上玉とは金持ちの客。

金持ちの客に贔屓にしてもらえば、安定して稼ぐことが出来る。

太夫ほどになれば茶屋で客を会わせてもくれるが、遊女になったばかりの新造は太夫に付いて開かれる宴会に弾き手となって参加し場を盛り上げることが1番の営業だった。

そこで太夫の客の連れの相手をすることもあるが、それはその時だけの場合が多く固定の客を付けることはなかなか難しいことだった。

「まぁもっと欲を言えば、お行儀の良い客であって欲しいんだけどね。」

「うん。宴会ではやっぱり酔ってくるから行儀も悪くなるみたいだね。」

「そうなんだよぉ~太夫の客の前では良い顔するくせに、太夫達がいなくなればべたべた触ってきて、挿れることしか考えなくてさ。自分で払わないからか図に乗るよね。」

「嫌な客。太夫の客もそれ知ってるのかな?」

「知ってても何も思わないんじゃない?そういう客って、太夫の客の接待相手らしいけど同じ人を何度もっていうのはほとんどないよ。」

「そっか。みんな大変だねぇ、、」

つくしは心底友だちの身を憂いた。

数年前までは自分も同じ立場だったのだが、見世にいても身請けされた自分はひとりしか相手をしていない。

しかもそのひとりは皆が羨む上玉なのだ。

それも最大級の。

「ま、でもめげずに頑張るよ。あたしだって早く借金返したいものね。」

「そうそう、一応太夫を目指しているしね。」

「本当かよ、、」

太夫になるには禿のうちから太夫付きになるのが常だ。

何せ太夫は見世の最高位。

禿として見世に売られた時から選りすぐりされる。

太夫になる者として教育されるのだ。

つくしは太夫付きの禿ではなかった。

しかし真面目で明るく皆から好かれていた。三味線も短歌もその真面目さから上手で、太夫に付いて回ったことも多かった。

実はつくしを気に入った客もいたほどだ。

しかしつくしは遊女にはならなかった。


「い、いいじゃない。目標は高くしてこそよ!目標を持つことは良いことでしょ。」

自分を気遣っていることはつくしにも分かっていた。

身請けされたのに見世にいるつくしは物凄く異端にも見られた。

羨ましがれ嫉まれることもあったが、太夫はじめ姐さん達にも可愛がられたつくしは庇ってもらうことも多かった。

もちろんつくし自身も見世にいる以上皆の役に立とうと努力している。

見世の仕事を一生懸命やるし、空いた時間には三味線の練習相手にもなる。

女の世界でもある遊郭では、ギスギスした見世もあるようだがここ伊吹屋はそうしたことはなかった。

それもつくしの人柄もあるだろう。

「ところでつくしは何か話しかけようとしなかったっけ?」

「あたし?ん?何言おうとしてたかな?」

「忘れちゃった?ごめ~ん。」

「いや、良いよ。別に大したことじゃないよ多分。」

「つくしが大したこと以外を言うかなぁ?」

それはつくしがいつも皆を気遣っているのを皆も知ってるから。

ぱたぱたといつも動き回っているつくし。

客の相手をしない分、縁の下のことを忙しなく行っているのだ。

「うーん、、、」

それは自分でも自覚している。ただお喋りしたくて声をかけるなんて忙しい皆にとっては迷惑でしかない。

「あ、そうだ思い出した!夕焼けを見たのよ。うろこ雲だった。明日晴れるわよきっと。髪洗えるね!」

「本当?うわーやったあ~」

「何、何?」

「明日晴れるって。空!」

「あ、本当だ。うろこ雲出てる。嬉しい~」

「髪洗えるって大仕事だけど、洗った後の気持ち良さには変えられないよぉ。」

この時代、髪はひと月に一度だった。

しかも良く晴れた日にしか出来ないのでふた月近く髪を洗えないこともしばしば。

冬になると風も強く、最近は雨も多かった。

歳を越す前に髪を洗うことは皆の最大の関心事だった。

「何が大したことじゃないって?」

「てへ。」

