甘さとスッぱさと ... イベリス 6
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イベリス 6
2017-06-22-Thu
あきらにあの女の身元調査を頼んでから2週間が経とうとしていた。


すぐにでも分かるとは思わなかったが、あきらのミスには苛ついていた。


Iberisというブランドは確かに存在していた。

国内の老舗百貨店に店舗を構えるブランドが、幾つかの花のイメージを持たせて作ったブランドで、Iberisはその花言葉から小悪魔なイメージがコンセプトらしい。


Iberisの花言葉は、
『心をひきつける』
『初恋の思い出』
『甘い誘惑』


そのためブランドの店員も一筋縄ではいかなかったという事か?


いや、あきらの場合は完全に奴の私情が入ったミスだ。

内部の情報を引き出すのだから若い奴に狙いを付けるべきなのに、よりによってババアを選びやがった。

あきら曰くチーフやってるみてぇだから、持ち出しも苦なく出来るだろうって、そりゃそのババアが持ち出す気があればの話だ。

口が硬えババアをこじ開ける事も出来ずに手のひらで踊らされやがって、、

あきらの奴を一発殴ろうかとも思ったが、総二郎が割って中に入って来て俺は幾分冷静になった。

総二郎はショップの店員といえど、黙っていればそうそうバレるはずがない。なのにここまで警戒してるっつー事は、相手はこっちが思っている以上にヤバいんじゃないかって言いやがった。


殴りかかった腕を下ろして、息を整える。


言われてみりゃそうだ。

そしてあのジジイの魂胆も未だに掴めていなかった。

俺を罠にかけて何かを仕掛けるつもりなら
もうとっくに何か変化があってもいいはずだ。

だが立浪のジジイがそうなら娘も息子すら顔を出さねぇ。

商談に関しては、担当者レベルでの話し合いで俺が出てくるところはねぇ。

しかもこっちに不利な条件とか不審な動きすら全く見当たらない。

結果的にあきらの失敗を良い風に捉えて、立浪のジジイの様子を伺う事になった。

俺の言うように、あきらが若い奴を使いそいつがヘマをして相手にバレでもしたら、その女はさらに隠されて余計に見つけ難くなる事だってあると言うんだからな。

総二郎の奴、茶ばっか点ててるくせに口は達者になりやがって、てめぇだって昔は口より手が早かっただろうによ。勝手に変わってんじゃねーよ。


ダンッ


執務室のデスクに拳を当てつけて、俺は苛立ちを募らせていく。


コンコン、、


「失礼します。副社長いかがなさいましたか?」

「何でもない。」

「・・あと20分すれば昼会食へと向かわねばなりません。また声かけに参ります。」



パタン


秘書が出て行ったのを目だけで確認し、俺はデスクの引き出しからあるモノを取り出した。


「らしくねぇ。こんなのお前に会う前の俺にはなかった事だ。」


手に取った一枚の写真を眺めてはあの夜の事を思い出していた。

部屋に入った後ではなく、部屋に入る前までの事だ。


ー貴方だったらそんな事ないでしょうね。ー


「俺が遊んでいると思っているのか?」


返ってこないと分かっていながらも写真に向けて問いかける。


「お前はどうなんだ。俺以外の男をどれだけ受け入れた?」


写真を見つめる司の表情は曇っていた。


身体から始まった関係。

それもただの一度で、2人が絡んだ時間はほんの僅かだ。


雄という生物の反応だけかと思っていた当初と違い、今はその女への感情にも気づいていた。

纏わり付かれるだけだったガキの頃とは違い、今は勝つため多くの人の心を見抜いて来た。

ここまで自分に近付けたのには理由がある。

それは自分がその女を許したからだ。


なぜ許した?



「お前なら俺を愛せると思ったからだ。」


司の中で名も知らぬ女は唯一の女になっていた。

潔癖な男はロマンチストでもあった。

自分と交わったのは運命だと男の中では確信があった。

だから自分はお前を探すのだと。

そしてお前は自分を待ち続けているのだと信じて疑わなかった。



コンコン、、


「副社長、お時間です。」

「分かった。今行く。」


ドア越しにかけられた声に応えて、司は写真をデスクにしまい、立ち上がった。




パタン



***


それから二か月後、フランス、パリ。



「はぁ、、来週から東京か。あっちはごちゃごちゃうるさそうで嫌なんだよね。」


花沢物産パリ支社の執務室で類がソファに脚を投げ出しながら、秘書の田村に話しかけていた。


「ごちゃごちゃとは何の事でしょうか?仕事の事でしたら調整致しますが。」

「仕事じゃないよ。俺の結婚の事さ。」

「それは私では何とも、、類様が前向きではない事は存じてますが、立場上仕方ないと思います。」

「立場ねぇ、、人形に徹してくれるんなら誰でもいいんだけど。」


田村はピクリと眉根を寄せる。


「人形、、ですか。では探されたらいかがでしょう。」

「めんどくさい。田村がやってよ。」

「私はそのお世話までは出来かねません。政略結婚等言われる事もないのですから、もっと世の女性に目を向けて下さい。」


田村が突き放すように答えると、類は何かを思い出したかのように身を乗り出した。


「世のねぇ、、あ、そう言えば、あっちにさツナ娘がいたじゃん。仕事してなくちゃ死んじゃうみたいに働いてた子。みんながその子に仕事させるもんだから、配置替えで入社10年にもならないのに4度の移動したら子だよ。マグロ女ってしたら、流石に可哀想だからツナ娘って呼ばれてるんだっけ。どっちも変わんないと思うんだけどね。」

「マグロなのは馬鹿にしてる意味合いが強いからなのでしょう。」

「あっちの方では動かなさそうだからって?でもあの子処女でしょ。絶対。」

「・・その話に付き合いたくありません。」

「お?意外に田村、紳士なんだね。ムッツリスケベだと思ってたよ。」

「それは類様の事ではありませんか?」

「くくく、そうだね。良く知ってるじゃん、俺の事。」


機嫌良く笑う類を見てため息をこぼす田村。


「それじゃ田村、その子俺の秘書に付けてよ。仕事は出来るんでしょ。それって頼もしいよね。」

「類様にですか?サボろうと言う魂胆はないですよね?」

「んー? さぁ、どうだろう。でもやってくれないかな~と思ってはいる。」

「・・やはり。ふぅ、、しかし無理です。」

「無理?何で?」


神妙な面持ちで田村が答えた事に類も投げ出した脚を下ろして聞く姿勢を取る。


「彼女は特別任務に就かれたようです。類様の秘書になるには遅すぎました。」

「特別任務って何?うちにそんな部署があった?」

「私も詳しくは存じ上げていません。ですが類様の帰国に伴い、私も彼女の引き抜きを考えていましたので問い合わせました。上からの回答をそのままお伝えしているだけです。」

「親父から、、?」


右手を口に当て類は何かを考え始めた。

田村はそんな類の様子をじっと眺めていた。


「ふぅん、、親父がね。俺のムッツリも案外親父譲りだと思うんだよね。俺もこの年になって仮面夫婦なのは流石に隠してないからさ、愛人はいると思ってたけど、、それともとんだ勘違いかな?ね、田村どうなの?」


問い詰められた田村は流石と思いはしたものの、、


「社長のムッツリなど私は存じ上げません。」

「ケチ。」

「類様、30過ぎてその発言はおやめ下さい。」

「ふーんだ。」

「類様!」





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つくしと会ってないF4は高校の時から変わってないと思ってます。

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