甘さとスッぱさと ... birthday song sideつくし part6
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birthday song sideつくし part6
2018-02-17-Sat
valentine前、司の誕生日にもなってない時に戻ります。








チューリップを弾き遂げたつつじは次の曲にチャレンジした。

(つつじにとってピアノ演奏は上手く弾ける事ではなく、一曲通して弾けるかになっていた)


次の曲に選んだのはきらきら星。

チューリップに比べると曲は少し長くなるが、1小節ずつ覚えトチらずに弾けるまでトライし続けた。


すると1週間待たずしてつつじは弾けるようになり、早く次の曲に移りたいと動画撮影を早めて撮る事になる。

(例のつくしの声が入り込んだ動画とは別にちゃんと撮り直したが、入ってる方をタマは選び司に送信していた)



SkypeにてLAの椿とテレビ電話をし、次の曲を頼んでいた。



『その曲も良いけど、どうせなら別の曲にしてみない? 今の時期だからこそやってみて欲しい曲があるのよ。』

「やってみてほしいきょく?」

『ええ。実はねつつじちゃん、もうすぐあなたのパパのお誕生日なの。』

「え? つばきおばちゃんほんとう?」

『ええ、本当よ。』



つくしは忘れていた訳じゃないけどと、つつじに言い寄られた訳でもないのにひとり謝ってしまった。



「ねぇママ、パパたんじょうびだって。」

「うん。そうね。」

「おいわいしなくちゃ。」

「じゃ、次はハッピーバースデーの曲ね。」

「うん。はっぴ、ばーすでー、ぱぁぱ~、はっぴ、ばーすでー、とぅ~ゆ~」

「ぷ。…つつじ歌詞反対よ?」

「はにゃ?」



そしてまたつつじは練習に励み、ほんの数日でハッピーバースデーを弾き遂げてしまう。(きらきら星より短いからだろう)


動画も撮り終え、つつじは次の曲に向いている。早く次も攻略しようと、手の動きを覚えるのに必死だ。



つくしはその撮った動画を見て、違和感に気づく。そしてこれじゃあ司を祝ってあげられないとも。



「ね、つつじ。」

「なーに、ママ?」


顔も上げずに答えるつつじに、つくしはこれじゃあいけないと語気を強める。


「つつじ、今ママが話してるから手を止めなさい。」

「…はい。ごめんなさい。」


しゅんとするつつじ。つくしは怒りすぎたかと後悔もあったが、ぶれちゃ駄目だと続けた。


「ふー。つつじ、つつじはピアノとても上手になっているわ。」

(こくんと頷く)


「でもママは楽しいなって思えないの。」

「なんで?」

「なんでって、それはね。楽しく聞こえるピアノは歌いたくなるピアノだと思うの。」

(また頷く)


「でもつつじのピアノは歌いたいなって思えない。それは何でだと思う?」

「…わかんない。」


泣きそうになるつつじ。つくしはその涙をきちんと変えなければと思った。


「それは聞いてる人の顔を見てないからよ。人の顔を見てないから、そうなっちゃうの。もし見ていたら、つつじはどう思うかな?」

「…うたってほしいなっておもう。」

「そうだね。弾いてるんだもん。歌って欲しいよね。じゃさ、昨日撮したハッピーバースデーはパパ聞いててどう思うかな?」

「う…うっ、うっ、うヴーーー」

「つつじ、泣かせちゃってごめんね。でも大事な事よ。パパのお誕生日をお祝いするなら、もっと気持ちを込めてやらなきゃ。それって歌ってって気持ちだよね?」


泣き出すつつじを抱きしめ、背中をさすりながらつくしは優しく問いかけた。

つつじは優しい子だから、絶対に分かってくれるはず。そう信じて。


だが幼い娘は中々嗚咽を治められず、背中を震わせていた。


そんなところをタマに見られ、つくしと二人で慰められたつつじは、甘い誘惑へと持って行かれた。


「おいちぃ~」


アイスクリームを頬張ってやっと涙が止まる娘につくしは呆れるも、タマにジト目で見られて分かってますとばかりに口には出さなかった。(母子の行動は一緒)






ピアノを通して、つくしはつつじの教育について考えていた。


椿からピアノ天才少女に仕立てる計画を実行しつつじもそれを楽しんでいたけれど、道徳や倫理を教えるためにはちゃんとした指導が必要だと思えたのである。


そしてそれはつつじの進路についてもだった。


つつじは幼稚園や保育園に通っていない。

どちらも義務教育ではないけれど、就学前に通わせないのはつつじから環境を奪うだけの自分のエゴではないかと思い始めたのだった。もちろんそう思うのは司が記憶を取り戻したからという事が大きいのだが…




「ママ、うたって。」


つつじの声にはっとなり、葛藤を隠すようにつくしは大きな声で歌い、手拍子を打った。


歌う事でつくしは自分の不安をつつじに見せないように努力した。


だから、また頭から抜けてしまったのだった。


その日が近づいている事を…







コツコツとタマが来た事に顔を上げる。


だがふと視線に引き寄せられた。


そこを向こうとして向いた訳じゃない。




語らぬ瞳が司の感情を語っていた。


重なった視線が司の感情を自分へと流し込む。


思った事を口にしてしまう口はこの時何も発してくれなかった。



タマさんが司に文句を言う。それに言い返す司はあたしの知る司だった。


だけどそんな司とタマさんにもあたしは黙ったままで、つつじはそんなあたしをちゃんと見ていた。



「パパ、つつじのピアノみて! じょうずにひけるようになったんだよ。」



司の空気が変化する。

戸惑い、喜び、つつじからパパと呼ばれた事を噛み締めているのがあたしにも分かった。



つつじはハッピーバースデーを弾き始める。


それは前のただ手を動かした弾き方じゃなくて、おめでとうという気持ちを歌いたくなるような弾き方だ。全然上手じゃないけど技術じゃない。つつじはやっぱり分かってくれてたとつくしは感無量だった。


司も喜びつつじを抱きしめる。


そんな司の顔を見て、つくしはようやく頬を緩ませる事ができた。





それから部屋に戻り、つかの間の一時。


気づけば笑っていて、お腹も膨れていた…だけどつくしの気分は上がらなかった。




そして司はリムジンに乗って行ってしまった。



噛んだ歯を向け、つくしはつつじに怒られる。


つつじをなだめながら、いじっぱりな自分をひとり胸の奥で責めた。



「つつじ、ママおトイレに行ってくるね。」

「うん。あママ、さっきのけーきあといっこ食べていい?」

「…いいよ。」



やったーと走り出すつつじを見送り、近くのレストルームに入って行った。


タマさんとは視線を合わせないようにした。



便座に座り鼻歌を歌う。


ハッピーバースデートゥユー

ハッピーバースデーディア司

ハッピーバースデートゥユー



来年の誕生日はちゃんと祝おう。

つつじと一緒に、タマさんやみんな(F3やT3)も一緒になって。


まだ一緒になれなくても誕生日くらいはいいでしょと笑ってねだった。




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birthday songはここで終わりですが、つくしをこんな気持ちのまま終わらせたくないのでもう少し(どれくらいかは未定)続きます。

また、お友だちのkomaさんにブログ2周年のお祝いギフトを贈りました。(たぶん同じ時間にアップです)こちらも宜しければ読んでみてください。これからもkomaさんがブログを続けるように"呪い"をかけておきました。効果あると良いな🎵
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