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スッピン45
2017-04-17-Mon
某県郊外の国道沿いには大型店舗が軒を連ねていた。

牧野一家が向かっている家電量販店もその中にある。

一家を乗せた車を運転する進は、姉のセキュリティがどうなっているのか気になっていた。

この帰省が決まったのはほんの三日前だ。

そんな直前にも関わらず、進はスムーズに休暇が取れた。

それは進の職場が道明寺系列の会社であるからだ。姉の結婚を機に再就職したのである。

なので進の直属の上司は進が副社長と親族である事も知っていて、進本人が休暇申請する前から休暇を知らされていたので休暇が却下される事はほぼありえない。

とはいえ普段進はこの職場で特別扱いされる訳でもなく、こういったケースは就職して初めてだ。

だから上司から休みを楽しんでこいと言われた時はこんな時に休みやがってという空気ではなく、どうだったか教えろよと言う空気を感じた程だった。
(進としては言える訳がない)


昨日のスーパーでは姉のSPと思われる人が3人はいた。

スーパーに行くと決めたのは姉の秘書と別れてからだ。とはいえ、そのスーパーの駐車場で待ち合わせをしていたから、予想していたとしてもおかしくない。

今回の家電量販店行きに関して、実は行き先を誘導して欲しいと岩元に頼まれていた。

行き先が分かっていればそれだけ警護しやすいからだろう。

そのため進が選んだのが家電量販店なのだ。

軒を連ねてはいてもそれぞれの大型店舗で広い駐車場を有している。

ゴチャゴチャと人混みがある訳じゃないし、そうトラブルに見舞われる訳ないかと思う反面、開けてもいるのでそこを狙われはしないだろうかと極端に考えてもしまい、


そのため頭をぶんぶんと振り進は父に何やってるんだと不信がられてしまった。


そしてバックミラーで後部座席をチラッと見た。

すると姉は眠っていた。

そこで進はまた別の方向へと意識を飛ばす。

この状況で両親へのプレゼントは姉の好ましくない方向に進むのではないかと思ったからだ。

もちろん本当に両親に冷蔵庫をプレゼントしたいと思っている。

だがそのことが原因で夫婦喧嘩になり、巻き込まれるのは勘弁して欲しいと思うからだった。


またバックミラーで後部座席をチラッと見る。

姉が今寝ているのは昨夜夜更かしをしていたからだろう。

広くない牧野家。

昨夜は両親と姉親子、そして自分達夫婦に別れて眠っていた。

姉は両親の側に息子を寝かしたまま、廊下に出て夫と電話している。

いくら声を潜めていても漏れてしまうものだ。

妻の三佳子もその声には気付いていた。

おそらく両親も気付いていたに違いない。

時折ひそひそ声ながら、声を荒げる姉。

その度に声のボリュームは小さくなるが、またいつの間にか大きくなっている。


「お義姉さん達って本当仲良しだよね。」

「うん、ケンカばっかりだけどね。」

「あれはケンカじゃないんじゃないでしょ。顔は見えないけど、多分お義姉さん笑ってるんじゃないかな。」

「うーん、そうかも。姉ちゃん意地っ張りだから。」

「夫婦の形って本当人それぞれだね。」


そんな自分達夫婦の会話をした翌朝、姉はずっと欠伸をしていた。

そのため息子の遊び相手もなかなか出来ず、その役を両親に譲って姉は家事をこなしていたのである。



「おい進、入口そこじゃないのか?」

「へ?あっ、うわ。本当だ。通り過ぎちゃった。」

「考え事してたみたいだったな。どうかしたのか?」

「う、ううん。何でもないよ。買う物を考えいたんだ。」


それで進は隣の店舗の駐車場に入り、通り抜けようと駐車場の裏側へと走らせる。


バックミラーを見ると、後続の車も間隔を開けて付いてきた。

それに申し訳なく思う進。

ひとり心の中で姉のSPに謝っていた。




***

「ふぁ~あ~、、」


大きな欠伸で車から出た途端伸びをする姉。


「つくし、もっとおしとやかに出来ないの?そんなんで道明寺様に愛想つかれたりでもしたらどうするのよ。」

「そん時はそん時よ。ふぁ、、」

「そん時って、あんたね。」

「まあまあ母さんも姉さんも、こんなとこまで来てケンカしないでよ。」

「だって心配なのよ。つくしったらセレブになっても全然変わらないんだもの。もう少しらしくなってると思ってたのに。」

「らしくって、ママ達の前でもそうしろって事?せっかく帰省したのにそりゃないんじゃない?」


つくしと千恵子がいがみ合いながら店舗に入っていく中、三佳子はある看板が目に入るが足を止めずに進んでいった。





冷蔵庫選びは一悶着ありながらもなんとか決まり、牧野一家は他の商品の品定めへと移っていく。


「美顔器、美顔器♪」


スキップしながら商品を探す千恵子につくしと進は苦笑いだ。


「本当に買う気かな?」

「買いたくない。美容云々じゃなくて、ママには宝の持ち腐れになりそう、、」

「分かる。持って三日だよね。」

「三日持てば褒めたいくらいかもね。」


そんな話をしていると千恵子が小走りで二人の元へと戻って来た。


「ちょっと、ちょっとつくし。」

「どうしたの?」

「あれ、あれってテレビじゃない?何か撮影があるのかしら?」


そう言って千恵子が指さす方向には確かに業務用のテレビカメラを持つ一団がいた。


