甘さとスッぱさと ... スッピン47
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スッピン47
2017-04-21-Fri
「言わないで?・・何で?」


気まずそうな滋だったが、つくしが首を傾げている事に気付き更に自爆した事に気付く。


「あ~、何でって、、」

「滋さん何か隠してる?」

「へっ?・・ううん。か、隠してなんかないよ。」

「・・・滋さんってこんな人だっけ?」


つくしに問われ自分でも変わったと思っていた滋は動揺する。だが、動揺するだけの理由があるのだ。

黙ってしまった滋を見てつくしは、


「話して。おそらく滋さんがこんな態度を取るのはあたしに関係する事だからじゃない?」

「え、いや~、、どうかなぁ?」

「・・・・・」

「・・・・・」


お互い黙ってしまった。ここで桜子がいたならば、白状するように仕向けるのだが、、


ふぅ、と滋は溜息をついた。


「ゴメン。こんなバレバレな態度で。私もっとポーカーフェイス出来るはずだったんだけどなぁ、、」

「場合によるよ。・・何があったの?」


そして滋は話し始めた。

どうやら昨日滋はメープルのレストランを私用で訪れていて帰る際に、エレベーターホールで総二郎とあきらに遭遇したらしい。

それで二人をおどそうとして忍び足で近づいたら、二人の会話が耳に入り固まってしまったそうなのだ。


「何話してたの?」

「・・つくしがね、いないなら良いよって集まったんだって。」

「あたしがいないなら?つまりあたしの不在の時を狙ったって事?・・全くもう!」

「ん!?つくし驚かないね。知ってたの?」

「知ってたっていうか、相変わらずの心配性なのよあいつは。」

「つくし、司の事も言ってる?司じゃないよ。」

「へ?じゃあ誰?あの二人が話してたんだから、司、、じゃなきゃ、、」


滋は頷いた。


「・・・・・類。」








***

エントランスにいた社員が足を止め一点を凝視している。

それは一社員に留まらず、その場に居合わせた他社の社員や訪問客とその場にいた全ての人間の注目を集めていた。


SPに囲まれた人影が小さな子どもを抱っこしていたのだ。

屈強な男達に囲まれていても存在感を隠せない風貌の男が幼い子を抱いている。しかもその子どもの頭を見るとその男から受け継いだと思われる髪型をしていた。

幼子の顔はよく見えなくても、雰囲気で分かるその関係。

そのためSP達の目つきは普段よりも鋭かった。



ブロロロ・・


リムジンの中でも男は自分の息子の相手をしていた。

特に子煩悩な男ではないはずだが、自分の子どもは別らしい。


「司ありがとう。京、パパに遊んでもらって嬉しいね。」

「なに、京の為だけじゃねーよ。」

「へ?京の相手したいからしてるんじゃないの?」

「そうだぜ。だが、それだけじゃねぇ。」

「どういう事よ。何企んでるの?」

「何も企んじゃいねーよ。ただこいつの機嫌が悪くなりゃ、おめぇが大変だろーが。」

「そりゃ、そうだけど、、別に京は機嫌悪くないわよ。」

「そりゃ俺が悪くなる手前で相手したからだ。ま、おめぇが気付いてねぇのも気付いてたがな。」

「そんな事、、」


司の意図が分かり言葉を濁すつくし。

だが、



「・・あるかも。ふぅ、、バレバレだったか。」

「おめぇは顔に出るからな。サルも分かっててあんなテンション高く京の相手してたんじゃねーの?」



司が執務室に戻って来た時ちょうど起きたばかりの京を笑わそうと滋は必死にいないいないばあをしていたのだ。

寝起きで知らない人がいたから京は人見知りしているのだとつくしは思っていた。



「そう、か。滋さんにも気を使わせちゃってたのか。」

「そんなに親父さん達の事気になるのか?」

「へ?パパ?」

「違うのか?」


つくしの意外な態度に司は眉根を寄せる。つくしを気落ちさせてたのがつくしの両親だとばかり思ってたから、怒りの対象はないものと思っていたのだが、、


「サルか?あのクソ女、おめぇに何吹き込んだ?」


とたんに態度を急変させる司。両親と友人でこの違い。つくしはその変わりように呆れた。


「サルって言わないでよ。滋さんでしょ。ちゃんと名前で呼びなさいよ。滋さんに失礼でしょ。」

「サル女にサルって言って何が悪い?」

「全部悪いわ!特に子どもの前で人の悪口を言うな。あたしは京をあんたみたくするなって使命を与えられてんのよ。そんな口調を京が真似したらどーすんのよ。そうなったらあたしはあんたを排除するわよ。」

