甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー恋仲になるまで8ー
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花街に護られてー恋仲になるまで8ー
2017-02-06-Mon
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。










ある日の遊郭。

昼下がりの穏やかな午後、二月というのに風も無く小春日和であったこの日、通りを歩く集団があった。

先頭を歩くは豪商道明寺屋の一人息子。用心棒の男達を引き連れて歩くその姿は機嫌が良くどこか得意げだった。

機嫌の良さについつい顔も緩む。その美貌は周りの視線を集めるが、いつもは違い威嚇する様子は無い。

一人息子は真っ直ぐ前しか見てなかった。






バサッ


「邪魔するぜ。」


暖簾をはたいて見世の中に入っていく。その手の勢いからこの男の意気込みが感じられた。


「へい。お待ちしておりやした。」

「やっと来たね。・・準備は出来てるよ。」

「そうかよ。」


二階に向ける目は興奮を隠そうとしない。


「おやおや、久しぶりに来たと思ったら随分機嫌が良いじゃないか。隅田屋に鞍替えしたと聞いていたが、戻って来たのかい?」

「あ?」


辛辣な出迎えをしたのはこの見世の遊女達。にやにやしながら一人息子をからかっている。


「ケッ。太夫から聞いてないのか?この見世の太夫は案外見かけ倒しの様だな。」

「・・言ってくれるじゃないか。誰が見かけ倒しだってぇ、、あたしがあの男の正体を直ぐに見破ったんだよ?」

「フッ。見破れるように仕向けたんだ。出来て当然だぜ。」

「あー口の減らない餓鬼だ事。敷居を跨らせたくないねぇ、、」

「もうちっとマシな芝居は出来ねぇのか?そんなんで太夫が勤まるんだから世も末だぜ。」

「おや、マシな芝居をして欲しかったのかい?そりゃ失礼したね。」

「フン。」


口撃をしてやられた一人息子。だが、機嫌の良さはその位では傾かない。


「随分用心棒を連れて来たじゃないか。あんただけと聞いているが?」

「おう。今日は俺だけだ。絶対邪魔されたくねぇからな。」

「全員中に入るのかい?廊下を占拠されちゃあ堪んないだけどねぇ。」


用心棒の数は全部で9人。女将の言う事は最もだ。


「それもそうだな。邪魔になんねぇのは何人だ?」

「一人でも居たら邪魔さ。」

「あ?それじゃあ、客が騒いだらどうすんだよ。ヤッてる最中に邪魔されちゃあ只じゃ済まねぇからな!」

「そんな事にはならないと思います。」

「なんだと?!」

「ヒッ。」


勇気を出して発言した番頭を威嚇して睨む司。それほど今日は気合も違うのだ。


「いつも通り二人程で良かったんですよ。待ってる間はうちの娘達と遊ばせてさ。何かあればそいつらが入ってくれるでしょうよ。なのにこんなに連れて来て、、」

「んじゃ、こいつらも遊ばせる。おい、おめーら好きな奴選べ。」


わあっとなる女達。一人息子の用心棒は遊女に人気の客だった。


「太っ腹だねぇ、、分かってんのかい?9人分の代金、、」


女将の愚痴りも届いてないようだ。

一人息子の意識は二階へと向かっていた。



草履を脱ぎ、階段へと向かう。

するとまた遊女に声をかけられた。


「心配ばっかりかけないで欲しいね。これ以上の心配はごめんだよ。あの娘に泣かれたくないのさ、あたしは。」

「おう。悪かったな。」

「・・・気合い入れて着飾ってやったよ。ビビったって知らないからね。」

「へぇ、、」


ダンッと足を踏み出す。

その後ろ姿は待ちきれないまるで子どもの様だ。



ダン、ダン、ダン、ダンッ!


階段を駆け上がり二階へと足を踏み入れた司。

案内役を置いて来たため、どの部屋につくしがいるのかが分からない。

どの部屋からも人の気配がする。

それはおそらくまだ客を取れない新造や禿達。


はあはあと切らした息を整え、つくしを探す。

一つ一つの襖を開けようとしたが、、




「つくし。」


小さく呟いた。

普段の司では無い声の大きさ。

だがこれでもつくしには届くと思った。




カサッ


そして耳に届いた着物が擦れた音。

司は迷わずその部屋の襖を開ける。



タンッ



し、、んとした部屋の空気。



その中にいたのは、一人の女。


司が目にしたのは遊女を飾り立てる大きな兵庫髷ではなく、その下の白いうなじ。


ゆっくり振り向いたその顔は白化粧に赤い目尻、そしてぷっくりとした唇に小さな紅。


見上げた眼差しに司の心臓は飛び上がった。



「あ。」


小さく開いた口に、理性が切れそうになる。

だが、見上げたまま下がるつくしにハッとなる。


気を取り直し、後ろ手に襖を閉め、

そしてつくしの前に勢いよく腰を下ろした。


目が合う二人。


互いの想いの強さに言葉が出てこなかった。



「おめぇは何回俺を殺める気だ?」

「へっ?」


物騒な言葉から始める司。だが、その目は言葉とは裏腹に輝いている。


「殺めるって?」

「・・・触ってみろ。」


そう言ってつくしの手を取る司。掴んだ手を自分の胸にかざした。


司に掴まれた事で驚くつくしだったが、司の手から伝わる鼓動に自分の鼓動が重ね合う。


「心臓が早鐘のように動く事を言ってるの?」

「おう。早く動きすぎて止まっちまいそうだろ?」

「あんたの心臓ってそんなに柔だっけ?」

「くくく、、そうだな。」


笑う司につくしは胸がいっぱいになる。

司が顔を上げまた目が合う。


「怖ぇか?」

「・・・分かんない。」

「おめぇの事だろ?」

「だってやった事ないもの。」

「そうだな。」


納得顔の司。眉根を動かし、口元は笑みを絶やさない。

今度はつくしから話してみた。


「隅田屋に行っているって聞いた時は、また売られるかと思った。」


その言葉に司は笑みを無くす。


「不安にさせたか。」

「あたしが先にさせたから。」


泣きそうな顔で笑みを作るつくし。

堪らず司はつくしを抱き寄せた。


「おめぇのせいじゃねぇよ。俺が知らなすぎただけだ。女に興味を持ったのはおめぇだけだ。・・・次はねぇよ。」

「うん。」


抱きしめられた司の着物を掴もうとするつくし、だが逆に手を取られて見つめ合い、唇を重ねた。


次第に深くなる口付け。


司はつくしの手を離し、つくしをゆっくりと押し倒した。


つくしは自分にのしかかる司の重さに、熱に、身体の芯が震えた。






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ここで止めたら生殺しだよね。
でも朝も投稿してないので、とりあえずアップ。
続きがんばりまーす。
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