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スッピン48
2017-04-24-Mon
高級ホテルのメープル東京内をF4の二人西門総二郎と美作あきらが闊歩していた。

ただそれだけなのに周囲は色めき立ち、彼らを目撃した女性達は指さしこそしないものの、淡い期待を抱いては熱い眼差しを送り続ける。

20代まではそんな視線にいちいち反応していた二人だったが、30代になると一転無関心というスタンスを取り始める。

それは互いに遊びをし続ける事がデメリットの方に傾いたからかもしれない。

だが既婚者のあきらはともかく総二郎の方はそれなりに表情を向けたりするものだが、この日は違っていた。

あきらと二人でメープルに足を踏み入れたと思ったら周りを見る事なく話し込み歩き続け、エレベーターホールにてようやくその足を止めた。


「チッ。上に行ったばかりか、、ついてねぇ。」

「そう、イライラするな総二郎。なるようにしかならねぇよ。」

「ああ分かってる。けどよ、良い傾向だと思ってたからマジかよってのが正直な感想だぜ。」

「まぁな。確かにパーティで二人を見たら良い関係だって分かるよな。・・なのに、、」

「牧野がいないなら来るって、、思いっきり引きずってんじゃねーか。司とやり合うとか本当に勘弁して欲しいぜ。」

「・・そうだな。だがこの話は司は知らねぇはずだ。総二郎、お前も煽ったりすんじゃねーぞ。」

「知らねえって、言ってねーのかよ。それじゃ類が突っかかったら止められねーじゃねーか。」

「・・まぁ、そうだがよ、、」


ポーン

その時エレベーターが到着し、二人はエレベーターに乗って行く。

そして、入った向きのまま側面のボタンを押しドアが閉まるタイミングで振り返った。

エレベーターのドア上にある数字は上行する様子を表す点灯が移動していく。

そしてホールでは立ち尽くす人の後ろ姿があった。





それから小一時間


店内のざわめきがVIPルームにいる彼らも届き、親友の到着を知らせる。

しかし携帯の着信音が響き親友はなかなか部屋に入ってこない。部屋に入ろうとした直前の足止めのようだ。


「呼びだされたか?」

「この直前にか?それだと相当なトラブルじゃねぇの?」


心配性のあきらは親友の顔と経営者の顔を覗かせる。

厄介な奴らだと思っていても唯一無二の存在である。彼らのすれ違いを回避すべくこのチャンスを潰されたくないと思っていた。



「おう司、電話何だったんだ?」


総二郎が司に話かけると、司はスマホを仕舞いながらドアに持たれる。


「場所を変更したいんだとよ。」

「は?場所?」

「今のは誰からの電話だ?」

「類の奴だ。ここじゃあ、来ねえんだと。」

「は?何言ってやがんだ類のやつ。この場所が気に入らねぇって言ってんのか?」

「そう言う事なんだろ。俺じゃなく類に言えよ総二郎。」

「まあまあ、二人とも落ち着け。で?類はどこに来いって言ってたんだ?」

「ああ、、」




そして三人は司のリムジンで類が指定した場所へと向かう。

そこはメープル東京から離れた場所だったが、遅い時間帯とあって渋滞にかかる事なく30分ほどで到着した。



「ここか?」

「湾岸エリアだな。まぁ、うるさくなくて良いんじゃねーの。」


総二郎を見て話す司に、総二郎もムッとし言い返す。


「ガキの頃の話をいつまでも蒸し返してんじゃねーよ。女がいねーと狂うとでも思ってんのか?」

「ちげぇのかよ。」

「牧野がいねーとそうなるお前と一緒にするな。」

「フン。じゃ、お前はとうとう枯れちまったって事だな総二郎。」

「・・やけに突っかかるな。そんなにケンカしてえのかよ。」

「そりゃ、お前だろ。」


そう言って顔を見合わす二人。仲裁しようとしたあきらはハッとなる。


「チッ。・・悪かった。ここんとこ、色々あってよ。」

「まぁ、無い方が珍しいかもな。こん年になりゃ、、」


ひとりため息をつくあきら。

司と類の事ばかりに気を取られて総二郎の変化に気付かなかった。

だが、当の司がそれにいち早く反応し総二郎をなだめている。

普段中々楽観視出来ないあきらだったが、流石に肩の力を抜けと自分を戒めた。


「じゃ、行こうぜ。」


そして、店へと足を踏み出す三人。

一階の路面に位置するその店は外にデッキ部分があるものの何も置かれてなかった。

そして店内は薄暗く、照明が落とされていた。

営業を終了しているのだろう。そして昼間はカフェをしていると思われる内装だった。


カラン


三人が入って来た事で店の奥にいた人影が動く。

