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2017
12.26

アフタークリスマス

Category: スッピン
クリスマスの短編です。
26日になってしまい、書けなかったなぁと思ってたところ浮かびました。
ほっこりしてもらえたら嬉しいです。






12月26日の朝


つくしはまだ新婚だと言う夫をなだめて仕事に見送り部屋に戻ろうとした時、そのツリーに目が行った。



「あれ? このオーナメント昨日まであったっけ?」


メイドにもその声が届いたようでつくしの指差すオーナメントにみなが注目する。


「本当ですね私も見覚えありません。飾り付けをしましたが、その時は無かったと思います。」

「それを言うならあれもではありませんか?」


そう指差すものもつくしが見つけたもの同様のオーナメントだった。


そう、それらは明らかに他のもの異なっていた。


道明寺邸では毎年ツリーのオーナメントを新しくする訳ではないが、道明寺邸で用いているブランドのものではなかった。


というよりそのオーナメントは宝石で飾り付けられたりと、むしろ他のものより豪華で目立っていたからつくしでも気づいたのである。


「誰が(付けた)って聞くほどでもないわね。」


つくしがそう呟いて、メイドも苦笑いした。


「とはいえツリーはもう片付けなきゃね。…京はまだ寝ているのかしら?」

「はい。先ほどぐずっていたので庭にお連れしましてまた寝てしまいました。」


京がぐずったのはいちゃつき足りない司がなかなかつくしを離してくれなかったためである。


「そう。なら気分転換にあたしも手伝うわ。身体を動かしたいし作業させてちょうだい。」


頬がゆるむメイド達。

道明寺邸に長く勤めるメイドは多く、つくしのこういうところを知っているため、邸の女主人となった今でもつくしはみんなに好かれていた。



30分ほどの作業でオーナメントはツリーから外れ、そのオーナメントはつくしの手に収まっていた。



「んー、司にしちゃ珍しく小さめなの作らせたわね。」


小さめといっても横に並んでたオーナメントと大きさ差ほど変わらない。


「ま、でも宝石をふんだんに使うところはらしいっちゃ、らしいわね。」


ダイヤやサファイア、ルビーなどでデコレーションしたオーナメントはそれだけで輝きを放っていた。


そんなオーナメントを見ていたつくしはあるものに気づく。


それは小さなオーナメントを繋げるリングだった。


「リングにも石を使ってる。全く、やる事が細かすぎるのよ。」


ぶちぶちとこぼすとそのリングが外れる事に気づいた。つくしはオーナメントを取り替えられるためかと思った。


「ふぅーん、この位だったら丁度良いわねぇ。どうせならピンキーにしちゃおうかな。サイズもそのくらい… あら、ぴったりじゃない。」


小さなピンクの宝石がひとつ付いただけのリング。指輪用じゃないところがつくしの遊び心をくすぐった。


「ふふふ司が用意したものだし、文句は言えないわよね。クリスマスプレゼントもっと良い物ねだれとうるさかったから、これで黙らせちゃお。」


得意気になったつくしはオーナメントをメイド達に渡し、寝ている息子のもとへ向かうべくその場を後にした。




※※※



夜になり帰ってきた司はご機嫌だった。


「何か良い事でもあったの?」


仕事が上手くいったからと機嫌が良くなる司ではないから、つくしは何があったのか気になった。


「ん? 知りたいか?」

「うん。もったいぶらないでよ。」


バグしながら司を見上げるつくし。ただいまのキスは唇以外に降り注がれていた。


「くくく。お前が思った通りのもんを選んだからな。」

「思った通りのもん?」


不思議がるつくしに対し、司はその手に視線をやって応えた。


「これ? これってあんたが狙ってたって事? あたしが付けると思ってたの?」

「ああ。お前去年言った事忘れたのか?」

「去年?」




。.:*:・'°☆.+:。 。:+.。.:*:・'°☆.+:。 。:+.



