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スッピン58
2017-05-24-Wed
幾分慣れてきたとは言え、ハイヒールで闊歩するのに心許なさを感じるつくしはSPに囲まれた状況でコケでもしないかと心配していた。


「本当にこのSPを配置したのは先輩なんですか?」

「そうだって言ってるじゃん桜子。これで3度目だよ。」

「先輩の性格を考えれば俄かには信じられませんからね。道明寺さんならば納得なんですが。」

「まぁこんな風にあたしが自分で言ったのはじめてだから、分からなくもないけどね。」

「なぜそうしようと思ったんです?」

「それは、、」


桜子の問いに答えようとして、会場の扉が開かれるのを目の当たりにするつくし。

キュッと口元を強張らせ、お腹に力を入れる。

滋や桜子が見たつくしの目はこれから戦いに行くものだった。


「素に近いあたしでどこまで道明寺夫人になれるか確かめたかったからよ。」




会場に入り数人のSPは離れて行ったが、数人はつくし達の周りに付かず離れずで警護していた。

つくしのこの異例な行動には会場内の参加者もざわめきを隠せない。


「攻めてますね。開き直ると大きく出るとこは先輩らしいです。」

「そうだね。あ、飲み物取ろうよ。」


滋が支給係に手を差し出すも、萎縮した係は睨みを効かせたSPに固まってしまう。

そんな支給係の彼の後ろでこちらを見ている司に気付いた滋はべっと舌を出すのであった。


「睨んでましたね。」

「だね。でもすぐには動かないみたい。話し中だからかな?」

「話している相手は青木社長だよ。司から話を聞いた事がある。」

「ふぅん、、」

「おおい、滋ちゃんじゃないか。」

「松川のおじ様!」


その声に3人が振り返り、滋に声をかけた人物を見て桜子が目を丸める。

齢80近く見える外見だが確か実年齢はもっと高いはずだ。一代で日本を代表する家電メーカーに成長させた人物。経済界で知らぬ者はいまい。

そんな超大物をおじ様呼びする滋もまた怖い者知らずだと桜子は呆れ心を隠して微笑みかける。


「随分周りを固めた友達を連れとるの。ま、儂には近付きやすくて助かったがの。」

「あはは、ちょっとね。事情があって、、」

「ほう、どんな事情かな?」

「この上なく目立とうと思いまして。」


つくしも目の前の人物を知らないように話しはじめる。桜子は唇を舐めて緊張感を隠そうとした。


「お主は目立ちたがりやなのかな?」

「どちらかと言えば目立ちたくありません。ですが、目立たない事には分からない事も多くそれを知るための行動です。」

「ほーう。」

「見られる事で知れた事もすでにあります。これが逆転の発想なのかと実感しております。」

「なるほど、確かにそうじゃな。こちらを向く顔つきで大方の評価は出来る。まさか見てる事を見られてるとは思うまい。」

「つくしそんな事まで考えていたの?」

滋は感心するが、桜子はつくしを見てじっと考えたままだ。

「ううん。そこまでは考えてなかったよ。これはあたしにも予想外。だけど!」

つくしは振り返り自分を見ている面々の顔をじっと見返す。

それに対し顔を背く人、眉をひそめる人、ネガティヴな反応の者もいるが、つくしの視線を真っ直ぐ受け止める人もいてつくしはそこに自分に対して肯定的な意見を持つ持たないを判断出来た。

そんな中、人の壁が割れ良く知る人物が近付いて来る。

その青筋を見た瞬間、やはりかと笑ってしまった。


「遅いぞ。準備に何時間かかってるんだ。」

「あ、うん。ごめんね。つい夢中になってしまって。」

「夢中?」

「これよっ。ジャーン!」

司は眉根を寄せるが、滋はつくしにくっ付き桜子も身を寄せた。

「凄いでしょ。このドレス今日リメイクしたんだよ。」

「リメイク?」

「パ○ュームちゃんみたいに3人でドレスを合わせたの。」

「(デザインが)微妙に違うじゃねーか。」

「それがパ○ューム流だそうです。」

桜子まで得意げに話すものだから司は顔を歪めてしまったが、隣にいる松川会長に向き合うと頭を下げ丁寧に挨拶した。


「お久しぶりです。妻が驚かせてしまったようで申し訳ありません。」

「なぁに、謝る事はない。むしろ楽しめたわい。」

「そう言って頂けると嬉しいです。」

「黒服以外にもSPを置くとはな。11人までは分かったんじゃが、正解は何人じゃ?」

「は、黒服以外?」

「知らんかったか?」

「へ?へっ?!つくし、SPって黒服以外もいるの?」

桜子も松川の指摘、司の態度に驚いている。

「うん。だって黒服だとSPだって分かり易いでしょ。あれはダミーの意味合いを持たせているのよ。それに気付くなんて流石会長ね。」

司が周りを見ると確かに道明寺家のSPと思わしき者達がさりげなく頭を下げている。


「岩元か?」

「ううん。○○さん(警護主任)だよ。警護を頼んだら万が一があってはならないからと提案されたんだ。試験的なものもしたかったみたいだし、会場にSPを入れるのってそもそも失礼でしょ。」

