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スッピン26
2017-01-15-Sun
つくし視点の話に戻ります。








カチャ

類の待つ応接室のドアを通り抜けたつくし。

類はつくしの姿を見て固まっている。

その驚いた顔をチラリと見て岩元の引いた席に着く。

「お待たせ。」

「牧野?」

「・・・あー、うん。」

つくしはもう牧野じゃないと思ったが口を閉じた。

そして岩元の存在に気付く。

「彼も同席するわね。類に紹介したいの。」

そして自分は類と名前呼びしていることにも気付いた。

「紹介?」

「うん。彼は岩元さんと言ってあたしの秘書をやってるの。」

「岩元輝です。花沢様とは以前道明寺日本本社のロビーでお会いしています。とはいえ会釈のみでしたので憶えてないかもしれませんが。」

「道明寺本社で?いつの話ですか?」

「もう8年近く前です。・・まだ奥様が副社長とお付き合いしていた頃ですね。」

それに類は少し考えて思い出したようだ。

ハッとして話始める。

「あの時の、、そうかあんたが司が他所から引っ張ってきた、、って、牧野の秘書?何で牧野に秘書が必要なんだ?」

「あたしも最初は何でって思ったよ。でも岩元さんがいてとても助かっているの。」

「助かる?」

「僕は道明寺副社長から奥様のフォローを任されてます。奥様は一般の出身ですので人前に出る際のアドバイスなどを行なってます。」

人前というのはつまり上流階級での人前の事だ。

「あんた前は何やってたんだ?どこかの邸で執事でも?」

「いえ、執事の経験はありません。僕は大手の芸能事務所にいました。」

「芸能事務所、、」


「なのでパーティなどは幾度となく顔を出しています。もちろんタレントの補佐としてです。今は奥様の秘書をやらせてもらってますが、マネージャーと言えば分かりやすいかもしれませんね。」

「そうだね。色々アドバイス貰ってる。今着ている服も岩元さんの見立てなの。」

つくしの服装はフォーマルなワンピースドレスだ。袖が着物様に広がり印象が堅くなり過ぎずにいる。とはいえ客人をもてなすのに失礼な姿ではない。

類はそんな服を選んだのがつくしでないことに安堵するものの、自分を来客扱いしたことへの不満はまだ残っていた。

「俺と会うんだから自分で選べば良いじゃん。」

「自分で選ぶの面倒なんだもん。」

「何でさ。面倒って、、相手は俺なんだから畏まらなくても構わないよ?」

礼儀でこんな格好をした訳ではない。だけどつくしはそれを口には出せなかった。

「奥様は今オンとオフを分けて過ごしてます。」

「何?あんたに聞いてないよ。」

苛立ちを口に出す類。

つくしは口を開けて驚き、岩元は冷静に受け止めた。



しばし無言になる室内。



口を開いたのは類だった。

「ごめん。まただね。最近俺は苛立ちやすいみたいだ。」

何気に弱さを吐く類。意識してかせずか自然と口にした。

それに類はつくしだからと気付く。

だが、つくしの反応は違った。

「そうみたいだね。あまり時間を取らせるのも良くないから、アレ持ってくるね。」

「・・アレ?」

類はつくしの予想外の反応に戸惑い何を持ってくるのか聞いてしまった。

「招待状よ。手渡しで欲しいと言ったのは類でしょ。」

そう言ってつくしは岩元に目で合図する。

岩元が鞄から招待状を取り出した。

「どうも行き違いになってしまったみたいね。手渡しでって事はこちらの不手際を指摘してのことでしょ。本当にごめんなさい。」

つくしと岩元は頭を下げた。

上司が部下の不手際を謝るのは当然のことだ。

だが本当は不手際でもなんでもない。


「2人とも頭を上げてくれ。招待状は届いていたよ。それを言わなかった俺の方に非がある。悪かった。」

つくしと岩元は頭を上げた。

その顔は意外でもなさそうだった。

「そうなの良かった。忙しくて言えなかった?類も秘書に任せればいいのに。」

「そうだね。そうすれば良かった。」

類は混乱していた。苛立ちもあったが混乱の方が勝っていた。

「お茶冷めてしまったね。新しいの持ってこさせるね。」

つくしは目の前の類を見て強く言えなかった。

それでも当初の信念は持ち続けていた。





新たなお茶が運びこまれ、3人はそれで喉を潤した。

「見苦しいところを見せてすまなかった。聞きたいことがあるんだけど、いいかな?」

一息ついたところで類が語りかけた。

「いいよ。」

「オンとオフってのは何?」

「ああ、それね。道明寺夫人のオンオフよ。あたしはこういう生活に慣れてないわ。だからオンとして頑張る時とオフとして力を抜く時を分けようとしてるの。」

「それじゃあ今はオンなんだね?俺の時にオンにしたのにも訳がある?」

「・・まだオンにも慣れてないの。今はまだ訓練中。だからかな。」

「そっか。なるほど。」


つくしは言い訳が上手くいき過ぎだと思った。

それでつい隣の岩元を見てしまった。

それに岩元は気付き目元口元を緩ませ応える。


それも類は見ていた。

だがすぐに反らす様に俯いた。




目線を下げたまま類はまた口を開いた。

その口調は答えを知っているかの様だった。

「その目元や、前のヤツもあんたの考え?」

「はい。左様です。奥様には目立つ事が必須ですが、同時に隠れる事も必要でした。オフの時間は奥様にとって言わば回復期になります。欠ける事は奥様の状態を左右します。あのペイントは目立つ意味でも隠す意味でも都合が良かったのです。」

隠すと聞いてパッと胸元を押さえるつくし。

つくしの顔はほんのり色づいていた。



類もつくしの痣には気付いていた。

見つけた当初は司の子どもじみた嫉妬と思い、無いモノと捉えていた。

しかしそれが見せるモノと気付いてしまった。

いや、気付かされた。


類はこの男が邪魔に思えた。

この男は自分の居場所を奪っていると。

だがそれも違うことに気付く。

この男じゃない黒幕は司だということに。


ギリギリと歯ぎしりする類。

苛立ちはマックスだ。


司が牧野にあった自分の居場所を潰している。

この男を初めて見た時から何か感じたのはコレだったのかもしれない。

普通のサラリーマンが何故気になるのかと疑問に思ったことが強く記憶に残っていた。






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