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スッピン34
2017-01-25-Wed
都内の産婦人科病院内、


授乳を終えた産婦が部屋へ戻ろうとした時看護師から面会人を告げられた。


カチャ


「あ、貴女だったんですね。」

「こんにちわ。お邪魔しているわ。ベビーの様子はどお?」

「ええ、元気です。もっと飲ませろって泣いてました。」

「もっと?食いしん坊なのかしら?」

「それもあるんですけど、私まだお乳が沢山出なくて、、」

「ああ、そうね。まだ産後3日目よね。だったら明日くらいには出るんじゃない?」

「だと良いんですけど。」


穏やかに話す美魔女2人。


だがこの2人、ほんの2ヶ月前までは片方の誤解でいがみ合っていた仲だ。


そう、つくしがNYを訪れたあの日までは。



「ふふ。また上から話してしまったわ。ごめんなさいね。慣れてなくて。」

「変える必要はないですよ。椿さんは元お義姉様なんですから。」

「元でしょ。それに貴女の方が私よりひとつ上じゃない。」

「この歳になれば実年齢は関係ありません。お互いの関係性ですよ。」

「なら貴女はもう弟の妻ではないんだから敬語で話される必要は無いわ。」

「だから普通にしていて下さいよ。上からと言いますけど、椿さんは普段からこんな話し方ではないですか?それに私は特に嫌な感じは受けません。」

「そう。・・じゃ、私が変に意識しているだけなのかしら。・・・ふふふふっ。」


お互いに笑い合うそろそろアラフォーの女性2人。

そう彼女達は司の姉椿と司の元妻梢だった。

つい3日前、この病院で梢は第1子を出産した。

椿はその見舞いに来たのだ。


2人の関係が改善したのは、つくし達が結婚披露宴を行う少し前。

披露宴のために帰国した椿が、出産を控え先に帰国していた梢を訪ねて行った時だった。

椿は梢にこれまでの態度を謝罪した。

梢はその謝罪を無い事とした。謝罪する事では無いと。

男達の事情に振り回されての誤解。

梢は椿を恨んでも憎んでも無かった。

只令嬢として自分よりも苦労していると同類の目で見ていたのだった。


椿はそんな梢の言葉から今までの自分の考えを改めさせられた事が多々あった。

その一つに学生の時の親からの交際反対。

椿はそれを反発したが、梢は羨ましいと言った。もし私もそうであったなら安易な妊娠はしなかっただろうと。

もちろんそれはそれで勘違いなお嬢様のままだっただろうが、そうでなかったかもしれない。人生悪い出会いばかりではないからと。

だから流産し身体も心も傷つける事が無かったから、結果論でも親に反対して欲しかったと梢は言った。

椿は母親に反対され、今の夫と結婚し2人の子どもを授かっていた。

親の立場になって考えると梢の言う事も分かる。

長年椿の胸に巣食っていた想いが溶けた瞬間だった。



「これ気になっていたんだけど、つくしちゃんの字かしら?」

「ええ。昨日来て頂いたんです。手作りみたいですよ。」


それはオムツケーキだった。紙オムツを使ってケーキ様にデコレーションしてあった。


「やっぱり?手書きのメッセージが売り物っぽくなかったのよね。貴女の周りでこんな事しそうなのはつくしちゃんかなって思ったの。」

「そんな事は、、、無いと言えないのが辛いとこですね。」

「旧友は相変わらずなの?」

「そりゃあ相変わらずお嬢様、、ではないですが、手作りはしませんね。」



ふふふとまた笑い合う2人。

ひと笑いした後椿はため息をつき聞いた。


「つくしちゃんは元気かしら?」


そう聞く理由を梢は知っていた。



司とつくしの結婚披露宴の夜、道明寺邸に集まった椿と梢。2人が親しくしている事につくしは喜んだ。

そして女だけと話す中で、椿はつくしにあんな結婚式で良かったのかと聞いた。

するとつくしは大満足だと答えた。

梢の隣で自分を押さえていた椿だったからか、つくしは前の様に素直になれた。

つくしは結婚式はみんなに祝福され、愛する人と行うのが夢だったと言う。

そして楽しそうに式の準備をする司を見たら形式はそう重要ではないと言ったのだ。


それを聞いて椿は何も言えなかった。椿は自分の思い描いた結婚式こそがつくしを満足させられると思っていた。

だがつくしの言葉で誰の結婚式なのかを改めて気付かされた。

そしてそのことで今まで自分がつくしにしてきた事が自分よがりな事に気付いたのだった。



「お元気そうでしたよ。相変わらず仲が良い様です。」

そう言って笑い出す梢。

暗くなりがちだった椿は虚をつかれる。


「何笑っているの?」

「ふふふ、、つくしさん、、ふふっ、ふっ、仲が良いのも大変そうですね。」

「大変って?」

「つくしさんねお腹割れてるんですよ。」

「はぁっ?」


聞けば見舞いに来たつくしにあやかりをと梢がつくしのお腹を触ると、引き締まっていて鍛えているのか聞いたら、毎日筋トレをしていると言う。

理由を聞けば子作りの為というがなぜかつくしの表情は微妙なのだ。

それでカマをかけたらビンゴ。

子作りの理由もあるが、夜の営みを満足させられるために体力の差を埋めさせられているのだった。

そのため見せてもらったつくしの腹筋は女性らしからぬ見事な割れようだった。
(腹筋がありながらも腰のくびれに色気があったためバレたのだった)



