甘さとスッぱさと ... イベリス 11
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イベリス 11
2017-06-28-Wed
ソファに手を付き、

司は心底ホッとしていた。


上がった息を整えてソファを回り込む。


ソファと壁の隙間に挟まって寝ている女を上から覗き込むように見つめていた。


しかし丸くなり寝ている女の寝顔がよく見えない。


寝息すら立てずに寝ている姿は息をしているのかと司を不安にさせた。


グイッとソファを押し出し隙間に空間を作る。


するとソファに持たれていた女の身体が回り仰向けになった。


かすかに上下する胸の動きを見て、また司はホッとした。


司もラグに座り込み女の顔をじっと観察した。


目の周りには泣いたような跡がある。

それを見て先ほどの涙を思い出した。





ー自分の尊厳を無視してー


俺に付いて来たのはこいつの意志じゃねぇっつー事か、、

ジジイがさせているって事か?

こいつ、ジジイに脅されているのか?


ならそれから救ってやれば俺への見方も変わるか?



・・・違ぇな。


ジジイと俺では立場の近さはあるけどよ、力の差は歴然だ。そもそも道明寺と立浪では財閥の規模が違う。


俺の女嫌いは有名だ。ゲイだと影口叩いている奴だっている、、

ジジイが誰でも良くてこの女を選んだんじゃねぇ事は確かだ。

確実に俺の目に留まるようにこいつを選んでいるはず。

だったら女を脅してどーする?

俺が気に入ったらどうなるかくれー、、分かるだろ。




今回ジジイがこの女を仕向けて来たのは、自分の孫娘を手放したくないからに間違いない。

俺に女がいて孫娘が俺に浮ついているのを辞めさせるためだろ。

自分の孫以外の女はどうなってもいいって魂胆だな。

ま、俺だって似たようなモンだけどよ。



脅されてないなら、どうやってこいつを意のままにしてる?


そもそもどうやってこいつを探し出したのか?



こいつの事は謝礼だと言った。


普通敵に仕向けるなら捨て駒を使うよな、、


だがジジイは事もあろうにこの俺に存在を認めて渡してきやがった。



まだ何か企んでいるのかーー?



司は首を振った。



危機管理を軽んじている訳じゃねぇ。



だが、、



「まずは俺を信じさせねぇとな。」




ー調べもしねぇ。ー


名前を調べるなと泣きながら訴えた女の顔が目に浮かんだ。


ジジイの魂胆を更に探ろうとすれば、それは女を追い詰める事になる。



「こいつに泣かれるのはキツいわ。」


この俺様がこんな風に思うなんてよ、、

泣く女なんざウザいだけで何とも思わなかったはずだぜ?


「今んとこ泣くのと怯えた顔だけか、、」


笑う事もあるよな、、


身体を起こした司は女の顔を覗き込んだ。


顔を近づけるも唇の直前でピタリと止める。


「寝ている時にしてもこいつにはカウントされねぇな。」


スッっと身体を起こし、女を抱き抱えた。


女が起きないようにそっと身体を持ち上げ寝室へと運ぶ。




ゆっくりとベッドに女を降ろした。

真ん中からやや端に寄せて。


女の服は俺が選んだIberisのワンピース。

色白の肌に合うように桜色を選んだ。


会食でジジイの孫に見せつけるためにワンピースは極々シンプルにした。服装での余計な小細工は邪魔だからな。それにこいつは色気で勝負するような女じゃねぇ。


着替えさせずにこのまま寝かせるか?

