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スッピン46
2017-04-18-Tue
道明寺ホールディングス日本本社ビルの屋上にあるヘリポート。


そこに両手をスラックスのポケットに入れたまま仁王立ちで立つ男がいた。


高級スーツを身に纏い、ビル風をもろともしないその佇まいには何人たりとも話しかける事が出来なかった。


10分ほど経ったところで腕時計に目をやる。そして目線だけ側で控える部下に投げかけるが、その部下は上司の扱いに慣れているため微動だにしなかった。
(いや、強風で乱れた眼鏡を指先でちょんと直していた)



視線を戻し遠くを見る男の視線が一点に集中する。


バラバラバラ、、


程なくしてヘリの音が近づいて聞こえてきた。




ヘリが着地しようと降りて来る。

その強風をももろともせず男は、ヘリに接触しないギリギリのところで待機していた。


ヘリが着地し、回転翼がまだ止まらないうちからヘリへ近づく男。


「司様ドアが開きます。」


パイロットからの焦った声で男はドアに伸ばした手を止めた。

自動ドアが開き、中にいた待ち人を視界に捉えると男はその人物をグイッと抱きしめ、キスを落とす。




「だぁ~、ぱ。」

「よう、京。良い子にしてたか?」

「あ~、あ。」

「そうか、えらいぞ。」


クシャッと息子の頭を撫で司は表情も柔らかく機嫌が良かった。


「ねぇ、そろそろ離して。」

「そうだな、降りるか。」


ヘリコプターの足に立ったまま、出口を防ぐように妻と息子を抱きしめていた司は、二人を地上へと降ろすべく身を引いた。

が、その手を離すつもりはないらしく妻を抱き抱え、妻が地上に足を着けたらその華奢な肩に腕を回す。


「重いんだけど。」

「じゃあ、抱き抱えるか?」

「嫌だ。自分で歩きます。」

「じゃあ、それくらいさせろよ。」

「歩き難いのよぉ~」

「俺を置いて外泊したんだ。こんくれー当然だろ?」

「外泊って、、んじゃ、せめて手繋ぎにしない?」

「良いぜ。」


それで肩から腕を降ろす司。そのままつくしの指に絡まるように手を繋いだ。


「ちなみにここってどこ?ビルが建ち並んでいるけど。」

「うちの会社だせ。さっきまで会議していたって聞いてないのか?」

「ゲェ、、マジで?」


ヘリポートを離れ屋上出口に向かう中ようやく状況に気付いたつくし。

このままこの男と恋人繋ぎで(しかも自分はかなりのカジュアルな格好)社内を闊歩する事になるのかと、悪態をついた。


「やっぱ離そう。」


手を持ち上げると、直角で見下す夫と目が合う。


「妻を睨まないでくれる?」

「じゃあ、夫から離れようとすんじゃねぇ、、」


普段妻には出さないような声で恫喝する夫。それにビビるどころか呆れる妻。

たかが二泊の外泊くらいでこの機嫌の悪さ、つくしは出産を日本式に出来なかった事を思い出した。
(アメリカなど海外ではお産後だろうと翌日には退院になる。産後1週間入院するのは日本くらい)


溜息ひとつついて、事態を受け入れるべく開き直ろうと思うつくしだったが、夫はその溜息が気に入らない。


「んだよ。俺と会いたくなかったのかよ、、」

「そうじゃないわ。あんたにくっつかれて平気な場所はあたしにはまだ限られてんのよ。」

「それなら大丈夫だろ。俺だって騒がれるのを分かっててわざわさ社員の前を通らねぇよ。」

「そう?」

「おう。つーか、社員の前を通る時はSPに囲まれてんだぜ。周りは俺たちを見えてねぇよ。」

「あ、そっか。」

「自意識カジョーなんだよ、おめぇは。」

「うっさい。悪かったわね。」


ぷうと頬を膨らますつくし。

司はそんなふくれっ面も大好物なため、やっといつもの日常が戻ってきたと安堵する。


「どうよ、あっちは親父さん達は元気だったんだろ?」

「あー、まぁね。」

「どうした?反応がイマイチだな。」

「色々あったのよ。はぁ、あたしこの先岩元さんには頭が上がらないわ。」


岩元の名前が上がり司は後ろを振り返る。

そこには西田と共に着いてきていた岩元の姿もあった。

顎をしゃくり説明しろと促す。

司はつくしが簡単に白状する内容でない事に気付いていた。



「奥様のご両親に忠告したまでです。お二人共、奥様の立場を軽く見てらっしゃったようなので。」


その返事に西田も鋭い視線を投げつける。

トラブル回避に動かねばならないかと勘が働いたのだろう。


「つまり?」

「具体的に申しますと、ご両親は奥様に養ってもらおうとお考えだったようです。それは双方にとって良くない結果を招きます。富を得る事での苦労を認識してなかったようなので説明したまでです。」

