甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー甘い話には裏がある前編ー
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花街に護られてー甘い話には裏がある前編ー
2017-02-13-Mon
バレンタインウイークです。
なんちゃってバレンタイン☆
花街早くも行ってみよー



江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。









ある日の夜明け、後朝の別れで客を見送り遊女達は二度寝をしようとしていた。

「姐さん。」

「ん。つくしかい?どうしたんだい?」

「あたしもここで寝ていい?屏風の後ろで、少ししたら起きなきゃいけないし。」


すでに身請けされたつくしは遊女とは別の時間で動かねばならない。昼前まで二度寝する遊女達と違い、卯辰の刻には起きて仕事を始めるのだが、


「別に構いやしないよ。お休み。」

「お休みなさい。」


なぜ部屋をわざわざ変えてくるのかと紫陽は思ったが、眠気に負け深く考えなかった。

しばらくして紫陽の寝息が聞こえると、つくしは布団の中でもぞもぞ動き出す。


「・・んしょ。・・・・いっ、て。・・・ふぅ、、」





***

あくる日、伊吹屋に司がやって来た。


夕刻前とあって、格子前にはまだ遊女は並んでない。

それでも勝手知ったる見世とばかりに中に入って行きつくしを探す。裏方にいると思っていたつくしは二階で新造の手伝いをしているようだ。


「つくし。」

「ふぁっ!び、びっくりした~」


口をもごもごして焦るつくし。新造の手伝いと聞いていたが、実際には新造達と仲良くおやつを食べていた。


「何食ってやがる?」

「羊羹ですよ。白田様がお土産下さったんです。」

「白田?」


友人のなずなが答えれば、客らしき名に司の顔が歪む。

友人達はそれに気付かぬふりをしていた。


「紫陽姐さんの馴染みの旦那です。和菓子屋をやってて、ここに来る時はよくこうやって羊羹を持って来てくれるんだよね。それでつくしがよくお裾分けってあたし達にも分けてくれたんです。」

