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スッピン41
2017-04-09-Sun
「奥様、三条様がいらっしゃいました。」


使用人に案内されて桜子が東の角部屋へと入ってきた。


「ありがとう。桜子いらっしゃい。」

「お招きありがとうございます。」


一礼して桜子を案内した使用人が席を外す。

桜子はそれを見送って声をかけた。


「先輩、訪ねて来た立場で言うのもなんですけどこちらの部屋に来て宜しかったのですか?」

「ん?良いよ。何で?」

「何でって、こちらはプライベートな空間ではないのですか?道明寺さんが良い顔をする様に思えないのですが、、」

「え~、、でもここはリビングだよ。あっち(寝室)なら分かるけどさ。・・まぁ、でも言いそうだよね。」

「今気付かれたんですか?」

「・・うん。言われて気付いた。でも、ここにした理由は京を見ていられるからだよ。」

「京君が?・・あっ、寝んねしているんですね。」

「うん。見てもらう事も出来るけど、桜子から連絡があった時に寝ていたし、あとコレ書いていたし。」


そう言って見せたのは青い表紙でイラストの書いてあるA6サイズの手帳。


「母子手帳を書いていたんですか。・・あれ?先輩、妊娠・出産はNYですよね。こちらで手に入れたんですか?」

「いやNYで手に入れたよ。あたしが妊娠した少し前から海外でも入手出来るようになったんだ。総領事館で配布していたよ。ってあたしは取って来てもらったんだけどさ。」

「へぇ、、って何か不満気な言い方でしたね。何かありました?」

「ん~、、出来れば自分で取りに行きたかったなぁって。でも大名行列で行く訳にも行かないしね。」

「なるほど。妥協があったんですね。」

「ま、それが結婚ってモンだろーしね。嫁いだ身は婚家に合わせなきゃならんのよ。」


そう言って疲れた表情を見せるつくし。桜子もそんな婚家がどんなところか知っているだけに、同情する。

が、つくしがその話題になった母子手帳にカバーするのを見て違和感を感じ話しかけた。


「それって外して使う物ですか?カバーなのだから手帳を保護する物と思うのですか、、」

「普通はそうだよ。でもね、このカバー見てよ。」


そう、つくしが見せたカバーは某有名鞄メーカーの物と一目して分かる物だった。そのボタンのところには宝石が散りばめられていて確かにつくしならばそんな行動に出るだろう。

手帳を保護するカバーを汚さないように取り扱う行動を。


「○ィトンですね。どうしたんです?って頂き物ですよね。」

「そう。椿お姉さんがくれたの。ちなみにコレ3代目だから。」

「3代目?それはどうして、、」


それに眉根を寄せて苦虫を噛むような表情をするつくし。どうやらそこにはつくしの意図しない背景がありそうだ。


「それももしかして婚家ならではの妥協ですか?」

「そういう事。」


というのもつくしは妊娠が分かった時、安定期に入るまで司を含め近い者にしかそれを言わなかったのだ。

それはつくしが子宮筋腫を持っていた事が原因になる。

つくしは筋腫のせいで重い生理痛に悩まされていた。そのため低用量ピルを服用し月経量をコントロールしていたのだが、妊活するにあたってピルの服用を止める必要がある。

NYに渡り医師のアドバイスの元タイミングを見てピルを中断し、妊娠したのだが筋腫の存在は変わらない。そのため妊娠初期での流産も全く否定出来ず、安定期に入るまで黙っておこうと言う事になったのだ。

そのためその黙っていた人間に妊娠を告げた時にはすでに母子手帳を貰っていたつくし。当然、医師をはじめ自分でも色々書き込んでいた。

それに肩を落としたのは司の姉椿だ。

そう、つくしは知らないが梢からつくしへの妊活へのプレゼントとして母子手帳を考えていた椿はすでにつくしが手に入れていた事に酷く落ち込んだのだった。

その場にいた梢がなんとか椿をなだめ手帳のカバーをプレゼントしてはと提案したのだが、椿はつくしがこれも気に入るだろうとまだ使って間もないうちからどんどんとプレゼントしてくるのだ。

