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スッピン32
2017-01-22-Sun
ウェディングソングのBGMが流れる中、天井から光の筒が降りてきて花嫁が姿を現した。


その姿を視線に捉えた新郎は表情を変えた。


新郎は会場の視線を一糸に集めていたため当然皆その表情の変化には気付いた。


新婦は純白のウェディングドレスを着ている。

ティアラを付け、変わった所といえばケープ様のベールだろうか。しかしそれは肩から腕のラインを和らげているだけで特段変わった様には思えない。

むしろ特異なのは花嫁をエスコートしている人物だ。

花嫁は、、





くまさんにエスコートされていた。


そう、あのくまさんだ。

茶色いモコモコの着ぐるみ、先ほどのコントがメインのせいか目付きは悪かった。左目にはキズがありお世辞にも可愛いとは言えない。


新郎の待つ中央のステージまでくまさんは花嫁をエスコートしていく。

だがくまさんの中の人物は着ぐるみを着ていても分かるほど緊張しているらしい。

花嫁をエスコートするどころか、花嫁がくまさんをエスコートしている様にも見えた。

そう見えた者たちはそのくまさんが誰なのか実際の人物を知らなくても想像出来た。



しかし、

先ほどのコントの詳細を知らされてなかった新郎はくまさんの登場に不機嫌な感情を呼び起こされた。

実は新郎、あのコントを見て理解出来ていなかった。その様子も重なり普段鉄仮面を付けていると思われる敏腕秘書は肩を震わせ笑いを堪えていた。

秘書の様子からあのコントが自分の事だと勘付いたのだろう。新郎はくまを例えに使った事が不満だった。

実際の様子に倣う必要など無い。新郎の考えでは新婦とのロマンチックなエピソードが披露宴には在るべきだと思っていたのだ。(つまりくまではなく王子を出すべきだと思っていた)


新郎の目にはくま野郎が新婦にベタベタしている様に見えた。

それに新婦は誰よりも愛しいはずの自分をなかなか見ない。

新婦の視線は常にくま野郎に向いている。


新郎新婦が近づくにつれ、新郎の表情は険しくなっていった。



中央のステージに新婦とくまさんが立ち、そこでようやくくまさんは顔を上げて新郎を見た。


「ひっ、、」


被り物の中に装着したマイクが悲鳴を拾ってしまい、新郎の表情は険しいどころではない。

くまさんも頭が真っ白になり固まってしまった。


それに気付いた新婦がくまさんに声をかけた。新婦にはマイクが装着してなかった。だが近くにいる2人にはその声が届き、そこだけの世界が開かれた。




「パパっ、、」

「えっ、、」

「ハ!、、つっつかさ君!つくしを!つくしをよろしく頼んだよ。かならず、しあわせに、してっ、やってくでぃ!」

そうくまの着ぐるみの中はつくしの父親だった。

父親は緊張とパニックのあまり声を上ずらせ一気に巻くしたてる。それでも噛んでしまったが、、


つくしの父親だとようやく気付いた新郎はあまりの衝撃に反応出来ず驚きの顔のまま固まってしまった。
(当然新郎の表情は会場のスクリーンにアップで映し出され皆が目撃している)



「つかさ、つかさっ!」

新婦の声で我に帰った新郎も自分達以外の存在を無くした様だった。

ぱあっと花開く表情、

その満面の笑みは会場の度肝を抜いた。


「はい!お任せ下さい。必ず僕がつくしさんを幸せにさせます。お義父さん、ありがとうございます。」


騒つく会場内。


先ほどの演説でメスを呼び覚まされた女性達は呆気に取られ、


重鎮と呼ばれる屈折者達は新郎の可愛げに感心したりと好印象だ。




一方、



「あいつ次の会食の事とか考えてるか?どんな顔するつもりなんて全く頭に無いだろ。それでも道明寺の副社長かよ、、」


「あー知らねぇぞ、、古狸供がニヤニヤしてるぜ。本当に阿保だな。司の奴は。」


親友2人は呆れ、経営者の態度としての失敗を口にする。



「あっはっはっは。あーもう最高!うん。満足だわ。」

「何が最高なんです?滋さん。」

涙目で笑う理由が分からない桜子は滋に聞いてみた。

「岩元さんよ。あの人ね、私が司に一泡吹かせるの止めたって言ったらさ、僕が何とかしますよって。」

「それであれですか?確かに道明寺さんは着ぐるみの中身が先輩のお父様だって気付いてなかったみたいでしたわ。」

「何をするかは聞いてなかったけど、きっとそうだね。さっきの森のくまさんもそうじゃないのかな?」

「はぁー、、そうだとしたら凄すぎますわ。岩元さん、、最強の秘書ですわね。」

桜子が本気の脱帽を示すと優紀が言葉を締めくくる。


「それだけつくしの事を考えてくれているんだね。」

優紀を見合わす滋と桜子。

「本当だね。司超カッコいい。」

「勝てませんわ。誰も勝つ事は出来ない、、先輩への想いは。」



女子3人がそう結論付けていた頃、もう1人の親友も同じ考えだった。


勝てるはずがない。

もちろん勝つつもりもなかった。

だけど、、


まだ連んでいたかったと。


類は溜息をついた。

「寂しいな、、、でもしょうがないか。」


そう呟いた声は小さく隣の妻へも届かなかった。

しかし類の表情は穏やかで、2人を見つめる目は自分を変える決意を宿していた。





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披露宴が終わらない、、


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