着替えた方が眠りやすいだろうが、、



「つうか、俺もいつもみてーに寝ちまったら信用される訳ねーな、、」


こいつが先に起きたらどういう顔をするのか、、


「また泣いちまうか、、フッ、仕事前に泣かれるのかよ?」


司はベッドから腰を持ち上げた。



一旦寝室を出て、数分後戻ってきた。

Tシャツとスェットのズボンを着て。



女の側、人一人分の距離を開けて横になる。

顔だけ女の方に向き、眠っている顔に話しかける。


「名前も考えねーとな。とりあえず仮の名前をよ、、」


ワンピースはIberis。

確か白い花だ。

こいつも色白だしな、、



司は目を閉じた。





***


チチチチチ、、


部屋の外から鳥のさえずりが聞こえつくしが目を覚ます。


「ん、、、」


見慣れぬ天井にしばしボーッとする。


「どこ、、?」


「起きたか?」

「え?」


ハッとしてつくしは起き上がった。


そして声の方を向くとシャツにスラックスを着た男が立っていた。

カフスを付けるところらしく、袖に手を当てて近づいて来た。


「俺は仕事に出る。お前はここでゆっくりしてろ。」

「あ、、え、ここで?」

「ああ、俺はお前を側に置くつもりだからな。とはいっても会社にまでは連れて行けねぇ。ここで留守番していろ。」

「あ、、はい。」

「早く帰れるかは分からねえが、帰ったら話そうぜ。これからの事をよ。」

「・・・はい。」


ベッド上で、シーツに気付いたつくしは胸の上までシーツを捲り上げ昨夜の事を思い出し身を固くした。


司はその様子をじっと見ていた。


「お前の名前だけどよ、、」

「あっ、はい。」

「名前は調べねぇが無いと不便だ。好きに呼べとお前も言ったしよ、好きに決めたぜ。」

「な、何て?」

「シロにする。」

「し、シロ?」

「おう。お前、白いしな。安易だが、俺はそれなりに気に入ってる。」

「気に入って、、はい。それじゃあ、シロで、、それでいいです。」

「不満そうだな。風俗みたいな名前が良かったか?」

「そ、そんな事は無いです。」

「でも不満なんだろ?」

「そりゃ、少しは、、何だか犬や猫みたいだし。」

「ククッ、、そのつもりでつけたんだ。俺はお前を拾ってきたようなモンだからな。」


司が柔らかく笑った事で、

つくしは一瞬、

ほんの一瞬だけ、


司が司なりに自分に気を使っているのかもと思えてしまった。



「じゃ、行ってくるぜ。朝メシもここに運ばせる。着替えも用意してるからよ、顔洗って着替えろよ。」

「はい。」

「何か欲しいのがあったら使用人に行って持たせろ。あいつらは好きに使っていい。」

「好きに、、無理に決まってるじゃん。」


司はつくしがボソッと愚痴った事を聞き流した。

つくしの小さな悪態に頬を緩める。


「邸から出るなよ。出たら立浪のジジイに詰め寄るぜ。」

「で、、出て行きません。」

「言ったな。」


ニヤリと笑う司に、つくしはむうっと頬を膨らます。



司は上機嫌になった。



自室を出て、エントランスへと向かう。



「あいつはシロだな。俺を嵌めるつもりはあいつ自身には全くねぇ。」


カツカツと進める足も俺様に戻っていた。


「ま、クロでもグレーでもシロにしてやるけどな。」


ニヤリと口角を上げ、エントランスに足を踏み込む。


そこには迎えの秘書と使用人頭の老婆が立っていた。


「タマ、あの女を頼む。」

「はい。かしこまりました。坊ちゃんの客人として手厚くもてなします。それで坊ちゃん、彼女の名前は何と言うんですか?」

「ああ、シロだ。シロと呼べ。」

「シロ?本名なんですか?」

「んな事有るわけないだろ。仮の名前だ。」

「・・承知しました。」


老婆は何か納得し頷くが、秘書はそうではなかった。


「司様。」

「行くぜ西田。続きは車の中で聞く。」

「かしこまりました。」



バタン


ブロロロロ、、、




司を取り巻く2人ははじめて司に近づいた女にまだ警戒していた。


この時はまだ。





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なんとか今日中に投稿出来た。
ここんとこは端折れないよね?

ポチありがとうございます。
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