甘さとスッぱさと ... 花街に護られてー桜・恋・歌 4ー
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花街に護られてー桜・恋・歌 4ー
2017-03-31-Fri
江戸時代を背景にお話を書いてます。
時代的な言葉や名称などは詳しくないので現代風に置き換えてます。
それでも明らかに違うようにはしてません。
細かい矛盾点などあるかと思いますが、目を瞑ってお付き合い下さい。
ダメなら進まないでね。









つくしが離れ部屋から出た次の日、司が見世にやって来た。


随分と間の良い事に、つくしの口もへの字に曲がる。

と言うのも昨晩の内に女将から司が明日来るはずだと言われていたのだ。

自分の月のモノが筒抜けになっている始末。

ここがそれで楽しむ場所なのかもしれないけれど、だからと言って面白くないと思うのは遊女でなくなったからなのだろうか?


「よお、今日は手土産持って来たぞ。」

「手土産?」


司を見るなり文句を言おうとした口は手土産と言うの先制攻撃に早くも撃沈させられる。


「わあっ、これってもしかして、、」

「おう、そのもしかしてだぜ。おめぇ好きだろ?」


司のニヤリとした顔も見えずつくしは包みの中身に目が釘付けになってしまった。


司が持って来た物それは、、



「良い匂ーーい。はぁ、桜の匂いだぁ。あたし桜餅ってはじめて食べるぅー♡」

「くくく、そうかはじめてか。そりゃ良かったぜ。」


つくしが大そう喜ぶので司の機嫌も良い。ドヤ顔でしてやったりな表情は、つくしが気付かぬ内は平和なものだ。


「早速食べて良い?」

「おう、遠慮すんな。」

「ありがとー いっただっきまーーす。」


そう言ってパクリと食べ始めたつくし。

葉ごと一気に食らいついた事に司は驚くが、


「もぐもぐ、、あ、葉っぱは塩っぱいね。塩漬けしてるんだ。でもおいひーー」


にこにこしながら桜餅を頬張るつくしを見て、まぁいっかと肩から力を抜く。


おいひぃ、おいひぃと頬張ったまま喋るつくしに、落ち着いて食えとなだめる司。


食べ終えるまでのひと時は、齢十五と十四の幼い恋人同士だった。


つくしが食べ終えぺろぺろと指を舐めていると、司がつくしの背後へと回る。

水揚げの時の様に兵庫髷をしていないつくしは、司の腕の中すっぽりと収まってしまった。

つくしと濃密に交わりたい司はつくしに遊女の格好をさせなかったのだ。白粉などの化粧もさせず、普段通りの町娘の格好で部屋に待たせていたのだった。


そしてするりと胸元から手を入れられそうになる。

その手をガシッと掴んだつくしは、手を持ったままくるっと振り返りギッと司を睨む。

つくしの思いがけない行動に司も驚くが、つくしの腕力などタガが知れているので余裕の態度で聞いて来た。


「どうした?やりたくねぇのか?」

「やりたくねぇじゃないでしょ。ここは遊郭なのよ。いきなり始めるなんで無粋じゃない?」

「無粋だぁ?何言ってやがるんだよ。いつもそうしてんじゃねぇか。」

「いつもそうしてる!そもそもね、それがおかしいのよ!」


司の顔に指した指を近づけて、ずいっと詰め寄るつくし。

司の方も思いがけない事におわっと後ずさりしてしまう。


「おかしいって、、何がおかしいんだよ。」


つくしの怒った態度に機嫌を直せたと思った司は面白くなく、折角綺麗に整えた鬢をガリガリと掻いてしまう。


「司、ここ遊郭は恋愛を楽しむところなのよ。」

「・・楽しんでいるじゃねぇか。」

「楽しんでるぅ~? ただ交わってるだけじゃない。」

「交わって何が悪いんだよ。恋愛関係にあるから交わるんじゃねーのかよ。」