そのひとりはここに呼び出した類だった。


「やっと来たね。」

「やっとじゃねーだろ。ここにしたけりゃもっと早く言えよな。」

「んー、俺は別にメープルでも良かったんだけど、田村がまずいって言うからさ。急遽ここにしたんだ。」

「まずい?何がまずいんだよ。」

「とりあえず座ってよ。照明を落としてるけど、俺らの事は見えるでしょ。」

「何故、照明を落とすんだ?」

「だって外から丸見えじゃん。」


そう言って、店内から外を見ると路面店だけあって外を行き交う人の姿がはっきりと見える。この時間は街灯のおかげで暗くした店内よりも外の方が明るいのだ。


「この時間だからさあんまり人は通らないけど、俺らが集まってるって知ったらちょっとした騒ぎになるかもしんないし、それにたまにはこんな雰囲気も良いでしょ。」

「まぁな。」

「んじゃ、酒は無しか。」

「一応ワインは持って来たよ。この店のメニューも出してくれるけど、お前らは飲まないだろうからね。」

「お前だって人の事は言えないだろ。」

「ん?俺は飲めるよ。この店も何度か来た事があるんだ。といっても、こんな状態ではないけどね。」

「んじゃ、ワインじゃなくこの店のモンを飲み食いしようぜ。それが礼儀ってモンだろ。」


暗い中でも司を見合す三人。司らしからぬ発言に驚くがそれもまた納得のいく事だった。


「クス、本当に幸せなんだね司。じゃ、頼むよ。マスター。」


表情が見えないが類の声は悪くない。

総二郎とあきらは一瞬顔を見合わせ頷いた。


窓から離れたソファの席に一人ずつ座り、入口側の角を挟んだ席に総二郎とあきら。そして窓を背にした席に司が座り、類は奥の方に腰掛けていた。


「結構まだ人がいるもんだな。」

「ああ、新宿の事を不夜城と言うけどよ。東京自体が不夜城になってるよな。」

「それを言ったら日本じゃねーの?宇宙から見たら日本列島が形になってるって聞くぜ。」

「ああ、そうだな。」


夜の通りを見ながら語り出す四人。ホテルの最上階で飲むのとは違った感情を呼び覚まされた。

この店の外はさっきまでいた喧騒の中、そして店の中はそれから離れた安堵、普段それぞれが戦いの場に身を置く四人は口数も少なく感慨にふけていた。


「お待たせしました。」


そんな時に店のマスターと思われる男が料理をテーブルに置いた。


「お口に合えば宜しいのですが、、」

「クス、ちゃんと食べるよ。礼儀は心得ているようだからね。」


司への嫌みと思えたが、それに反応したのはあきらだった。というのもその出された食べ物が、、


「これはあんたが握ったのか?」

「そうですが?」

「あきら、言っとくけどマスターは素手では握ってないよ。ちゃんと衛生管理して手袋してやってる。」

「あ、ああそうか。」

「はい、私共は衛生管理は厳しくしなければなりませんので食品を扱う際はそれ専用の手袋をその度に使い捨ててます。」

「いや、そうだと思ったぜ。悪かったな、嫌な思いさせた。」

「ククッ、、」

「クックッ、、」


二人に笑われあきらは居心地が悪そうだ。

司はそのおにぎりを躊躇なく食べ始め、総二郎も一口口にする。


「塩だけか。こんな中だからか、味が良く分かるな。」

「ああ。」


視界からの情報が少ないせいか、味覚が敏感になったのだろう。自然と目を瞑って口を動かしていた。


「スープもあるよ。マグカップに入れてるからそのまま飲みなよ。」

「おう、サンキュー。」

「司、違和感なく食べてるね。それってやっぱり牧野のせい?」

「いや、そうでもねぇぜ。あいつは殆ど作ったりしねぇ。邸の使用人の仕事を取るなって言ってあるしな。」

「へぇ、じゃなんでなのさ。」

「そりゃ日本ブームだからだ。BENTOってランチボックスとも違って紹介されるくれーだ。ガーデンパーティーとかではこんなのが出されるんだよ。」

「聞いた事あるな。確か弁当を出す店もあるんだろ?」

「弁当を出す?」

「懐石みてーな弁当箱を出すんだよ。こっちでも料亭で弁当を頼めばあるだろ。あれをもっと軽くした感じだ。」

「そう言うこった。だからパーティーでもプレートじゃなくて仕切りのある弁当箱なんだよ。日本っぽいのが受けてるんだな。」

「へぇ、、」


そう言ってようやくおにぎりを口にするあきら。

口を動かしている中何かに気付く。


「ん?マスター、あんた何置いたんだ?」


するとあきらに背を向けてた男が振り返ったのが分かった。


「ああ、未来ちゃんのご飯ですよ。」

「未来ちゃん?誰だそれ。」

「この仔だよ。俺の連れ。」


そう言って類が手を動かした先には何やら動く影が。

暗くて良く見えないが、何かが食べてる音も聞こえる。


