甘さとスッぱさと ... スッピン59
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スッピン59
2017-05-25-Thu
つくし達から遅れる事15分、リメイクしたドレスを提供した川喜田瞳がパーティ会場に入って来た。

瞳がつくし達を見つけた時には松川会長の姿は無く、F4で固まっており周囲の女性客の視線を集めていた。

そのため会場で声をかけてとつくし達に約束された瞳だったが声をかけられずにいた。


「瞳、遅かったね。」

そんな瞳に友人の三宅美鈴が声をかける。

「うん。ショップを出るのが遅れちゃって。」

「こんな日は早く閉める事よ。あなたも経営者ならこのパーティに参加できる事をもっと考えなさい。」

美鈴に続いて声をかけたのは美鈴の姉鈴香だ。
(先週のパーティでつくしに他人様と評価された小野コーポレーションの社長夫人)

そんな姉はつくし達の方を見て話を続ける。

「どうやら道明寺夫人はあなたのドレスを着てくれなかったようね。彼女に馴染みそうなブランドだと思ったからあなたに勧めたけど、それなりにプライドを持ったって事かしら?・・背伸びしているのが滑稽過ぎて見てられないけれど。」


友人の姉が二重で馬鹿にしているのに気付いた瞳は重ねた手で拳を隠す。


「まぁあなたもがんばる事ね。それからこれ以上私の助言は期待しないで。失敗もいつか糧になる筈だから。」


そう言ってカツカツと離れて行く。


「瞳、ゴメンね。お姉様が変に出しゃばってて。」

「美鈴が謝る事はないわ。それにああ思い込まれてしまっては何を言ったところで信じてもらえそうもないもの。」

「どういう事?」

「実は道明寺夫人は私のドレスを着ているのよ。といってもブランドのドレスをそのまま着ている訳じゃないから、誤解されても仕方ないんだけどね。」

「え?そのまま着てないって、え?どういう事?」

「信じられないでしょうけど、あのドレス道明寺夫人がリメイクしたの。ご友人達とパ○ュームぽくしたいと言って、ぱぱぱーっと。テーラーをやってるから出来たのね。とにかく凄かったわ。彼女はマジシャンじゃないかって思ったほどよ。」

「へぇ、そうなんだ。あんなドレスがあった訳じゃないのね。・・あ、じゃあやっぱりお姉様誤解しているのね。」

「うん。」

「でも私の話も聞きそうにないわ。」

「私もそう思う。」

「妹の私が言うのも何だけど、お姉様は一度痛い目に会えば良いのよ。」

「そうだね。でも、そう上手くはいかなあだろうなぁ。」



ボソリと呟く瞳の後ろでは、その話に耳を傾けていた青木淑子がチラリと姉に視線を投げていた。




その後、司に連れられ挨拶回りをしていたつくしが青木夫妻と対面する。

「妻のつくしです。今日はミシンと浮気していて遅れました。」

「(ボソッ)浮気って言うな。
道明寺つくしです。遅れて申し訳ありません。」

「(クスッ)素敵なドレスですね。奥様のスタイルの良さが際立ってます。ご友人達と合わせられているみたいですが、ミシンと浮気とは、、奥様がミシンを触ったと言う事でしょうか?」

