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スッピン50
2017-04-29-Sat
リムジンが急に車線変更し、路肩へと寄せようとする。

その前後を護っていたSPの車は慌てたに違いない。

車内にいたつくしにもブレーキ音とクラクションが耳に飛び込んで来た。

助手席の岩元も普段車を停めないつくしが停めろと言うものだから何事かと振り返る。


「・・・奥様、どうかしましたか?」


聞くタイミングを少し置いたのはつくしの表情からだった。

つくしは伸びていただろう手を引いていて、驚いた顔をしている。

まるで押してしまったボタンが警告音を鳴らすとは知らなかったかのように。


「なん、でもありません。ごめんなさい。周りの方々に迷惑をかけてしまいました。どうしよう、、」

「・・周りの混乱はこちらが対処出来ずに起きてしまった事でございます。奥様の落ち度ではありません。それよりも呼び止めた要件は何でしょうか?確認して参ります。」


つくしは顔を青ざめた。

少し開いていた口を唇を噛むように閉ざした。

それを見た岩元はゆっくり姿勢を前の方へ戻した。


「すいません。出して下さい。」

「分かりました。」


岩元は運転手にリムジンの中の仕切りを下ろすよう指示する。

そしてSPへと連絡を取りリムジンを出させた。



動く車内で岩元はつくしの心情を考えた。

あの驚きよう、あれは後悔だ。リムジンを停めさせた事を後悔していた。という事はつくしはリムジンの中という意識を忘れ停めた事になる。

忘れたのは疲れていたからだろう。帰国してからのつくしは色々あり過ぎた。その結果があの骨折で、、

コレだ。


岩元はつくしの停めた原因までは分からなかったが、どんな事だろうと言ってもかまわないと思ったいた。 些細な我儘でも我々には叶える準備が出来ている、いや叶える義務があるのだ。

それが自ら籠の鳥になってる主人への職務に思えたからだ。

つまりつくしの疲れの一因は自分達にもあると岩元は考えていたのである。




一方、後部座席のつくしは背もたれから崩れて座っていた。

岩元の予測どおりつくしは後悔していた。

通りを見て足を止めたかった気分はとうに砕け散っていた。

そして何より自分も事の重要性を理解していない両親と同じだと酷く落ち込んだ。


つくしは視界が歪むのを自覚した。

そしてとたんに左足に痛みを感じる。

ギブスで固定されてからは痛みが引いたはずなのにと思いながら、、





***

「「「「「お帰りなさいませ」」」」」


使用人に出迎えられ司が帰宅した。

いつもと異なるのは妻の出迎えがない事なので、足を停め執事をチラッと横目にする。


「奥様は休まれております。本日は午前中に病院受診があり、疲れてらっしゃるようですので。」

「病院?!何があった?」

「はい。足を挫いたようです。」

「・・大した事はないんだろうな。」

「ギブスを巻かれて帰宅なさりました。その際泣いてらっしゃったので、、」

「泣いてた?どういう事だ?!」


睨みながらも冷静さが伺えた司だったが、愛妻が涙したとなっては保てるはずもない。


「申し訳ありません。私にも詳しい事は存じ上げてなくて、、岩元様にお聞きしようも首を振るだけなのです。それでお昼過ぎの帰宅だったのですが、それからずっと部屋で休まれてます。京お坊ちゃんも使用人に委ねたままで、、」

