甘さとスッぱさと ... スッピン51
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スッピン51
2017-05-02-Tue
通話を終え司はスマホをデスクに放り投げた。

ガリガリと頭を掻き少々不満げな表情をすると、長く息を吐き東の角部屋を後にした。


そして向かった先は使用人が京を見る際に使っている保育部屋。


ガチャ


静寂な部屋に響き渡るドアの音。

中にいた使用人は突然主人が現れた事に驚いた。


「旦那様。どうかなさいましたか?」

「京を連れて行く。」

「あ、はい。坊ちゃんは眠ってまして、、」

「あ~、ぶっ。」


赤子の声の方に向けば、ベビーベッドの柵に捕まろうとする京の姿。


「起こしちまったようだな。」


ふわりと表情を和らげ京の方へと足を向ける司。

薄暗いとはいえ間近で司の笑顔を目撃した使用人は固まってしまった。


「よう。沢山寝たか?今日はつくしと全然いられなかったらしいな。つくしも寂しかったらしいぜ。お前を連れて来いってさ。」

「あ~。」

「よしっ、じゃあ行くぞ。そろそろつくしの方も終わってるだろ。」


司は京を抱き抱えるとその部屋を後にする。

二人か部屋を出る際には京が使用人に小さな手を振ったが、使用人はぼうっと固まったまままだ動けずにいた。







~♪♪♪

司達が奥まった部屋へと続くドアを抜けると携帯の着信音の様なメロディが聞こえた。



「ふふふふふふっ。」


つくしは目の上にタオルを置いたまま、施術ベッドに横になったまま笑っている。


「何笑ってやがんだ?」

「あ~、あ~っ。」

「京もうちょっと待ってね。もうすぐ終わるから。」


そう言って京の方へ手を伸ばすと、司に抱かれた京も身を乗り出すので司はその手に触れるよう近づいた。

その時鳴っていたメロディが止まる。

携帯の着信音にも思えるが、その場にいるのは司とつくし、京に施術している使用人だけだ。

つくしの着信音でない事は知っているし、使用人も仕事中に着信音を鳴らすとは思えない。それは使用人の態度からも伺えた。


「今の音と関係あるのか?」

「ふふふっ。流石、勘が鋭いね。」

「何の音なんだ?」

「不審者を知らせるブザーよ。誰でもこの部屋にズカズカ入ってこられたら堪んないでしょ。」

「俺でもか?」

「今日はフェイシャルだからまだマシだけどね。これがボディだったらあんたでも出てけって怒鳴ってるわよ。」

「まだ機嫌悪ぃのか、、」


ふぅと溜息交じりで呟く司。

そんな司の声色につくしは緩めた顔を締められない。


「そんな事ないわ。瞼の腫れようにびっくりしているみたいだけど、あたしはけっこうスッキリしてるのよ。」

「そうなのか?」

「久々に泣いたからね。ま、泣き始めたら止まんなかったのもあるけど、ずっと我慢してたって気付いたわ。やっぱ我慢って良くないわね。」

「・・・・・」


黙り込む司。

タオルで見えないがつくしには司の表情が曇っている事に気付いていた。


「あんたのせいじゃないわよ。あたしのこの性格のせい。」

「・・・・・」

「あたしっていつまで経っても駄目ねぇ、、変わらなくちゃ。」

「・・つくし。」

「あんたもそうよ。駄目なとこは変えなきゃ。」

「は?俺?俺のどこが駄目なんだよ。」


しおらしくしていた司が驚き声を吹き返す。


「どこって、そのブザー鳴らすとこよ。あんたが部屋に入る前に立ち止まって声かければブザーは鳴らさずに済んだのよ。デリカシーがないとこ。変えてよね。」

「デリカシーだぁ?んな壁みてーの必要ねぇよ。」

