甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー司の決断・前編ー
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花街に護られてー司の決断・前編ー
2017-01-31-Tue
もうひとつお話投入します。
これも誕生日に相応しいかしら?



江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。










「坊ちゃん、旦那様がお呼びです。」


遊郭から戻った司は父親に呼び出された。

時期が時期なだけに何を言われるかは司にも分かっていた。



その時の話で司は父とある約束を交わした。

父は司の要求に眉根を寄せたが、首を縦に振った。

そのくらい対価としたものが大きかったからだ。






一月十六日。

昨日までの小正月を終え、町はすっかり普段と変わらぬ活気が戻っていた。


しかしここ遊郭はそんな正月気分など関係無く、遊女達は身体を張ってお勤めしていた。



そんな日に若い男が伊吹屋の暖簾をくぐり、その姿に見世の者は驚いた。


「これは道明寺の坊ちゃん、、、元服なさったんですね。」

「おう。まぁな。今日は俺が客を取りに来た。」

「坊ちゃんがですか?・・では誰を指名しますか?知っているとは思いますが、水揚げ前の新造は指名する事は出来ません。」

「百も承知だ。・・・紫陽を指名する。」

「・・紫陽ですか?しかし、紫陽は今先客がいまして、、、その場合は紫陽の新造がお相手致します。なので、、」

「分かった。手は出さない。紫陽が部屋に来るまで待つ。」

「へぇ。では案内致します。」



二階の仕切り部屋へと案内される司。

そんな司の姿を見つけた遊女達は驚き、色めき立つ。

しかしその中に司の探している者はいなかった。




ほどなく部屋で待つ司の所に紫陽の新造がやって来る。

部屋に入って司の姿を見た新造は驚いた。


「あ、あんた!!」

「よぉ。・・・突っ立ってねぇで早く入れよ。寒みぃだろうが。」

「あ、う、うん。ごめん。」


つくしは襖を閉め、司の側に腰掛けた。

紫陽の客と聞いて来たら司だった事に動揺を隠せない。



何故なら、、



司は月代(さかやき)を作り、髷を作っていた。
*月代:前髪から頭の中心部を剃る事。

鬢(びん)と髱(たぼ)をややふっくらと結い武士ではなく町人を表している。

元服を行なったのは一目瞭然だった。



つくしは変わった司の姿に落ち着かなかった。


前は髪を後ろに纏めるだけの総髪をしていた。

確かそうしたのは、、


「それ、髪結いにしてもらったの?」

「・・まぁな。」

「触られるの嫌じゃなかったっけ?」

「なこと言ってらんねーだろ。自分じゃ月代は出来ねぇんだし。いつまでも総髪じゃいられねぇんだよ。」


それは家の事もあるだろう。

司の家は豪商と呼ばれる商家だ。総髪は医者や老人ならともかく、若いのに月代を作らないのは浪人くらいの者。

まだ齢14であっても身体の大きな司は年齢に達してなくても元服を言われていたかもしれない。


「ま、それでも女にはさせなかったが結構面倒なんだな。おめぇらの苦労が分かったぜ。」

「へ?苦労って?」

「・・油を使ったんだよ。俺の髪は真っ直ぐじゃなくてよ。どうりで親父が油臭ぇはずだぜ。」


それは髪を固める為だった。司の髪は強い癖毛だったのだ。


「そ、そう。でもそのうち慣れるよ。・・まぁ、夏場はちょっと止めた方が良いけどさ。」

「夏場?何でだよ。」

「何でって、虫が寄ってくるの。そしたらブンブン煩いし。」

「げぇっ、、」


心底嫌そうな顔をする司。

それを見ていたつくしだったが、ある事に気付いた。


「あんた、紫陽姐さんを買ったの?」

「あ?まぁな。」

「でも紫陽姐さんの間夫は、、」

「話があんだよ。別にやりゃあしねぇよ。」

「話って、、」


同衾しないと言った司に安堵するつくしだが、そう思う事にも戸惑い、、

俯いていたつくしが顔を上げると、司がじっと見ていた。



ドクン、、



言葉が出てこないつくし。

何故か泣きたくなってしまい、唇を噛み必死で涙を堪えた。



そんなつくしの様子を見て司はスッと立ち上がる。


つくしは司を見上げる。口は開くが言葉に出せない。


「遅ぇ。また日を改める。」


そう言った時、部屋の外から声をかけられ、、

司は紫陽の待つ部屋へと出て行った。


ひとり仕切り部屋に取り残されたつくし。


実際はひとりではなかった。


屏風を挟んだ向こう側には、客の相手をしている遊女の姐さんがいた。


まだ同衾するには早い時間。


姐さんは客と擬似恋愛をしていた。

客のはしゃぐ声が部屋に響く。

だがつくしの耳には届いてなかった。


しばらく呆けていたつくしだったが、ハッと気付き立ち上がろうとし、足を取られてしまう。


「大丈夫かい?」

「す、すみません。大丈夫です。」

慌てる様に立ち上がろうとするも足がもつれる。痺れている訳でもないのに。

つくしは這う様にして部屋を出た。


壁を手で伝い、紫陽姐さんの部屋に向かう。

この部屋にいるのは姐さんと司。


今まではこの部屋の中で司と二人、姐さんの仕事を見ていた。


つくしは何故司が姐さんを買ったのか分からなかった。


隣にいた時、女に興味があった様に思えなかった。


姐さんの艶の声を聞いても表情を変えなかった司。それは自分が側にいるから強がりだったのだろうか?

本当はずっと姐さんを抱きたいと思っていたのか、そう思うと胸が張り裂けそうになるつくしだった。



部屋の前に来ても中々襖に手をかけられないでいるつくし。


絡み合う二人を見たらどうなるんだろうかと自分の反応が怖かった。


そんな時別の部屋から廊下に出てくる気配を感じ、慌てる様に部屋へと入るつくし。



つくしが入って来た事に、振り向く二人。



司はつくしを一見して、また紫陽に向き合った。


つくしはそそくさと屏風の陰に隠れる。


屏風を挟んだ事で、つくしには二人の表情が見えなかった。


そうでなくても顔を上げられなかったのだけれど。



黙ったままの二人。

つくしは二人が見つめているのかと思えた。




「分かった。やりゃあいいんだな。・・おめぇを抱いてやるよ。」



その言葉につくしは目を大きく真開いた。






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続きは明日6:00にアップします。

心臓に剛毛が生えてる方のみ来てください。
それともパスかけようかな?

どうしよう、、
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