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カカオ68%ちょいビター
2017-02-27-Mon
6畳の居間にある小さなローテーブルを挟んで対面で座るつくしと司。


昨夜飲んだ秘書課のメンバーから来たLINEはとても信じられたものではなかった。

副社長の第一秘書の中山が昨夜の事を聞いてきたと言うのは分かる。

だが、副社長がアクションを起こしたりしてと言った事には何を言っているんだとスマホを放り投げたものだ。


しかしその後受付課の後輩から来たLINEにはかなり焦らされた。

副社長の外出動向を知る彼女達が予定にない外出だと言うのだからそれはかなり真実味を帯びる。


そして本当に訪問して来た副社長。

事前連絡などなかったものだから、半信半疑でキョドッていたつくしは訪問を知らせるベルの音にパニックになったのは言うまでもない。

だがそんな状態でも居留守など使わないつくしは、泣きそうになりながらも司を部屋へと招き入れた。


そしてテーブルを挟んでの沈黙。


つくしは何て言えば良いのか分からなかった。

そんなつくしを見て司も言葉を選びきれずにいた。


沈黙は5分程続いただろうか、流石にしびれを切らして司が声をかける。


「体調は大丈夫か?」

「あ、はい。大丈夫です。その、、申し上げにくいのですが、ただの二日酔いですので、、」

「酒は弱いのに飛ばしたらしいな。あんまり無茶はするな。心配するからよ。」

「は、、い。」

「何かあったのか?」

「へ?」

「無茶する程飲んだんだろ?理由があったからじゃないのか?」

「~~~~、、」


その司の問いかけには答えられずにいるつくし。

副社長が自分に好意を持っていると聞いたからと、当の本人を目の前にして答えられる訳がない。


「すまん。意地が悪い言い方だったな。」

「え、、」

「俺の事を聞いたからだろ?昨夜一緒だったメンバーから中山が聞いている。」

「~~~~~~」

「それでお前はどうなんだ?」

「ど、どうって、、」

「お前は俺の事をどう思っているんだ?」

「え、えっと、、」

「はっきり聞かせて欲しい。俺は真剣にお前の事を想っている。だからお前からも同じ様に想われていたい。」


その時つくしは司の姿勢に気付いた。

ピンと背筋を伸ばして座っている。

普段の優雅な姿ではない。

何かに必死なその姿勢は、まるで目上の者に頼み込む様な態度だ。

まるで武士が将軍に接見する様な態度に、つくしは司の真剣な想いを感じた。


「あた、、私は副社長を、、尊敬しています。副社長の仕事に取り組む姿勢は素晴らしく、部下として誇りでした。」

「でした?過去形か?」

「い、いえ。誇りです。現在形です。」


つくしが訂正した事で、ホッとする様子を見せる司。

つくしはその様子に、案外普通の人なのかと思った。

そして普通って何?と自分自身に問いかける。

人を噂など周りからの雑音で判断しない様にしていたつもりだったが、司に対してはいつの間にかそんな対応になっていた事に気付く。

自分の目で耳で見た事聞いた事感じた事で判断するんじゃないの?と自分自身を叱咤する。

そして司が何よりそんな事を嫌っている事に改めて意識した。


「副社長の真剣な想いとは何ですか?私とどうなりたいんですか?」

「どう?」

「はい。お付き合いしたいんですか?」

「いや。付き合いたいとは思わない。」

「それじゃあ、、」

「結婚したいと思っている。お前には俺の伴侶になって欲しい。」

「え、、結婚?、、伴侶って、、」

「駄目か?」

「駄目、、というか、、いきなり過ぎます。」

「そうか。しかし俺には付き合いという曖昧な関係は我慢ならねぇ。お前を見つけてからはお前ばっかり見ちまってんだ。女に全く興味すら持たなかったこの俺がな。」

「・・・・・」

「するとお前は付き合わねぇと結婚も出来ねぇって奴なのか?」

「え、、あ、いや、、」

「付き合うと言うが、男と女が付き合うっつー事はよ。肉体関係も当然有りだ。恋人っつー曖昧な関係で、俺は手出ししたくねぇ。俺の立場上の都合もあるが、俺はお前が俺をパートナーと認めたら他の男には近付けさせたくねぇんだ。それには婚姻関係を持つのが一番だろ?」

「他の男って、、あたしはそんなにモテませんよ。」

「あ、モテないだぁ?お前分かってねぇな。モテるモテないは関係ねぇんだよ。俺がお前を独占してぇんだ。そうだと思っていたが、本当にお前男心を分かってねぇな。」

「ムッ。それじゃあ副社長は女心を理解しているんですか?」

「してる訳ねぇだろ。女に興味無かったんだから。」

「それじゃああたしに分かって無いって言う資格無いですよね。批判しないで下さい。」

「そうだな。」


ムッとしているつくしをよそに、司は冷静な態度だ。

その冷静さにつくしはドギマギしてしまう。


「らしくなってきたな。それでこそおめぇだぜ。」


そこで司の意図を理解した。硬くなっている自分を解そうとしたのだと。

だが、硬さは解れたが別の問題がつくしには発生していた。


「で、俺と結婚するか?つうか断る理由なんて無いだろ?」

「嫌です。」


つい勢いで答えてしまった。司の言い方が気にいらなかったのだ。


「あ、何でだよ。付き合ってねぇからか?付き合うとか煩わしいだろうが。」

「何で煩わしいんですか?結婚しようそうしようって、すぐに考えられる訳ないでしょう。あたしの気持ちは無視ですか?副社長は自分勝手過ぎます。」

「しょうがねぇだろ?俺は忙しいからよ。結婚でもしてなきゃ、おめぇといられるのは仕事中だけだ。それも執務室にいる時だけで、、けどよ、結婚してりゃ家でも会えるだろ?」

