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スッピン53
2017-05-05-Fri
食べ終わったつくし達は支払いを済ませ、京を抱っこしようと抱っこ紐と格闘していた。

それは司が京を抱っこする事になったからだ。

最初は来た時と同様につくしが京を抱っこするつもりだったが、店の女性がつくしの怪我を知り司になぜやらないのかと聞いてきた。

それはSPを囲ませてないからなのだが、そんな事をここで話せる訳もなく、また司自身もそこまでの警戒は必要ないと判断したため京を抱っこする事になったのだ。

狭い店内で背の高い司に抱っこ紐を通すのは容易ではなく二人は苦戦していた。


「よっ、っと。こんなモンか?」

「ん~、あっ、ここ捻ってる。直すからちょっと腰を落としてよ。」

「腰落とせって無茶言うなよ。狭えんだよ、、」

「ん。出来た。」


なんとか抱っこ紐を装着する事が出来、安堵しているとそうしむけた女性が声をかけた。


「ふふ、お疲れさん。夫婦らしい共同作業だったね。」

「そうですね。」


労いの言葉に夫婦仲の事をほんわかと伝えた事につくしは素直に返せた。


「夫婦らしい?」

「そう。だって普通夫婦の共同作業ってたらケーキ入刀とかでしょ?でもあんな簡単なので仰々しくされるのもねぇ、、」

「確かにそうですね。共同作業って言うくらいだから二人の呼吸を合わせなきゃ。ケーキ入刀で呼吸とか違いますね。」

「・・つうかそれを言うならまずは子作りなんじゃねーの?子どもが生まれてコレもやることだしよ。」

「(笑)それもそうだね。お兄さんの言う通りだ。」

「・・深夜のラーメン屋でこの話は止めようよ。」


司が話の風向きを変えたのでつくしはヒクつかせながら反抗するが、、


「あらどうして?子作りって大切な事よ。少子化なんだから、ひとりで満足しては駄目よ。」

「そうだな。1組だけで少子化は変わらないが、だからといってしなければ何も変わらない。」

「そうそう。あんた達はまだ若いみたいだから二人目、三人目と考えなよ。」

「ああ、本当にそうだ。素晴らしい提案に感謝する。」


サッと女性に手を差し伸べる司。抱っこ紐を装着するためにスカジャンを脱いでいるためTシャツ姿だ。それなのに胸を張り伸ばす手も力強い。

つくしはどんな業務提携なのよと呆れていた。



カランカラン♪


暖簾をくぐり歩き出すと、つくしはすれ違った三人組が何故か気になり目で追ってしまった。

するとその三人は今つくし達が出てきた店の暖簾をくぐろうとしていた。


「偶然かもしれねーぜ?」

「そういうとこは現実主義だね。職業病ってヤツ?」

「なんだそれ。」

「あんたはやっぱり経営者だなって事よ。恋愛ではロマンチストなのに不思議な同居してるよね。」

「なにが不思議だよ。お前が一番で、仕事はその他に過ぎねーから至極当然じゃねーか。」


何気ない会話が熱を帯びる。

つくしもすぐに気付くが、何か返さないとと思うほどタイミングを逃すものだった。


「・・そりゃどーも。」


なぜそんな風にしか返せないのかと自分でも思うが、出来ないものは出来ないのだ。


「ほら、捕まれ。怪我してるんだ。ここは意地張るなよ。」

「ん。ありがと。」


つくしは司の腕に捕まり持たれかかるようにすり寄った。言葉では上手く返せないが、甘えるところなのは分かる。司の顔さえ見なければ言い合いになる事もないだろうと思った。