「ここでいきなりおっぱじめる関係は恋愛関係とは言わない。」


下から覗き込む様に司を睨むつくし。

司にとってはどんなつくしも可愛くからかってしまいたくなるが、このつくしはからかっては駄目な方だ。


「おっぱじめ、、恋愛関係じゃねぇったら何だよ。」

「男がただヤれさえすれば良い、女なんて黙って抱かれてろと思っている関係よ。それで力ずくで女を抱いてさ。あたしたちはただ耐えるしかないだから。」

「は、、何だよそれ。耐えるって、、おめぇ俺に抱かれるのは嫌だったのかよ。」

「一度目や二度目は嫌じゃない。でも流石に三度、四度、五度目となるとまだやるのって思う。」

「・・・・・」

「それに司は休みなく続けて交わろうとするでしょ。荒い息のまま続けられるから、苦しい時だってある。ちょっとは休ませてよね。」

「・・んだよ。そう思ってんならもっと早く言えよな。」


ムスッと苦虫を噛んだような顔で司が答えると、


「言えよなって、言えるか!あんたに攻められ続けてあたしはいつも意識を無くしてしまうんでしょーが。そんなんで話せる人がいるかぁ。」

「おめぇ、よく寝言言ってんじゃねーか。」

「寝言?じゃあ、寝言で言わなかったあたしが悪いと言いたいの?」


つくしに責め立てられ、言葉に詰まる司。

確かに交わった後のつくしはピクリとも動かないくらいにグッタリしているし、小さな寝息が聞こえて安心しているのも事実だ。それに寝言を言うのも明け方、司が起こそうとした時なのを思い出した。



ガリガリガリガリと頭を掻く司の手は止まらない。髪結いに整えさせた鬢や髱は後ろから見ると無残に崩れてしまっていた。


「んだよ、、じゃあ、どうすりゃ良かったんだよ。」


捻くれたように口を尖らせる司。

大人の女性から見たらさぞ母性本能をくすぐられるだろう。

だがそこは同じお子ちゃまのつくしさん。

説教じみた口調で尚も責め立てる。



「そうね。まずは壺を使わない事!司も交わるならちゃんとあたしの中でイキなさい。」


つくしとしては姐さんからの助言を真っ先に述べたのだが、司の方は驚きを隠せない。


「はぁ?壺を使うな?!おめぇの中に出せって、それで孕んじまったらどーすんだよ。」

「そこは紙を噛んでちゃんと中に入れるわ。そして交わった後は洗いに行く。」


恋愛を楽しむという意味では洗いに行くと断言するのは空気を全く読んでない行為だが、この二人に関してはそもそも空気とか関係ない。

包み隠さず正直に腹の内をぶちまける。

お互い正面から素直に打つかる性格。それでケンカになる事はあるが、相手への不信感を抱く事は無く、それが互いの愛情へと繋がった。


「洗、、じゃ、俺もそこに行けば良いのか?」

「はぁんあ?俺も行くぅ?」

「だってそーだろーが。おめぇが洗いに行く間俺はここで待ってろって言うのかよ。」

「待ってろや!!」

「待てるか!!」


ぐぬぬぬと睨み合う二人。

襖の向こうでは話を聞いていた新造達が腹を抱えて笑っていた。


そして、

「坊ちゃんって他人に触られるのをえらく嫌うだぜ。」

「そうなの?」

「おう。だから邸内で坊ちゃんに触れられるのは髪結いの男くれぇなもんだ。それなのによ、、」

「まぁ、つくしだけは別なんでしょうね。何せ舐めまくっているようだから。」

「舐め、、」

「吸ってもいるわよ。」

「吸、、う、、?」

「ふふふ、あんた間抜けな顔してるわねぇ。だってあの子脱いだら凄いのよ。胸から首から腕、腹、脚、、全部赤い印付けられて、皆んなにからかわれているのよ。だから坊ちゃんが来た次の次の日くらいまでは湯屋にも行けず、いつも、ぼやいているわ。」

