甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て26
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素肌にシャツを着て26
2016-09-09-Fri
世間は夏休みに入ろうとするころ、NYから持ち込まれたピリピリムードも落ち着いてきた。

そんな中つくしは、会議の準備をしていた。

横浜支社では、本社以外の東日本の支社から社員が集まる会議が行われようとしていたのだ。

まだ新入社員のつくしは、飲み物の準備をしていてペットボトルのお茶の入った段ボールを運んでいた。

同期の星野ことみと一緒にエレベーター待ちをしていたころ、他支社の社員がやって来た。


「まじ?」

「ああ、斎藤さん本社移動の話が出ているらしい。」

「それって、動きがあったってことだろ?」

「だろうな。でもNY移動への話しは聞こえてこない。本社ー支社間の動きだけらしいけど、こないだのNYのどっちかが種撒いたんじゃないかって、もっぱらの噂でさ。」


遠ざかっていく足音を確認したようにことみが話し出す、、

「あの話題、まだ続いてるんだね。」

「・・・・・」

つくしは応えられなかった。

「つくし?」

「ん。」

「どうしたの?  なんか反応が重いけど?」

「そんなことないよ。」

とっさに嘘をついてしまった。嘘をつくことは嫌いなつくしだが、誤魔化すことも出来ず、気分は晴れない。

「男の人は大変だね。出世とかもそうだけど、そういう派閥問題って女よりも逃げ道が無いっていうか、、逃げたら終わりみたいなとこあるよね。ここは皆エリートだし。・・心をやられちゃう人もいるって本社の友だちが言ってたよ。だから、さっきの移動の話しはそれじゃないのかな?」

「・・・・・」

司が心を壊すことは無いだろう。しかしつくしは司のことが心配だった。だからと言って自分が何か出来るはずもなく、NYからの刺客はつくしに不安の種を確実に蒔いていた。

「このことで気になることがあるの?」

「え?」

「つくしの顔色悪いよ。だから、気になることがあるのかなって。」

「そんなこと、、」

「つくしさ、あまり自分のこと話さないけど相談してね。私じゃあまり力になれないけど、話すだけでも楽になるじゃない?」

ことみは笑顔でつくしに返す。

話せるなら話したかった。外見ではなくことみは優紀に似ているところがあってつくしは気を許したかった。だが、司からの忠告で社員とは親しくなりすぎないようにしていた。

『俺との付き合いを知れば例え親しくなった奴でも、裏切ることもあるし、またそいつが利用されることだってある。お前は自分より他人のことを考えるだろ。』

ことみは自分を裏切らないだろう。でもことみが利用されるかもしれないーそう考えるとつくしは自分を出せなかった。

「ありがと。うん、そのうちね。」

大丈夫と言えなかった。大丈夫じゃないことが伝わっていたし、そう言ってしまったらことみを突き放すことになるとつくしは思った。

***


「元気がありませんね。」

あれからSPの川相には少しずつ話をするようになっていた。

「うん。色々あって、、川相さん達SPには道明寺ホールディングスのこととか耳に入ってますか?」

「・・と、いうと?」

「NYの、、」

川相はミラー越しに見ていたが、目線を下げ頷いた。

「警護対象者に危害を与えそうな事象は報告されます。先日の常務の帰国もそうでした。」

やはり知っていたか。あれ?でも、川相はつくしの警護担当だ。司の方の事情まで?と、疑問に思ったところで、その週末は一緒にあきらの別荘にいたことを思い出した。

川相は、つくしがそのトラブルに巻き込まれないための任務なのだが、つくしには当初そのことを伝えずただ司の恋人で誘拐を防ぐとだけしか知らせてなかった。

この時まだつくしは、自分の立ち位置を良く分かってなかった。つくしが司の弱点なのだ。つくしを取られたら今の司にはなす術がない。

NYの刺客は、少しずつつくしに近づきつつあった。

「音楽かけましょうか?  今日は私のお気に入りを持ってきたんです。」

「はい。お願いします。」

川相はつくしを気遣った。川相もまたつくしに笑ってほしかった。それがつかの間とのことを川相は知っていたのだ。

~~~♪♪♪

「この曲は?  ドリカムなのは分かるけど、、」

「流石に知りませんよね。これはring ring ringと言う曲です。牧野様なら気にいると思って。」


~ふと駅前にある鏡覗けば、髪はぐちゃぐちゃおでこ全開、間抜けだわ完全にバレてるー  肩の力が抜けておしゃべりになる  そうだあたしの愛車見せてあげる~♪


いじっぱりなところがあたしみたいだなとつくしは思った。アップテンポな楽しい曲なのに、何故か泣きたくなってきた。高校生の頃に戻りたいなと弱気になる。でも、大人にならなきゃ。前に進まなきゃ。つくしの目の前には、司の大好きな笑顔が浮かんでいた。


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