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カカオ50%甘すぎも程々に、、
2017-03-01-Wed
東京丸の内のビル群の中でも群を抜いてそびえ立つ道明寺ホールディングス日本支社。


多くのビジネスマンが行き交い、日本経済の中枢を担うとだけあって今日も忙しなく動いていた。


が、


その社内ではある一部の人間によってミッションが遂行されようとしていた。

そのミッション、初めは簡単だと思われていただけに失敗が重なり関係者は肩を落としていた。

それだけそのミッションの遂行を待ち望まれていたのだ。



「来たわ!」


カツカツカツカツ、、、


「くっ、、今日も隙が無いわね。」

「でも、今日は決めるわ。牧野っちには元に戻ってもらわないと!」

「そうね。きっと骨は拾って貰えるわ。ヤるわよ!」




カカカカカッ


「ま、牧野さん!ちょうど良いところに。ご実家から内線にお電話です。」

「え?」

「執務室に繋げろ。」

「で、でもっ、急ぎの様です。只ならぬ雰囲気なんです。」

「分かりました。出ますっ。」


そう言ってつくしは司の側を離れ、秘書課中央の内線電話に走り寄った。

すると、電話を渡そうとした社員が掌を見せる。

何?と驚くつくしだったが、電話を渡され受話器を耳に当てた。


「も、もしもし。」

「はい、、はい。」

「えっ、大丈夫なんですか?」

「そ、そう。良かった、、ありがとうございます。」


そう言ってつくしは電話を同僚に渡した。

その時目配せをされて。


「牧野、どうかしたのか?」

「あ、副社長。いえ、何でもありません。」

「何でもないように見えなかったが。」

「大した事じゃなかったんです。母が転んだらしいんですが、道明寺に電話かけた方が緊張してしまっていたみたいで。」

「そうか、ならいい。行くぞ。」

「はい。」


そう言って司が前を向いた瞬間、同僚に目配せを返しつくしも離れて行った。



そう、やっとミッションが成功したのである。



そのミッションとは、


ずばり『牧野つくし正気を取り戻せ作戦』である。


そう、つくしは今の今まで正気ではなかった。

とはいってもカルト宗教に操られていた訳ではない。

だが、それもあながち間違ってはいない。


道明寺司信仰と言う宗教にどっぷりはまっていたのだから。

つまりつくしは久々の彼氏(婚約者)が出来、周りの後押しもあってどっぷり恋愛体質になってしまったのだ。

取り分けボディコミュニケーションに夢中になったらしい。

初めて知るエロチズムに歯止めが効かず、毎晩彼氏に襲わられ、彼氏を求めていた。

そんな状態だから連日寝不足のつくし。

司と仲良く出社するものの、半分寝ながらと言う事も少なくない。

それは司の作戦だった。

ようやく手に入れたつくしを手離さないようにと、常に側に置く司。

朝から晩まで四六時中一緒にいるため、秘書課のつくしのデスクも今は執務室の中にあった。

司に合わせて出社するつくしは、執務室に着いた途端にソファで寝かせられる。

司はそんなつくしの寝顔を見ながら、業務をこなしていたのだった。

そんなつくしの状態は周りが望んだものとはかけ離れていた。

いや、周りどころか本人もそうに違いない。

しかし司のラブビームに常に晒されたつくしは思考能力が落ち、司の独占欲による監禁を司の優しさだと思わされていたのだ。

もちろん友人達はそんなつくしを見ていられず声をかけようとするのだが、そこは鉄壁の護りが存在した。

司である。

常にSPに囲まれている司の側にいるつくしには中々近づけないのだ。

おまけに内線も繋いで貰えなければ、所用を使って執務室から出る事も許してくれない。

では電話だと、LINEするも一向に既読が付かない。

変だと思って発信してみると何と携帯電話が解約されていたのだ。

これは後で知った事だが、海からの非通知着信に嫌気をさしていたと知った司がつくしに新たなスマホを渡していたのだった。
(もちろんつくしにはちゃんとデータも移して渡していたが、つくしの機種変更の通知はされてなかった)


