甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー隣の芝生喰いてぇー
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花街に護られてー隣の芝生喰いてぇー
2017-01-01-Sun
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。








元旦を迎えた朝。

大名や商家などの屋敷では餅つきの威勢の良い声が聞こえていた。

ここ遊郭でも正月ともなれば餅つきが行われ、各見世ごとに餅をついていた。

しかし昨夜宴会が行われた伊吹屋では、除夜の鐘の鳴り響いていた時は同衾の準備中だった。

当然元旦の夜明け前には客を見送り、その様子は一見いつもの後朝(きぬぎぬ)の別れなのだがどこか白白さが感じられた。

それもしょうがないだろう正月にまで営業行動をさせられるのだから、、

そんなこんなで今年の正月の朝伊吹屋では餅つきが行われておらず、遊女達のみならず裏方の男衆もまだ床にあった。

しかしつくしを含めた数人はその宴会に関わっておらず朝から正月の雑用を行なっていたのだが、少ない人数でてんてこ舞いだった。



「良いなぁ、餅つき、、、」

隣の見世から聞こえてくる掛け声に珍しくつくしから羨みの言葉が出てくる。

鏡餅の準備は出来ているのだ。

というのも餅は12月13日につき始める習慣があり伊吹屋でも正月に向け準備を行なっていた。

だが当日につく分がなされてない。

昨夜から餅を蒸しておくか女将や番頭新造の皆と話し合っていたが、宴会の余波からおそらく餅つきは無理だろうと結論づかれてたのだ。

皆で餅をつき、つきたてを頬張る。

つくしは正月の楽しみが無くなったことに肩を落としていた。




***


少し時間を遡って夜明けの後。

遊郭を出ようと大門に向かう類の姿があった。

門まであと少しという所の路地。

通りすがりでは気付かない建物の視覚に人の影が目に入る。

その男は女といるようだ。

ということはつまり後朝の別れ、遊女に見送られているのだろう。

だが隠れているということは客ではないのか?

遊女が間夫といるのかもしれない。

そう類は思ったのだが、足を止めた類に気付いた相手の男が類を見て声をかけた。


「珍しい奴がいるな。お前がここに来てるなんてどういう風の吹きまわしだ?」

「え?知り合いなの?」

「まぁね。」

そう言って相手の男は女に口づけをし、その女の唇を指の腹で撫でる。

女はトロンとした目で首を傾げ吐息をはく。

「それじゃあな。また来るぜ。」

「必ずよ。待ってるから。」

遊女にこう言わしめるとは、そうとうここで遊び慣れているのだろう。

しかし類は先ほどのなずなの様子から案外この男もカモにされているのかもなと思っていた。

類が歩き出し、男も続いて大門を通り抜ける。

しばらく歩いたところで男が声をかけた。

「ここは嫌いじゃなかったのか類?」

「嫌いじゃなかったよ。・・・まぁ好きでもないけど。・・いや、やっぱり嫌いかな。」

「何があったんだよ。」

「別に。」

「・・・へぇ、お前をそんなに捻くらせるなんて相当な遊女なんだな。どこの見世に行ったんだよ。」

「どこだっていいだろ。」

「いいじゃん教えろよ。俺はここで良く遊んでるんだ。はずれの見世なら知っておきたい。」

男は類と親しいようだ。だから馴れ馴れしいが話し方に嫌味が感じられなかった。

ふぅとため息を漏らし類が白状する。

「伊吹屋だよ。」

「伊吹屋って、あの伊吹屋か?司の女がいるんだろ。」

「ああ。どんな女か見てみたくてね。でも見るどころか話もしなかったよ。」

「話もしない?」

「皆の前で聞いたんだ。そしたら伊吹屋の太夫は司は答えろと言ってないってさ。
それで若い遊女の相手をして聞き出そうとしたんだけど、、、」

「ふぅん。それじゃ相当司の息がかかってるんだな。贔屓にしてる司の悪いようにはしないってことだ。」

それは類も思った。

確かに司の家は豪商の中でも頭一つ出ていて遊郭の中でも客としての位は高い。

大見世でも上客なのだから中見世ならばさらに離したくない客だろう。

「でもよ、類。俺はこんな話も聞いたぜ。」

「なんだよあきら。」

そうこの男は美作屋の一人息子だった。類同様司とも幼馴染でもう一人茶人西門流の次男とともに江戸の裕福かつ男前で花の四人組ともてはやされていた。

「伊吹屋の遊女は皆喘ぎ手管を極めてるってな。」

「喘ぎ?」

「普通遊女の喘ぎ声ってのは大半は演技なんだが、皆イカない期間が続くと分からなくなるんだよ。飛ばされた時の鳴き方がよ。
だから見世を回ってる男からしたら演技かどうかすぐに分かっちまう。
だがそんな男も伊吹屋では騙されたらしいぜ。
しかも隣の声に耳を傾けたら皆鳴き方を知ってたんだ。」