「昼過ぎからずっと、、おまけに京を見てないだと?」


この日の司の帰宅は20時過ぎだった。

ただ事ならぬ妻の様子に司は猛然と駆け出した。

邸内を走る主人を使用人達は心配そうに見ていたが、皆それ以上に彼の妻を心配していた。




カッカッカッカッカッカ、、

バンッ


部屋の中は暗かった。

そのせいか司はつくしがまだ泣いているのだと思った。

急いで灯りを点けつくしを探す。

リビングにはいない、ならば寝室だと走る。



ガチャッ


ドアを開けるとリビングからの光が射し、ベッドの人影を映し出す。

ホッとしたと同時に、その人物がムクッと身体を起こした。


「ん、つかさ、、帰ってきたの?」

「つくしおめぇ大丈夫か?」


上体を起こしたものの動かない妻に司は痺れを切らした。

ベッドに近づき妻との距離を数十センチに縮めたところで妻が振り向いた。


「うわっ!!な、つ、つくしどうしたおめぇ、、」

「どうしたって?何が?」

「顔だ!病院には顔を怪我して行ったんだろ?それで、その顔は全治何ヶ月だ?」

「顔、、、顔は怪我なんてしてないわ。ああコレね。コレは泣いたからこうなったのよ。って、そんなに酷い顔なのか、、」

「泣いたから?泣いただけでそんなになるのか?」

「泣いた上にそのまま寝たからね。瞼のケアをしなかったんだから、そりゃ腫れるわよ。」

「そ、そうか、、、ん、じゃ病院に行ったってのは?」

「それはコレ。」


つくしはシーツをめくってギブスの足を見せる。


「な、ギブスしてるって事は骨折してるのか? 一大事じゃねーか何ですぐに俺に知らせねー?」

「・・そりゃ、あんたと同じ理由よ。」

「俺と?そりゃどーゆー事だよ、、」


歌舞伎の睨み並みの目力で問いただす司。

そんな司に介せず淡々と答えるつくし。


「あんただって類が愛犬連れだった事をあたしに黙ってたでしょ。それって恥ずかしいからあたしに黙ってたんじゃないの?」

「なっ、なんでおめぇが知って、、いや、別に恥ずかしくなんてねぇよ。」


重い瞼でじぃーっと見られるからか、司はいつも以上につくしに責められている気になってしまった。


「あたしはそれを聞いて回し蹴りしたからグキッってやっちゃったのよ。」

「回し蹴り?!おめぇ誰を蹴ったんだ?」

「あたしがあんた以外の誰かを蹴ると思ってんの?」

「は、じゃあ?」

「自損事故よ。いないあんた相手に回し蹴りしたらこうなったの。恥ずかしいでしょ。」

「だな。」

「あんただってそうでしょ。犬が苦手なのに犬を連れて来たんだから、あたしに言わなかったのよね。」

「ち、ちげーよ。」

「そう。じゃ、あたしが勝手に勘違いして自損事故したって事なのね。どっちにしろ恥ずかしいわ。自損事故もだけど、あんたの事も分かってなかったんだからね。」

「い、いや、、んな事ねぇよ。おめぇほど俺の事分かってる人間はいねぇと思うぜ。」

「でも犬は苦手じゃなかったんでしょ。」

「今は苦手じゃねーんだよ。ま、前はよ、、そう、おめぇとデートした時は、得意じゃなかったけどな。」

「今は得意だって言い方してるわよ?」

「そりゃおめぇの気にしすぎってモンだぜ。おめぇはマジもんの重箱以外は突かねぇだろーが。慣れねぇ事すっからコケるんだ。」

「あんたにしちゃマトモな返しじゃない。腹立つわぁ、、」


苦虫を噛んだようなつくしの表情に 、司はどう機嫌を回復させようかと伺う。

そしてはぁーと長い息をはいてつくしは、司に内線を取ってと言うと、


「つくしです。こんな時間だけどフェイスケアをお願いしていいですか?瞼が腫れ過ぎて、全治とか言ってる奴がいるので。」


そう言ってチラリと司を見るつくし。

司はなっと驚愕しアワアワしている。

内線を切りつくしが立ち上がろうとする。

司はつくしがギブスの足を地に着けたことにハッとする。


「おい、その足で歩く気か?止めろ。俺が運んでやるから。」

「松葉杖があるはずなんだけど。」

「転んだらどーすんだ。」

「・・受け身を取る。とりあえず顔は守れば悲惨な事にはならないかと。」

「ぜってぇ歩かせねー」


鼻息荒く司はつくしを抱き抱えた。





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思いっきり泣くとスッキリしますよね。
私はそうなんだけど、そうでない人もいますよね。
因みに私は泣いたら頭痛がするタイプ。あれって何なんだろう?普段頭痛とは無縁なだけに謎。
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Re:

Re:○○長さん。
こんにちはお久しぶりです。
楽しいコメントありがとです。突っ込ませていただくと、どれも違います😅
なんか感情のスイッチが入ると号泣してしまうんで、止められないんですよね。だから頭の中できっと頭痛が起こるメカニズムがあるんだろうなと思ってます。

それから例の事待たせちゃってごめんなさい。
スッピンが終わってからのつもりなんです。
花街も待ってる人いるんだろうな…

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Re: No title

Re:す○○さん。

コメントありがとうございます。
やはり十人十色、みなさん色々なんですね。
そして泣いたらスッキリするとの事なので、考えてた続きにしちゃいます。
わーい。背中押してくれて、ありがとさーん♪
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