「あ、、そう、ですね。」

「だろ?」

「はい。」


言い方に不満を感じてしまったが、納得できる理由を述べられつくしはトーンダウンしてしまった。


「じゃ、結婚しようぜ。」


とはいえ、そうそう答えなど出せない。


「・・・時間を下さい。」

「時間?5分でいいか?」

「短っ。たった5分ですか?こういう事はもっと考えさせて下さいよ。」


つくしはなんて気が短いと思ってしまい、力が抜けてしまった。


「俺は直感型だからな。時間をかけるのは意味がねぇと思っている。」

「それってビジネスですよね。今はプライベートの事を話してるんですよ。それも人生を左右するような事を。」

「ビジネスだって、人生を左右させるぜ。俺が判断を誤れば多くの人間を路頭に迷わせちまう。何ら変わりないだろうが。」

「それはそうですが、、」

「おめぇ、意外と意気地が無いんだな。」

「は?意気地?」

「もっと骨があると思っていたぜ。」

「ありますよ。何言ってるんですか?」

「じゃあ、腹をくくれよ。俺に付いて来いって前も言っただろ?そん時どう思ったか知らねぇが、あれと一緒だせ?ビジネスでもプライベートでも俺と一緒にいるっつー事はよ。」

「そんな、、」

「違わねぇか?」


問われる様な言い方につくしも考えさせられる。

確かにそう考えると、、


「違わなくありません。そうだと思います。」

「だろ?それじゃあ、5分だったな。待つから考えろ。」


そういって少し姿勢を崩す司。
腕を組みつくしを優しく見つめている。



一応待ってくれるんだと思いつつも、見られた中で考えられる訳ないとつくしは困ってしまった。


だいたい自分と付き合う事で何と言われるのか分かってるんだろうかと考えてしまう。

悪趣味とか言われるに決まってると思いつつも、それでも構わない人も現れるはずと思ってしまった。

そう考えるとどんな人でも司と付き合えば、その人への嫉妬は尽きないのではないだろうか。

嫉妬されない方が良いに決まっているが、そんな人なんているんだろうか?

幸せであればあるほど、嫉妬の対象にはなる。それが人のサガと言うヤツだ。

ならば司が言うように自分の心に素直な事で良いんじゃないかと思う。

他人の意見に振り回される事が自分の意志とかけ離れる事になってはならない。つくしはそう思えた。


ならば司の想いを受け止める事は、どうなんだろう?

自分は恋愛感情など持っていない。

あるとすれば尊敬の念だけ。

尊敬する人を愛する事が出来れば、それは素晴らしい気がすると、つくしは思った。


「愛せるかな、、」

「愛せるさ。俺が愛するんだから、お前も俺を愛する様になる。」

「随分と自信たっぷりですね。まぁ、副社長らしいっちゃ、らしいですけど。」

「あ、俺らしい?何だお前も俺の事見てたんか。」

「まぁ、上司ですから。見てますよ。」

「これからは夫として見ろよ。そして他の男を見るな。お前にとって男は俺だけだ。」

「見るなって、、視界に入るのはどうするんですか?」

「視界から消せ!」

「そんな無茶な、、」

「俺はお前以外の女は見えねぇ。気持ち悪いしな。」

「気持ち、、酷くありません?」

「露骨に見られるんだぞ?お前はそんな風に見られて良い気分になるか?」

「・・なら、ない、、です。」

「だろ?あ、でもお前はそんな目で見ろよ。」

「へ?」

「お前ならいつでもOKだ。」

「何が?」

「肉体関係だ。」

「へ?」


そしてつくしは今密室に二人っきりという状況に気付く。

腕を胸の前でクロスさせ、身を縮こませる。

ぶるぶると震え、うっすら目に涙を溜めてしまった。


「まぁ、そこは急ぐつもりはねぇよ。嫌がるのを無理矢理っつー趣味はねぇ。」


流石に自分の言葉が直球過ぎて警戒された事に不味かったと思う司。

だが、それに傷付きもしており表情を曇らせる。


そんな司につくしも、過剰反応し過ぎたと反省する。


「あ、あの、、それなら、良いです。」

「良い?」

「はい。その待ってくれるなら、良い、、です。副社長の申し出を、受け、、ます。」

「本当か?」

「え、あ、はい。」

「よっしゃああーーー」



突然立ち上がり叫び出す司。

つくしはビクッとしたが、そのあまりの喜び様に頬を緩ませてしまう。

真っ直ぐで余計な形容詞を付けない人。

子どもみたいなのに、とっても魅力ある人。

今はまだ気持ちには大きな差があるけど、追いついていけたら良いなとつくしは思ってしまった。






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