『オーナメントもさ、フォーチュンクッキーみたいだったら楽しそうよね。』


去年のクリスマス、夫婦になってはじめてのクリスマスでNYの道明寺邸に飾られているツリーを二人で見ていたら、つくしが突然言い出した。


つくしにはツリーに飾られた沢山のオーナメントが、もっと楽しいものだったらと考えたからだった。



『フォーチュンクッキー?』

『知らない? 中にメッセージが入ったクッキーよ。何が書いてあるか楽しみじゃない?』

『何が書いてあるんだよ?』

『それは色々かな。パーティーで使うなら指令とか。書いてある事をやるゲームをする時の。』

『どんな指令だよ。』

『んー、例えば変顔するとか? 笑いになって楽しいじゃない?』

『変顔? 他には何があるんだ?』

『モノマネとか?』


なんだよそりゃと笑う司。夫婦になって一年目。これからは家族も増えていく。そんな家族が増えた時のクリスマスをつくしは思い描いていた。


『じゃあ、キスとかもありか?』

『へぇ? .…うーん、ま、夫婦二人だけならまだいい…かな。』

『ガキがいても良いじゃねーか。夫婦なんだしよ。』

『そうだけど、恥ずかしいじゃん。』

『恥ずかしがる事かよ。んじゃ、来年は決まりだな。俺がメッセージ付きのオーナメント用意してやる。』

『何よ、それ。そんなのあたしやんないもーん。』





。.:*:・'°☆.+:。 。:+.。.:*:・'°☆.+:。 。:+.



「…そんな事も言ったわね。て、じゃあこれ指令が書いてあるの? 何も書いてないじゃない。」


リングをはめる時には確かに裏も見たはずだが、何も刻印されてなかった。


というより、刻印するスペースもない細いリングだ。つくしは極小の文字が彫られてあるのかとリングを外そうとした。



「指令はそこじゃねーよ。そいつに付いていたオーナメントの方だ。」

「オーナメント? これのオーナメントは三つの小さなテディベアだったわよ。」



ニヤリとする司。

つくしはしてやられたと感じた。


内線をかけ司はメイドにそれらを持ってこさせる。



「ほれ、ここを見てみろ。ちゃんと書いてあるだろ?」


オーナメントを良く見るとテディベアの足の裏に文字が記されてあった。


「あっ、足の裏なんて見ないわよ。…何よこれ。あんたの咥えろってゆーの? 聖夜に何させんのよ!」

「聖夜は昨日だ。ちゃんとずれる事まで計算済みだ。」


得意気な司につくしは開いた口が閉じられない。中学生が考えそうな企みを金をかけてやる事に、脱力しかけてしまう。



だが司は中学生じゃないし、今は一児の父親だ。



「あたしの性格まで見抜いて計算した事はお見それしたわ。だからといってこんな事やる訳ないでしょ。頭を屈めなさい。拳骨してやるから!」

「はあ拳骨だぁ? なんで殴るんだよ。」

「なんでですってー?! そんな事も分からないの?」



夫婦の部屋の外にも聞こえる二人の喚き声だが、メイド達は顔を見合わすだけだった。



ぎゃあぎゃあ喚いて数分。

声が枯れてきたところでつくしが折れた。


「ち、ちなみに他には何の指令を書いたのよ…」

「あ? 他のだあ? 何だったか、適当に書いて覚えてねぇよ。」


そういって他のオーナメントを司は手にし、つくしもそれを除きこむ。




「何よ。そんなのばっかじゃない… あんたの頭はそれしかないの?」

「お前についてはそれしかねーな。お前はいちゃつきが足らねーと思わねーのか?」

「いちゃついてるじゃない。昨日だってシタでしょう。」

「あれっぽっちで満足するかよ。たった3発だぜ?」

「3回もやりゃ十分よ。あんたの満足は終わりがないんだから、あたしが止めるしかないのよ。そればっかで疲れて動けませんなんて言えないでしょ?」

「俺は言える。」

「言うな! そこ、威張りくさって言う事じゃない。」






結婚2年目


まだまだ新婚気分というより、いつまでも恋人気分の抜けない司。



つくしの夫教育は(父親教育も含め)始まったばかり。



そんな事を思い知ったアフタークリスマスだった☆
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dot 2017.12.27 11:33 | 編集
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