そこは笑って誤魔化すつくし。とはいえ皆が笑ってくれていうことがつくしにも嬉しかった。




***


翌日。

朝から賑やかな遊女の声が響きわたった。

つくしは皆の世話に走り回っている。

髪を洗うということは沢山の水を使う。

水道などない時代。

井戸から水を汲み桶に溜めて髪を洗う。

しかし季節は冬。

当時の江戸は寒さも厳しく、井戸の水をそのまま使うと頭だけではなく身体も冷えてしまう。

風邪など引いて体調を壊して寝込むなどもってのほか。

寝込んでしまえば仕事が出来なくなる。

借金は誰も肩代わりなどしてくれない。

寝込む暇など遊女には無いのだ。

それに病院などの医療が無かった時代。

町医者は居てもやはり一番は予防すること。

髪を洗って身体を壊さぬためにも井戸の水を温める必要があった。

そのために焼き石を使うのだが、これもまた大変な重労だ。

火傷に気をつけなくてはならないし、焼き石は小さくはない。

桶の数だけ髪を洗えるのだが、一度に洗える人数だけでも少なくないのに見世の遊女の数を見ればその往復は二度や三度では無かった。

つくしは自分のことは後回しにして遊女達の世話に明け暮れた。

日も高くなり遊女のほとんどが髪を洗い終えた。

客の前では結い上げる髪を乾かすために下ろしている。

「ふぅ~」

「つくしお疲れさま。」

「あ、えへへありがとう大丈夫だよぉ。」

疲れているのに愚痴のひとつも言わないつくし。皆つくしが大好きだった。

「大丈夫じゃないでしょ。あんたまだ髪洗ってないじゃない。」

「あ、うんそうだね。洗わなきゃ。」

「ほーい、水汲んで来たよ。」

そう言ってたっぷり入った水を持ってくる新造の友。

普段やってないから水は桶から溢れていた。

「着物が濡れてるわよ。」

「知ってますぅー」

「ここが洗いたかったの?」

「違うわ!」

友だち達のやいのやいのとする声に頬を緩めるつくし。

そんなつくしの髪を芹が解き始めた。

「あ、ありがと。」

「つくしも洗わなきゃ。あんたは一番の上玉付きなんだから。」

「はは、そうなんだけどね~」

「ちゃんと繋ぎ止めといてよ。彼の連れてくる客は皆上玉なんだから。」

「そうそう、上玉は上玉を連れて来るのよねぇ~」

「なんだそれ。」

「え?類は友を呼ぶって言うじゃない。違う?」

「そっちか。」

「何だと思ったのよ。」

「目には目を、歯には歯を、、」

「意味が違うし~」

つくしもけらけら笑う。

そんなつくしに皆優しい空気に包まれた。

「さ、洗おう。」

「うん。・・・っ、、」

「どうしたの?」

「あ、焼き石入れてない。ごめん、冷たいよねつくし。」

「あ、良いよー大丈夫。」

「大丈夫じゃない。もーそれで身体壊すこともあるんだよ。」

「焼き石取って来る。」

「あたしやるよ。」

「つくしは休んでなよ。さっきまで沢山動いたでしょ。」

「そうだけど、焼き石重いし、火傷したら大変だよ。」

「「「・・・・・」」」

「ぷっ、、くくくっ、、」

あはははと笑い出すつくし。

気遣ってくれたのに動きを止めた友だちがおかしくてしょうがない。

「もう、そんなに笑うな。」

「あはは、ごめんごめん。」

「焼き石は自分でお願い。やっぱりコツとかあるだろうし、火傷は勘弁だわ。」

「りょーうかーい。」

「つくしも火傷しないでよ。」

「うんっ。」

そう言って焼き石を持って来たつくし。

桶の水を温めて、皆でわいわいしながら髪を洗う。



「今年も後の少しだねぇ、、」

「来年は良い年にしたいね。」

「まぁ、つくしは道明寺様に逃げられない限り安泰だろうけどね。」

「・・・うん。」

「惚れてるし本当羨ましいなぁ~」

「え?い、いや惚れては、、」

「違うの?」

「ん、や、ちが、、違わ、、、ないけど、、」

