甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て4
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素肌にシャツを着て4
2016-08-27-Sat
確かにレストルームには人がいなかった。

圭子はリップの色を変えることを勧め、つくしもそれに従った。

藤岡圭子という女性は、上流階級の人ではないのか。そんな疑問が頭をかすめ、親近感を持ってしまったからだ。

「そのドレスは、シックだけど、ガーリーっぽいデザインでもあって、童顔なあなたに似合ってるわ。だからリップも少し抑えたほうが、年齢を理解してもらえる。こういう場は年齢で人を判断するときもあるのよ。」

「若いとバカにされるのですか?」

「そうじゃない。ナンパしやすいかってこと。一夜だけの関係をね、望んでいる人もいれば、望まない人もいる。あなたは後者でしょ。」

「はい。私は、仕事ですから。」

「手当てのつかない時間外ね。」

つくしは驚きとともに確信した。
「会社勤めをしたことがあるんですか?」

「ええ、あるわよ。ほんの半年だけどね。
某有名企業の秘書をやってたわ。でも、お嬢様扱いされ、、、 んー、ま、いろいろあって辞めたの。」

察してねという笑顔を向け、圭子は令嬢だが、つくしの戦ってきたタイプではないと思った。

「女って、やーよねぇ。特に男が絡むと。(クス)必死な形相を想像して、笑って、ああなりたくないわって、アラサーの私は思っていたわ。」

ああ、人間観察。なるほどこの人はこうやって、この世界で生きてきたのだとつくしは理解した。

会場に戻ると、騒めいていた。

彼らが到着したのだ。

つくしは、不安を隠せなかった。

彼らとは、もう5年も会っていない。
道明寺と別れてから、彼らとも会うことを拒んだのだ。
彼らがつくしに気づけば、声をかけられてしまうだろう。その瞬間から、針のムシロのような視線を浴びせられ、顧客どころではなくなってしまう。

「まるで、砂糖に群がる蟻のようね。」

ハッとつくしが圭子の顔を見ると、

「表現が、イマイチだったわね。辛辣に例えたかったんだけどな。」

「つまり、圭子さんも嫌なんですね。」

「だって、あの側通ったら臭いわよ。混ざりあった香水なんて、悪臭でしかないわ。」

つくしは、圭子と一緒にいることが嬉しかった。なんだか、助けてもらえる気がしてきたからだ。

「どうしましょう。中に入らないと、圭子さんも挨拶できないし、私も顧客を紹介してもらえません。」

「入るしかないわね。」

嫌な表情を隠さず圭子は、つくしに答え、バックからハンカチを取り出した。

「鼻に当てて、進みましょう。オバさんだから出来る無言の警告ね。」

自分をオバさんと呼ぶ圭子に驚かされっぱなしだが、この場を楽しんでさえいる余裕を感じて、つくしは彼女の強さを羨ましく思えた。

年齢もあるのだろう。でも、人となりは、それだけでは形成されない。つくしは、彼女を好きになっていた。

会場で彼らの存在の不安感も、完全には拭えていなかったが、開き直ることにした。
それが、一番の方法であるような気がしたからだ。

そうよ、私は雑草。彼らとは違う。それを態度で示そうと。


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第一章テーラーつくし cm(0) tb(0)
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