甘さとスッぱさと ... スッピン38
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スッピン38
2017-04-04-Tue
二ヶ月強ぶりにスッピン再開です。

とにかくスッピンを完結させたいので、恋話に行くかどうかも不明。

作者の自己満な話になってます。






メープル東京。


超高級と称されるホテル群の中でもトップクラスに位置するこのホテルは、利用客もセレブな装いが暗黙のルールになっておりカジュアルな雰囲気を纏う事は異質な者と見なされる。


そんな中、パーティスタイルでホテルに入って行く一行があった。

10人足らずのその一行は宴会場に繋がるエレベーターではなく、客室専用のエレベーターへと向かった。


「あれって、報道陣?芸能人の披露宴でもあるんかな?」

「さぁ?どうだろーねぇ。ワイドショーとか見ないから分からんね。」

「ネットニュースには無いっすよ。今のとこ。」


スマホを見ながら答える男は、先輩である広沢に軽口をたたく荒井だった。そしてもう一人は緒方。

そう、この一行はつくしの元職場である紳士服TSUGeのメンバーである。

この日、帰国したつくしがみんなと会って話したいと申し出てきたため、メープル東京のセミスイートルームにて飲み会となった訳だ。

メープルでの飲み会。

飲み会というと会社帰りに気軽に行えるものだが、それにしては会場が格式高い場所過ぎる。

こうなったのはつくしの立場が大いに関係する。

道明寺夫人となったつくしは、セキュリティの関係から気軽に居酒屋などの商業地を利用する事が出来なくなった。

それはSPに迷惑をかけたくないというつくしの気持ちの現れが原因している。

夫の司が心配性なのもあるが、つくし自身周りへの影響を考え知らず知らずのうちに行動範囲を狭くしてしまっていたのだ。

つまりこのメープルでの飲み会はつくしから提案されての事だった。



一行がエレベーターホールで上行するエレベーターを待っていると、その一行に紛れるように男が後ろに付いた。

すかさず黒服の男がその紛れようとした男に声をかける。


「な、なんだよ。俺はただ部屋に行こうとしているだけだぜ、、」

「申し訳ありません。それでしたら、別のエレベーター機をご使用下さい。」


そう、このエレベーター機はスイートルームに繋がる専用のエレベーター。

なのでこの機にて上行する客は、監視されているのであった。


見知らぬ客が黒服の男と一悶着するのを見て、口を閉じるTSUGe一行。

到着したエレベーターに乗り込み、上行し出してから口を開いた。


「あれ芸能人じゃないかもな。」

「ですね。牧野達を狙ってんスね。」

「なんか大変な世界だな。ここで飲み会しようって言ったあいつの気持ちが分かったわ。」




***

「すみません皆さん、こんなところまでご足労いただいて。」


申し訳無さそうに頭を下げるつくしに、男供は耳だけを傾けて、スイートルーム探索に夢中になっていた。


「良いって事よ。こんな事でもない限りメープルのスイートになんて来れないしな。」

「凄いっすね。部屋が三つもありますよ。俺達もここに泊まって良いんスか?」

「んな訳ねぇだろ。」

「あ、いえ構いませんよ。それにオーナーや佳乃さん達にも別に部屋を用意してますので。」

「ほんとーお?・・凄っ。」

「つくしちゃん本当にセレブになっちゃったんだね~・・だったらもっと綺麗な格好すれば良いのに。」


TSUGeのオーナー菜々子の娘絵深がそう言うのも無理はない。

つくしはパーティスタイルの中一人カジュアルな装いでいるからである。


「そうは言っても赤ちゃんがいるんだもの。汚されちゃう事だってあるのよ。だからこんな格好の方が気楽で良いの。」

「確かにそうね。」


そうつくしの一粒種、京までこの飲み会に参加していた。

とは言えまだ生後8ヶ月の乳幼児。飲酒する訳ではなく、お披露目の為の参加だ。

そしてそんな京は早速菜々子に抱っこされ、キャッキャとご機嫌になっている。


「んじゃ、コレ脱いで良いか?仕事終わった後までジャケット羽織りたくねぇんだよ。」

「酒も飲みにくいですしね。」


広沢や荒井が口に出し、ジャケットを脱いでいく。

つくしも笑顔で頷き、他のメンバーもパーティスタイルを崩して砕けた雰囲気になった。


メープルで用意された食事も進み、皆んながつくしの近況に耳を傾ける。

セミスイートルームはさながらホームパーティの様になっていた。


「3ヶ月でシャツ2枚にスーツ1着か、確かにペースとしては遅いな。」

「でも製作時間は1日4時間程度なんだろ。だったらそんなもんじゃねーの?」

「うん。それに今は子育てに専念して、気晴らし程度に考えた方が良いと思うわ。そのブランドを育てたいって気持ちも解るけど、京君をちゃんと見てなきゃ駄目よ。いくらお世話をしてくれる人がいても、京君のお母さんはつくしちゃんだけなんだから。」


その佳乃の口調は子育てを始めたばかりの後輩に向けて話すものだった。実際に佳乃には自分の後に子育てを始めた友人や従姉妹がいて、セレブになったとは言えつくしも佳乃にはそんな対象だった。

