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スッピン39
2017-04-05-Wed
「あだ、、だあ、だ、、」

菜々子に抱っこされている京がつくしの方に手を伸ばしぐずり始めた。


「あら、京君ママ?お腹空いたのかな~」

「多分そうです。おっぱい飲もうね京。」


スマホで時間を確認し、つくしは菜々子から京を渡される。

すみませんと声をかけて、スイートルームの奥の部屋へと授乳のためにひとり向かった。


パタン


ベットに腰掛け授乳用になっているシャツの隠しボタンに手をかける。

が、この位置だと誰かが不意にドアを開けると授乳しているところが丸見えだと気付き、

つくしはドアに背中を向ける位置のベット脇に座りこみ、授乳を始めた。


こくこくと飲み始める京の顔を見ながら、先ほど話していた事を考えていた。


『ちょっと目を離した隙にイタズラされて、お母さんが苦笑いするヤツとか。あれよ、あれ。日常茶飯事になるのよね~』


今京はハイハイが出来るようになり良く動くようになっている。

だが、京は部屋の中をどこでも動く訳ではない。

部屋の中にキッズサークル(商業地にあるキッズスペース)を作り、その中でハイハイをしたりオモチャで遊んでいるのだ。

ちょっと目を離す隙。

それはつくしにもあるのだが、つくし達の場合はそんな隙があろうと事故など起きぬように配慮しているため、隙が出来ても焦るという事にはならない。

なんとなくもう少し京が大きくなればそれもあるのかとつくしは思ってみたが、邸内はひとつの組織になっているためそれも考え難かった。

というのも、かつて道明寺ホールディングス横浜支社に在籍していたつくし。

NYに渡り、邸の女主人の任を担う時まず耳を傾けたのが執事の声だった。

つくしが来るまでは執事が邸の中核を担っていた。が、執事もそれなりに忙しく中核でありながらその役割を果たせていない現状だった。

それはつまり邸の主人の不在が招いた事でもあった。

道明寺の邸は執事以下使用人、コック、庭師、運転手など総勢100人近くの人の力を借りて成り立っていた。

そんな人数がいるのだ。組織を形成しなければ成り立つ訳がない。

そしてそんな組織には中核に立つリーダーが必要だ。

つくしは執事の声に耳を傾け、自分がその立場にならねばならない事を理解した。

そして邸内を組織と考えその役割を見直していった。とはいえ皆これまでの邸を存続させていた者達見直す事は多くは無かったが、つくしが妊娠し邸に幼子を迎えるにあたって安全面を考える事にした。