とはいえそんなブランドカバーをつくしが気に入る訳もなく、次々に持ってくる椿を止めようと次は汚れたらと言い、つくしはカバーを汚さないよう必死なのだ。


「先輩も苦労なさっているんですね。」

「はは、悪い人じゃないんだけどね。」


ふぅーと溜息をして手帳をバックに仕舞おうとするつくしを見て、桜子が見ても良いか聞き、つくしも快く了承する。


パラパラパラ、、


「けっこうマメに書いてますね。先輩らしいです。」

「ん。それは優紀のアドバイスもあったからかな。なんでも細かく書く事で幼稚園に入る時に役立つんだって。」

「幼稚園に?それはまたどうしてですか?」

「んー、幼稚園入園とかではさ子どもの成長調査票を出すんだって。いつから歩き出したとか、いつから喋り出したとか、歯磨きはいつからとかさ。

優紀も1才くらいまでは書いていたけど、段々サボりがちになってて結局その調査票は適当に書いたって言ってたから。」

「なるほど。確かに先輩はちゃんと書きたいと思う人ですよね。」

「うん。まぁ、ここでは目撃者が沢山いるから困らなさそうなんだけどね。」

「確かに。それこそ先輩以上に記録しているかもしれませんね。」

「ありえるから笑い事にならないよ、、」

「ふふふ。あ、昨日捕まり立ちしたんですね。ぷるぷる震えてたって、可愛いかったんでしょうね~」

「うん。必死だった。そういやすぐに抱っこしちゃったけど、面白い顔してたな京。・・ククククク。」


思い出して笑うつくし。面白くて可愛い。今の寝ている顔も可愛いが、あんな必死なところは父親のそんな顔とも重なって余計に笑えてしまう。


「そう言えば京って名前はどなたが付けたんですか?」


京の方を見ながら桜子が聞いてきた。


「ん?司だよ。」

「良い名前ですよね。男の子でケイと付けたのは某テニスプレイヤーにあやかって、、ではないですよね。」


それは司の性格を知っている桜子だからの疑問だろう。

確かに司はテニス好きという訳でもないし、彼のスポンサーになっている訳でもない。まぁ、会ったことはあるかもしれないけど、、


「京って書いてケイと読む物があるでしょ。そこからだよ。」

「ケイと読む物?ありました?普通はキョウと読みますよね。」

「そうだね。あたしもだから最初はキョウと読んだよ。でも違うんだって。デカイモンだよ分からねーのと言われたよ。」

「デカイモン?何です?」


はーと呆れる様に息を吐きつくしが口を開いた。


「桁って言えば分かるかな?一、十、百、千、万、、」

「それって桁の京ですか?そこからきてるんです?」

「そう。あとはスーパーコンピュータからね。」

「そ、それから。・・それってつまりそれだけの資産を持てって事とか、、」


じとーという目で桜子を見るつくし。その目は良く分かってんじゃんという顔つきだ。


「えっ、と。世界の長者No. 1でもそこまでの資産はありませんよ?それはもちろん道明寺さんでも、、」

「そりゃ知ってるわよ。曲がりなりにも経営者なんだから。でも限界を作るのは駄目なんだってさ。可能性を信じて成長しないとなと司にしては最もな意見だったから、呆れたけど許しちゃったのよ。」