「排除だあ?てめぇがそんな事出来る訳ねーだろー!」

「京のためならやるわ!」

「させてたまるか!!!」

「だったら、京の前では言葉使いに気をつけてよ!!!」

「わーーーーーーん。」


睨み合うも、すぐさま京の鳴き声で我に還る二人。

鬼の面を取られた司は泣きじゃくる京の機嫌を取ろうと、顔芸をしたり忙しく動くも京は泣き止まない。

つくしはそんな司を見て冷静になれた。


「京、ゴメンね。元はと言えばママが元気なかったからなのよね。」

「そうだ。おめぇが元気ねぇと俺が被害を被る事になる。」

「あんたは黙ってて、、そうじゃないと、謝れないでしょ。」

「おう。そうか。」


ヒックヒックと泣きじゃくる京を二人で何とかなだめていると、二人の顔を行き来していた京が安心したのかにぱっと笑い出した。


「あ~、あっ。」

「おっ、腹減ったみたいだな。飲ませてやれ、、いや、つーか京おっぱいはもう終わっても良いんじゃねーか?飯食ってんだろ?」

「この場で成長を求めるな。いいのよ今はおっぱいで。」



やっと静かになったリムジンの中だったが、気付けば世田谷区の邸近くまで来ていたので 二人は互いに目配せしてその後は取り留めもない会話を続けた。


そして部屋に戻り京が眠って落ち着いた頃、司が口を開く。



「それで、何に気落ちしてたんだ?」


その言葉に忘れていた感情を呼び覚まされたつくしは思わず目を伏せる。


「相当な事だな。おめぇが言わねぇなら滋の奴を問いただすまでだぜ。」

「止めてよ。滋さんだって好きで言った訳じゃないのよ。」

「どー言う事だ?」


ふぅと溜息をつく。司に隠しても無駄な事。元より隠し事のない夫婦関係なのだ。


「昨日そっちも会ってたんでしょ。」

「あ、俺たちか?まぁな。だから何だ?」

「滋さんもね昨日メープルにいて、西門美作の二人を見たんだって。それで、、」

「で?」

「類があたしがいない事を条件に集まるって言ってたって。つまり、、、類はあたしを避けてるのよね。・・・まぁ、あんたを選んだんだから、当たり前って言えばそうなんだけど、、ここまで露骨にされるとね、、、」


つくしの落ち込みの原因を知り不機嫌を露わにする司。


「そうだな。確かに露骨かもしんねーが、そこでおめぇが落ち込んでんじゃねーよ。それこそ胸クソ悪ぃ、、」


そう吐くように言い、顔を背ける。


「そんな言い方しなくても良いでしょ。あたしはあんたを選んだ事を後悔なんてしてないわ。・・してないけど、、、」

「してないけど、何だよ。」


睨むようにつくしを見上げる司。


「・・・・覚悟してなかったのよ。嫌われてる事は想定して、たんだけど、、」

「・・・・・」


黙っている司に、つくしは顔を上げ一気にまくし立てる。


「類を突き放したわ。一度はあんたと別れたけど、あんた以外を好きになる事なんて無理だって分かってたから、類の優しさなんて必要ないと思ってたし、必要なかったわ。でも、あんたと結婚して、類はなんか変だったのよ。あたしの事を分かった風に話すし、、それで突き放さなきゃって思った。それに類にだってちゃんと奥さんもいた。そりゃ夫婦仲が良いって聞こえなかったけど、結婚したんだから夫婦の事は夫婦間で解決しなきゃいけないでしょ。だからあたしは自分の感情を出さないようにしてたのよ。だけど!」