そんなあまりに普通すぎる話し方がつくしには何より嬉しかった。

というのも、NYに渡っての2年間は自分の立場を考え過ぎて慎重になり過ぎてしまい、自分を出せるのは邸の中だけと、つくしはある意味引きこもりになってしまったのである。
(つくしが邸にいるおかげで司の心配性も極端に動く事もなく、司の側近が平穏になっている事もその引きこもりに拍車をかけていた)

その上邸内では女主人として扱われた。

結婚当初つくしは使用人にも敬意を示そうとしていたが、異国の地で慣れないつくしに使用人達がつくしを奮起させようと女主人としてリーダーシップを取らせたのであった。それがいつの間にか主従関係として定着してしまった。
(使用人達からすればギスギスした主人ではないし、立場が明確になる事で仕事がやり易かったのだ。なにせこの女主人は手が空くと暇潰しと言って使用人の仕事をし始めるので使用人としても指示する立場でいて欲しかった)

そして子育てに関しても使用人が楽しそうに京を見てくれるため、つくし自身も自分が京を独占するのに罪悪感を持つようになったのだ。



「そうですよね。お母さん業を今は第1にしなきゃ。」

「ま、子どもってすぐに大きくなるらしいぜ。兄貴の嫁さんがいつもボヤいてた。」

「すぐって、なんか半年や一年くらいの言い方っスね。」

「そうだぜ。そんくれーの事を言ってる。」

「「「はあ?」」」


広沢の言葉に子どものいない男達や絵深も間抜けな声で返してしまう。


「その嫁さん曰くだな。歩けるようになったら手がかかって、可愛いんだが同時に憎らしくなるらしいぜ。自分の時間で動けなくなるし、イライラばっかしてて兄貴の事までムカついてくるって言ってた。」

「「ええ~~」」

「んー、分かる。子どもが1才、2才、、まだ幼いうちは手がかかるのよ。ほらCMでも見たことない?ちょっと目を離した隙にイタズラされて、お母さんが苦笑いするヤツとか。あれよ、あれ。日常茶飯事になるのよね~」

「それですぐに大きくなるね。つまりまだ動けない今のうちが天国って言いたいのね。確かに京君も天使みたいね~」


京を抱っこする菜々子はおばあちゃんの様な優しい顔だ。

それを見て娘の絵深はまだ先なんだけど、成人したらうるさくなりそうだなと一人ごちていた。


「でもね。早く大きくなったほうがつくしちゃんの悩みが解消出来ていいかもしれないわね。だって邸には人がいっぱいいるんでしょ?手がかかる様になった方がスイッチが入ってテーラーに没頭出来るかもね。」

「スイッチが入る?」

「どう言う事っスか?」


つくしも佳乃の言う事が分からなかった。

手がかかるようになった方がテーラーのスイッチが入るとは矛盾しているように感じる。


「あはは、分かんないよね。こればっかりは子育てしてないとならない胸中だわ。」

「確かにそうね。皆んなが分からないのも無理はないわ。」

「お母さんは分かるの?」

「そりゃ、そうよ。私だって働きながらあなたを育ててるのよ。」

「あ、なんか俺分かった気がする。」

「ええ?緒方さんまで?何で?」

驚くつくし。


「お前隠し子がいるな?」

「居ませんよ。隣に住んでいる人が仕事復帰した途端に顔つきが変わったんで、そうかなと思ったんです。」

「隣って、マンションのか?」

「そう。夜コンビニとかで見かけたんだ。彼女赤ちゃん抱っこしてさ。帰る方向が一緒だからさ。黙って付いて行くのも変に思われるかなって、声かけたんだ。それで聞いたんだよな。身近に親戚もいなくて子育て大変だって、でももうすぐ職場に復帰するから大丈夫って。職場には保育園があるから、昼間は別行動だってさ。」

「ストーカーに良く話したなその人。」

「ストーカー違うわ。」

「ストーカーじゃなくてもそう思うよ。お喋りなのかな?」

「というか、それだけ子育てが大変だって言いたかったのかもね。だって子どもに愚痴る訳にもいかないじゃない?」

「そっか。」

「なるほど~」

「ん、じゃあ牧野がスイッチ入るってのもそんなとこからですか?」

「ピンポーン。正解。」

「へぇ、、」


広沢は子どもに手がかかるからテーラー作業はもっと気楽にいけと言うつもりだったが、佳乃や菜々子は子育てをしてるからこそ自分の仕事が気分転換になり子育てを続けられると言う。

子育てしながらの事は経験が無いので流石に口出ししても否定されるなと、今までつくしに先輩面していた事が出来なくなった寂しさを隠し広沢は黙って聞き役になる事にしたのであった。





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初めての子育てを思い出しながら書きました。かなり自分に重ね合わせてます。私は妹に仕事を辞めて専業主婦にはなれないタイプと言われました。仕事が合ってるそうです。そしてそんな仕事の時間の意味合いが子育て前とはガラリと変わりました。なので保育園とかに預けずに子育て出来る人は凄いと思ってしまいます。一日中子どもと向き合うってそれほど大変だよね。
そんな事を考え書いたお話、、
恋話に持って行けるか自信ない。
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