「へぇ、、何で知ってるんだろうね。」

「だよな。遊女はイクのは恥と考えているからな。となれば遊女じゃないのかもな。」

「遊女じゃない?」

「あの見世でイカされてる女がいるってことだろ。そしてそれは遊女じゃない。
そして、、、司の女もいるんだよな。」

「そういうことか。」

なずなにしてやられたことに納得した類。

しかしそれはつまり司にしてやられたこと。

そう考えればそれはそれで面白くはない。

「あきらお前でも騙されるかな?」

「かもな。・・だが俺はそれでもいいよ。」

「へぇ、、、色男は小さな事は気にしないってか?」

そう言っておいて苛立つ類。

まるで自分の器が小さいように感じたからだ。

「ちげぇよ。鳴き方が上手いのはいい事だっつー事だよ。
考えてもみろ下手に鳴かれたら白けるだろ?
ここには女と夢を見に来てるんだ。心まで求めちゃいねぇよ。」

「・・・なるほどね。」

そう言って納得する類。だがやはり自分の器は小さいなとも実感してしまった。

「司は、、、」

「あ?」

「司さ。あいつも夢を見に来てると思うか?」

「フッ。あいつが夢を見るタマかよ。
そりゃあ本気なんじゃねぇの?身請けしたんだしよ。
・・・となると見てみてぇな。俺も顔出してみるかな。」

「・・浮気がバレたら詫びが必要らしいよ。」

「あ?浮気?」

「遊郭の礼儀なんだと。」

「クッ、そりゃあそうだが俺は贔屓は作らねえつもりだ。
まぁそうなると見世につき一人しか指名できねぇが、ここの遊郭には見世が幾つもあるからな。
それに俺は若い女は好みじゃねぇしよ。」

「お前の好みなんて知りたくないし。」

それは知ってるからだ。確かあきらは年季近い遊女を好んでいた。

それはつまり遊女以外で客を取っていることになるのかもしれない。

年季明けでもまだ借金が残っている者は見世に残り見世の裏方をしていると聞いた。

大門の外にも非合法に身体を売る女はいる。

ならば大門の中にいてもおかしくはない。

見世の表と裏に手を出している幼馴染を類は冷ややかに見ていた。

「いつか刺されるね。お前。」

「そうかもな。だがそんな緊張感も稼業には役立つんだせ。」

それは美作屋が裏の顔を持つからだ。

あきらは普段は優しい面を付けているが、非情になる時はその面をいとも簡単に外す。

「遊びも仕事のうちってか?いいねお前は。」

「それは司に言う台詞じゃねぇの?」

類は足を止めあきらを見る。

分かったように自分の事を話すあきらに苛立ちを覚えた。

が、

「俺眠たいんだ。女が側にいて寝れなかったから。」

そう言って大欠伸する類。

欠伸したとたん眠気が襲って来た。

「ククク、気をつけて帰れよ。」

あきらに返事もせずその場を立ち去る類。

あきらは類にも司のようになればいいと思っていた。

「似た者同士だからな。あの2人は。
・・・そう言うことなら、取り合いにならなければいいんだが、、」





***


遊女達が起きて来て遅い朝食も食べ終わった。

つくしは米粒一つ残ってないおひつを井戸の水で洗う、、、としたら水が冷たすぎるので焼き石を取ってくるか迷っていた。

おひつを洗うだけのために焼き石を準備する。

もちにありつけない苛立ちから焼き石の手間も必要かと考えていた時、

ザザッと後ろから人の近づく気配がした。

こんな見世の裏手にまで来る人物など限られている。

あたしを呼びにきたに違いない。


「よお。」

容易く予想出来た登場につくしはつまらなさを感じる。

「よぉ。」

「なんだ?機嫌悪ぃのか?」

「別に。そんなことないよ。」

「月のアレか?そういやもうすぐだな。」

「違うし。っていうかもうすぐとか言うな。」

自分の月の周期を知られているなど、手の内を見られているようでいくら司といえどつくしは嫌だった。

「もうすぐなのは間違いねぇだろ。っと、まぁそれはどうでもいいや。ほれ。」

何がどうでもいいのかとつくしは司を睨むのだが、司が手を出した物を見て虚を取られる。

「何コレ。」

「餅。正月だしな。こっちでもついてるだろうけど、トロいおめぇのことだ。ありつけないと思ってよ。」

「餅ぃ?!えっ、あっ本当に餅だ。わーーー嬉しい。お餅食べたかったのぅー」

「クク本気でありつけなかったか。」

司は笑ってる。だが思いもよらずの餅の登場につくしは苛立ちを疾風のごとく追いやる。

「ありつけないじゃなくて、餅をつかなかったのよ。昨日宴会が入ったせいで皆んな起きたばっかりなの。本当にうれしーー餅最高ーーー」

相変わらずのつくしの食い意地だが司の表情は柔らかい。

「そうか昨日宴会があったのか。じゃあ用心棒もっと連れてこりゃあ良かったな。
そしたら餅つき出来ただろーよ。」

「ううん。いいよぉ。餅持ってきただけでとっても嬉しい。あっ、ねぇ食べよ。中入って。ほらね。」

そう言って司をぐいぐい引っ張るつくし。

司は愛しい女にもう少し引っ張ってもらおうと後ろ足を少し踏ん張る。

するとつくしは司の腕に自分の胸と腕を巻きつけ、上目遣いで司を引っ張る。

司の鼻腔の血管は切れかかっていた。

正月早々つくしは受難に見舞われたようだ。

姫始め。司には最高の一年の始まりとなった。





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あきら、そしてむりやり総二郎も登場させちまいました。
バトルは考えてないんだけどなー
あきらの登場は単なるネタばらしみたいなもので。
類が手駒にされたのアレって思いませんでした?
元新造のつくしちゃん、ちゃんとみんなの役に立ってるよ!
身体を張って、、、と言いたかったのだ。
ほほほほほ。


あ、明けましておめでとうございます。
つかつく二次作家さんはほとんど休みに入ってしまいましたね~
私はそんな中逆の動きをしています。
みんなが動き出したら休もうかな?






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明けましておめでとうございます!

今晩はlemmmonさん、今年も宜しくです!年末年始仕事でくったりして私としたことが大好きなパラレル話見逃してましたあ!江戸の遊女の話とか破天荒な司が好き(つくしが遊女でなくて良かった)正月の中の更新もありがとうございます!一気読みでルンルンです、正月少し休んで下さいね私も明日は休みです。今年も楽しく読ませて頂きます。
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