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スッピン57
2017-05-23-Tue
パーティの参加者への案内のためエントランスに背中を向けていたコンシェルジュは、振り返りギョッとする。

数分前にはいなかったはずの黒服の男達がエントランスに集まって来ているのだ。

今日行われているパーティがどんな顔ぶれを集めるものか知っているはずだったが、ここまでの警護を必要とする人物はすでに到着しているはずだった。

それとも急遽参加が決まったのだろうか?

コンシェルジュの男は固唾を飲みながらその立場も忘れ入口を凝視してしまった。




一方会場にいる司は精力的に動き回っていた。

気が向かなかったパーティとはいえ、日本においてこれほどの経済人が集めるパーティは多くない。帰国の際に挨拶をしたかった顔を見つけては少ないながらも印象強く言葉をかせた。

そんな司の態度だったため、司に近づきたいと企む女狐達も距離を詰めるのがやっとで、接触出来ずにいた。


「これは道明寺副社長。お久しぶりです。」

「青木社長。こちらこそ。ご活躍はNYにも届いてますよ。」

「はは、流石ですね。嬉しい言葉ありがたく頂戴します。」


青木はまだ40手前で社長としては若手だが、同族経営の会社を従兄弟にあたる前任の社長の息子から勝ち取った男だった。

同じ英徳出身だが、学生時代はこれといった評価はされてなかった。社会に出て他所で修行を積みのし上がった人物である。

そんな爪を隠した男は司をはじめ、若手実力者の間では同じ匂いのする者と捉えられていた。


そんな青木がチラッと司の周りを横目に見る。


「妻帯者と言う事を知らないにしては人数が多いですね。ならば(不倫の)映画の影響かな?」

「そんな映画があるんですか?」

「ええ、うちの家内がハマってまして。なんでも家庭が円満だとそういう映画をつい見てしまうとか。」

「理解出来ませんね。」

「全く。」


はははと乾いた笑いを合わせる2人。

しかし司がふと会場の入口付近に視線を動かす。


「へえ、ここでああゆう3人を見るとは思わなかったな。」

「なぜ女というのは3人で固まるのか、、」

「ククッ、確かに。ですが、あの3人は姫と従者では無さそうだ。対等な関係に見える。」

「対等?」

「ええ、大抵の3人組は姫が従者を引き連れているものでしょう?この世界では。」

そんな3人組を思い描いているのか青木の表情は蔑んだように見える。

「虎の威を借りているにも関わらず、そんな姫の威にあやかろうとする従者もまた滑稽としか思えません。そんな女ばかりしかいないのかと妻探しを諦めかけた事もありましたよ。」

「なるほど。しかしそれでも青木社長は見つけたと言う事ですか。」

「くく、うちの家内も同類でね。父親が秘書として側に置いていたにも関わらずパーティではわざと印象を悪く振舞っていたんですよ。」

「ほう。」

「僕の従兄弟への挨拶も良くもなく悪くもない印象でね。ですが、振り向き様に舌を出したのを僕は見逃さなかった訳です。」


クックック

青木の話を聞いた司はこんな愉快な惚気があるのかと笑いを堪えられなかった。


「なるほど。しかし、あの3人に関してはそんな姫気取りよりももっと厄介でしてね。」

「厄介?」

「2人とも妻の親友気取りが強く、何かにかこつけては妻を連れ出すんです。

・・あんな風に。」


忌々しい様に司が表情を変えるものだから、青木は自分の見立て外れたのかと思ったのだが、その2人の片方が司を見て舌を出しそれに司も青筋を立てるものだから、大きく外れてはないと理解する。