「なるほどな。そんじゃあ、おめぇ折角帰省したのに楽しめなかったって事か?おめぇはなんでも我慢すっからよ。」

「うっさいわねー、、まぁ、その通りなんだけどさ。ふぅ。玉の輿、玉の輿って、、こんな風になるなら断固として英徳には行くべきじゃなかったわ。」

「くくく、しかしもう過ぎちまったんだからなどうしよーもねぇ。それよりもこの先どうすっかだよな。おめぇが親父さん達にどうなって欲しいかで道は決まるんじゃねーか?」

「あたし?あたしの希望で良い訳?」

「おう。俺もそうしたから今があるんだしな。」


自分がその成功の例だと言う司。そうする事で両親も自分の様に幸せに導けると言われたようで、つくしは嬉しかった。


「即決だね。なんか、経営者のあんたを見たって感じ。」

「惚れ直したか?」

「うっさい、馬鹿。」

「くくく、本当に可愛くねー女。」

「本気でそう思ってんの?」

「そっくり返してやるぜ。」

「~~~~いーーーだっ。」


照れを隠すため子どもっぽいと分かっていてもそうしてしまうつくし。

そんなつくしが愛しくてたまらない司は手繋ぎでは足りないとばかりにつくしの腰に手をやり抱き寄せるのだった。




そんな二人のやり取りを見ていた後方もまた話し始める。


「それで実際はどうなんですか?」

「僕は嫌われて来ました。まぁ奥様にその不満が向かなかったので良しと考えてます。」

「なるほど。」

「親の心子知らずと言いますが、、」

「このケースは逆なのですね。確かに学生の頃からつくし様は苦労させられてました。司様に嫁ぐのを許してもらった立場からすれば無碍にも出来ません。上手くいくよう私も尽力致します。」

「ありがとうございます西田室長。」

「ですが、私よりもタマさんの方が適任者かもしれませんね。」

「タマさんですか?なるほど、話をしてみます。」



つくし達がNYへと戻ったその後、つくしの両親は世田谷の邸へと呼び出され、タマの元つくしの苦労を身にしみて味わわされる事となる。

そのためしばらく世田谷の邸は一時的に荒れてしまうのだが、それも数日の事でつくしの両親が邸を後にした翌日には元通りになったという。

はたしてタマは千恵子や春男に何をさせたのか、、

その事がつくしの耳に入るのはずっと後の事。つくしにはただ、タマが両親の事は日本にいる自分達がちゃんと見守っているから、つくしは一番厄介な司をちゃんと懐柔してろと言われていたのだった。






***

コンコンと控えめなノックが聞こえ、つくしがドアを開ける。


「滋さん、いらっしゃい。」

「やっほーつくし~。京くんはまだ寝んね?」

「うん。お腹いっぱいになったし、疲れてんのよ。ここまでヘリで移動して来たからね。」

「そっか。」

「じゃ、座って。司はまだ会議なのよ。」



実はつくしと京は帰省から行きと同様に車で戻るつもりだったのだが、会議に集中出来ない司を見かねた西田によって、ヘリでの帰還になったのだ。

幼い京がいるので難色を示したつくしだったが、その空いた時間につくしへも面会を入れたいと岩元に言われ、その相手が滋だった事からつくしも了承したのだった。


つまりつくしはまだ道明寺ホールディングス日本本社にいて、ここは最上階にある司の執務室であった。



「帰省してたんでしょ。どうだったの?」

「ん、うん。お袋の味は食べられなかったな。」

「お袋?」

「お母さんの事よ。実家に戻った実感を感じるフレーズね。」

「なるほど。そっか、食べられなかったんだ。」

「うん。ビンボー飯はもう嫌なんだって。焼肉屋さんに連れて行かれたよ。」


それは単なる焼肉屋ではない。その地域一番の焼肉料理屋で、もちろん食べ放題でもなかった。

そしてその場で千恵子と春男は岩元にこっ酷く説教させられたのだ。



「あちゃー、ま、でも焼肉は美味しかったんでしょ。」

「まぁね。でもあたしは京に離乳食をあげてたからな。」

「あんまり食べられなかった?」

「ママの作ったご飯じゃないから、別に良いんだけどね。」

「そっか、そうだよね~」


滋は相槌を打ってくれるが、本音のところは理解してないだろうとつくしは思った。

確かにそうだが、滋はちゃんとつくしの様子は気付いていた。



「ごめんね。疲れているとこ来ちゃって。」

「あ、ううん。気にしないで。どうせひとりで待たなきゃいけなかったんだし。」

「そう?」

「うん。これは実家で色々あったからなの。家族って何だろって考えさせられたよ。」

「そうなんだ。私はてっきり、、」

「ん、てっきり?何かあった?」

「あれ、聞いてないの?」

「何を?」



しまったと手を口にあてる滋。

つくし程でもないが、思った事をすぐ口にしてしまうのはそうそう直る物でもなく滋はそんなところで今も苦慮していた。



「滋さん?」

「あー、あたしが言ったって言わないでね。実はさ昨夜、F4で会ってたみたいなの。」






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明日は家庭訪問があるため投稿出来ません。多分執筆出来ない。
なので今日アップ出来て良かった~

つうか、牧野家で入れたかったエピを飛ばしてしまった。ついこの母ちゃん変わってないよな~と盛ってしまった。これだから私の話は長くなるのよね。

ガク。
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