「だけど、滋がそれを呼び覚ましたんだな。あのサル女、やっぱり余計な事しやがって。」


冷静に結論付ける司。

だが、それはつくしの望むものじゃない。


「滋さんはそんなつもりじゃ、、」

「それでも、あいつは昔っから余計な事ばかりに口を出す。俺が刺された時もあいつは関わっていたな。」

「結果論でしょ。」

「ああ、俺が記憶を無くしてお前を悲しませた結果のな。」

「滋さんを責めないでよ。」

「じゃあ、おめぇも類の事でこれ以上気落ちしてんじゃねーよ。」


滋を庇う事を類に置き換えようとする司。

その転換につくしは反論出来ない。


「分かった。努力する。」

「おう。」


睨み合う二人。

つくしは自分がぐしゃぐしゃの顔付きなのを自覚していた。



「顔洗ってくる。」


そう言って洗面所に駆け込んだ。


ドアの向こうからバシャバシャと聞こえる事に司は溜息をこぼし、後に続く。



「台を汚さずに洗顔するのがおめぇ流じゃねーのか?水浸しだぜ。」


顔を上げたつくしは泣いてなかったが、その顔は泣いたように歪んでいた。


「後で綺麗に拭くもん。」

「使用人呼べば済む話だけどな。おめぇはあいつらの仕事を取りすぎなんだよ。」

「・・そうだね。やっかいな主人と思われてるよね。」

「そうじゃねーだろ。」


持たれていたドアから体を離した司はつくしを後ろからふわりと抱きしめた。


「もっと、甘えろって事だ。俺にもよ。類の事で我慢している事も、自分だけで抱えずにちゃんと吐き出せよ。」

「だってそしたらあんた機嫌悪くなるじゃない。」

「しょうがねーよ。」

「どっちなのよ。」

「どっちもだな。」

「は?」


振り返り司を睨むつくし。だが司は優しく、甘く笑っていた。


「おめぇの事は何でも知りてぇ。類の事をどう思っているかでこうやって言い争いした事はねぇだろ。つまり俺はおめえの本音を聞いた事がなかったんだ。おめぇが俺に惚れてるのは知ってるし、類に向いてない事も知ってる。だが、言って欲しいんだよ。俺はおめぇの初恋にはなれなかったからな。」


司から初恋という言葉が出て伏せてた目を真開いたつくし。


「まだそれ気にしてるの?」

「当たり前だろ。おめぇだって初恋を聞かれたらそう答えてんじゃねーか。」

「いつの話をしてるのよ。大体聞かれてもわざわざ答えないし、それをネタにしてるのはあの二人くらいじゃないの?」

「そうか?」

「そうよ。あたしにとってはすでに取り消したい過去なのよ。あんたと一緒にいて何のメリットも無いし、ケンカの種にしかならないじゃない。」


つくしの意外な答えに司も真顔になってしまう。

そしてビー玉の王子様。そのつくしの恋い焦がれた形容への嫉妬が何故こんなに後を引いていたのかを考えた。


「あいつらのせいか?」

「それ以外にあるの?」


チッと不機嫌を露わにする司。

その顔を見たつくしは類への感情がスッと軽くなっていったのを感じた。


「まぁ、あんたが自覚したならもう許してやるか。」

「許すのかよ。」


オドロオドロしい声で返す司に、つくしはクスリと笑う。

そんなつくしの笑みに司も虚を取られ、


「類ともおあいこだからね。さっきは二人って言ったけど類も入るわよね。だったら避けるなら勝手にすればって気になった。」

「ふん。そーかよ。」







***

プルルルル・・


「はい。滋さん?」

「あっ、ね。つくし聞いたよ!」

「聞いた?」


その翌日昼前に突然かかってきた滋からの電話につくしは愕然とさせられる。



「謎が解けたのよ。何故類君がつくしを避けたのか。」

「謎?謎も何も、、」

「理由がちゃんとあったの。・・って、あれ?司から聞いてないの?」

「司から?聞いてないわ。その事でいつものケンカになったけど。」

「え、じゃあ今は冷戦中?」

「ううん。うちのケンカは長引かないのよ。皆んなに迷惑がかかるからね。」

「迷惑、、そうだよね。」

「で、謎のって?」

「それがさ、、」







(๑•ૅㅁ•๑)
「は?」


「ひゃっ、つくし。」

「犬?類は飼い犬を連れてたの?」

「う、うん。それでつくしは赤ちゃんを連れてくるだろーからって、いない時にって、、なったみたい、、

「そんな理由?! え?犬連れだから類はあたしを避けてたって事?」

「うん。だってね大型犬だったみたいなの。だから京君に何かあったら困るって思ったみたい。でも類君その仔をすごく可愛がってて、どこにも一緒に連れて行ってるんだって。」

「・・・・・」

「つくし?大丈夫?」

「滋さん、それ誰から聞いたの?」

「あ~、ニッシーから。なんかね司は動物好きじゃないらしく、ずっと睨んでたって言ってたよ。」

「確かに好きじゃないわ。小型犬でも嫌がってたもの、、」

「そうなの?」

「・・・・・」

「つくし?どうかした?」

「何でもない。滋さん教えてくれてありがと。」

「・・つくし怒ってる?」

「そんな事、、少しね。」

「えっと、ケンカしたら迷惑になるのよね。仲、、良く、して、、ね?」

「心配しないで。」



電話を切った二人。滋は謎が解決出来たと思っていたのがそうでもないと知り、このままNYに戻ってしばらく司とは会わないほうが良いと思えてしまった。


一方世田谷の邸では、、



「つ~か~さ~、、、憶えてなさいよっ。帰ってきたらボコボコに殴り付けてやる。」


ひとり部屋の中、エアー猫パンチを繰り出すつくし。

決戦の夜に向けて怒りを放出している。


はあはあはあ、、


「初恋のくだり、やっぱ過去には出来ないわ。」


はあはあはあ、、


「あの三人のネタにされるのは面白くないけれど、司をギャフンと言わせるためにはそんな我慢も必要ね。」


はあはあはあ、、


「倍っ返しにしてやる!」






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区切りを良くするため一気に書いたら長くなり過ぎちゃった。

何てことないお話です。シリアス物、やる自信ありませんので。

この話をの裏側は『類は友を未来を呼ぶ』で書いてます。

そちらも是非読んでみて下さい。
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