「う、うん。昨日も来てて姐さんがくれたの。あんたの好物でしょって。」

「おめぇ、羊羹が好きだったのか。言やあ俺が買って来てやったぜ?」

「え?いいよ。催促するなんて出来ないし。」

「何で出来ないんだよ。俺に遠慮してんじゃねーよ。」

「遠慮ってゆーか、、」


そもそも身請けしてもらっただけでも恐縮しているつくしなので、恋仲になったとはいえ司に我儘を言えないつくしだった。

それにお歯黒の件もあって、何かと司はつくしに世話を焼きたがっている。つくしは先走り過ぎたなと失敗して恥ずかしさが表立ち素直になれずにいた。


自分に対して遠慮しているつくしに司は不満だった。


「それじゃあ何か?その白田っておっさんからでなきゃ受け取れねーのかよ。」

「そんなんじゃないよ。」

「でも、白田様はつくしもお気に入りの旦那だったよね。前はよく今日白田様来るかなぁとか言ってたじゃん。」

「いーー言ってないよ!」

「水揚げもさ、確か最初は白田様だったんじゃない?あたしの姐さんが言ってたよ。」

「ちょっと!そんな事言わないでよ。」

「へぇ、そりゃ愉快な話だな。」


言葉とは裏腹に恐ろしい顔つきになっている司。笑いを噛み殺している友人達とは違い、つくしは背中に汗をかいていた。

つくしは司が自分を好いているのは知っていた。それこそどれだけの想いかを。惚れたと言う言葉では足りない気もした。そしてそんな司は、多分、、


「そんな話があったにはあったけど、あたしはもう水揚げ終わっちゃったからもう関係ないよ。」

「俺が相手で不満がありそうだな。」

「はぁ?な、何言ってんの?」

「そうだろうが。その白田っておっさんの名前が出てからおめぇ目が泳いでいるぜ。」

「そ、それは、、」


焦るつくし。確かに司の前で白田の話が出てつくしは内心焦っていた。

そんなつくしの様子にやっと気付いた友人達。


「え、そうなの?」

「気付かなかった。流石道明寺様ですね。」

「あ?、、ま、まぁな。」


つくしの事で褒められる司。自分だけが気付けた事に気を良くする。

そんな司が可愛いなと思う反面、ここで二人の世界になられるのも面白くない友人達は、つい余計な事を言ってしまう。

それがどんな展開になろうかなど考えずに、、


「でも、流石の道明寺様でもこれは知らないでしょう。」

「あ?何だよ。」

「へ?」


不味いなと思った空気が変わったと安心したのもつかの間、ニヤケ顔の友人達を見てつくしは嫌な予感しかしなかった。


「な、何を言うつも、、」

「最近、明け方につくし寝床を出て行くよね。起きる訳でもないのに。」

「客が帰った後姐さんのとこに行ってるのは分かっているんだぞ。何話してるの?」

「いいーーー」


如何にも図星ですという態度のつくし。司の目は怪しく光っていた。


「どういう事だ?」

「えっ、あっ、、あの、、」


あわわと口ごもるつくし。頭を忙しなく動かし言い訳を考えていた。本当の事など言える訳がなかったからだ。


「あ、あっ、そ、そうっ。羊羹をね、買おうと思ったの。」

「は?羊羹?!」

「うん。白田様の和菓子屋で、今度蒸し羊羹ってのを売り始めたみたい。今までの羊羹ってのは練り羊羹なんだって。でも、まだ知られてないせいか買っていく人は少なくて、、姐さんもお世話になってるし、あたしも協力したいなって。それで、特別なお客様に差し上げたらどうかって話したの。」


白田様の和菓子屋で蒸し羊羹を売り始めたのは嘘ではない。しかし、客に買って差し上げるというのは作り話だ。

只でさえ借金を抱える遊女達。客への献上品などの余裕は無い。

しかし、


「特別な客?それって金持ちって事か?」

「金持ちとは限らないよ。いつも見世に来てくれて愉しんでいってくれる客とかだよ。あとは、気に入った客と、か?」


作り話とはいえ遊女にしてみれば金持ちの客の事だが、嘘を重ねるつくしにはその矛盾に気付かなく、なんとか誤魔化そうとちらっと司を見上げてしまう。


それに激しく反応する司。つくしからの贈り物と考えただけでにやけてしまっていた。


「そ、そうか。じゃあ、おめぇも用意するって事だな。」

「へ?」

「もう用意してあるのか?」

「へ、へ?あ、いや、まだだけど、、」

「そうか。じゃ、次って事だな。楽しみにしてるぜ。」

「う、うん。」


そう言ってニヤケ顔をしたまま、見世を出て行った司。つくしとの情交の事などすっかり忘れてしまっていた。


「あれ、本気にしているね。」

「どうすんのつくし?」

「どうするって、、どうしよう。」

「その羊羹って幾らするの?」

「30文(所説ありますが大体千円くらい?)。」

「まあまあするね。でも出せない値段じゃないから、買ってあげれば?」

「・・・そうする。」

「それで、本当は何話してるの?」

「何も話してないよ。」

「でも姐さんのとこには行っているんでしょう?つくしが紫陽姐さんの部屋から出て来たの見たって聞いたよ。」

「ううう、、」


問い詰められ困窮するつくし。だが、友人達とはいえ、言えない物は言えないのだ。

すくっと立ち上がりつくしは逃げるように部屋から逃げて行った。



その後もつくしは仕事を言い訳にして友人達からのらりくらりと逃げ回る。


面白くないのは友人達だ。

隠し事の一つや二つ誰にだってあるものだが、つくしの態度は正直過ぎて気になってしまう。

そこで友人達はつくしを問い詰めようと作り話と思っていた、羊羹の話を吹聴していく。

それが思わぬ方向になり、姐さん達や見世の衆にだけに留まらず客の耳にも届いてしまったのだ。

困ったのはつくしだけでなく友人達もだ。女将に呼び出され散々説教された。

そして女将からどうかって収めるのか問われたつくしは、元は自分がついた嘘と自分がみんなの分を購入して実際に客に振る舞うと言い出した。

それには友人も驚きそこまでするなら自分達も金を出すと言ってきたが、つくしは頑として譲らなかった。それだけ秘密を探られたくなかったのだ。

伊吹屋の遊女は総勢50数人。羊羹代は1500文以上だ。

それ故、遊女達は羊羹を配る客を思い思いに吟味し手紙を出した。


つくしも白田に手紙を出す。

羊羹の発注とこうなった経緯を書き記して。

大笑いしている白田の顔を浮かべては、元はと言えばこのおっさんが!と悪態をつくのであった。





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チョコレートの無い時代なので、代わりを探しましたよー
話の流れ上羊羹にしてみました。
江戸時代には砂糖が大変貴重だったようです。当時の甘味料は蜂蜜と水飴がほとんど。それも貴重だったって。
なので羊羹もそんなに甘くはなかったと思う。だから司も甘ぇな♡くらいの感想じゃないかしら?

さぁて、隠し事しているつくしちゃん。
どうなりますかねぇ?
司があまりにも早く退散しすぎ?ともちょっと思いました。
でも作者の都合上仕方ない。
これが私の技量です!

な、の、で、あまり期待せんどいてや~
↑ゆりやん風に。
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