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スッピン42
2017-04-11-Tue
会場内は賑やかだった。

SP二人を連れたつくしが会場入りしても談笑を止める気配も無く、つくしも拍子抜けだった。

だが、これが当然だといつも隣にいる男が強烈過ぎる事を改めて認識させられる。


帝国座ホテル 18時20分


パーティの開始時間10分前とあって参加者の入りもまだまだ。

それは主役が遅れて登場する事を知っているからかもしれない。
(ちなみに主賓ではない。主賓よりも目立ってしまう男達の事である)


この日つくしは桜子から懸念されたパーティにひとり先に参加している。

先に来たのは理由があってからだ。

夫である司が多忙という事もあるが、懸念材料のドレスコードがどういう意味合いなのかを判断するためであった。


そのため同じく会場入りした岩元は、会場入口でつくしから離れる様に立っていた。

会場を見回すと桜子の姿が見えた。だが顔を見合わせるだけにする。


この日つくしは指定された中のドレスを着ていた。ダークブラウンの膝下のドレスワンピース。やや胸元が開いているがつくしの年相応に合っていた。何色かのストールが選ぶ事が出来つくしは薄いピンク色を選んだ。(ストールは淡い系色で揃えられ、ドレスワンピースはブラウン系の他、レッド、ネイビーもあった。桜子はレッドのドレスを選んでいた)

周りを見ると同年代の客がこのドレスらしい。年代別にドレスが充てられていて同じ形なのに着る人によって印象は変わるものだと思った。

メイクの方もアイメイクの商品をアピールする目的のため、ドレスコードを守っている客はちゃんとその商品を使用している様だった。

が、つくしは眉根を寄せる。

前方にはドレスコードとは異なる装いの客がいた。

つまり、無視している客もいるのだ。


『アレルギー等で制限された化粧品を使用している方は、ドレスコードでなくても結構です。・・果たして何処まで守られるでしょうか。』


溜息交じりで呟いた岩元の言葉が思い出される。

あの化粧法だとアレルギーとは無縁の様に思えるからだ。

マナーを守らない人間はどこにも存在する。

野心の表れかもしれないが、それが良い結果をもたらす様につくしは思えなかった。



「ようこそお越し下さいました。」


ボウっとしていたつくしは、まだ20代と思われる女性に声をかけられた。


「いいえ、こちらこそお招きありがとうございます。」


ハッとして会釈を返すつくし。帰国したばかりか相手を見ても誰だか分からなかった。


「失礼ですが、お名前を教えていただけますか?」

「はい。川喜田瞳と申します。今回のホステスをさせていただいてます。」


ホステス、つまり主催者だ。つくしはこのパーティの主催者がこんな若い娘だと知り驚いた。だが思い返してみれば最初の挨拶で主催者と言う事は分かるはずだし、自分もそれに合わせて答えていた。


「そ、そうでしたか。」


自分の焦りを隠すように笑って誤魔化そうとするつくし。とはいえ、隠せていないだろうとは思っていた。


「ドレスコード、ありがとうございます。着た感じは如何ですか?」

「え、ええ。とても良いです。」

「それは良かった。このブランドはアメリカで人気のブランドなんですけど、日本初上陸なんです。私が日本で広めようと思っているんです。着心地など率直に教えていただけますか?」