「じゃああんた、あたしに怒鳴られたいの?」

「ケッ、おめぇに怒鳴られるくれー何でもねーよ。怒鳴るくれーの元気があるって分かっていーじゃねーか。」

「あんたねぇ、、ケンカになるのを避けようとか思わないの?」


口調こそ呆れるかえるつくしだが、タオルの下の目元は下がっていた。


「いいじゃねーかケンカ。俺らの場合それも愛情表現の一つだぜ。」

「あんた、あたしを怒らせて楽しんでるとこあるわよね。」

「楽しんじゃいねーよ。だがケンカしたからおめぇは本音を言うとこあるしな。」

「まぁ、否定はしない。」

「それにケンカしねーと仲直りもできねーし?」

「なっ、、それが一番の理由ねっ!この性欲魔がっ!」

せいよく、、


ボソッと聞こえた使用人の声につくしはハッとし、


「クックッ、、京もポカンとしてるぜ。」

「嘘っ。」


バッとタオルを取り、京の方を見る。


が、


当の京はつくしが見た事でニコっと笑顔になりキャッキャとはしゃぎだす。


「あんっ、、た。」
「奥、、さ、ま。」


司を睨もうとしたつくしだったが、使用人と声を揃えてしまい語気は失速、顔を見合わせてしまう。


「ごっ、ごめんなさい。」

「いえ、もう終わるところでした。大丈夫です。」


「クックックックッ、、」


この状況にひとり笑うのは司だけである。


さらに、



ぐーーーー、、、



「ハッ!つくし、おめぇ、、」

「・・うるさいわねぇ、、生きてるんだから腹だって減るわよ。おまけに昼も夜も食べてないんだし。」


ブツブツ呟くように言い訳するつくし。

そしてつくしが施術ベッドに座った事で京が手を伸ばすので、司は涙目のまま京をつくしへと渡すが笑いは止まらない。


つくしの顎は梅干しのように力が入り、口元も気持ちを反映して尖っていた。


つくしはチラリと使用人を見て、首を回し側に来るように促す。

そして司がいる反対側からサッとベッドを降りてしまった。



「クックッ、、おい。つくしどこに行くんだよ。」

「どこでも良いでしょ。」

「まだヘソ曲げてんのかよ。おめぇが派手に腹を鳴らすから笑っちまっただけじゃねーか。」

「ほんっとデリカシーがない男、、」


ジト目でボソッっと呟くつくしに、司はやべぇとまた焦り出す。


「わ、悪ぃ。そうだな。おめぇの言う通りだ。デリカシーつーの?俺には必要だと思うぜ。」

「無理しなくて良いわよ。どーせすぐに忘れるんだろうし。」

「んなことねーよ。俺がやるっつったらやるんだよ。」

「変えろと言って何だけど、それってけっこう根気が必要よ?」

「おめぇのためならやってやらぁ!別れてもやり直すために俺がどんな努力したか。それに比べりゃ大した事ねーよ。」


部屋を出てヒョコヒョコ歩くつくし。司はそんなつくしの前に出て、必死に説き伏せる。


「ぷっ。」


その必死の形相に口元を尖らせていたつくしも吹き出し笑ってしまう。


「あはははははは。・・はぁ、あんたってもうなんでそんなに必死なのよ。」


笑い泣きの涙を拭いながら、司を見上げるつくし。その顔は瞼こそまだ腫れが残っているが司の好きなスッピンのつくしだった。


「そりゃ、おめぇに惚れてるからだろーが。分かんねえのかよ。」


ホッと力が抜けた司だったが、抜け目なくつくしの肩を抱き艶のある視線や声を送って来た。


「分かってるわよ。だから出来ないと思ってるんじゃない。」

「あ?」

「ふふ、それにあんたが部屋に入る前に声かけなんてしたら変に勘ぐってしまうわ。だからさっきはブザーが鳴ってあたし嬉しかったのよ。あんたが思った通りの反応したからね。」