「え、ええ。実は結婚前テーラーをやってまして。ドレスを合わせようとの声に張り切ってしまいました。」

「素晴らしいです。技術を持ってらっしゃるなんて尊敬ですわ。」

「いや、そこまでのものではないです。お恥ずかしい。」


照れるつくしに褒めちぎる青木の妻淑子。

それぞれの夫達は笑顔と憮然の表情で話をしていた。


「奥様は手足もそうですが、お顔の方も肌がとても綺麗ですね。」

「そうですか?それは道明寺の美容部員のおかげかもしれないですね。」

「いえ、それだけではないと思います。エステなどのケアだけでなく、食事とかも気をつけてらっしゃるのではないですか?」

「食事ですか。まだ授乳してるので確かに食事には気をつけてますね。」

「ああ、そうだったんですね。お子様は生まれたばかりですか?」

「今8ヶ月です。可愛い盛りで、子育ては楽しいです。」


自分で子育てをしていると言うつくしに淑子の顔もほころぶ。つくしと話す印象から高飛車なセレブ妻でない事を感じ取ったからだ。


「うちも子どもは2人いるんですよ。子育ては大変ですが、子どもがいるからこそ夫婦の会話もあったりします。夫は仕事ばかりで私の相手はなかなかしてくれませんから。」

「おい、俺のせいばかりにするなよ。お前だってテレビや映画ばかり見てるだろ。」


青木夫妻の夫妻喧嘩を見てつくしも笑みをこぼす。それに気付いた青木社長が恥ずかしそうにしているのを見て、つくしも青木夫妻の印象を良く捉えるのだった。




そしてパーティも終盤に入り、主催者の万菱会長の挨拶を聞いたつくし達は帰路に着くため出口へと向かった。


「あ、瞳さん。ここにいたのね。」

「道明寺様。」

つくしと司に頭を下げた瞳が顔を上げると、先ほどとは違い穏やかに微笑む司が目に飛び込んで来た。

「このドレス、みんなに言って回ったわよ。リメイクする事も考えると言ったけど、本気でやった方が良いかも。問い合わせ来ると思うから。」

「こいつは貸せないから、技術者は自分で探すんだな。なんなら自分でも習得するのも一つの手だぞ。技術者の苦労を知ってはじめて信頼を得られる事もある。」

「・・はい。貴重なご意見ありがとうございます。」

「あたし達は明日NYに戻るの。今度は向こうで会いましょうね。」

「はい。是非。」


そう言ってつくし達と別れた瞳は周囲の注目を浴びた。


そんな中会場外のレストルームでは、




バシッ


美鈴の姉の鈴香が大学の同級生である田辺商事専務夫人である彩香に平手打ちをされていた。


「な、何をするの。」

「何をするのはこっちの台詞よ。あんたの言う事を真に受けた私はとんだ恥を食らったわ。」

「なんですって?」


田辺彩香は夫と共に類の元へ挨拶に行き、そこでとんだ失態を犯していた。

それは話の中で瞳のブランドをけなした事だった。先週のパーティの事を持ち出し、まだ未熟なブランドを到底受け入れないと類の妻琴美に相槌を求めたのであった。

しかし琴美はつくし達と話をしていて瞳のブランドには好意的な印象を持っていた。
だから逆に不快な同意を求められた事に嫌悪感を持ち、それゆえ類が辛辣な言葉を彩香に浴びせたのだった。

なぜ彩香がそんな態度を取ったかと言うと、それはこの鈴香から瞳のブランドの悪口を散々聞いていた上、琴美が大学の一つ上の先輩であった事も原因であった。類と婚姻した事で琴美は周囲から妬まれ勝手に蔑まれていたのだった。

結果、類はその友人の夫である田辺商事専務に契約の破断を言い渡す。

それは田辺商事にとって大きな痛手で、夫はその責任を取らされる事は間違いなかった。

それ故、彩香は夫から妻の務めもろくに出来ないのかと激しく罵られ離婚だと口にされる。


「そ、そんな。」

「全部あんたのせいよ。あんたが言わなきゃ先週だって私もドレスコードを守ったわ。そしたらこんな事にならなかったのに、、どうしてくれるのよ!」

「あ、ど、どうしろって、、」


涙目でオロオロするばかりの鈴香だったが、


「失敗もいつか糧になる。そう彼女に言ったのはあなたじゃない?」


後ろから声をかけられ、鈴香と彩香はハッとする。

声をかけたのは青木淑子だった。


「どなた?」

「パーティの参加者よ。あなたがその子に説教するところを聞いてたの。道明寺夫人はあなたのドレスは着なかったのねって。

実際は着るどころか、リメイクして気に入られているくらい深く付き合いがあったのにあまりのあなたの知ったかぶりに笑っちゃったわ。」

「な、、」

「・・是非とも先に教えて欲しかったわ。」

「ふふふ。私はあなた達のような友人は欲しくないの。だからきっと知ってても教えないわ。」



そう言ってレストルームを後にする青木淑子。出口を出て直ぐに泣き叫ぶ声が聞こえてきたが、少し頭を振るだけで何事もなく立ち去った。





帰りのリムジンの中、つくしは司と話していた。


「明日渡米するのよね。何時出発なの?」

「7時だな。早いからジェットの中で寝てたらどうだ?」

「ん、そうする。はぁ、早いのかぁ。」

「何かあるのか?」

「何かって程じゃないけど、今日のパーティで色々分かったってゆーか。」

「何がだ?」

「あたしがメイクしてようがしてまいが、周りは関係無いんだなって事。誰だろうとあんたの名前を欲しがる人は自分以外の女は気に入らないみたいだし、逆にあんたと対等の人はあんたが選んだならどんな人でも関係無いって事、、かな。」

「まぁ、そうだな。お前がやらかせば俺の責任になるし、俺は喜んでそれを受け入れる。お前を排除しようと企む輩はそれを理解出来ねぇだろう。」

「やらかすって何よ。やらかすって。」

「まぁ失敗したり、騙されたりだな。お前はすぐ人を信用するから。」

「最近はそうでもないわ。好意的に思ってない人くらいは分かるわよ。」

「そうか?なら、いいんだが。」

「そうよ!・・まぁ、そんなんであたしはこれから仮初めの姿を纏うのを止めるわ。道明寺夫人としてのオンオフはもう必要ない。」

「フン。お前がそうしたいならそうすれば良い。」


司が同意した事でつくしの頬も緩くなる。

そのため更に漠然と考えていた事まで口にしてしまった。


「それからスッピンで表に出ようとも思うの。今回は3人でドレスをコーディネートしたからちょっとお化粧したけど、お化粧しない方があたしらしく思えるの。」

「へぇ、そりゃまた攻めて出るな。」

「そうね。パーティでお化粧しない人って男の人くらいだものね。子どもだってお化粧するくらいだし、化粧の濃い人も多いし。上流階級の人達ってエステとか日頃から受けてるでしょうになんであんなに塗りたくるのかしら?なんのためにエステしてるんだか分かりゃしないわ。」

「珍しくお前にしちゃ辛辣だな。確かに言ってる事は間違ってねぇ。」


司はつくしを抱き寄せニヤリと口角を上げた。


「やってみろよ。この俺様が付いてる。」


それはつくしの背中を押す力強い言葉だが、手元はドレスの裾の方へと怪しく動く。


パシッ


「痛てぇな。」

「油断も隙もありゃしない。本当にこのことしか頭にないの?」

「当たり前だろ。なんせヤリ足りねぇんだよ。」

「ヤリ足りないって、何回したって足りないって言うでしょうに。・・あたしは身体がもたないよ。トホホ、、」





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