甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー恋仲になるまで5ー
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花街に護られてー恋仲になるまで5ー
2017-02-04-Sat
題名(副題)少し変更してます。

江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。











昼過ぎの伊吹屋。


見世の奥、裏の勝手口近くにある厠に女将が向かっていた。

厠の扉に手をかけようとすると先着の気配。

そのため少し待っていると、見世の方から騒がしい足跡が聞こえて来た。


「おい!婆あ、糞してんじゃねーぞ。」

「(イラッ)なんだい、、いきなり来て糞とか、、ここはあんたの邸じゃないんだよ。

何の用だい?」

「何の様だぁ?用なんざ、決まってんじゃねーか。つくしの月は終わったのか?」

「ああ、その事か。さぁてね、聞いちゃいないが、今朝はまだ離れに居たからまだじゃないのかね。」

「チッ。遅ぇな。月って、1日じゃねぇのかよ。」

「あたしも1日で終わってくれると嬉しいがね。だいたい3・4日ってとこかな?つくしも明日には終わると思うよ。」

「そうか。じゃあ、明日また来っか。」


来るなり用件だけを直球で聞く司。場所も顧みずの無礼ぶりに女将も不機嫌を隠さない。

が、

「ところで坊ちゃん、来てここでやるのかい?」

「当たり前だろ。連れて帰れねぇんだ。ここでやるに決まってんじゃねーか。」

「そうかい。なら回し部屋でも構わないね。つくしは座敷を持っちゃいない。隅っこの方でやっておくれ。」

「ああ?回し部屋だぁ?随分な扱いじゃねぇか、、金が足りなかったっつー事か?」

「金じゃあないよ。他の娘達の手前さ。惚れ合ってるお前達の同衾を良く思わない娘だっている。こっちは好きでもない男とやっているっていうのに、、ってね。」

「ケッ。」


身体だけでなく態度もデカいが、まだ元服したばかりの司。女将にはまだまだ小僧で客とは違った頭痛の種だった。


「なんなら土産でも持ってこりゃあ、あの娘達も機嫌を良くするだろうよ。」

「用心棒を連れて来いってことか?」

「新造達はまだ客を取ってないよ。用心棒が来た処で喜ぶかいな。」

「じゃあ何だよ。」

「女が好む物も知らないのかい?まぁ顔が良いから釣れるんどろうけど、はぁ、、つくしはこの坊ちゃんのどこに惚れちまったんだか、、」

「う、うるせーよ。つくしは俺の顔で選ぶ用な奴じゃねー。」

「そんな事は、あたしの方が知ってるよ。あんたと知り合う前から見てるんだよ。」

「・・・チッ。」


家は商売をやっているというのに礼儀も知らないのかねぇと女将は説教のひとつもしたくなるが、はたと気付いた。


「まぁ、甘いモンでも買ってくりゃあの娘達も満足するだろうよ。」

「甘ぇモンか。つくしも好きだったな。饅頭とかで良いのか?」

「ああ、そんなとこさ。」


よしっと納得顔でその場を後にする司。


司の足音が聞こえなくなった処で女将は声をかけた。


「もういないよ。出ておいで。いるんだろつくし。」


ギィ、、と扉が開き中からつくしが出て来る。


「女将さん。気付いていたんですか?」

「全く音がしないからね。坊ちゃんが来て息を殺す必要のある娘はあんたくらいだろ。」

「そうですか。」

「つくし、ここに入ったって事は終わったんだね。」


ここの厠はみんなが使う処で、月の物で用を足す場合にはその離れの処で用を足していた。


コクンと頷くつくし。その表情は少し曇っている。


「覚悟を決めろ、、と言いたいところだったが、案外そうでもないかもしれないねぇ。」

「え?」


呟くような女将の物言いにつくしは聞き返してしまった。


「あんたとあの坊ちゃんの事さ。さっきの会話を聞いていただろ。あの坊ちゃん、口は悪いが案外素直だ。あたしが言った事を舌打ちしながらも聞いていたよ。まぁ、あんたの事だからかもしれないが、、、だったらあんたの事も聞いてくれるんじゃないかい?」

「あたしの事?」

「そう、あんたの事情。つくし、あんたは坊ちゃんと同衾するのが嫌な訳じゃないだろ。どれほど痛いのかを心配しているんじゃないのかい。」


その女将の問いかけにつくしは少し考えて答えた。


「だって、ずっと水揚げしてから客を取ると思っていたし。姐さんも痛みは絶対あるから水揚げの相手は痛くさせない人にするって言ってくれてたし、、でも、でも、姐さん、、司はぉ、きぃ、、し、、結構力も強いって、、」


段々と声が小さくなるつくし。

肝心なところは小さ過ぎて女将にも聞こえなかったが、言いたい事は伝わった。


それから紫陽が同衾した理由も。


身体の大きな司と小柄なつくしでは、熊が兎と後尾するような物だ。紫陽はつくしが壊されないか心配したのだろう。


「そうだろうね。だからさ坊ちゃんと同衾する前に他の人と水揚げしたいって言ってみたらどうだい?いつまでも逃げる訳にはいかないよ。ちゃんとした理由があれば坊ちゃんだって納得すると思うんだけどねぇ。」


うんとつくしは頷くが、、



女将の後ろを見て固まってしまう。


「つかさ、、、」


それに女将もハッとして振り返った。


「何だい?戻って来たのかい?」


司はムッとして答えない。

しかしその顔は苦々しい感じで、単に機嫌が悪いという様子ではない。


「どこから聞いていた?」

「・・・・・」

「答えないって事はあたしは間に入れないよ。あんた達だけで解決出来るならあたしは口出ししないけどね。」

「っ!!」


女将を睨む司、だが睨んでいるのに泣きそうにも見えた。


「・・・息を殺すくれぇからか。」

「フン。殆ど聞いていたって事だね。

それで、あんたはつくしの不安を分かっていたかい?」

「・・・・・」


苦々しく顔を歪ませる司。 言葉にしなくても素直な表情は女将に介入して欲しいという意思表示だと女将は受け止めた。


「女に興味がない奴が女を知ってるなんざ言っても胡散臭いだけさ。だから坊ちゃんが知らなくても何ら不思議じゃない。

それとつくしはずっと水揚げすると教えられて此処まで来たんだ。他の娘達の手前も、水揚げの儀式をしたいんだろう。あんたが役不足なだけじゃあないよ。」

「フッ、役不足か。」

「あ、、、」

泣きそうな司の顔に、つくしは胸が苦しくなった。

この時になってはじめてつくしは司の気持ちを考えてなかった事に気付いた。


「お、女将さんっ!」

「なんだい。」

「あたし、司とします、、、水揚げ、司と。」





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江戸に熊は出ないと思うので女将の熊発言は大きな動物の例えと考えてます。

この話終わらない、、
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Re:

すいません。指摘ありがとうございます。
タイトルを変える際に下書きにしちゃったみたいです。
今は見れるはず。
ご迷惑お掛けしました。

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Re:

いいえ。教えてもらって嬉しいですよ。
お体気をつけて下さいね。

恋仲長くなりそうなんですが、花街ファンが多く中途半端にやめられないのです。

まぁ、私も嫌だけど。

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おお~!いよいよ水揚げですか!
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