「あなたが?広めるというのは、、」


つくしの疑問に笑顔で答える彼女は父親の会社の子会社という形で会社を立ち上げこのブランドの日本フランチャイズを呼び込みこれから展開していくと言う。

その表情はどう展開していくのか話すうちに輝いてきて、つくしは良い気分になっていた。


「道明寺夫人はテーラーをやっているとお聞きしました。なので先ほど着心地を聞いたんですけど、テーラーとしての意見も教えて欲しいんです。」


つくしは自分が道明寺夫人だと分かった上で話しかけられた事に驚いた。

それは道明寺夫人というキャラクターを作りオンオフを分けているためオンの夫人はメイクもドレスも華やかなに着飾っているためだった。

しかし今回はドレスコードを指定しておりオフの姿に近い、それなのに気付かれたのだ。

「私が誰か分かってて聞いてきたって事なのね。でも私の意見は参考になるかしら?」

「なります。私がこのブランドを選んだのは一流になりうると思ってこそです。自分の先見の目を確かめたいのです。」


それでつくしは思った事を話した。それは生地選びや縫製など製作サイドの目で見抜く事とつくしが夫人として着用した他のブランドとの比較も合わせて話せる内容だった。

しかし残念ながらそれはこのブランドの高級性を肯定するものではなかった。


「・・ありがとうございます。では、ドレスコードを守られなかった訳、がある、、と言う事なんですね。」


悲しそうな悔しそうな表情の彼女が見た視線の先には、先ほどつくしも顔を歪めた女性が。

女性ひとりで数人の男性に囲まれ満足そうに談笑している。

とてもそうには思えないが、そう思う事も彼女には必要に思えた。



「なぜこのドレスコードにしたんですか?」


つくしは彼女の向上心に触れ、疑問に思った事を率直に聞いてみた。

話をふられた彼女は顔を上げ、つくしを真っ直ぐ見つめた。

その視線は悪意や妬みなど感じない清々しい様に思えた。


「それはあなたとお話したかったからです。道明寺夫人のあなたが一般の出という事は知ってました。それを良く思わないこちら側の人間もいますが、私は向こう側に憧れていたのでむしろ尊敬に思ってました。こちら側の常識では、嫁ぐ事が当たり前ですから。」