そんな意見がなくても許すだろうと思うつくしに桜子は笑ってしまう。

今回の一時帰国で久々に会ったつくし。

子どもが出来たが司と上手くいっている様で安心していた。


「ま、でもすっごいインフラになるか、別の国の紙幣で数えたら京になる資産には行くんじゃない?そう考えたは現実にはなるかな。」

「それは夢が無いですよ。ほんっとロマンチストと貧乏リアリストの夫婦ですね。」

「うっさいわ。貧乏で結構。この価値観は変えるつもりはないから。」

「それも存じてます。」

「あっそ。」


それからつくし達はソファに腰掛け、ティタイムとする。

会って早々話し込んだので喉が渇いたのと、客を持て成してない事につくしがようやく気付いたからだった。


「普通はすぐにお茶を持って来させますけど、そこは先輩なので納得です。」

「本当に一言多いよ桜子。さっき帰ってきて疲れてんのよ。」

「え?さっきって昨日は泊まりだったんですか?」

「そうメープルにね。」

「そうでしたか。てっきり昨夜のうちに邸に戻っていると思ってました。・・という事は遅くまでお話しされてたんですか?」


桜子には前日に元職場のメンバーと会う事を知らせていた。それはつくしと会うアポを取る中で知った事だった。


「まぁね。話をして聞いてもらったよ。悩みが、、解決できそう。多分だけどね。」

「悩み?前の職場の方々だと解決出来る事ですか?」

「そりゃテーラーの事だからね。」


そう言って桜子に説明するつくし。だいぶはしょって話した。


「ふぅ、、ん。職人のプライドって奴ですかね。まぁ、技術者にはありがちですよね。逆に言えばあるから技が向上するというか。」

「ああ、そうだね。それはあるね。」


桜子も美容業界で戦っている。そんな技量を持つ人間を抱えているから分かるのかとつくしも納得した。


「道明寺さんのだから時間がかかるのでは?だったら京君のを作ったらどうです?」

「京の?」

「ええ。」

「京はまだ赤ちゃんだよ。スーツなんて着ないよ。」

「ベビー服で良いじゃないですか。そこは妥協出来ませんか?」

「あ、、、」


あまりの惚けようにつくしでさえも口を閉じるのを忘れてしまう。

しかしそれ以上になぜそれに気付かなかったのかのその理由に気付き、それをどう桜子に気付かれまいと隠そうとばかりを考えて固まってしまっていた。


「先輩?」

「ほえっ?な、何?」

「キョドッてます?」

「いいや。そんな事ないよ。」


じぃーと桜子に見られるつくし。

隠し事があるため背中は汗だらだらになっている気分だった。


「そうですか。じゃ、その京君の服を作るのは先輩次第という事で、実は聞きたい事があるんです。」

「聞きたい事?」


つくしがほっとしたのもつかの間、桜子が微妙な事を話し始めた。


「ええ。今度パーティがあるんですよ。先輩それに参加するかなと思いまして。」

「パーティ?まぁ、司が行けと言えば行くけど。」

「ちなみにドレスコードが決まっているんですよ。」

「ドレスコード?・・どんな?」


どんな条件だろうと自分付きの美容部隊が準備してくれるので、つくしは桜子の言葉に平気だろうと思いながらも返していた。



「主催者のトータルコーディネートです。メイクからドレスまで。ドレスは何通りかあるんですけど、確実に誰かと重なりますね。」

「どういう事?」

「分かりませんか?メイクも着る服も指定されたんですよ。つまり先輩を丸裸にしようと考えているんです。」





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スッピン34であった母子手帳の下りですが、その時には調べなかったけど2014年から外務省と母子健康手帳普及協会と博報堂が中心になったプロジェクションで海外在住者にも母子手帳を配布しているそうです。

それをスッピン34の時にはなくて、つくしの妊娠時にはあったとしました。

上手く繋がって良かった~


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コメントありがとうございます

Re:○香さん。

> 子宮筋腫で妊娠出来たケース、出来ないケースで話の設定がこれ程変わるとは。

それだけデリケートな問題でもあるんでしょうね。私はハピエン主義なので出来ないケースは考えないようにしてます。現実主義と反するんですけどね。


> 続きを楽しみにしてます。

はい。がんばります。
(╹◡╹)
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