「な、何がいるんだ類?」

「んー、だから未来。」

「未来って名前なのは分かる。だから何だ。」

「大きな声出すなよ。未来が驚くだろ。ま、ちゃんと訓練してるから大丈夫だけど。秋田犬だよ。」

「「秋田犬~?!」」


声を揃える総二郎とあきら。あきらは思わずおにぎりを落としてしまった。


「類、お前犬を連れてるのか?」


司の声が響く。だがその声は、、


「そう。司そんな声出さなくても未来は何もしないよ。お前達が分からない位大人しくしてただろ。」

「そ、そうだけどよ。」

「おい、司お前まだ怖いんか?」

「ち、ちげーよ。怖い訳ねーだろ。おい、そこの犬、そこを動くんじゃねーぞ。」

「クククッ、、そんな事言っても未来は聞かないよ。日本犬だからね。」

「あ?聞かねーってどう言う事だよ。やべーんじゃねーか。」

「そうやって騒ぐ方がやばいかもね。未来にとって司はいてもいなくても構わない存在だけど、そうするとうるさい人間って認識されるよ。」

「な、なんだと、、」

「なんか、それって牧野みたいだな。」


ボソッと呟いた総二郎に暗くても分かるほどに反応する司。


「ふ、ふざけてんじゃねー。つくしはあんな毛むくじゃらじゃねーよ。」

「毛むくじゃらって、見えてねーだろ。」

「犬なんだから毛むくじゃらだろーが。」

「そんな見た目な事じゃねーよ。お前に対する態度の事だ。つまり司、いや俺たちの誰だろうとその犬はいようがいまいが関係ないって事だ。主人である類以外は見てねぇんって事なんだろ?」

「ひょっとして総二郎は日本犬に詳しい?」

「詳しくはねぇよ。だが、日本文化の繋がりでな好きな奴らとの付き合いもある。」

「なるほどね。秋田犬も保存会とかあるらしいからね。」

「保存会?なんで保存すんだよ。」

「色々雑種が増えてるからさ。でも、純血種は生物学的に良くないんだけどね。」

「なんか、類変わったな。」


今度はあきらが呟き、それを聞いた二人が同意するように類の方を向く。


「そうだね、俺自身も変わったと思う。未来と出会った事が俺を変えたんだな。」

「何があったんだ?」


その疑問に答える類。つくしから突き放された事、司との力量の差、会社での評価、そして妻と初めて向き合った事。


「そんな事やってたのか。」

「ああ、唯のお嬢様じゃなかったよ。それで未来を俺に会わせたんだ。自分のような目をした未来に会って初めて変わりたいと思った。」



類の話を聞くうちに三人は未来が類にとって唯の犬ではないことを知る。


「だから常に一緒にいるわけだ。メープルだとまずいか、、なるほどな。」

「欧米だと犬を連れてるのがポピュラーな国もあるからさ。ホテルのラウンジでも連れて行けたりするけど、日本はペット後進国だから。」

「なんだそれ?!」

「んー、後は自分で調べてよあきら。嫌な気分になるからこれ以上は話したくない。」


はぁとごちゃごちゃ言い始めるあきらだがったが、


「それでつくしを追い出した訳か。確かにあいつは京を連れて来るだろうからな。」

「司、知ってたのか?」


驚くあきらを司は無視する。


「こいつがそう言ったからつくしは俺を置いて実家に行ったんだ。おめぇらを無視する事も出来たんだが、、」

「結果的に無視出来なかったんだね。司にそう言えるって事は西田じゃないでしょ。あの岩元って秘書じゃない?しかもそいつを連れて来たのは司お前だって聞いてるけど。」

「うるせえ、、」



そんな二人の様子を見た総二郎はあきらと目配せをして互いに安堵する。

そして怖くないと言った司が類の飼い犬を意識してビクビクしている様子に、チャチャ入れたい気持ちをなんとか抑えていた。

それは二人が司を見ている事に類も気付いていて、視線での牽制を受けていたからだ。

類も飼い犬を大事にしていて、余計なトラブルは歓迎してないようだった。


こうして小一時間ほどだが、久しぶりのF4の再会は穏やかに過ぎていったのである。



そして総二郎が余計な火種を飛ばしていた事を知ったのは翌日の夜であった。





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ドックカフェでF4再会という話です。
この展開もなかなか終えられない。
相変わらずのぐだぐたぶりで…
(´;Д;`)

こんな時間のアップっていつぶりだろうでノロノロ更新ですが、みなさんの拍手に後押しされて頑張ります。
あーでももうすぐGW…
書けない日が続くかも?
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