それは嫁ぐ事で実家の稼業の役に立つという事だろうか。

戦国時代でもないのにそんな常識がまかり通る彼女のいうこちら側につくしは腹が立ってしまった。


「あなたは起業したかったの?」

「そうですね。ずっとファッションには興味を持ってましたし。

でも、本音を言えばただ働きたかったんです。働いてみたかった。」

「就職を反対されたの?」

「いいえ。父は紹介すると言ってくれました。でも、その先に縁談とかあると思うと、、」

「そう。」


親のレールに乗りたくなくて企業の道を選んだ彼女に司の元妻梢の姿を重ねてしまう。



その時入口からワッと歓声が上がり、主役の男が到着した事を知らしめた。


ふとドレスコード無視の女性の方を見ると、周りの男性を視界から消したようにその男にうっとりとしている。


つくしはそんな女性に呆れ、こちら側というものにほとほと嫌になってしまった。


「ご到着された様ですね。それでは失礼します。」

「え、話さないのですか?」

「あ、えっと。」

「多分向こうからこちらに来ますよ。経営の事は私は素人だけど、夫はそうでないから。」

「・・お気を悪くしませんか?」

「私が?何故?」

「このドレスコードはあなたと話せるようにした私の作戦なんです。あなたに憧れていました。なので話したかったんです。

でもそうする事で結果的にご主人と話せる事へも繋がります。ですからそれは辞退しようと考えていたんです。」

「何故?」

「何故って、、」


言葉に詰まった彼女だったが、急に背筋を伸ばし始めカチコチになってしまった。

それでつくしが振り返るとそこには不機嫌な顔した夫の姿が。


「ここまで近づいても無視するたーおめぇくれーなもんだぜ。」

「彼女と話してたのよ。あんたが来た事にはちゃんと気付いてたわ。」

「じゃあ態度もそうしろよ。」


そう言って色気振り回しながらつくしを抱き寄せる司。つくしの頭にキスを落とし周りを見回す。

その途端溜め息混じりに身悶えする女性客。

つくしはそんな司の腹に一発お見舞いしてやりたかったが、グラスを持つ手を変えてグッと我慢した。


「何を話してたんだ?」

「ああ、彼女川喜田瞳さん。このパーティのホステスよ。このブランドを日本に呼び寄せたんですって。まだ若いのに凄いわね。」

「俺だってこいつ位の時から働いてたぜ。歳は関係ねーよ。」

「そうだったわね。川喜田さん、主人よ。経営の事は私よりも詳しいわ。」

・・はい。存じております。


小さな声でボソボソと話す彼女に司は眉根を寄せる。

そんな状況にひとりの女性が近付いて来た。


「まぁ瞳さん。いくらなんでもあなた緊張し過ぎよ。分からなくもないけど、それでは失礼になってしまうわ。」


顔を上げた彼女の表情から知り合いではあるらしい。


「あ、こちらは小野鈴香さんです。小野コーポレーションの社長夫人で、私の友人の姉になります。」


つまり他人と言う訳だ。ドレスコードを守る義理は無い仲らしい。


「道明寺様、瞳さんが失礼しました。まだ若い娘なのでお許し下さいね。」


そう言って必要ない色気を送る他人様。

つくしも良い気分ではなかったが、自分の肩にあった手がおかしな方向に動くのを見て見上げれば、顎の辺りしか見えなかったが機嫌が良くない事は充分分かった。


「俺に話す事はないのか?ないならこれで失礼する。」


つくしを抱いたまま司が踵を返そうとした時に見えた彼女の表情でつくしは判断した。


「待って。ねぇ、川喜田さん。夫と話しにくいなら私が相談にのりましょうか?・・と言っても経営の事は無知だし夫は多忙だから付いてはこないけど。」


そんなつくしにしらっとする他人様。だが当の彼女ははにかみ笑顔で頷く。

それじゃと司と二人出口に向かうつくし。

手にしていたグラスをボーイに渡そうとすると、司が取り上げボーイのトレイに乗せた。

そんな司に笑ってグラスを持っていた手を司の腰へと回した。


「桜子、先になるわね。」

「何を話してたんですか?」

「んー、ドレスコードは私と話したかったからみたい。確かにこれだと私が紛れてゆっくり話せたわ。」

「なぜ分かったんです?」

「ああ、本人がそう言ったのよ。作戦だってはっきりね。」

「随分大胆ですね。道明寺さんとご一緒でしたらこうはいかないでしょうに。」

「そうだね。でも主催者だから何かしら話す機会はあっただろうし、悪い子ではなさそうだよ。」

「分かりませんよ。計算ずくかも、、」

「疑い深いなぁ~」

「道明寺さんはどう感じましたか?」

「俺か?」


これまでつくしと桜子の話の聞き役とばかりに黙っていた司だったが、話しかけられても関心なしとばかりの態度だ。


「さぁな。つくしが思った方で良いんじゃねーの?攻撃してくれば叩きのめすまでだ。」


物騒な事を口にする司につくしは自分が事を荒げない様にするべきだと思った。


「とりあえず疑いは持っとくよ。面倒は勘弁だからね。」

「・・こういうコントロールをされるとは思いませんでした。道明寺さん、流石です。」

「何よそれ。」

「クックック、、行こうぜ。」


引きずられるように会場を後にするつくし。だが桜子にはふくれっ面を向けるだけで ふっと息を吐き出口の方へと向く。


「息抜きにはなったか?」

「そうね。久しぶりの外出で楽しかったわ。」


それはSPに堂々と囲まれる故。道明寺夫人という立場からSPにガードされるつくしはいつしか外出を控える様になっていた。そのため好きではないはずのパーティが邸を出る気晴らしになっていたのだった。

そんな変化を滑稽だと笑う事もあったが、それはそれでパーティ参加への腰引けが小さくなったのも事実。考えようによっちゃ結果オーライだった。


「上の部屋に行こうぜ。」


甘い声の方を見れば期待する表情の夫が自分を熱っぽく見ていた。

パーティ開始は18時半。開始して1時間経った頃なので今は20時になるところだろうか。


「メープルじゃないわよ。良いの?」

「こないだも泊まっただろ。たまには良いんじゃねー?」


潔癖症な司。なのに宿泊にこだわる事に可愛さを感じてしまう。


「まぁいっか。邸だと京が起きちゃうしね。」

「そうそう。おめぇが帰ってきたら京も起きちまうぜ。」

「あたしが叩き起こすみたいな言い方ね。」

「変わらねぇだろ?京はおめぇがいるいないを分かってんだよ。」

「あんたに似てって言いたいの?」


くすくすと笑うつくしに司も甘い顔で返し答える。


帝国座ホテルのスイートは各館毎に一部屋のみ。このパーティへの参加で急遽取ったため本館ではなく少し離れたプレミアムタワーのスイートになった。


パーティ客から離れる事でつくしも司への密着度を増していく。

そんな小さな変化も司には至福のひとときだった。





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特に波乱もないパーティですが、一応ラストへの布石にはなってます。

ドレスとかの描写って難しい。
その辺はなんとなくで流して下さい。

ホテルの名前も劇場かと突っ込んでー
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Re: ありがとです♪

おはようございます。
スッピン42のコメント返信です。
まとめてすみません。
ズボラーなんです(๑>◡<๑)


○香さん。
確かにそうですね〜
今はガールズバーとか言ったりするらしいですね。昨夜テレビで警察密着みたいの見てたら言ってました。田舎者には誤解させる言い方です。
女の子オンリーなのねと思って入ったらどーすんだ!ですよね。

み○ちゃんさん。
間違い?に、ああ確かに帝国THEホテルにしたらカッコいいと思いました。
でもツッコミがあるのもイイ〜(゚∀゚人)ので、このままにします。

す○○さん。
私も裁縫好きです。このコメ見た後でまた子どものミルクマット(コースターみたいなもん?)を縫い縫いしちゃいました。ミシンも使うけど実は手縫いが好き♡時間があればカバン作りたいんだよなーポケット沢山の。でも二次もやりたい。専業主婦になりたい病になってます。
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