甘さとスッぱさと ... 素肌にシャツを着て48
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素肌にシャツを着て48
2016-09-21-Wed
滋達と一緒に飲んだ翌週の月曜日、久しぶりの二日酔いが後を引いていたつくしは何時もより早く家を出た。満員電車のラッシュにもまれたくなかったからだ。

駅に着いた時、まだ人の数はまばらだった。電車が到着しても席が空いていて、つくしは躊躇なく腰掛けた。

席に座ったとたんに襲ってくる眠気。何度かは頭を振り耐えたが、ウトウトと眠ってしまった。

***


目の前には大きな背中があった。

白い服を着ている。

周りを見ると真ん中が通路になっていて、両側にベンチが並んでいた。通路側の肘掛には小さなブーケが飾られ、前後の席はリボンで結ばれている。

音は聞こえないがパイプオルガンが流れているように感じた。

天使の階段と言うんだったっけ?天窓から柔らかい光が差し込んでいる。

ふと、目の前の背中が振り返る。

そこには自分の知っている優しい笑顔があった。

流れる仕草で手を差し伸べてくる。

その手を取ろうかと迷っていると、彼が誰かの手を取った。

自分も手を出そうとしたが動けない。

目の前でキスをする2人。

彼は自分の知らない誰かを見て微笑んでいた。


ーカクッ

はっと気づき、つくしは目を覚ました。

そうだ今は電車の中だった。夢を見ていたことに気づき、姿勢を正す。

なんて夢なんだろう。あんな夢を見たのはきっと週末に話をしたせいだと思っていた。

頬をつたうものを感じる。

周りに気づかれないようにそっと拭った。

電車で居眠りなんて久しぶりなことしたからかな。そういえばこないだもした。確か名を借りていきなり司が来店してきたときだ。

関連することを打ち消すようにまた頭を振る。

そしてふいに上を見上げると、目に飛び込んできた。

「えっ?!」

***


バサッ

一冊の雑誌がデスクに放り投げられる。

「掲載の打診はあったのか?」

「いえ。」

答えた男は聞いてきた男が怒りを露わにしていても動じない。

「誰だ?誰がやらせてる?」

「恐らく池谷派の残党でしょう。池谷本人は病床にいますからね。」

「ふん。三流紙を使って最後の足掻きか?動いた奴を調べろ。始末する。」

「分かりました。副社長。」

「なんだ。」

「しばらく東京へは行かないほうが・・」

「・・考えておく。」

はいと答え、秘書は部屋を出て行った。

「ケッ。尻尾はつかんじゃいねーが、俺の帰国から予想をつけたか。今更そんな揺さぶり通じるかよ。」

***


「偶然にしては出来すぎてますわ。掲載された雑誌も気になる。」

桜子は記事の内容に頭を抱える。なぜこんな記事が今出るのか。

推測とはいえ、口にしたことが悔やまれた。きっとつくしは悪い方に考えるはずだ。

「テレビでは流れないでしょうね。コンビニにでも寄らない限り目にはしないでしょう。・・でも、こういう時に限って知ってしまうのよね。」

***


つくしは嘘だと思った。思いたかった。

まさか本当に?

司が自分とのために他人を利用するなんて考えたくなかった。

そこには、

『道明寺ホールディングス副社長道明寺司氏離婚か?!』

という見出しの中吊り広告が掛けられてあった。



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第三章動かないミシン cm(0) tb(0)
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