そんな状態でつくしとの接触を図れないでいた友人達。

すぐ近くにいても大きな壁に邪魔されつくしの視界にすら入る事は出来なかった。

つくしがこんな状態になってまだ3日と日まはそんなに経ってはいない。

だが、重役の中で早くも囁かれるつくしの不評論。

救世主だと思った人材は全くの期待はずれだと思われようとしていた。

これには後押しした友人達がこんなはずじゃなかったと焦っていた。

このままではつくしが今まで築き上げてきたキャリアも無かった事になってしまう。

つくしの幸せを考える友人達は、何とかしてつくしと接触を図り正気を取り戻そうと必死だったのだ。





一方、執務室に到着したつくしと司。

つくしは司のすぐ側のデスクに座り、今の自分の状況を把握していた。

今日も寝不足だった。

だが、先ほどの騒ぎのおかげで頭が冴えていた。

チラッと司の方を横目に見る。

すると第一秘書の中山と一瞬目が合った。


「どうかしたか?」

「ん、ん~、、ふぁ~ぁ」

そう言って誤魔化そうと欠伸をしてみる。

いくら彼氏とはいえ会社で上司に対してこの態度は宜しくないのだが、、


「まだ眠いなら横になってろ。無理するな。」


その上司である彼氏は自分にゲロ甘で叱る事は頭にないようだ。


正気に戻ったつくしは言われた通りにする呑気さはなくデスクに突っ伏して寝たふりをする。

そしてどうすれば良いのかと必死で考えた。






司の第一秘書中山が本日の予定を報告終えた。

そのタイミングで顔を上げるつくし。


つくしが顔を上げた事に注目する司と中山。



スッと立ち上がり、


「副社長、私早退します。」

「・・・・・」

「明日から、気合を入れて働きますので宜しいでしょうか?」

「・・・・・」


つくしの表情を見た司はムッとなっていた。

それを見て中山は笑いを堪えていたのだが、堪えきれてなかった。


「今の状態ではまともな業務は出来ません。1日しっかり休んで明日からの業務に備えたいと思います。」


つくしは淡々と話した。

だが、その目には力があり先ほどまでの惚けていた雰囲気はまるで見当たらなかった。


「それから、公私混同も良くないと考えます。今すぐとはいきませんが、近日中に副社長のマンションから出させていただきます。」

「そこまでする必要ないだろ。」

「いえ、そうさせて下さい。」

「・・はぁ~、、お前が出て行く必要はない。俺が邸に戻れば済む事だ。」

「しかしあの物件は副社長の物でしょう。そこまで甘える訳にはいきません。」

「俺達結婚するんだよな。婚約者に甘えて何が悪い?」

「婚約者が甘やかし過ぎですから、ケジメが必要なんです。」

「もう甘えねぇだろうが。お前は、、」


肩を落として嘆くように吐き捨てる司。

それを見てつくしは睨んだ。


「副社長、なぜ私を選んだんですか?私の能力を買って下さったんではなかったんですか?」

「・・そのつもりだぜ。お前の個性が良かったから選んだ。何怒ってるんだよ。」

「じゃあ、彼氏に感けて仕事をしない私をどうして止めなかったんですか!」

「良いじゃねぇか!少しくらい。俺はお前とイチャつきたかったんだよ!!」

「家に帰ってからすれば良いじゃないですか!仕事中は仕事しましょうよ。」

「俺はちゃんと仕事してる。」

「私は出来てません!」


睨み合う二人。

副社長である司を前に片手をデスクに付いて、もう片手を腰に当て喧嘩腰で歯向かえるのはつくしくらいだった。


あっはっはっは、、

笑いを堪えていた中山が大声で笑い、二人はそちらに目を向ける。


ひとしきり笑った後中山は言った。


「も、もうそのくらいにして下さい。牧野さん、副社長を許してやって下さい。副社長を止めなかった私にも非はありますから。」

「中山さん、何故止めてくれなかったんですか?」

「何故って、副社長の業務は捗ってますから。副社長チームとしましては止める必要はないでしょう。」

「それじゃあ私は副社長のエサですか?」

「まぁ、その位置付けで考えてました。」

「あの、ねー!」

「すいません。牧野さんが怒る理由も存じてますし、何より女性蔑視な考え方なので褒められた事ではないと理解もしてます。

しかし、副社長をお止めする力量が私にはなかったのも事実でして、そこは牧野さんに引き継いでいただきたいのですが、、」

「引き継ぎ?」

「はい。牧野さんならば副社長の手綱を上手く捌けると思います。」

「おい!手綱って、俺は馬か!」

「そうね、それもばんえい競馬の馬ね。間違ってもサラブレッドじゃないわ。」

「あ、ばんえいだと?サラブレッド以外考えられねーだろうが。」

「あんたはサラブレッドみたくすぐに骨は折れないわ。絶対にばんえい馬よ。」

「ふざけんな!それが婚約者に対して言う言葉か!」

「じゃ、別れましょ。」

「は?」


さらっと別れの言葉を口に出すつくし。

思ってもみなかった反撃に司は虚を突かれる。


「別れるっておめぇ、、」

「あたし、そういう男大っ嫌いなの。大学の時もそうやってあたしに合わせろって男を無視したから別れる事になったのよね。

今さらあたしは変えられないわ。そんなあたしが嫌なら別れてよ。あたしは自分を曲げたりしないわ。」

「ち、ちょっと待て、冷静になろう。な!」


オロオロする司と息荒く仁王立ちのつくし。

中山は笑い続けていたが、司にはつくし以上の相手はいないと思っていたので助け舟を出す事にした。


「まあまあ、牧野さんそのくらいにして下さい。副社長も反省してますよ。あなたがいなくては何も手につかない人なんですから。」

「そうだ。おめぇ、俺に仕事をさせないつもりか!」

「なんでそこで反撃?威張る事じゃないでしょうに。」



とにかくこれで事は収まった執務室内痴話喧嘩。


憮然とした司を置いてつくしは帰路へと部屋を出た。

秘書課中央を通りかかり、同僚に声をかけ退社する。


そんなつくしの姿を目撃した女性重役のひとりは安堵の表情を浮かべていた。

これで道明寺ホールディングスも安泰だと。

いくら女性の進出が目覚ましくても、日本社会はまだ男性優位。女性の声を届けられる存在なくてはその進出も衰退していくだろう。


副社長がトップとなってもつくしが側にいてくれれば、これからも多くの女性に支えられ道明寺は発展していくに違いない。

もしかしたら、現社長の様にいつの日かつくし社長が誕生する日も、、、





コツコツコツコツ、、

周りの視線を浴びエントランスを闊歩するつくし。

つくしを見かけた人は驚き、喜び、期待の目をしていたと言う。


「とりあえず早く寝よう。体力を回復させなきゃ。今日は奮発してタクシー使おうかな。」


エントランスを出て、タクシーを捕まえるべく周りを見回すとそこには場所を取る長~い車が。

運転手がお辞儀をしてドアを開ける準備をしている。


「あれも、何とかしなきゃね。とりあえず今日は乗ってやろうじゃないの。体力を回復したら負けないわよ!」







2019年バレンタイン企画

カカオシリーズ 完





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No title

更新ありがとうございます。司くんが、こんな作戦に出るとは、想像できませんでした。でも、だからこそ、今回のつくしちゃんがとても好きです。

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