「はぁー、、あの子ったら。えっ、じゃあ何?つくしちゃんは毎日相手させられているの?」

「だと思うわ。大変ね。」

やれやれと苦笑いする2人。女性の立場から言えば毎日の相手など一歩間違えれば恐怖症にもなりかねない事態だ。


「あ、でも今日からピルが偽薬と言ってたから休めると言ってたわ。」

「偽薬?」

「ピルを飲み忘れないための薬ですよ。つまり生理が始まるんですね。」

「そうなの?私はピルを使わないから知らないけど、何?!司ったらピルを飲ませてまで相手させてる訳?」

また誤解しそうな椿、梢は慌てて説明する。

「違います。そこはつくしさんの都合のようよ。なんでも月経痛をコントロールしているみたいです。って、私がつくしさんのことペラペラしゃべったらまずいですね。椿さん内緒にしてて下さいよ。」

「そ、それもそうね。まぁ、つくしちゃんの都合ならしょうがないわね、、」


慌てて自分を諌める椿。

というのもここ数ヶ月なぜ自分が蔑ろにされてきたのかを充分すぎるほど見せつけられたのだ。


その最大の理由が世間のつくしへの反応だ。


披露宴の後テレビや雑誌で取り上げられる道明寺夫人は、ベールに包まれていた。

披露宴会場では顔は隠さないものの会場が広いためつくしの顔を遠目でしか見れないし、たとえスクリーンに映ってもその時間は短く明らかに制限されていた。

また会場にはエキストラとしてマスコミを入れてはいたが、持ち込みを許可したのはハンディカメラのみで望遠に適さないものだった。

そのためつくしの表情を目撃した人はいても、カメラに収めるには至らず(収めてもかなり荒い画像だった)翌日からのワイドショーではイラストでの報道となった。

そのため世間ではつくしの顔が少しずつ脚色されていく。

司とのラブロマンスが好意的に受け止められたこともあって、つくしはかなりの美貌の持ち主と認識されていた。

そのためつくしは道明寺夫人のオンオフを容易に切り替えることが出来たのである。


『道明寺夫人としてのお披露目が綿密に練られていた事』をまざまざと見せつけられた椿は、自分が出しゃばっていればこれらが台無しになったであろう事を理解せざるを得なかった。




「私は何も出来ないのかしら、、ね。」

ポツリと呟く椿に梢が苦笑いする。本当にこの姉弟はつくし愛が大き過ぎると。


「そんな事はないですよ。つくしさんはこの後ピルを止めて妊活すると言ってました。そしてNYに渡るとも。アメリカでの妊婦生活は日本とは随分違います。まぁ、お金の苦労はないでしょうが、たま○よなんてないでしょうしね。経産婦としての意見はかなり興味を持つと思いますよ。」

「何?たま○よって?」

「知りませんか?妊婦系雑誌です。」

「へぇ、そんなのあるのね。」

「・・・・・」

「それをプレゼントしたらつくしちゃん喜ぶかしら?」

「・・それは雑誌なので、ご自分でも取り寄せるかもしれません。」

「そう、、、」

がっかりする椿。梢はやれやれと言う気持ちだった。なのでとっておきの情報をつい教えてしまう。

「母子手帳はどうでしょう。」

「え?母子手帳?」

「はい。妊娠の次期にもよりますが、渡米後に妊娠してあちらで妊娠出産となれば母子手帳は行政から貰えないんです。私も向こうで妊娠が分かりました。仕事の事もあって向こうで出産を考えていたら母から母子手帳はどうするのと聞かれ、すぐに送ってくれたんです。」

「そう言えば私はどうだったかしら?私はLAで2人出産したから母子手帳は無かったわ。医療記録ならホームドクターがいるから揃っていると思うし、、」


梢はせっかくの情報も椿には当てはまらなかったからダメかと思った。

だが、しょげている椿を見て世話をつい焼いてしまった。


「つくしさんは母子手帳喜ぶと思いますよ。母子手帳は母親が書く欄もあって日記の役割もあるんです。椿さんは使わなかったけど、後から使えば良かったって言ったらどうです?母子手帳を持ってなくても妊娠中の話の花は咲かせますよ。」

「そうね。探してみるわ。」

「ちなみにつくしさんが妊娠してから渡して下さいね。」

「え?どうして?」

「NYに行くのは来月からと聞きました。日本にいる間に妊娠したら区役所から貰えますから。」

「じゃあ、渡米してから妊娠すれば良いのね。よし、司に日本にいる間は妊娠させないように言っとかなきゃ。」

「ええっ?!つ、椿さん?」

梢が慌てるも椿はすでに聞いていない。

どうやれば司を言いくるめられるかと頭をフル回転させている。


梢は言ったことを後悔するが、後の祭りだ。

せめてこちらに影響が及ばない事を祈らずにはいられなかった。


そして、つくしに謝らねばとも。





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昨日は連載のお休みすみませんでした。

椿お姉さんとの事をスッキリさせたくて書きました。
母子手帳は日本では当たり前ですけど海外では違うんですよね。
アメリカでも日系ではあったりするのかな?その辺りは良く分からないので想像です。
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