青木はくくくと笑ってしまったが、司は大して気にしてないようだった。

しかし、


「では僕も家内がいる時にご挨拶して宜しいですか?」

「あ?」


戻りかけた青筋を立て凄む司に青木はツボにハマったかのように肩を揺らす。

そんな揶揄いを受けた事で司は止めていた足を動かそうと考えていた時、そうでない方の3人組に声をかけられる。


「素敵な殿方が何をそんなに笑ってらっしゃるのですか?」

「私達にも教えていただけませんか?」

「私達笑い話が大好きなんです。」


まさしく青木の言う姫と従者もどきの女達に向き合ってしまい、司の表情から青筋さえも消えていく。


「今来られた女性達が美しいですねと話してたんですよ。」

青木が答えると姫様は面白くないとばかりに顔を歪ませるが、すぐに取り繕う。

「まぁ、あんな遠くよりもすぐ近くにいる私達をご覧になって下さい。」

よほど自信があるのだろう。従者も一緒になってうんうんと頷く。

青木も表情を消していく。

が、そんな空気も姫達はお感じになられないようだ。


「彼の奥様の話をしようとしていたのです。・・加わりますか?」


青木の低い口調に姫様きどりの女性は、入口付近の女性達が会場内にも関わらずSPを付けている事に気付く。

さらに今彼女達と会話しようと近付いて来るのは経済界の大物であった。


司にはとうに姫きどり3人組など目に入っておらず、つくし達に近寄る大物に鋭い視線を投げていた。


「なるほど道明寺副社長に厄介と言われるだけありますね。あの御隠居にナンパされるとは。」

「フッ、あいつは大河原の令嬢ですからね。それなりに顔は広い。」

「もう一方は?」

「三条桜子だ。旧華族出身だが、今は事業をしている。頭が良くて抜け目のない奴だ。妻を先輩と呼んで懐いている。」

「良い意味ですか?」

「くっ、良い方だ。生憎だがな。」

「それで僕の家内の話も流された訳ですか。」

「そうでもありませんよ。おそらく気に入られるのは目に見えている。出来る事なら近付かせたくはない。今日は見えてなくて良かった。」


それに苦笑いする青木。

すると横の方から「あなた」と誰かを呼ぶ声が聞こえる。


「僕の家内です。」

「こんばんは。青木淑子です。」

「・・道明寺司です。」


うっすら青筋を立てながらも青木の妻に握手する司。

そんな司に青木の妻淑子が声をかけようとするも青木に止められる。


「道明寺副社長の奥方はあちらにいるんだ。」

「あら。」


そしてその3人組をじーっと見て青木淑子はいる。


「真ん中のショートボブの方が道明寺様の奥様ですね。お話してみたいわ。」


思ったとおりの反応に青木も苦笑いをし、司は憮然となる。


「何か不味い事を言いましたか?」

「いや、不味くないよ。道明寺副社長どうでしょう?」

「・・まずは妻を迎えに行きます。それから改めて、、挨拶をする方が他にもいますので、、では。」


そう言って青木夫妻の側を離れた司。

姫きどりの女達の側を通り過ぎたが、彼女達が司の視線に入る事はなかった。



「長居は無用なんだが、ちっとも上手くいかねぇ。」


ブツクサと吐き捨てるように呟く。


「とっとと、NYに戻ってりゃ良かったぜ。」


滋と桜子がそう簡単につくしを渡さぬだろうと思えた司は、あの2人をどう打ち負かすか思案しながら近付いて行った。

そしてそこにいる人物への対応も計算しながら。




だが、近付いてはじめて見えたつくしの姿にふたたび青筋を立てせ辺りは緊張感に包まれるのだった。





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ちなみに姫きどりの3人組は浅井達ではありません。もっとギャフンと言わせようかとも考えましたが、リアルさに落ち着いてしまった。この3人一応社長夫人(と部長夫人2)なんですよーなので夫である社長を放って司のストーキングするなんてと冷めた目でも見られてます。社長とか上にいる人って馬鹿じゃないからねー 夫達は今のところ気付いてません。ま、そんな会社なので司に相手される事もありましぇん。
どーでもいい設定でした★(*´∀`*)
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