甘さとスッぱさと ... イベリス 4
プロフィール

lemmmon

Author:lemmmon
FC2ブログへようこそ!

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

<< イベリス 5 main イベリス 3 >>
イベリス 4
2017-06-20-Tue
女と交わってから三日後。


熱いシャワーを全身に浴び、司はすでに蓄積されていた熱をさらに高めていた。


日中の戦いから解放される深夜、

疲労も重なり生物としての本能のスイッチが入るのか、ここ数日は深夜から明け方にかけて性欲の高まりがこれまでになく激しかった。


理由は分かっている。

女の身体を知ったからだ。


ここまで昂まってしまった自身は、吐き出さなくては解放されない。

それも中途半端な放出では、熱をくすぶらせるだけだ。

だから司は熱いシャワーで身体全体を熱くし、あの女を思い出しては一気に吐き出した。

しかし、胸のくすぶりが完全に消え去ることはない。



あの夜から一夜明け、

あの女が欲しいという気持ちに変わりはなかったが、どこか疑いを持っていた。

あの女でなくても良いはずだと。

男という性は、女という性よりも個体に執着しないはずだと考えた。

それは親友達の奔放さからもそうだし、心理学を学んだ事からもそう知識として得ていた。


危機管理の面からも、あの女に執着するのは避けるべきだ。そう考えた司はPCの前に座り指を動かす。

生身の女に対する嫌悪感は変わっていない。かといって前のように邸の女に手を出す事もわずらわしかった。

映像であれば、コントロールもしやすいだろう。

司は分かってなかった自分の性をコントロールするためにもあえて無機質な物を選んだ。

しかし上手く事が運ばない。



はじめはただ裸の女を見れば自身が反応すると思ったものの、知らない奴らのヤってれる映像を見ても苛つくばかり。


男がいるからかと思ったものの、女だけが映像に出てくるのを見ても、これもまた反応しなかった。

次にあの女に似た女、外見や、しぐさ・表情など完全に一致しないものの、ほぼ同じ系統の女もダメだった。

映像で女がしらじらしく喘いでいるようにも思えない。

というかあの女はむしろ喘いでなかった。

それどころか声すら聞いていない。


目の前のPCの映像など頭に入らず、司が考えていたのはあの夜の女の事ばかりだった。

女をひと目見た瞬間からの記憶を辿り、何が自分の琴線に触れたのか考える。

そして出した答えは目だった。

あの大きな目。

エレベーターで振り返り真開いた目は、女の驚きが伝わってきたが、それ以上に黒い黒曜石のような輝きが美しいと思った。

俺はあの目に吸い込まれた。

あの女の感情全てがあの目には表れていて、戸惑いも、恐れも、か弱さも、そして決意も全てあの目を見て俺は感じ取れたんだと司は気付く。


ならば姿形をどんなに似せようとあの女の代わりなど務まるはずもなく、それに気付いたその日、やっとの事で塊となっていた苦しみを解き放つ事が出来た。


しかし、


この事であの夜、女の中でイカなかった事は、後悔どころではなくなっていた。


あの女が欲しい。


自分の女にして毎晩抱き潰したいと考えるようになっていた。


だが己の立場を考えれば、近づく事は再度罠に飛び込む事になる。

女は欲しいが、ジジイにこれ以上してやられる事は避けたかった。



司は立浪のジジイについて知ってる事を思い返す。


あの会社の社長はジジイの娘だ。
うちのババアより少し下だったはず。

だが、うちのババアの影響をモロに受けているような構えだった。

確かジジイには息子もいたな。


司は眉根を寄せた。

そしてひとつの仮説を立てる。


そもそもナゼ自分に罠を仕掛けるのか。

ジジイの会社との商談が無い訳じゃねぇはずだ。
だがそういや秘書止まりになっているような事を西田が言っていたと思い出す。




キュッ


シャワーのノズルを回し、勢い良く頭を振る。

水飛沫が飛ぶが、真っ直ぐになった頭からはまだ水が滴り落ちていた。

バスローブをまといタオルで頭をガシガシと乾かせる。



ミニ冷蔵庫からペットボトルの水を取り出す。


ゴクゴクゴク、、


喉を通り抜ける水のように、あの女は俺にとって必要な存在なんだろう。


だが、名前すら知らない。

どこにいるのかも、

何をしているのかも知る由がない。


だが、風俗ではないはずだ。

地に堕ちてない、

汚れなどない生活をしているはずだ。

でなければあの真っ直ぐな目は生まれない。




「ジジイに知られずに身元だけでも掴めねぇとな。」


司の目は獲物を狙う獣の鋭さになっていた。


「あそこがメープルだったら、監視カメラも簡単に手に入るだろうによ、、」


だが道明寺の息のかからないホテルの監視カメラの映像など、手には入らない事もないが立浪のジジイの耳にももれなく入ってしまうだろう。


「・・・まてよ。」


ハンターのスイッチが入ったのか、司はある事を思い出す。


「クックック、、俺の予想が正しければあいつらもあの女の写真を持ってるはずだ。流石にジジイもそこまで考えは及ばねえだろ。」



プルルルル、、、


司はスマホを手に取り、電話をかけ始めた。


「おう、朝からすまねぇな。ちっと頼みを聞いてくんねーか?」


砕けた物言いは、表情にも現れる。

司は企みの表情でニヤけていた。


「そう言うな。お前のツテをちっと貸してくれよ。まだ自分で動けねんだよ。」


相手の反応を聞きながら、水をまた一口口にする。


「三日前だ。プリズムホテル東京で俺を張ってた蝿を見つけてくれ。売り込みをやるようなひとりモンじゃなくて、中に入れるやつだ。そいつの持ってる写真が欲しい。俺以外に写っている奴も全部だ。頼んだぜ。」


言いたい事だけ言うと司はスマホを持つ手を下ろし、また水を口にした。

手の中のスマホからはごちゃごちゃ言う声が聞こえるが、司は切らないままのスマホをソファへと放り投げる。

そして空になったペットボトルをテーブルに置くと、スマホの画面は暗くなっていた。


「くくく、、俺の勘が正しければおそらく写真は出てくるな。あのジジイが何を企んでいるかは知らねぇが、駒になってたまるかよ。むしろ逆に駒にしてやるぜ。」







にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
にほんブログ村


ポチ連打してくれた人ありがとう。
関連記事
スポンサーサイト
イベリス cm(0) tb(0)
Comment
 

Trackback
この記事のトラックバックURL
http://lemmmon.blog.fc2.com/tb.php/325-fd26b103
| |