「そうなんだが、、」

「じゃあなんでSPを入れたんじゃ?お主は誰かに狙われているのか?」

「狙われてはいません。妬まれているんです。夫を引き連れたいと欲してる人達に。」


つくしの答えに松川会長も驚いたようだが、すぐに平静になる。

滋と桜子もつくしの本当の目的を知り口を動かす事ができない。


「だからひとりでこっそりと化粧室に行ってみようと思ってるのよね。って、言ってしまってはもう行けないけど。」

ぺろと舌を出して企みを白状するつくし。

「もし行ってみたらどうなったかな?10何年前なら別れなさいって壁ドンされたのよね。いきなりされたら流石に驚くだろうけど、今なら逆に笑っちゃいそうよ。」

つくしの独りごちは続き、

「でもま流石にこの年になったら壁ドンはされないとも思うけど、○○さんが仮にされてしまったら相手側に仕向けられたと主張される事も考えられるって言われてね。」

つくしは肩をすくめる。

「それでも対面したかったなぁ。対面しなきゃどこに予防線を張るかも分かんないでしょ。」

「つくし、お前。」

「纏わり付かれるって愚痴るもんだから、あたしが蹴散らすしかないでしょ。あんたを幸せに出来るのはあたしだけなんだから。」

呆然とする司につくしが微笑む。

そんな2人を見て松川会長は声をかけた。

「ふむ、なるほどの。道明寺ほどのもんになれば、甘い汁をいただこうと近く輩は少なくない。お主さえ居なければと安易に考えるのもいなくはないが、そうでない場合はどうするつもりなんじゃ?」

「そうでない場合、ですか?」

つくしと司は松川会長に向き合う。

「ああ、ハイエナとして生き抜くつもりならそれなりに知恵だって働くだろう。お主を利用しようとも考えるかもしれんぞ?」

同類にも関わらずハイエナ呼ばわりする松川会長に桜子は上流階級だと息巻いている奴も実際にはこんな評価されているのが現状かと心の中で蔑む。

「なるほど。それはあたし、見抜けないかもしれませんね。」

「そうなのか?それは困ったのう。」

つくしがトーンダウンしたことで松川会長もトーンダウンする。

しかし、

「それは周りに任せる事にします。」

つくしの表情は暗くなってなかった。

つくしは松川会長に自分が出来ぬならば周りの助けを借りる事を伝えると、松川会長もSPの助言を受けたつくしの事を思い出した。

その後松川会長は秘書に呼ばれて退席したがその顔には笑みを浮かんでいた。

会長の姿が見えなくなった途端につくしはぎゅむっと抱きしめられる。


「最高過ぎるぜお前。流石、俺様が惚れた女だ。・・だからってその丈は納得いかねーけどよ。」


興奮の後の低い恫喝につくしも苦笑いだ。

「この丈じゃないとパ○ュームっぽくないの。2人だってそうしてるでしょ。」


抱き合いながらボソボソと話しているつくし達に滋は桜子に問いかける。

「つくし達何コソコソ言い合ってるの?」

「大体見当は付きますけどね。」




そんな4人にまた近づく人物が。


「おまえら目立つのもいい加減にしろよ。」

「美作さん。未歩さんもお久しぶりです。」

近づいて来たのはあきらだった。そしてあきらが来てすぐに総二郎、類も側にやって来る。久しぶりのF4集結にパーティ客の注目は増すばかりだが、当人達は至って気にしていなかった。


「お久しぶりです。桜子さん、滋さん。」

「いい年してコスプレかよ。恥ずかしくないのか?」

「そうかしらコスプレとは思わなくもないけれど。すごく素敵だし私も誘って欲しかったくらいよ。」

「お前まで?勘弁しろよ。」

「琴美もやりたいんじゃない?」

類が隣にいる妻に話しかける。

その問いに琴美は控えめに頷いた。

そんな類夫婦の姿を見てつくしも笑顔になる。


「そうね。今度はぜひ琴美さんも未歩さんも一緒にやりましょうよ。」

「そうだね。そしたら5人だから、もも○ロだ!」


なりきりに味をしめた滋が興奮ぎみに話すが、流石にもも○ロは知っていた桜子が苦言を呈す。


「もも○ロですか?私はあの格好ならば断固拒否させて頂きます。」

「あ、あたしももも○ロはちょっと、、あたし達30代だしさ、、ね。」

「フラ○ーとかならイメージ良いんじゃありませんか?元気アイドルではなくお姉さんってイメージだし。」

「へぇ、そんなグループもいるんだ。琴美さん詳しいですね。」

「あ、ラジオは良く聞いてますので。ワンコの世話しながら聞けるから。」


恥ずかしそうに話す琴美。そんな琴美の事情を知らないつくし達に類は琴美がやってる活動を説明する。

その結果つくし達は類の妻琴美とぐっと近づく事なる。

そんなつくし達を見て司はまた憮然とするのだった。


「普段そんな事してるから全くオシャレとかしてなくて。パーティとかで着飾ってはいたけど、なんかみなさんを見てると久しぶりに楽しみたいなって気になってます。」

「うんうん。分かる分かるよ。楽しもうよ。」

「ですけど、次がいつあるのか分かりませんよ。」

「何でよ桜子。折角盛り上がってるのに。」

「先輩、いつNYに戻られるんですか?」

「あ、それは、、」

「明日だ。そういう訳なんでそれはつくし抜きでお前達だけでやってろ。」


話を打ち切るように割り込む司。

滋は当然ぎゃあぎゃあ喚くが、司はどこ吹く風だ。



そしてそんなつくし達を離れたところで見ていて話しかけずにいた瞳の姿があった。






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長くなったんで一旦切ります。
類の奥様名前出してなかった。
あきらの奥様は探したよー

で警護主任は探さなかった。
警護主任って分かれば良いかと。
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