「撮影かなぁ?でもテレビ局の名前?聞いた事ないけど。」

「うん。」


そう言ってつくしと進が首を傾げていると、三佳子が気付き答えた。


「なんでもはじめてのお買い物って番組のロケがあるんだとか。午前中にリハーサルするそうです。他のお客様にはご迷惑お掛けしますって入口に書いてありましたよ。」

「へぇ!あの有名な。」

「あーだからか。それでテレビ局じゃないんだよ。ロケ専門の会社だからだ。」


謎が解けて頷く進。

だが、そんなブッキングがあって良いのだろうかと不安にもなった。


「可愛いですよね。まだ幼稚園くらいの小ちゃい子がひとりだったり二人とかで買い物するんですものね。」

「そうそう、道間違えちゃったり、転んじゃったりね。カメラマンが焦るのよね。」


つくしと三佳子はその番組の話で盛り上がる。お互い小さな子の話題には興味深々だ。


「ロケは何時からなのかしら?」


千恵子の呟きにその場の3人は固まってしまう。
(ちなみに京はつくしに抱っこ紐で抱っこされていた)


「ママ?・・何考えてるの?」

「きっとお買い物するのはこのご近所の子どもよね。・・優しいお姉さんって思われたいわ。」

「お姉さん?!」

「母さん、お姉さんって、、」

「ママ?あたしでも、もうおばさんって呼ばれて当たり前よ?」

「・・・・・」


千恵子の“お姉さん”呼びに反応する牧野姉弟。

それに口を開けていた三佳子がはたと気付き、


「え、映るつもりなんですか?」


その言葉につくしと進もピキッと固まり、ギギギギギとゆっくり千恵子の方を信じられないもの見たさの顔で振り返る。


「何よその目は、、大丈夫って声かけるくらい良いじゃない。」


ブルブル顔を震わせるつくし。言葉を使わず全力で反対している。


「余計な事しないでよ母さん。目立ってどうすんだよ。」

「まぁ目立つのはしょうがないわよね。」


うっとりと可笑しな笑みを浮かべる千恵子。艶を出してるつもりだろうか。


「しょうがなくない。進、買いたい物も買ったし帰るわよ。」

「そうしよ。あれ、父さんは?」

「お義父さんならあそこに、、」


三佳子が指さした方向にいたのは、呑気にマッサージチェアを体験している春男だった。



「はあ、、父さん、、」

「まったくもお、、パパ、帰るわよ。」

「え~、つくしもうちょっと居ようよ。」

「もうちょっとっていつまでよ!」

「あ、あのお義姉さん、、」


戸惑いがちに声をかける三佳子。

その視線の先には、カメラマンに近づく千恵子が、、



「ママ!暴走しないで!」


つくしの悲痛な叫びが店内の一画に響くと、何故か突然ロケの一行が撤収して行く。


それに訳の分からない牧野一家。


「へ、、どうなって、るの?」


千恵子は店員に詰め寄っていて、それを見た進が千恵子を咎めに走る。


「もしかして、あたしのせい、、かな?

ロケ、潰しちゃった?」


周りにSPがいるだろう事に気付いたつくし。

誰だか知らないが、楽しみにしていた家族の撮影を駄目にしてしまったと思い落ち込んだ。




そんなつくしの姿を目撃したSP達も心を痛める。

オフを満喫して欲しいのにこれではあんまりだと。

もちろんそれは総括する岩元とて同意見だった。



「ふぅ、、奥様の母殿は分かってらっしゃないな。よもやここまでとは。」


実はこのロケ見かけだけだった。カメラがある事で警護の目を意識させたかったのだが、千恵子のせいで予想外の撤収を余儀なくされ、おまけにつくし自身も落ち込ませてしまった。

そのため岩元はどうにかしてこの母を成敗せねばならないと企んでしまう。



それからこの件以来、つくしの帰省がなかなか叶えられる事はなかった。





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牧野一家のトラブルいかがでしたか?
私のつくしママの印象ってこんな感じかな~
子を想うところもあるだろうけど、ミーハーであって、自分勝手なとこがある。
どこまでもつくしを振り回すって感じですかね~
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Re:

○つさん、コメントありがとうございます。

千恵子ママの印象、外れてませんでした?
実はちょっと自分だけそう思ってないかと心配だったんです。原作ではつくしを想うところもありますしね。魔女に塩ぶっかけるとか…

それでも子どもの玉の輿で楽しようと考えてた根底がありますからね、イメージは間違ってなかったとホッとしてます。

岩元さん活躍しますが、お話的には軽く済ませるつもりなんです。メインはつかつくだし、話の先が迷子になっちゃいそうなので。

そこはご勘弁下さい。m(__)m

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Re: No title

す○○さん。

コメントありがとうございます。

それ、同感です。
(΄◉◞౪◟◉`)

どく、、おう、おう、、

でも娘なら期待しても、息子なら肩身が狭いから期待どころか不安いっぱいですね。

すてられ、、わお、わお、、

息子よー、そんな女に捕まるなー
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