「何だよそりゃ。」

「だからコレよ。」


つくしの視線は左の足元。そこにはギブスが巻かれていた。


「怪我した原因って事か?」

「あんたの事を分かってないって、けっこう凹んだわよ。嘘だって分かってたけどね。」

「嘘じゃ、」

「ん?」

「チッ。」


舌打ちする司につくしの気分も晴れて行く。


「ふふ。ねぇ、リムジンの中での事も聞いたんでしょ?」

「ああ。おめぇ、何を見て停めたさせたんだ?」

「ラーメンよ。」

「ラーメン?何だそりゃ?」

「何って、前に一緒に食べたじゃない。ほら、高校の時NYに行く前よ。あんた突然プロポーズしてさ、あんたにスープを吹いちゃったの覚えてない?」

「何となく、、だな。」

「それでリムジンの外を見てたらラーメン屋さんが目に入って思わず停めちゃったの。ああ、昔あんたと入ったなって。だけど、急ブレーキで周りは混乱するわ、それにあたしギブスだから歩けないじゃんって、、だから言えなかったのよねぇ。」


つくしのリムジンを停めた理由を知り、自分にはどうって事ないそのくらいの我儘もつくしにはまだまだハードルが高いのかと思った。


「でもさ、話したら食べたくなって来ちゃった。」

「もう、10時過ぎてるぜ?今から食うのか?」

「だってお腹空いているんだもん。さっきの派手な音聞いて笑ったの誰よ。」

「腹減ってるって、、それに京はどうすんだよ。また置いて行ったらこいつ拗ねるぞ。」

「それは自分でしょ。でもま今日はずっと京を預けっぱなしだし、京も連れて行こう。」

「・・・・・」


空いた口を閉じるのも忘れ、司はつくしの顔をじっと見ていた。

そして先ほどのつくしの言葉を思い出す。


「じゃ、食いに行くか。」

「貸切とかにしないでよ。」

「はっ?何でだよ。」

「嫌だからよ。それにSPなんかを付けなくてもあんたの頭を隠せば案外分かんないわよ。若い夫婦に思われるだけよ。こんな時間に赤ちゃん連れてってね。」

「そうだよ。京くれーの子どもって夜連れ出すとやべーんじゃないの?」

「偶には平気だよ。それに京昼寝沢山してるんじゃないかな。あんたが来たらすぐに起きたでしょ。」

「そうだったがよ、、」

「ねぇ、行こうよ。連れてって。」


必殺上目遣いで司の鼓動は激しく、動悸の一歩手前まで揺さぶられていた。


「し、しょうがねぇな。」

「やったー。京、ラーメン食べれるよぉ~。何にしようかな?やっぱ醤油?塩も良いな~♪」


ルンルンと声を弾ませるつくしに司はホッとすると同時につくしの我儘は自分にしか向かない事を知り、籠から出してやれるのも自分だけだと気付くのだった。

喉に引っかかった事が出た事で、司は調子が回復してきた。



「なぁ、ラーメン食べさせたら俺の相手も忘れんなよ。」

「は?あんたの相手?・・仲直りする程のケンカはしてないでしょうに。」

「したじゃねーかよ、さっき。ギブスなのに俺を無視して行くくれー怒ってたんじゃなかったか?だから仲直りはしねぇと。」



チロリと司を見上げるつくし。相変わらずの屁理屈王だなと呆れる反面、司らしさに嬉しくなってもしまう。


「まっ、いっか。一回だけね?」

「あ?昨日もそうだったじゃねーか。それにおめぇも昼寝はたっぷりしたんだろ?四、五回は付き合えよ。」

「無理。」

「じゃあラーメンも無理だ。」

「そ、なら諦めるわ。」

「へ、、、」


思わぬつくしの返しに司は間抜けな顔してしまう。


だが、


「うっそー。」


いししとつくしは笑い、再びエントランスへと足を向ける三人。


この日使用人達の心配を余所に深夜のラーメンデートをするのだった。






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眠い。
なので明日朝見たらなんじゃコリャってなるかも。

ま、でも繋ぎます。
繋がるでしょー
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どんなコメもOKですよ。

Re:す○○さん。
その植物の名前は知りませんでした。思わずクグリましたよ。でも葉っぱは見た事あるけど、なんかピンとは来なかった。食べられないからかな?今度探してみよう。
そして星空は確かにヤバいです。今住んでいるトコはプラネタリウムかってくらい見えます。流星群とか、子どもと一緒にはしゃいでますよ〜
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