「そりゃ、、気の毒だな。」

「そうね。でも遊女じゃないからそれで済んでいるけどね。」

「それで済むってーのは?」

「だって遊女だったら客を取らないじゃない。それにそんな事する客は見世の出入りだって止められるわ。商売上がったりだもの。」

「なるほどなー」

「こら、何見てるの?悪い事はしないでね。」



そんな風に他の部屋では擬似恋愛が楽しまれていた。

だが主役の二人の睨み合いはまだ続いていて、、



「おめぇの言う通りにするなら、洗い場にも俺は行く。」

「来るな!あそこはあたしだけが使うとこじゃないのよ。」

「ケッ。別に他の奴が来たとこで問題ねぇよ。湯屋と思えばいいじゃないか。」

「湯屋じゃない!それに、そこでは姐さん達から色んな事を聞けたりするのよ。こうした方が良いとか、ああしろとかね。」

「仕事の話ってか?それなら俺も興味あるぞ。」

「男は知らんでも良いわ!」


その時襖がタンッと開いて、仁王立ちになった女将が姿を現した。


「うるさいよあんた達。もっと声は抑えられないのかい?」


女将の登場に驚き身を寄せ合う二人。

まるで叱られている子どもの様だ。


「それからつくし、洗い場に来たいっていうなら洗ってもらえば良いじゃないか。自分でするより、ちゃんと洗えるよ。」

「へ?女将さん、何言って、、」

「自分でやるよりってどういう事だ?」

「その手さ。」


そう言って女将は司の手を指差す。


「坊ちゃんの手はつくしの手より大きいだろ。つまり指だって長い。つくしの手でへへの中を洗うよりも坊ちゃんの手の方がちゃんと洗えるって事だよ。」

「そうか、そうだな。おい、つくし聞いたか?」

「聞いてない。聞こえなかった。」


そう言ってぶんぶん首を振るつくし。


「しらばっくれてんじゃねぇよ。んなバレバレな顔で騙せると思ってんのかよ。」

「騙されろ。」

「てめぇ、、」

「いい加減におし、あんた達はケンカしたいのかい?」

呆れた様に言う女将につくしも黙ってしまう。

そして自分の方が分が悪い事に気付いていた。

なにせ自分は司に買われた身。

ならば司の言う事を聞くのが遊郭内では正しいのだ。


そんな時、姐さんからの言葉を思い出す。


「分かった。司に洗ってもらう。」

「・・良いのか?」


黙ったつくしが意見を変えた事に司は怪訝に思った。女将が目の前にいる状態、つくしの意思ではないと感じたからだ。


「その代わり条件があるの。」

「条件?」


つくしが条件と言ってきた事に女将もうん?と反応する。


「あたし、桜が見たいの。」

「桜ぁ?外にあるじゃねーか。」


そう言って外を指差す司。


「あれじゃないわ。だ、誰も、誰も見た事ないような桜の花を見てみたいの。桜と言えば白くて少し桃色がかっている花びらだけど、もっと濃い桃色、赤に近い色の桜が見たいの。それを、それを持ってきたら司の言う通りにする。」


つくしの難題に呆気に取られる司と女将。

実はつくしには考えがあった。

見世先を掃いて植木屋の作業を見ていた時、上様への献上品で南の国の方からの珍しい桜を見たと職人達が話していたのを聞いていたのだ。


「赤い桜が見たいって言うのか?それっておめぇカゴヤを真似してんのか?」

「籠屋?・・もしかしてかぐやの事?かぐや姫のかぐや。」


ああ、と納得する女将。難題を言い渡すのもだが、司のとぼけにもすぐさま反応するつくしに変に感心していた。


「って、何よ。私がかぐや姫になっちゃ不味いの?それくらい聞いてよね。」


ふんっとそっぽを向くつくしだったが、


その手は震えていた。





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濃い桃色の桜は、私の地域で咲く桜。寒緋桜です。江戸時代に上様の献上品であったかは、調べられなかった。話の都合上作りました。
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Comment
 

良いんでないん?
時代物だから、必ず史実とも限らないから。

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