びっこ引きながら歩くつくしに合わせるため二人は行き交う多くの人に抜かれていた。

夜の歓楽街を周りと違うペースで進むせいか、つくしは動くスクリーンの中にいる感覚に陥る。


「色んな人がいるね。」

「そうか?」


司が自分しか見てない事には気付いていたつくしだったが、頭に浮かんだ思いを口にした。


「・・いるんだよ。綺麗に着飾った人に、派手に着飾った人。こんな時間までコスプレしてて疲れないのかな?」

「ああ、プロレスな。」

「・・ぷっ。そんな事あったね。」

「またやってもいいぞ。」

「あんた専属で?もう子どももいるのよ?」

「もう寝てるさ。」


司を見上げると京は抱っこ紐の中で寝ていた。

つくしは目をぐるりと回し、頭を振る。


「そうじゃなくてさ。着飾った人がいても周りは気にしてないのね。」

「見慣れてるんだろ。」

「そうね。毎日見てりゃ、居るなで終わるわね。」

「見た目は個性ではないからな。」

「・・個性ではない?個性にしている人もいるよ?」

「イコールではないって事だ。」

「・・そう、、ね。イコールではない。何故なんだろう?」

「そりゃ見た目を変えたところで本質が変わらなかったからだろ。中身が変わりゃその見た目は個性になる。」


司の答えにつくしは足が止まった。

そして答えが頭に浮かんだにも関わらず司に問いかける。


「じゃあさ、あたしの個性って何?あたしの、、道明寺夫人としての個性ってなんだろう?」

「そりゃ世間に植え付けた俺の妻だな。お前の個性ではない。」


つくしは司をじっと見つめ、司もそれを優しく受け止めている。


「仮初めって事だね。ううん、仮初めって言うよりハリボテだ。」

「ハリボテ?・・まぁ、いい。個性ではなくなるが俺はお前に表に出て欲しい訳じゃない。だからその対処に不満はない。」

「あたしも表に出たい訳じゃない。」

「そういう輩もいるがな。まぁ病気の場合もあるらしいが、、」

「病気?!」


その時二人に近付く気配を感じ司がつくしを抱き寄せた。つくしはそれに驚くが、


「何かあったのか?」

「近くで違法薬物の摘発があったようで、そろそろ車の方にお願いします。」

「分かった。」

「・・あ、ご迷惑をおかけてすみません。」

「つくし、謝るところじゃない。頷けばいい。」

「・・ごめん。」


SPに護られた二人は近くに横付けられた迎えの車に乗り込む。

そして発車し直ぐに司が口を開いた。


「病気ってとこに反応してたな。」

「あ!うん。どういう事なの?」

「こっち側でよ。スポットに当たる事に病的に固執する奴がいたんだよ。明らかに変なんだが、本人は気付いてねぇらしくてな。後からそういう病気だったって耳にした。聞いた事ない病名だったな。」

「それってあたしみたいに庶民だった人?」

「まぁ、そいつはそうだったな。」

「・・だから、、」

「だが、庶民だったとかは関係ないと思うけどな。」

「え?」

「庶民とか、上流階級とか関係ねぇよ。どちらにしても少なからず格差はある。だから俺はいつになっても纏わり付かれる。」


再び口を閉ざし司を見つめるつくし。

司だからこそ立ち入ろうと思った醜い女の扉を思い出した。

だがその扉は結婚する前にその司によって隠されていた。




つくしはやっと今の状況を理解したのだった。




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前の記事で沖縄在住と言いましたがGWの現在、都内にいます。明日帰沖ー( ´ ▽ ` )
久しぶりの都内でつくしの景色を見た気分になりましたが、自分のスマホのバッテリーが弱くなってる現実に気付き妄想に繋げず、、いつ電池が落ちるかハラハラしました。
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コメントありがとうございます😊

Re:○んちゃんさん。
良いじゃないですか、都会に毒されて。私も都会好きですよー
そして○んちゃんさんの地元に行った事があります。クリスマス前のキラキラしたやつを見たかったんですが、最終日近くの公休日だったため駅前のコインロッカーの空きが見つからず断念しました。
いつかリベンジしたいです。

Re:○む○むさん。
そういえばリンクの件は言ってなかったですね。勝手にしちゃってすみません。
私もそろそろ動かないとなぁ…
連休疲れでボーっとしてたのと、久々に二次先輩の作品を読み返してしまった。
腰上げますね。
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