つくしの知る組織とは道明寺ホールディングスだ。

日本企業らしく縦割りの社会。

それでもその縦割りにきちんと役割を分散させ、危険を未然に防いでいた。

安全面を考える事はそれと同等で、ミスを防ぐと同様にミスをいかに広げないかを考えたものだった。

邸内は広い。

幼子を抱える環境としては良くも悪くもある。

つくしはそんな環境整備について企業人の経験から、幼児教育関係者、その建設等に携わった建築関係者を邸に招きリスクについての指摘を得ていた。

部屋にキッズサークルを作ったのもその時の指摘があってからだった。



ふぅーと長く息を吐く。

京を見ていた視線を天井にやり、頭をベットへと持たれさせた。


テーラーを続けるために求めた答えは、自分が随分と違う世界にいる現状を知らしめる結果になり、佳乃の普通の答えが答えになってない事をつくしは寂しく思った。




***

お腹がいっぱいになり寝てしまった京。

シャツを直しながら、ひとりこのまま寝かせて置くのも可哀想と京を抱き抱えたまま皆んなのところへと戻って行く事にした。



カチャ



「いや、オーナーここはちょっと味見させた方が良いですよ。本物を知った方が安い酒に興味を失せるものと思います。」


何やら荒井が持論を菜々子へ語っていた。

そしてそんな菜々子を見ると娘の絵深が袖を引っ張り何かを強請っているようだ。


「ねぇ、お母さん良いでしょー 少しだけだからぁ。」

「でもねぇ、、あなたまだ高校生だし母親が飲酒を容認するのも、ねぇ。」

「じゃあ、菜々子さんはいつ初めてお酒を飲んらんれすか?」


どうやら未成年の絵深がシャンパンに興味を持ち飲みたいと母親にせがんでいるようだ。

そしてそれを擁護するTSUGeメンバー達。佳乃は呂律が回ってないところを見るとかなり酔っているようだ。


「高校生は飲まない方が良いんじゃないかな。」

「あ、つくしちゃん。京君寝たんだ。」

「良いの?こっちに連れてきて。」

「大丈夫です。ひとりにする方が寝ないんですよ。多少うるさくても平気な子なんです。」

「あー、分かるぅ~ 静かな方が良いからって思って寝かせたろにさ~ ギャン泣きしたよぉうちの英樹もさ~」

「佳乃さん酔いすぎ。どんだけ飲んだんですか?」

「こんくらいだ。」


そう広沢が指すのは空になったボトル。大きなシャンパンボトルにはすでにボトルは無い。


「らって○リュがあるろよ~ 飲まない訳にはいかないじゃない。○リュよ、○リュ。○ンペリよりもシャンパン通には好かれてんだからぁ~」

「確かに○ンペリは有名っスよね。でもホストクラブのイメージが付きすぎるから、ここでは無いのかなぁ?」

「ん~どうなんらろ。つくしちゃん何で?」

「知りません。酔っ払いめぇ~」


つくしは京をベビーベットに寝かせ菜々子の側へと腰を落ち着かせた。


「ねぇお母さん良いでしょ~」

「絵深ちゃん、あんなになりたいの?」


つくしが指差すのは酔っ払い軍団。シャンパングラスをワイングラスの様に持ちクルクル回している荒井には、グラスの違いも関係無いのであろう。


「あそこまでは飲まないもん。それにそんな高いお酒って少量飲んで楽しむものじゃないの?」

「少量?それは、どうかな?」


そんなみみっちい事をするのは自分くらいで、夫を含めこんなお酒を飲む連中は値段など気にしなく飲んでいるとつくしは思った。


「だって香りとか味を楽しむには酔ってちゃ出来ないじゃない。」

「確かに!」


絵深の鋭い指摘につくしは目から鱗だと言わんばかりに真開き、絵深の方を指差した。


「つくしちゃんそれゲッ○みたい。本当にセレブっぽくないな~」

「うるさいなぁ。セレブっぽくなりたくて結婚したんじゃないの。」

「え~でもさー」

「でも、何よ。」

「時々テレビで見るつくしちゃんはすっごいセレブじゃん? 完璧メイクで全く隙なんてありませんって感じだよー」

「あーー あれは作っているから。ああした方が納得するみたいなのよ。」

「納得って誰が?」

「・・・世間?」


ぽりぽり頭を掻きながら答えるつくしに絵深も何となく伝わったのだろう。ふーんと言いそれ以上は追求しなかった。


そして飲酒については味見程度だよと念を押されて母親の菜々子やつくし、そして酔っ払いまでにはなってない広沢や桜庭に見守られ高級シャンパンを口にした。

そんな絵深の反応は、初めて飲酒した未成年らしくこんなのどこが美味しいの?って納得いかない顔だった。

その不満顔につくしはじめ皆んなが笑い、

酔っ払いはそのままスィートのリビングに雑魚寝し、女性陣は別の部屋へと移動し就寝につく。(酔っ払い佳乃はつくし付きのSPが抱き抱え運んだ)

つくしも菜々子達に付いて行った。

時間も遅くなってた事からSP達が微妙な反応をした事はつくしにも気付いていたが、話を聞くよという菜々子の視線を感じていたのだ。

そして、案の定つくしはそのまま京共に菜々子達と就寝してしまう。



だが程なくしてすぐ上の階にあるスィートを自身の専用としている男がその部屋に姿を現わし、


男は妻を抱き抱え、菜々子に当然だろという視線を残して妻と息子を連れ去った。


その視線を目にした菜々子は就寝中の自分達には目もくれず、妻だけしか眼中にない男に苦笑しかなかった。

が、それも眠気に負け無かった事にする。


つくしが悩みを少しでも解決出来て良かったと思ったからだ。





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何とか今日中でアップ出来ました。
本当に時間が不定期ですみません。
恋話でもないしね。
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