「くくく。まぁ、認めたくないのも分かるよ。つくし真面目だからねぇ、、」

「どういうこと?」

つくしの髪を2人で洗い、もう1人は側で見ている。

つくしはされるがままで身動き出来ない。

「だってさーつくしいつも意識飛ばされるじゃん。そんで、帰った後落ち込んでいるでしょ。」

「まぁ、確かにイカされては遊女としてはダメだけど、相手が相手なだけにしょうがなくない?」

「・・イッてないよ。」

「は?何と言いましたつくしさん。」

「イッてないとな。いやいや貴女毎回イカされててますでしょ。」

「・・・そんなこと、、ないよ。」

「そんなことあるわ。何?じゃああの声は演技なの?つくし、演技はめっぽう苦手だったんじゃなかったっけ?」

頭を下げているので顔は見えないが話し方からにやにやしているだろう友だちに、つくしは反論していたのだが、分は悪い。


「上手く、、なったのよ。喘ぎ声も聞きなれてるもん、上手くなって当然でしょ。」

「ほーう、、」

全然信じてない皆の声。

つくしも強がりなだけに反論の声は続かない。


「じゃあ、演技してますよって言っちゃおうかな。」

「いっ、、なんですって?やめてよ。そんなことしたらあいつが剥れるに決まってんだからぁー」



「誰が剥れるって?」

「へっ、、」

低く聞こえた女でない声に思わず頭を上げたつくし。

「わっ、つくしダメ。水がかかっちゃう。」

「わーごめん。」

そう言ってまた頭を下げるつくし。
つくしの心臓はばくばくとうるさかった。



「今日は髪洗いの日だったか。じゃ、また出直すわ。」

「うん。ごめんね。せっかく来てくれたのに、、」

「いいさ。晴れてるしな。おめぇも髪洗いてぇって言ってたしな。」

「ありがと。」

「おう。またな。

で、そん時にその演技の事確認するわ。」

「いっ、、」

草履の足音から司が出て行ったことは分かったが、周りも無言のままだ。


「え~~っと、ごめん。」

「ごめんじゃないよぉ。」

「ごめーんってばぁ。」

「とほほほほ、、」

「まぁ、つくしは遊女じゃないんだからイッても恥じゃないさ。」

「恥だよーここで育ったんだよー」

泣きっ面のつくし。頭を下げていて見えないが声がそれを物語っている。

「しょうがないよ。彼って、、強そうだしね。」

「・・強い?腕っぷしはあるみたいだけど、、」

それは用心棒から聞こえる声。

用心棒なんか付かなくてもケンカはめっほう強いらしい。

「性欲の方よ。」

「セイヨク?何それ?どんな字なの?」

「そこでボケる?」

「それでこそつくしだけどね。」

「ボケるって、、、ひゃっ。」

肩を硬ばらせるつくし。セイヨクの意味に気付いたらしい。
下を向いた顔は真っ赤になっているに違いない。

「がんばってねー」

「大丈夫。つくしも手本になってるから。」

「手本?」

「イカされた手本ね。」

「ダメじゃん。何それー」

「いや、遊女だったらダメだけどつくしなら良いじゃない?イカされる様子も知っとかないと演技も出来ないじゃない?」

「そんなのやだぁー」

「確かに逆の見本も必要ね。つくし堂々とイケるね。」

「嫌だーーーーー」




年の瀬につくしの声が響く。

伊吹屋の一足早い除夜の鐘、、




な訳はない。






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予告時間を大幅に遅れました。
こんなことなら昨夜知らせなきゃ良かった。
執筆しようとしたら子どもが起きてきて、一緒に寝てと寝てしまったんです~
朝4時すぎから頑張ったけど、6:00には間に合わなかった。
内容もイマイチかなぁ?
本当すみません、、
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